実在した男爵カール・フリードリヒ・ヒエロニムス・フォン・ミュンヒハウゼンのほら話を基に、彼と家来らの冒険と活躍を描く、監督、脚本テリー・ギリアム、主演ジョン・ネヴィル、サラ・ポーリー、エリック・アイドル、オリヴァー・リード、ユマ・サーマン、ジョナサン・プライス他共演のファンタジー・アドベンチャー大作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:テリー・ギリアム
製作総指揮:ジェイク・エバーツ
製作
トーマス・シューリー
レイ・クーパー
脚本
テリー・ギリアム
チャールズ・マッキーワン
撮影:ジュゼッペ・ロトゥンノ
編集:ピーター・ハリウッド
美術・装置
ダンテ・フェレッティ
フランチェスカ・ロ・スキアーヴォ
音楽:マイケル・ケイメン
出演
バロン/ミュンヒハウゼン男爵:ジョン・ネヴィル
サリー:サラ・ポーリー
デスモンド/バートホールド:エリック・アイドル
ヴァルカン:オリヴァー・リード
ヴィーナス/ローズ:ユマ・サーマン
ホレィシオ・ジャクソン:ジョナサン・プライス
ルパート/アドルファス:チャールズ・マッキーワン
ビル/アルブレヒト:ウィンストン・デニス
ジェレミー/グスタヴァス:ジャック・パーヴィス
月の王:ロビン・ウィリアムズ
月の女王アリアドネ/ヴァイオレット:ヴァレンティナ・コルテーゼ
ヘンリー・ソルト:ビル・パターソン
サルタン:ピーター・ジェフリー
デイジー:アリソン・ステッドマン
役人:レイ・クーパー
士官:スティング
大魚の胃の中でアコーディオンを弾く男:テリー・ギリアム
イギリス/アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1989年製作 126分
公開イギリス:1989年3月17日
北米:1989年3月10日
日本:1989年6月3日
製作費 $46,630,000
北米興行収入 $8,083,120
■ アカデミー賞 ■
第62回アカデミー賞
・ノミネート
美術・衣装デザイン・視覚効果・メイクアップ賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
18世紀 ”理性の時代” 水曜日。
ドイツ(プロイセン王国)のある海岸沿いの町が、トルコ軍(オスマン帝国)の驚異にさらされていた。
廃墟の中の劇場で、ヘンリー・ソルト(ビル・パターソン)の一座による”ミュンヒハウゼン男爵の冒険”が上演されていた。
そこに、自分が本物のバロン/ミュンヒハウゼン男爵だと言って老人(ジョン・ネヴィル)が乱入してくる。
バロンは、役者達のデスモンド(エリック・アイドル)を家来のバートホールド、ルパート(チャールズ・マッキーワン)をアドルファス、ビル(ウィンストン・デニス)をアルブレヒト、ジェレミー(ジャック・パーヴィス)をスタヴァスだと言って興奮する。
そこに、役人のホレィシオ・ジャクソン(ジョナサン・プライス)が現われるものの、自分が始めた戦争を自ら終わらせる言うバロンに、その場を仕切られてしまう。 そしてバロンは、今回の紛争の原因を、劇で説明し始める。 エジプト旅行の際バロンは、サルタン(ピーター・ジェフリー)から”トカイワイン”を振舞われるが、その味に満足できず、1時間でそのワインに勝るものをウィーンから持ってくるという、自分の首をかけた賭けをする。 サルタンはその賭けに受けて立ち、バロンは、オーストリア皇后に手紙を書き、それを家来で俊足のバートホールドに渡し、ワインを持って来るようにと命ずる。 時間は迫り、バロンは、他の家来、狙撃の名手アドルファス、怪力のアルブレヒト、小人のグスタヴァスらの協力により、何とか賭けに勝つことができる。 負けを認めたサルタンは、約束通り、アルブレヒトが一人で持てる限りの財宝をバロンに進呈する。 しかし、怪力の大男アルブレヒトは、全ての財宝を担いで持ち去り、憤慨したサルタンはバロンらに襲い掛かる。 サルタンの家来は、驚異的な肺活量のグスタヴァスに吹き飛ばされて大騒動になる。 それがきっかけで、今回のトルコとの争いが始まったのだった。 バロンがそこまで話したところで、トルコ軍の砲撃は始まり、混乱した劇場はジャクソンによって閉鎖され、ソルトは焦ってしまう。 負傷したバロンに、ソルトの娘サリー(サラ・ポーリー)が寄り添い、死にたいと言う彼の話の続きを聞きたいことを伝える。 立ち上がったバロンは反撃を始め、砲弾と共にトルコ軍陣地に向かい、敵の砲弾にしがみつきサリーの元に戻る。 ソルトは、その様子を語るサリーの話を信じないまま絶望し、一座の女達ローズ(ユマ・サーマン)らに、救いを求められたバロンは、町や人々を守りぬくことを誓う。 家来達を捜そうとしたバロンは、女達の肌着を集めて巨大な気球を作らせる。 それを知ったジャクソンは、一座の脱出を阻止しようとするが、気球に乗ったバロンは飛び立つ。 