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偶然の旅行者 The Accidental Tourist (1988)

1985年に発表された、アン・タイラーの小説”The Accidental Tourist”を基に製作された作品。
子供を亡くした旅行ガイド・ライターが風変わりな女性との出会いで新たな人生を歩むまでを描く、製作総指揮ジョン・マルコヴィッチ、製作、監督ローレンス・カスダン、主演ウィリアム・ハートキャスリーン・ターナージーナ・デイヴィスビル・プルマン他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ

ウィリアム・ハート / William Hurt / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ローレンス・カスダン
製作
チャールズ・オークン
マイケル・グリロ
ローレンス・カスダン
製作総指揮
フィリス・カーライル
ジョン・マルコヴィッチ

原作:アン・タイラーThe Accidental Tourist
脚本
ローレンス・カスダン
フランク・ガラチ

撮影:ジョン・ベイリー
編集:キャロル・リトルトン
音楽:ジョン・ウィリアムズ

出演
ウィリアム・ハート:メーコン・リアリー
キャスリーン・ターナー:サラ・リアリー
ジーナ・デイヴィス:ミュリエル・プリチェット
エイミー・ライト:ローズ・リアリー
ビル・プルマン:ジュリアン・ヘッジ
ロバート・ゴーマン:アレクザンダー
デヴィッド・オグデン・スタイアーズ:ポーター・リアリー
エド・ベグリーJr.:チャールズ・リアリー

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1988年製作 121分
公開
北米:1988年12月23日
日本:1989年10月
北米興行収入 $32,632,090


アカデミー賞 ■
第61回アカデミー賞
・受賞
助演女優賞(ジーナ・デイヴィス
・ノミネート
作品・脚色・作曲賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
旅行ガイド・ライターのメーコン・リアリー(ウィリアム・ハート) は、取材から帰ると、妻のサラ(キャスリーン・ターナー)から 離婚話を切り出される。

一年前、二人の一人息子が事件に巻き込まれて死亡して以来、殻に閉じこもってしまったサラは、感情を抑え耐えていると言うメーコンの、煮え切らない態度が我慢できなかったのだ。

その後、サラがいなくなり、メーコンは、一人暮らしに悪戦苦闘し、次の取材のイギリス行きに備え、愛犬エドワードを、通りがかりの動物病院の受付ミュリエル・プリチェット(ジーナ・デイヴィス)に預ける。

取材を終えて、エドワードを引き取りにいったメーコンは、ミュリエルから犬の調教ができることを知らされ、名刺を受け取り帰宅する。
...全てを見る(結末あり)

迎える人もなく寂しい日々が続き、相変わらず家事が不得意なメーコンは、地下室で転び足を骨折してしまう。

メーコンは、亡くなった祖父母の家で暮らす、兄ポーター(デヴィッド・オグデン・スタイアーズ)、妹ローズ(エイミー・ライト)弟チャールズ(エド・ベグリーJr.)の世話になる。

