気象学者のジェームズ・グレーシャーと気球操縦士による夢を叶えるための飛行を描く、製作、原案、監督トム・ハーパー、主演フェリシティ・ジョーンズ、エディ・レッドメイン、フィービー・フォックス、ヒメーシュ・パテル、トム・コートネイ他共演のアドベンチャー。 |
・エディ・レッドメイン / Eddie Redmayne / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:トム・ハーパー
製作
トッド・リーバーマン
デヴィッド・ホバーマン
トム・ハーパー
製作総指揮
ジャック・ソーン
リチャード・ヒューイット
原作:リチャード・ホームズ”Falling Upwards: How We Took to the Air”
原案
トム・ハーパー
ジャック・ソーン
脚本:ジャック・ソーン
撮影:ジョージ・スティール
編集:マーク・エカーズリー
音楽:スティーヴン・プライス
出演
アメリア・レン:フェリシティ・ジョーンズ
ジェームズ・グレーシャー:エディ・レッドメイン
アントニア:フィービー・フォックス
ジョン・トリュー:ヒメーシュ・パテル
ピエール・レン:ヴァンサン・ペレーズ
エセル・グレーシャー:アン・リード
アーサー・グレーシャー:トム・コートネイ
ジョージ・ビドル・エアリー:ティム・マッキナリー
フランシス:レベッカ・フロント
イギリス/アメリカ 映画
配給
Entertainment One(イギリス)
アマゾン・スタジオ(北米)
2019年製作 100分
公開
イギリス:2019年11月4日
北米:2019年12月6日
日本:2020年1月17日
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $2,827,300
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1862年、ロンドン。
気球飛行の会場に向かう操縦士のアメリア・レン(フェリシティ・ジョーンズ)は、ある事件のことを思い出して動揺し馬車を降りる。
アメリアを気遣う姉のアントニア(フィービー・フォックス)は、無理をさせたくなかった。
気象学者のジェームズ・グレーシャー(エディ・レッドメイン)と飛行することになっているアメリアは、その約束を破りたくなかった。
離陸まで5分。 スポンサーのネッドが、1万人の見物人に返金する気はないことを確認したジェームズは、90分以内には雲の上に出られるので心配入らないと伝える。 馬車の屋根に乗って派手に登場したアメリアは、見物人を喜ばせながら、反対するジェームズの意見を聞き入れずに愛犬ポージーを気球のバスケットに乗せる。 フランス人が到達した、高度7010mの記録を破ると宣言したアメリアは、ジェームズを乗せて見物人の歓声に応える。 飛行前の測定を始めたジェームズだったが、アメリアは直ちに出発し、気球は上昇する。 余興を続けるアメリアは、ジェームズからポージーを受け取り放り投げてしまう。 見物人は驚くが、ポージーのパラシュートが開いたために、拍手しながら歓声をあげる。 アメリアは、気難しい表情のジェームズに、ロンドンの街並みを見るようにと伝える。 これまで嘲笑に耐えてきたジェームズは、記録も期待されている中、まじめに飛行をしたいとアメリアに伝える。 自分は人を楽しませて評価を得ると言うアメリアは、そのおかげで飛べたはずだとジェームズに伝える。 2年前。 王立協会で自分の考えが相手にされずに苦悩するジェームズは、時計職人の父アーサー(トム・コートネイ)から、人に笑われて傷つかないかと問われる。 9分が経過して高度は1650mに達し、ジェームズは、最初の測定記録を付けたハトを飛ばし、アメリアはオイルコートに着替える。 雲の中に入ったアメリアは、ジェームズが夫ピエール(ヴァンサン・ペレーズ)が好きだった詩を詠んだために、彼のことを考える。 天候が悪化して気球は激しく揺れ始め、倒れたジェームズは頭を打ち怪我してしまう。 ジェームズは、バスケットから落ちたアメリアを救い、気球は雲の上に出る。 