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エイジ・オブ・イノセンス The Age of Innocence (1993)

1920年に発表され翌年にピュリッツァー賞を受賞した、イーディス・ウォートン同名小説の映画化。
ニューヨークの社交界を舞台に、ゴシップ・ネタの対象となる伯爵夫人と結婚を控えた由緒ある家柄の弁護士との許されぬ愛を描く、監督、脚本マーティン・スコセッシ、主演ダニエル・デイ=ルイスミシェル・ファイファーウィノナ・ライダージェラルディン・チャップリン共演のラブ・ロマンス。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(ロマンス)

ダニエル・デイ=ルイス / Daniel Day-Lewis / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:マーティン・スコセッシ

製作:バーバラ・デ・フィーナ
原作:イーディス・ウォートン
脚本
ジェイ・コックス

マーティン・スコセッシ
撮影:ミヒャエル・バルハウス
編集:セルマ・スクーンメイカー
音楽:エルマー・バーンスタイン

出演
ニューランド・アーチャー:ダニエル・デイ=ルイス

エレン・オレンスカ:ミシェル・ファイファー
メイ・ウェランド:ウィノナ・ライダー
ウェランド夫人:ジェラルディン・チャップリン
ヘンリー・ヴァン・デル・ライデン:マイケル・ガフ
ルイザ・ヴァン・デル・ライデン:アレクシス・スミス
ラリー・レファッツ:リチャード・E・グラント
テッド・アーチャー:ロバート・ショーン・レナード
ミンゴット夫人:ミリアム・マーゴリーズ
リビエール:ジョナサン・プライス
レジーナ・ボーフォート:メアリー・ベス・ハート
ジュリアス・ボーフォート:スチュアート・ウィルソン
レタブレア:ノーマン・ロイド
シラトン・ジャクソン:アレック・マッコーワン
アーチャー夫人:シアン・フィリップス
ナレーション:ジョアン・ウッドワード

アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ

1993年製作 138分
公開
北米:1993年10月1日
日本:1994年1月22日
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $32,255,400


アカデミー賞 ■
第66回アカデミー賞

・受賞
衣装デザイン賞
・ノミネート
助演女優(ウィノナ・ライダー
脚色・美術・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1870年代、ニューヨーク
弁護士ニューランド・アーチャー(ダニエル・デイ=ルイス)は、オペラ会場で、婚約者のメイ・ウェランド(ウィノナ・ライダー)に付き添う彼女の従姉で、自身の幼馴染でもある、夫から逃れヨーロッパから帰国した、エレン・オレンスカ伯爵夫人(ミシェル・ファイファー)に再会する。

ニューランドは、社交界の女家長で、メイとエレンの祖母であるミンゴット夫人(ミリアム・マーゴリーズ)に、結婚を祝福される。

その後、エレンの噂話で社交界は持ちきりになり、彼女は反感を買ってしまう。

そして、ミンゴット夫人が催した晩餐会に、エレンを拒絶した招待客が、出席を拒否する事件が起きてしまう。

ニューランドは、母(シアン・フィリップス)と共に、上流社会の長老ヘンリー・ヴァン・デル・ ライデン(マイケル・ガフ)とその妻ルイザ(アレクシス・スミス)に、それが意図的な行為だと訴える。
...全てを見る(結末あり)