ある日、出版社のジュリアン・ヘッジ(ビル・プルマン)が訪ねて来て、メーコンに原稿の締め切りを迫る。

ジュリアンは、メーコンの妹ローズに一目惚れしてしまい、変わった言動の兄弟を興味深く観察する。

その後、愛犬エドワードが誰にでも噛み付くようになり、ついに、メーコンまで手を噛まれてしまう。

エドワードを捨ててしまえと言うポーターだったが、亡くなった息子イーサンが可愛がっていた愛犬を、メーコンは手放す気はなかった。

仕方なくメーコンは、エドワードの調教をミュリエルに頼むことにする。

風変わりなミュリエルに戸惑いながらも、メーコンは彼女のペースに巻き込まれていく。

離婚を経験したミュリエルは、アレクザンダー(ロバート・ゴーマン)という、7歳の病弱な息子と暮らしていた。

率直に話をするミュリエルは、アレクザンダーに男親が必要なことをメーコンに伝え、相手をしてほしいことを頼むが、彼はそれを素直に受け入れることができない。

感謝祭の食事会で、七面鳥の焼き方でローズが恥をかいてしまうのだが、招かれていたジュリアンが彼女を慰める。

メーコンは、ジュリアンより年上の妹が、本気で恋をしたことを心配する。

そんなメーコンは、ミュリエルから食事の招待を受け、息子を亡くした辛さから立ち直れないことを、彼女に伝える。

ミュリエルは何も言わずメーコンを抱きしめ、彼の心を癒し、 そして二人は結ばれる。

やがて、メーコンはミュリエルに心を開き、アレクザンダーとの生活を楽しむようになる。

しかし、子供の教育や生活の面倒を見ると言いながら、結婚に踏み切れない優柔不断なメーコンに、ミュリエルは次第に苛立ち始める。

ジュリアンとローズが結婚することになり、メーコンは式の席でサラと再会する。

サラは、しばらくの間、自宅に戻ると言い出し、メーコンとミュリエルのことを気にしながら、彼と寄りを戻そうとする。

メーコンの心は揺れ動き、カナダの取材からの帰り道、ミュリエルのアパートを通り過ぎ、サラが戻った自宅に向かう。

別居での冷却期間でサラの気持ちは落ち着き、メーコンは、 それを受け入れて二人は寄りを戻す。

メーコンは、兄達が心配になり、実家に帰っているローズについて、ジュリアンから相談を受ける。

ローズに仕事を与えれば、すぐに戻るとジュリアンに伝え、メーコンは彼を安心させる。

メーコンとサラの平穏な生活は続いたが、彼女が以前のように、欠点ばかりを指摘し始め、メーコンは次第に苛立ち始める。

その後、パリへの取材の機内で、メーコンはミュリエルと出くわす。

ミュリエルは、パリに着いてからメーコンの気を引こうとするが、彼はそれを拒絶してしまう。

仕方なくメーコンは、ミュリエルと食事程度は付き合うものの、夜中に持病の腰を痛めてしまう。

アメリカからサラが駆けつけ、彼女は第二のハネムーン気分でメーコンの介護をするが、ミュリエルがパリにいることも気づいていた。

サラは、メーコンが、ミュリエルに惹かれた理由を子供だと決め付け、そのことで二人は口論となってしまう。

その夜、メーコンは荷物をまとめ、眠っていたサラを起こして、優柔不断で殻に閉じこもっていた自分を救ってくれた、ミュリエルの元に戻ると言い残し立ち去る。

そして、タクシーを拾ったメーコンは、街角でミュリエルを見つけて笑みを浮かべる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
旅行ガイド・ライターのメーコン・リアリーは、妻のサラから離婚話を切り出される。
二人は、一人息子の死以来、ギクシャクした関係が続いていた。
サラがいなくなり、メーコンは一人暮らしに苦労しながら、取材のために愛犬を動物病院の受付ミュリエルに預ける。
取材を終えたメーコンは、地下室で転び足を骨折してしまう。
仕方なくメーコンは、亡くなった祖父母の家で暮らす兄弟、ポーターとチャールズ、そして妹ローズの世話になる。
その後、愛犬が誰にでも噛み付くようになり、兄に捨ててしまえと言われるものの、亡くなった息子が可愛がっていた愛犬を、メーコンは手放す気になれなかった。
メーコンは、ミュリエルが調教をすることを思い出し、それを彼女に頼むことにする。
風変わりなミュリエルに戸惑うメーコンだったが、彼女が離婚を経験し、7歳の病弱な息子と暮らしていることを知る。
ミュリエルは、男親の必要な息子の相手をしてほしいとメーコンに頼むのだが、彼は、それを素直に受け入れることができない・・・。
__________

1981年の「白いドレスの女」で監督デビューを果たしていたローレンス・カスダンが、同作で主演したウィリアム・ハートキャスリーン・ターナーと再びコンビを組んだ作品。

第61回アカデミー賞では作品賞など4部門にノミネートされ、ジーナ・デイヴィスが助演賞を受賞した。
・ノミネート
作品・脚色・作曲賞

コメディではないが、どことなくユーモラスな登場人物や家族構成などと、悲劇的な件で息子を亡くした夫婦の、しっとりとした暗いイメージの対比などが非常に興味深い。

そのどちらをも見事に表現した、ジョン・ウィリアムズの落ち着いた雰囲気の美しい音楽も素晴らしい。

優柔不断だと言われながら、自分の生きる道を必死に模索しようとする、当時、全盛期と言えるウィリアム・ハートの、抑えた感情表現も見事だ。

対照的に、この時期を境に次第に作品に恵まれなくなるキャスリーン・ターナーだが、苦悩する夫を理解できずに、自分の思うがままに物事を運んでしまう妻役を好演している。

マイ・ペースを崩そうとしない、風変わりで大胆な女性を熱演して、見事アカデミー賞を受賞したジーナ・デイヴィスの、幸せを掴んだことを実感する、ラストの笑顔は印象的だ。

兄達の面倒を見ていたため、婚期を逃してしまった主人公の妹エイミー・ライト、彼女に惹かれ結婚するビル・プルマン、ミュリエル(G・デイヴィス)の病弱の息子ロバート・ゴーマン、結婚もせずに祖父母の家で暮らす主人公の兄デヴィッド・オグデン・スタイアーズと弟エド・ベグリーJr.などが共演している。


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