足を洗おうとする麻薬ディーラーと敏腕刑事がある女性と関係しながら麻薬組織の大物を捕らえようとするロマンスを絡めた犯罪アクション。 監督、脚本ロバート・タウン、主演メル・ギブソン、ミシェル・ファイファー、カート・ラッセル、ラウル・ジュリア他共演。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロバート・タウン
製作総指揮:トム・ショウ
製作:トム・マウント
脚本:ロバート・タウン
撮影:コンラッド・L・ホール
編集:クレア・シンプソン
音楽:デイヴ・グルーシン
出演
メル・ギブソン:デイル・”マック”マキュージック
ミシェル・ファイファー:ジョー・アン・ヴァレナリ
カート・ラッセル:ニック・フレシア
ラウル・ジュリア:カルロス/エスカランテ
J・T・ウォルシュ:マグワイア
アーリス・ハワード:リンドロフ
アン・マグナソン:シャリーン
アリー・グロス:アンディ・レナード
ガブリエル・ダモン:コディ・マキュージック
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1988年製作 115分
公開
北米:1988年12月2日
日本:1990年2月
製作費 $23,000,000
北米興行収入 $41,292,550
■ アカデミー賞 ■
第61回アカデミー賞
・ノミネート
撮影賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
麻薬ディーラーのデイル”マック”マキュージック(メル・ギブソン)は足を洗おうとするが、警察を含めてそれを信じる者はいなかった。
マックの親友でもある、麻薬取締局の警部に昇進したニック・フレシア(カート・ラッセル)は、尚も疑われ捜査対象になっていることを本人に警告する。
ニックは、マックを執拗に追う政府の捜査官マグワイア(J・T・ウォルシュ)を邪魔者扱いする。
マックは、別れた妻のシャリーン(アン・マグナソン)から、息子のコディ(ガブリエル・ダモン)を出しに金をせびられ、従弟のリンドロフ(アーリス・ハワード)からも借金を迫られる。 マグワイアはニックと和解し、自分がマックを追う本当の理由をニックに話す。 南米の麻薬カルテルを支配するカルロスが動きを見せ、彼を捕らえるための囮としてマックを利用しようというのだ。 マックが行きつけの高級レストランのオーナー、ジョー・アン・ヴァレナリ(ミシェル・ファイファー)に目をつけたマグワイアは、彼女の店が麻薬の取引に関係していると睨む。 しかし、ニックは彼女を解放し、お礼にレストランへの食事の招待を受ける。 ニックはジョー・アンに近づき、レストランでパーティーを開く可能性がある、マックしか知らないカルロスの情報を得ようとするが、2人は親密な関係になってしまう。 カルロスが現れるという連絡を受けたマックは、ニックがジョー・アンに接触しているのを知り警戒する。 マックにパーティーを依頼されたジョー・アンは、それがカルロスのパーティーだと思うが、実はマックの息子コディの誕生パーティーだった。 ニックはマックに会い、ジョー・アンと付き合い始めていることを伝える。 コディのパーティーのチップが多額だったため、マックにそれを返金に行ったジョー・アンは、彼の自分への気持ちを知り戸惑ってしまう。 ニックは、メキシコ警察の麻薬捜査官エスカランテ(ラウル・ジュリア)をジョー・アンに紹介し、捜査は大詰めに近づく。 捜査のために、ニックが自分を利用しているということを吹き込まれたジョー・アンは、友達であるマックを、ニックが裏切ろうとしていると思い込み彼を見限る。 マックを裏切るつもりはないが、カルロスは捕まえなくてはならない、そんなジレンマを正直にジョー・アンに伝え、再び彼女を誘おうとするニックの気持を知り、ジョー・アンも考えを改める。 マックの家は警察に監視されていたが、そこにジョー・アンが現れ、彼の留守に食事の用意をする。 2人は激しく愛し合い、ニックは複雑な心境でそれを監視するが、マグワイアとマックの従弟リンドロフが通じていることに気づく。 