SF作家フィリップ・K・ディックの小説”Adjustment Team”を基に製作された作品。 運命を”調整”される若い政治家がその運命に逆らい思いを寄せる女性の愛を手に入れるために戦う姿を描く、主演マット・デイモン、エミリー・ブラント、アンソニー・マッキー、テレンス・スタンプ他共演、製作、監督、脚本ジョージ・ノルフィによるSFサスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョージ・ノルフィ
製作総指揮
アイサ・ディック・ハケット
ジョナサン・ゴードン
製作
ジョージ・ノルフィ
ビル・カラッロ
マイケル・ハケット
クリス・ムーア
原作:フィリップ・K・ディック”Adjustment Team”
脚本:ジョージ・ノルフィ
撮影:ジョン・トール
編集:ジェイ・ラビノウィッツ
音楽:トーマス・ニューマン
出演
デヴィッド・ノリス:マット・デイモン
エリース・セラス:エミリー・ブラント
ハリー・ミッチェル:アンソニー・マッキー
リチャードソン:ジョン・スラッテリー
マクレディー:アンソニー・ルイヴィヴァー
チャーリー・トレイナー:マイケル・ケリー
トンプソン:テレンス・スタンプ
ドナルドソン:ドニー・ケシャワーツ
メイズ:ブライアン・ヘイリー
本人:ジョン・スチュワート
本人:ジェシー・ジャクソン
本人:マイケル・ブルームバーグ
アメリカ映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2011年製作 99分
公開
北米:2011年3月4日
日本:2011年5月27日
製作費 $50,200,000
北米興行収入 $62,453,320
世界 $ 127,869,380
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
上院議員候補デヴィッド・ノリス(マット・デイモン)は、優勢に選挙を戦っていたが、スキャンダルの発覚により敗色濃厚となる。
デヴィッドを監視していた男達、ハリー・ミッチェル(アンソニー・マッキー)やリチャードソン(ジョン・スラッテリー)らは、”運命調整局員”として行動を開始する。
デヴィッドは、選挙参謀でベンチャー・キャピタルの”RSR”の創業者チャーリー・トレイナー(マイケル・ケリー)に敗北宣言をすることを告げる。
会見を前にトイレに篭ったデヴィッドは、男性用にも拘らず、そこに隠れていたエリース・セラス(エミリー・ブラント)と意気投合し惹かれ合う。
そこにチャーリーが現れたため、エリースはその場を去ってしまう。
その後デヴィッドは、復活を誓った演説を行い、支持者からの声援を受ける。 デヴィッドは、チャーリーの”RSR”に役員として迎えられることになる。 ある朝、デヴィッドが7時5分にコーヒーをこぼすことになっていたのだが、その調整に失敗したハリーは、彼が乗ったバスを追う。 デヴィッドはそこで、偶然にもエリースに再会して会話を弾ませながら、彼女のスカートにコーヒーをこぼしてしまう。 ハリーはタクシーに激突しながらもバスを追い、デヴィッドはエリースの電話番号をわたされ会社に向かう。 しかし、会議室ではリチャードソンらが、チャーリーらに処置している最中で、デヴィッドは彼らに捕らえられてしまう。 拘束されたデヴィッドは、リチャードソンから”調整”について説明され、この件についての他言とエリースに会うことを禁じられ、彼女の電話番号が書かれた名刺を燃やされてしまう。 解放され部屋に戻されたデヴィッドは、チャーリー他、何もかも普通通りの光景に驚きながら会議室に向かう。 ハリーにフェリーで会ったデヴィッドは、捜すのが不可能なエリースを忘れ、自分の人生を歩むよう助言される。 3年後。 その頃、リチャードソンは、デヴィッドがエリースに会ったことを部下のマクレディー(アンソニー・ルイヴィヴァー)から報告される。 デヴィッドは、ダンサーだと言うエリースとの時を過ごすが、リチャードソンらの妨害工作で現れたチャーリーと共に、再出馬のための演説会場に向かう。 演説を終えたデヴィッドはリチャードソンらに気づき、稽古場で会う約束をしていたエリースを捜す。 しかし、リチャードソンらは既にエリースの稽古場を変更していたため、デヴィッドは、現れた彼らを無視し舞踏団の捜す。 リチャードソンとマクレディーは、予想外の事態に、”波紋”が広がることを恐れデヴィッドを追うが、彼は舞踏団の稽古場のスタジオでエリースを見てしまう。 それを知ったリチャードソンは、自分達がこれ以上手が出せなくなったことをデヴィッドに告げ、その場を引き上げる。 上層部のドナルドソン(ドニー・ケシャワーツ)の元に向かったリチャードソンは、デヴィッドとエリースが、古い運命のせいで結ばれることを知らされ、何とかそれを阻止する方法を考える。 稽古後に、デヴィッドとエリースは夜の街で楽しみ、そして二人は愛し合い一夜を共にする。 二人は、互いに運命的に惹かれ合ったことを確かめるが、デヴィッドのテレビ出演後に引き離されてしまう。 