そしてバロンは、忍び込んでいたサリーを連れて旅を続け、バートホールドを捜しに月に向かう。 月の世界に到着した二人は、月の王(ロビン・ウィリアムズ)と女王アリアドネ(ヴァレンティナ・コルテーゼ)に迎えられ、記憶を失っていたバートホールドに再会する。 バロンは、女王の頭の協力で、その場を脱出しようとするが、二人の関係に嫉妬した王に追われる。 それを逃れたバロンは、20年前、彼にこの場に置き去りにされたバートホールドに非難されながらも脱出に成功する。 地球に落下した三人は、そこがエトナ山だと気づき、あらゆる武器を製造するヴァルカン(オリヴァー・リード)にもてなされる。 バロンらはそこで、女のように弱々しくなったアドルファスに再会し、ヴァルカンの美しき妻ヴィーナス(ユマ・サーマン)を紹介される。 ヴィーナスに魅了されてしまったバロンは、彼女とダンスとキスまでしてしまい、激怒したヴァルカンは、彼らを追放してしまう。 海面に浮上した4人は、島のような巨大魚に飲み込まれてしまい、バロンはその場で、老いてしまったアドルファスとグスタヴァスに再会する。 絶望しかけたバロンは、一座や町を救うことを諦めかけるが、そこに愛馬ブケパロスが現われる。 勇気を取り戻したバロンは、小船を用意して、かぎタバコをばら撒き、巨大魚から噴出される。 戦火の町に戻ったバロンは反撃計画を説明するが、老いた家来らを見て失望し投降しようとする。 ジャクソンとサルタンの和平交渉の席に現われたバロンは、捕らえられて斬首刑にされそうになる。 しかし、老体に鞭打つ家来達がそれぞれの能力を生かし、サリーも協力してバロンを救い、彼はブケパロスにまたがり敵に立ち向かう。 町に凱旋したバロンらは、人々から歓迎されるが、彼はジャクソンに狙撃されて息を引き取る。 人々や一座、そして家来らに見守られながら、バロンの葬儀は盛大に執り行われる・・・。 というような内容の回顧話を、劇場で語っていたバロンの前に、彼を憎むジャクソンが現われる。 ジャクソンは、バロンを逮捕しようとするが、彼はそれを無視して、人々を引き連れ町の門に向かう。 それを阻止しようとするジャクソンらを蹴散らし、門を開けさせたバロンは、人々にトルコ軍が撤退したことを確認させる。 それを見た人々は歓喜してバロンを称える。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
18世紀。
トルコ軍の攻撃にさらされていた、ドイツのある海岸線の町、廃墟の中の劇場でソルト一座による”ミュンヒハウゼン男爵の冒険”が上演されていた。
そこに、自分が本物のバロン/ミュンヒハウゼン男爵だと言って老人が乱入し、その場を仕切ってしまう。
今回のトルコとの争いは、自分に原因があると言い出したバロンは、その理由を語る。
サルタンとの賭けに勝ったバロンは、財宝を進呈されるが、彼がそれを全て持ち去ったために、争いが始まったのだった。
その時、再び始まった砲撃で劇場は閉鎖されてしまい、負傷したバロンは、ソルトの娘サリーに励まされて、町や人々を救うことを誓う。
そしてバロンは、一座の女達の肌着を利用して熱気球を作り、そこに忍び込んでいたサリーと共に、4人の家来達を捜しに、まず月へと向かうのだが・・・。
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魅力的なキャスティング、凝ったセットや特撮などで見せる、テリー・ギリアムの世界、感性を楽しめる、奇想天外な快心作に仕上がっている。
しかし、膨れ上がった製作費を回収するどころか、興行的には、じられないような大失敗作となってしまった。
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製作費 $46,630,000
北米興行収入 $8,083,120
シュールな映像美と個性溢れる登場人物、迫力ある場面展開、どれをとっても一級品の見所満載の作品なのだが・・・。
能天気な正義漢を、魅力たっぷりに演ずるバロン/ミュンヒハウゼン男爵のジョン・ネヴィル、その後、若くして映画監督、脚本家として活躍する、愛らしい劇団座長(ビル・パターソン)の娘サラ・ポーリー、主人公の4人の家来、俊足のエリック・アイドル、千里眼の狙撃手チャールズ・マッキーワン、怪力の大男ウィンストン・デニス、驚異の肺活量の小人ジャック・パーヴィス、ヴァルカンを豪快に演じているオリヴァー・リード、その妻の女神と座員を演ずる、まだ10代のユマ・サーマン、主人公を敵視する役人ジョナサン・プライス、その部下レイ・クーパー、月の王を怪演するロビン・ウィリアムズ、王妃ヴァレンティナ・コルテーゼ、サルタンのピーター・ジェフリー、座員アリソン・ステッドマン、士官スティング、そして、巨大魚の中で歌っている男でテリー・ギリアムも登場する。