ヴァン・デル・ライデンは、近く開かれる晩餐会に、エレンを招待すること約束する。

そして晩餐会は成功し、ニューランドは、メイのことなどをエレンに尋ねられ、翌日、彼女の家に招待される。

ニューランドは、愚痴をこぼしながら涙するエレンに思わず寄り添ってしまい、その後、彼女に花を届ける手配をする。

やがて、エレンの離婚がミンゴット夫人を含めた一族の問題となり、それを思い止めるよう、ニューランドは、法律事務所のレタブレア(ノーマン・ロイド)から依頼される。

エレンを訪ねたニューランドは、訴訟を起こしスキャンダルにまみれても、何も特にならないことを伝えて説得し、彼女は納得する。

母(ジェラルディン・チャップリン)と、冬の間フロリダで保養をしているメイのことを話題にし、エレンはニューランドを牽制する。

ニューランドは、自分の育った世界にない魅力をエレンに感じ、彼女に惹かれてしまう。

そんな気持ちを押さえ、メイを訪ねたニューランドは、婚約期間の慣わしに拘る彼女に結婚を迫る。

メイは、ニューランドの言葉に異変を感じ、他の女性がいるのではと疑うが、彼はそれを否定する。

ニューランドはメイを納得させ、彼女がエレンのことに気づいていないことを知り安心する。

ミンゴット夫人に、結婚への力添えを頼んだニューランドは、そこで、エレンが夫と復縁することを知らされる。

気持ちを抑えきれないニューランドは、エレンの元に向かい、彼女への思いを伝え、復縁を取り止めて離婚して欲しいことを伝える。

愛するが故に、それが出来ないことをニューランドに伝えたエレンの元に、早期の結婚を決意したことを知らせるメイからの手紙が届く。

その後、ニューランドとメイは結婚式を済ませ、ヨーロッパを旅して、祖母ミンゴット夫人に帰国の挨拶をする。

ニューランドは、エレンを過去の思い出とし、彼女は新婚の二人を避けるようにワシントンD.C.に移り住む。

しかし、ニューランドは、仕事で出向いた先にエレンが居ることを知り彼女と再会する。

夫の元に戻るべきだと、エレンに伝えたニューランドだったが、彼女なしでは生きられないのも事実だった。

そんな時、ニューランドは、ヨーロッパ旅行中にパリで会ったリビエール(ジョナサン・プライス)に再会する。

リビエールは、エレンと夫を復縁させるための使者であったのだが、快楽主義者の伯爵と彼女が、相容れないと考えていた。

ミンゴット夫人に会い、エレンの復縁については伝えるものの、リビエールは、それを阻止するようニューランドに依頼する。

その頃、社交界でエレンと噂されている実業家ジュリアス・ボーフォート(スチュアート・ウィルソン)が破産寸前となり、妻のレジーナ(メアリー・ベス・ハート)が、援助を求めてミンゴット夫人を訪ねる。

その要求を拒んだ夫人は、興奮して卒倒してしまい、連絡を受けたニューランドとメイは、彼女の元に駆けつける。

幸い夫人は回復し、彼女は、お気に入りのエレンを屋敷に呼ぼうとしていることをニューランドとメイに伝える。

エレンを迎えに行ったニューランドは、彼女への熱い気持ちを伝え、それが受け入れられないと知り、馬車を降りてしまう。

そしてニューランドは、自由になるためにメイの死を望んでしまう。

ニューランドは、全てをメイに話そうとするが、エレンが夫の元に帰る決心をしたことを知る。

エレンの送別会として、晩餐会を開いたニューランドは、自分が、この世界でさらし者になっていた唯の囚われの身だと悟り、彼女との別れが決定的となったことを知る。

そしてニューランドは、メイもその真実を知っていることを確信する。

晩餐会を成功させたニューランドは、メイに休養をとり旅をしたいことを伝える。

しかし、メイはニューランドに妊娠したことを告げ、彼は全てを諦めて家族のために生きる決心をする。

やがて子供は生まれ、そして成長し、メイは病死する。

57歳になったニューランドは、建築家になった長男テッド(ロバート・ショーン・レナード)に誘われて、ヨーロッパに向かう。

パリ
テッドから、エレンの居場所を知らされたニューランドは動揺し、さらに、息子から自分達の愛を知っていることを聞かされる。

母メイが亡くなる前日、テッドは、それを知らされたということだった。

ニューランドは、妻メイが自分を哀れんでくれていたことを知り安堵する。

そして、テッドにエレンの家に案内されたニューランドは、想い出だけを胸に、彼女に会うことなくその場を立ち去る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
弁護士ニューランド・アーチャーは、ニューヨークの上流階級でも家長と言える家柄の子女メイとの結婚を控えていた。
そんなニューランドの前に、幼馴染でもあり、メイの従姉のエレン・オレンスカ伯爵夫人が現れる。
エレンは、夫から逃れヨーロッパから帰国したのだが、その離婚問題が、一族の悩みとなり、それが社交界で格好のゴシップ・ネタとなってしまう。
彼女と親戚となるニューランドは、エレンの離婚を阻止する役を任されるのだが、自分の生きる世界にはない魅力を彼女に感じてしまう。
そしてニューランドは、婚約期間にも拘らずメイから心が離れ、エレンへの気持ちが抑えきれなくなり、二人は恋に落ちる・・・。
__________

本作でも、自らの生まれ故郷ニューヨークを舞台にすることに拘った、マーティン・スコセッシにしては珍しい、社交界の内幕を描いたラブ・ロマンス作品。

実力派や名優が顔を揃えたキャストと、絢爛豪華な社交界の雰囲気を堪能できる作品でもある。

大いに話題を呼んだ作品ではあるが、興行的には突出した成績は残せなかった。

製作費 $30,000,000
北米興行収入 $32,255,400

しかし、そのセットや衣装の美しさに加え、当時を再現した数々の料理の、細かい描写などが実に興味深く、豪華さに華を添えている。

エルマー・バーンスタインの音楽とマッチする、美しい映像も印象に残る。

第66回アカデミー賞では衣装デザイン賞を受賞している。
・ノミネート
助演女優(ウィノナ・ライダー
脚色・美術・作曲賞

許されぬ愛に苦悩する、思慮深くもある青年弁護士を好演するダニエル・デイ=ルイス、抑圧された世界で逞しく生き抜く、上流のはみだし者的な女性を好演するミシェル・ファイファー、幼く未熟に見えながら、その世界で生きる術を心得える主人公の妻ウィノナ・ライダー、その母親のジェラルディン・チャップリン、上流社会の長老役マイケル・ガフ、その妻アレクシス・スミス、スキャンダルのネタ元リチャード・E・グラント、主人公の息子ロバート・ショーン・レナード、社交界の女家長ミリアム・マーゴリーズ、エレン(M・ファイファー)の離婚問題解決の使者ジョナサン・プライス、実業家スチュアート・ウィルソン、その妻メアリー・ベス・ハート、弁護士ノーマン・ロイド、社交界のご意見番アレック・マッコーワン、主人公の母親シアン・フィリップス、そして、ナレーションはジョアン・ウッドワードが担当している。


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