デヴィッドの前に現れた、調整局員トンプソン(テレンス・スタンプ)は、彼が世界に影響を及ぼすリーダーの頂点である、大統領になる運命であることを告げる。 エリースが、それに悪影響を及ぼすとトンプソンから聞かされたデヴィッドだったが、運命は自分で切り開くと言って舞踏団の公演に向かう。 劇場にも現れたトンプソンは、デヴィッドと結ばれない場合のエリースが、世界的な振付師になることを告げる。 自分と結ばれた場合、エリースが普通のダンス教師で終わることも知らされたデヴィッドは、舞台で転んでしまった彼女を病院に連れて行く。 尚もトンプソンは、捻挫だったエリースが、デヴィッドの存在で将来がなくなることを伝え姿を消す。 エリースと別れる決心をしたデヴィッドは、彼女に幸せだったことを伝えその場を去る。 それをリチャードソンから知らされたハリーは、自分達の仕事に疑問を感じたことがないかを尋ねる。 11ヵ月後。 エリースの新聞記事を見たハリーはデヴィッドに会い、二人が結ばれると不幸になるというのが嘘だと伝える。 デヴィッドは、忘れられないエリースとの日々を取り戻すために、ハリーに協力を求める。 ハリーに、運命のドアに案内されたデヴィッドは、婚姻届を出し結婚しようとするエリースの元に急ぐ。 エリースに会ったデヴィッドは、結婚を諦めるよう、自分の愛を伝え、短い間でも共に暮らしたいことを告げる。 それに気づいたトンプソンは、干渉チームを派遣する。 デヴィッドは、扉を通り様々な場所にエリースを連れて行き、運命を書き換えるために調整局の議長の元に向かう。 局のビルの屋上で、取り囲まれたデヴィッドとエリースは愛を確かめ合い、二人だけの世界になる。 そこにトンプソンが現れ、運命は変えられないことを二人に伝えるが、ハリーが議長からの変更の指示を知らせる。 それを伝えたハリーは、デヴィッドとエリースに、ようやく自由になれたことを告げる。 おそらく、人類が自ら運命を書く日が来ることを、議長は望んだのだろう・・・。
...全てを見る(結末あり)
エリースが忘れられないデヴィッドは、毎日、同じバスに乗り続け、ようやく街角で彼女を見つけて再会できる。
再び立候補したデヴィッドは有利な戦いを続けるが、そんな時、エリースの活躍がメディアで注目を集め、彼女が元恋人と結婚することを知る。
*(簡略ストー リー)
上院議員候補デヴィッド・ノリスは、スキャンダルが発覚し落選を覚悟する。
そんな時デヴィッドは、偶然出会ったエリースに惹かれ、お互いの気持ちを確かめ合う。
デヴィッドを監視していた”運命調整局”は、彼の将来に悪影響を及ぼすと判断してエリースを引き離そうとする。
しかし、局員ハリーのミスで、エリースのことを想うデヴィッドは、彼女と偶然、再会してしまう。
それを知った局員リチャードソンは、デヴィッドを拘束して”調整”について説明し、エリースと会うことを禁じられて、連絡先を燃やされてしまう。
解放されたデヴィッドは、3年の月日を経て、忘れられなかったエリースに、ようやく再会できる。
その後、リチャードソンが対処できない状況となり、凄腕の局員トンプソンがデヴィッドに接触し、彼が背負う、世界に影響を及ぼすという運命を伝えるのだが・・・。
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1954年にSF雑誌”Orbit Science Fiction”に掲載された、フィリップ・K・ディックの短編”Adjustment Team”を基に製作された作品。
人気作家フィリップ・K・ディックの原作に加えて、「ボーン・アルティメイタム」(2007)の脚本を担当したジョージ・ノルフィが初監督し、人気スターのマット・デイモンとエミリー・ブラントらの共演の話題も呼んだ作品。
舞台は現在ではあるがSFファンタジーであり、サスペンス、そしてロマンスの要素を取り入れた贅沢なストーリー。
北米興行収入は約6200万ドルに留まるものの、全世界では約1億2800万ドルのヒットとなった。
ニューヨークでは、特定の女性を見つけるのが難しいという設定ではあるが、女性も出会いに運命を感じたのなら、超有名人の主人公と再会するのは容易いことだと思う・・・
などと野暮なことは言わずに、魅力的な主演の二人の熱演を楽しむことをお勧めします。
それほど大掛かりではないが、凝っているトリック的な映像や、ニューヨーク・ロケが効果を上げている。
自分の運命を切り開こうと、戦い続ける青年政治家マット・デイモン、彼の運命に身を委ねることになる女性エミリー・ブラント、調整局員の仕事に疑問を感じるアンソニー・マッキー、上司のジョン・スラッテリー、その部下アンソニー・ルイヴィヴァー、実業家で主人公の選挙参謀のマイケル・ケリー、凄腕局員を貫禄で演ずるテレンス・スタンプ、局の上層部ドニー・ケシャワーツ、警官のブライアン・ヘイリー他、本人役でジョン・スチュワート、ジェシー・ジャクソン、マイケル・ブルームバーグなどがカメオ出演している。