麻薬捜査官エスカランテに扮していたカルロスは、マックの前に現れる。 一旦帰宅したジョー・アンは、護身用の銃をニックに渡されてマックの家に戻る。 カルロスは、顔を知っていたジョー・アンが、マックと親密だと知りスパイだと疑う。 居合わせたリンドロフが、マグワイアに情報を流していたことを突き止める。 リンドロフの死体が発見され、彼とエスカランテが接触していたことを知ったニックは、エスカランテがカルロスだということをマグワイアに伝える。 カルロスのヨットに向かったマックは、ジョー・アンを助けるために、警察に捕まるのを覚悟でカルロスに銃を向け、彼女とボートで逃亡する。 ボートに大金があるのを知ったジョー・アンは、自分を助けるために、犠牲になろうとするマックを見捨てられずに、彼を固く抱きしめる。 ニックは、マックの証言次第で、マグワイアもカルロスと共犯になると彼を脅し、何とかマックを救おうとする。 マックとジョー・アンの元に現れたニックは、カルロスの居場所を聞き出そうとする。 しかしマックは、それを言わずにカルロスとの取引場所に向かう。 マックは、ジョー・アンと結婚することをカルロスニ告げて友情を示し、大金を積んだボートとカルロスのボートを交換する。 ボートを爆発させて、カルロスと死ぬ気だったマックは彼に銃を向けらてれて揉み合いになり、彼のわき腹を撃ってしまう。 カルロスは息絶え、現れたマグワイアにマックは銃撃されてしまう。 そこにニックが駆けつけ、無抵抗なマックを殺そうとするマグワイアをニックが射殺し、燃料が漏れていたボートは爆発する。 姿を消したマックだったが、翌日浜に泳ぎ着き、警察の連絡で浜辺に来たジョー・アンを抱き寄せる。 そしてニックは、2人を微笑ましく見つめていた。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
麻薬ディーラーのデイル”マック”マキュージックは足を洗おうと考える。
マックの親友でもある、麻薬取締局の警部に昇進したニックは、彼が尚も疑われ、捜査対象になっていることを本人に警告する。
ニックは、マックを執拗に追う政府の捜査官マグワイアを毛嫌いしていた。
しかし、マグワイアがマックを追う本当の理由を知らされる。
南米の麻薬王カルロスが動きを見せたため、彼を捕らえるための囮として、マグワイアはマックを利用しようとしていたのだ。
マックが出入りする高級レストランのオーナー、ジョー・アンに目をつけたマグワイアは、彼女が麻薬の取引に関係していると考える。
しかし、ニックはジョー・アンを解放し、マックの知るカルロスの情報を得ようとするのだが、二人は親密な関係になってしまう・・・。
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監督ロバート・タウンは、脚本家としての活躍が主流であり、本作でも脚本を兼ねているが、残念ながら、実力派揃いの豪華な出演者の魅力を生かせず、恋の行方や事件解決への展開などの話もチグハグで、名作「チャイナタウン」(1974)でアカデミー脚本賞を受賞した時の冴えは、作品の内容が違うとは言え、全く感じられない。
アカデミー賞候補になった、コンラッド・L・ホールの、美しい浜辺での夕陽の映像、デイヴ・グルーシンの粋な音楽は印象に残る。
前年の「リーサル・ウェポン」(1987)でついに大ブレイクして、ハリウッドのトップスターの道を歩み始めたメル・ギブソンは、まだ荒っぽさはあるが、若々しく生きのいい演技を見せてくれる。
同年、「危険な関係」(1988)でアカデミー助演賞候補にもなるミシェル・ファイファーは、若き女性実業家を好演はしているが、どっち付かずの(マックを選ぶ)優柔不断さが後味が悪い。
冒頭、刑事というより、彼が麻薬の売人に見えてしまうカート・ラッセルは、相変わらず、けれん味のないストレートな演技が爽やかだ。
麻薬組織の黒幕の割には憎めないラウル・ジュリア、優秀なのか無能なのか曖昧な捜査官J・T・ウォルシュ、組織から抜け切れず裏切りがばれて殺されるアーリス・ハワードなどが共演している。