雲しか見えず地上で心配していたジョンは、飛行に興味を持つ少年に望遠鏡を貸し、気球が見えたことを知らされる。 飛行は安定するが、ピエールのことを想いだしたアメリアは、めまいがして倒れてしまう。 ピエールが気球から落下した事故から2年が経つものの、家に閉じこもる日々が続いていたアメリアは、アントニアに誘われてパーティーに出席する。 その場でジェームズから声をかけられたアメリアは、気球で飛行するための協力を求められる。 ジェームズと共に飛行することを決めたアメリアは、気球の製作が始まった段階でアントニアに反対される。 アメリアは、再び飛行する考えを変えようとしなかった。 5230m。 この高度でチョウが舞っていることに驚いたアメリアとジェームズは、その光景を楽しむ。 昆虫が気流に乗って移動するという説を唱えたジョンが正しかったと話すジェームズは、ピエールが見たら喜ぶと言うアメリアの気持ちを察する。 その後、ピエールのことを考え飛行を諦めたアメリアは、それをジェームズに伝える。 実家に向かい母エセル(アン・リード)と話したジェームズは、女性との飛行に反対する彼女に、中止になったことを伝える。 痴ほう症気味の父アーサーの部屋に向かったジェームズは、二人で空のことを思い夢を語る。 ジェームズが飛行すると思っているアーサーは、帰ろうとする彼に双眼鏡を渡す。 7010mに到達し、誰よりも高い場所を飛んだことを喜ぶジェームズとアメリアは、感謝し合い握手する。 上昇が加速しているため速度を抑えるべきだと言うアメリアは、積載量を気にするジェームズが、必需品のオイルコートを持参していないことを知り驚く。 降下しようとするアメリアを制止したジェームズは、彼女を何とか説得する。 訪ねて来たジョンからジェームズの著書を渡されたアメリアは、彼の研究と今回の飛行で得られるデータの重要性を知らされる。 ピエールの墓参りをしたアメリアは、突然、降りだした雪に驚き、彼が語りかけているように思える。 高度8080m、気温マイナス15度であることを確認したジェームズは、データを付けてハトを飛ばす。 荷物を落とし更に上昇しようとするジェームズを制止したアメリアは、鼻血を出す彼が酸欠状態であることに気づく。 ピエールも無謀なことをしたために命を落としたと言うジェームズに反論したアメリアは、気球が壊れることを恐れた彼は飛行を中止しようとしたと話す。 気球の縫い目が裂けたために軽くしようとしたピエールは、アメリアを助けるために身を投げたのだった。 アメリアは、自分のせいで他人を死なせると、二度と自分を許せなくなるとジェームズに伝える。 ジェームズを納得させたアメリアは、気球のバルブを開こうとするものの、凍結して動かすことができない。 意識を失いそうなジェームズに、バルブを開けてくると伝えたアメリアは、気球の上に向かう。 胴体にロープを縛り何とか頂上に達したアメリアは、バルブを蹴り隙間を開けて挟まった靴を脱ぎ、気を失ってしまう。 10970m。 おばのフランシス(レベッカ・フロント)と共に知らせを待つアントニアは、何も連絡がないのは無事な証拠だと話す。 宙づりになったアメリアは、ジェームズの名を呼びながら、体を揺らしてバスケットに近づき飛び移る。 ジェームズに話しかけながら、死なせないと言うアメリアは、意識が戻った彼に降下していることを伝える。 観測を始めたジェームズは、高度を訊くアメリアに8720mだと答える。 アメリアの左手の傷に気づいたジェームズは、ブランデーをかけて消毒する。 アメリアの勇敢な行為に感心したジェームズは、降ってきた雪を瓶に採取する。 73分経過、7010m。 6分、5700m。 靴が落ちてきた説明はせずに、軽くすることを考えたアメリアとジェームズは、あらゆるものを捨て始める。 ジェームズは、観測データを記録したページだけを破り、計器なども捨てる。 バスケットを落とすことを考えたジェームズは、アメリアとリングに登る。 ロープを切ってバスケットを落とすものの尚も降下を続るため、自分は生き延びるべきではないと考えたアメリアは飛び降りようとする。 気球のロープを切ればシルクがパラシュート状態になると言うジェームズは、一緒に生還できないなら自分も死ぬとアメリアに伝える。 ジェームズがロープを切ると気球はパラシュートになり、リングにしがみつく彼とアメリアは、手を握り締めて林に突っ込む。 木の枝に衝突したジェームズは落下し、着地したアメリアは足にロープがからまり引きずられる。 無事だったアメリアはジェームズの名を呼び、それに答えた彼に近づき立ちあがらせる。 その後、11280mに到達した二人の偉業は称えられ、月と星に人類で最も近づいたというジェームズの記事を読んだアーサーは、息子を誇りに思う。 ジェームズの観測データにより、大気は複数の層に分かれていることが証明され、その発見が、初の科学的な天気予報につながった。 王立協会でスピーチして拍手を受けるジェームズを、ジョンは微笑みながら見つめる。 ジェームズは、アメリアと共に再び観測飛行のために飛び立つ。
友人の科学者ジョン・トリュー(ヒメーシュ・パテル)から、天候が不安だと言われたジェームズは、それを気にしない。
...全てを見る(結末あり)
気球が上昇する様子を建物の屋根でジョンと共に観察するジェームズは、飛ぶことができれば認められると言う彼に励まされる。
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ジェームズからピエールのことを訊かれたアメリアは、話す気になれなかった。
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気球飛行を計画中の気球家チャールズ・グリーンに助手としての同行を許可してもらおうとしたジェームズは、経験不足を指摘されてそれを拒まれる。
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滑り落ちたアメリアは意識が戻る。
その後も降下を続け、ジェームズと話していたアメリアは、雪の動きがおかしいことに気づく。
雪と同じ高さで移動し静止していることに気づいたアメリアは、ガスが漏れて気球がしぼむ恐れがありバルブを操作する。
*(簡略ストー リー)
1862年、ロンドン。
気球操縦士のアメリア・レンは、自分を助けるために飛行中に落下死した、夫ピエールを想う日々と悲しみを乗り越え、気象学者ジェームズ・グレーシャーとの飛行に挑む。
順調に上昇し悪天候などにも耐えたアメリアとジェームズは、飛行高度記録を更新する。
更に未知のデータを得ようとするジェームズは上昇することを考え、不安に思いながらもそれに同意したアメリアだったが・・・。
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2013年に発表された、リチャード・ホームズの著書”Falling Upwards: How We Took to the Air”を基に製作された作品。
19世紀のイギリスの気象学者ジェームズ・グレーシャーが、1862年から1866年にかけて行った、気球による気象観測飛行を基に描かれた作品。
その中で、高度記録を破った飛行をモデルとした物語ではあるが、ジェームズ・グレーシャーと共に気球に乗り重要な役割を果たした飛行家ヘンリー・トレーシー・コックスウェルが、女性操縦士に変更されている。
実際は当時50代だったジェームズ・グレーシャーを青年の学者に設定して女性操縦士を主人公にしたのは、ドラマを盛り上げるための演出だと思いながら観ると今一、盛り上がりに欠けるが、大空を映し出す映像は素晴らしく、そして美しい。
「博士と彼女のセオリー」(2014)で夫婦役を演じた二人、主人公の気球操縦士を演ずるフェリシティ・ジョーンズと気象学者ジェームズ・グレーシャー役のエディ・レッドメインの相性の良さが印象に残る作品で、ワンシチュエーション的な物語の中での熱演は見ものだ。
主人公を気遣う姉のフィービー・フォックス、ジェームズ・グレーシャーの友人である科学者のヒメーシュ・パテル、主人公の亡くなった夫ヴァンサン・ペレーズ、ジェームズ・グレーシャーの両親アン・リードとトム・コートネイ、天文学者ジョージ・ビドル・エアリーのティム・マッキナリー、主人公のおばレベッカ・フロントなどが共演している。