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二人でお茶を Tea for Two (1950)

大恐慌で財産を失いかけた富豪令嬢がショーの出資者となり奮闘する姿を描く、監督デヴィッド・バトラー、主演ドリス・デイゴードン・マクレージーン・ネルソンイヴ・アーデンビリー・デウルフ他共演のミュージカル。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル

ドリス・デイ / Doris Day / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:デヴィッド・バトラー

製作:ウィリアム・ジェイコブス
原案
フランク・マンデル
オットー・ハーバック
ヴィンセント・ユーマンス
エミル・ナイトレイ
脚本:ハリー・クローク
撮影:ウィルフリッド・M・クライン
編集:イレーネ・モーラ
音楽:ヴィンセント・ユーマンス

出演
ナネット・カーター:ドリス・デイ
ジミー・スミス:ゴードン・マクレー
トミー・トレーナー:ジーン・ネルソン
ポーリーン・ヘイスティングス:イヴ・アーデン
ラリー・ブレア:ビリー・デウルフ
ウィリアム・アーリー:ビル・グッドウィン
メイベル・ワイリー:ヴァージニア・ギブソン
J.マックスウェル”マックス”ブルームハウス:S.Z.サカル
ベアトリス・ダーシー:パトリス・ワイモア
スティーヴンス:クローフォード・ケント
リン・スミス:エリノア・ドナヒュー

アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
2050年製作 98分
公開
北米:1950年9月2日
日本:1952年6月7日
製作費 $1,103,000
北米興行収入 $3,652,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ニューヨーク
富豪である実業家のJ.マックスウェル”マックス”ブルームハウス(S.Z.サカル)は、姪のナネット・カーター・スミス(ドリス・デイ)のアパートを訪ねる。

ナネットの娘リン(エリノア・ドナヒュー)と息子のリチャードが友人達を呼んで騒ぎ、1920年代のことを馬鹿にしている姿を見たマックスは、彼女らに当時の話を始める。

1929年。
大恐慌で株価が急落し、資産を株に投資していたマックスは窮地に立たされる。

マックスは、国債を買うようにという弁護士ウィリアム・アーリー(ビル・グッドウィン)の助言を聞かなかったことを後悔する。

何も知らないナネットは、作曲家でピアニストのジミー・スミス(ゴードン・マクレー)とダンサーのトミー・トレーナー(ジーン・ネルソン)から、大金持ちなのにレッスンをする理由を訊かれ、舞台に出演したいことを伝える。
...全てを見る(結末あり)

ジミーから暴落した株の話をされたナネットは、叔父マックスは国債しか買わないと言って心配していなかった。

そこに現れたプロデューサーのラリー・ブレア(ビリー・デウルフ)は、ガールフレンドのナネットの資金でショーを成功させようとしていたが、その件に興味がない彼女はその場を去る。

歌手のベアトリス・ダーシー(パトリス・ワイモア)を主役にするつもりのラリーは、そのことをジミーとトミーに追及され、ナネットに出資させるしかないと伝える。

ナネットとベアトリスを会わせなければ問題ないと言うラリーは、ショーのためにジミーとトミーに協力を求める。

ラリーとトミーは劇場に向かい、ジミーがナネットをその場に連れて行くことになる。

その後、スポンサーの前でベアトリスのショーを見せようとするラリーは、話しかけてきたダンサーのメイベル・ワイリー(ヴァージニア・ギブソン)を彼らに紹介する。

ベアトリスとトミーのリハーサルを見せたラリーは、スポンサーたちに、大富豪のナネットも出資することを伝える。

後日返事をすると言うスポンサーたちはその場を去り、ジミーと共に現れたナネットを迎えたラリーは、彼の歌を聴こうとする。

ナネットに寄り添うラリーの姿を見たベアトリスは、彼に不満を訴える。

出資させるためだとベアトリスに説明したラリーは、ジミーの歌を聴き、メイベルが踊る。

ステージ様子を見ていたナネットは。ラリーの態度が気に入らないため、2万5000ドルの出資を求められるものの、返事をしないまま帰ってしまう。

頭を抱えるラリーは、ジミーとトミーを連れてナネットの屋敷に向かう。

ニューヨーク州ウエストチェスター郡
ナネットのアシスタント、ポーリーン・ヘイスティングス(イヴ・アーデン)に歓迎されないラリーは、ジミーの新曲を聴かせるために来たことをナネットに伝える。

ジミーが歌う”二人でお茶を”聴きながら、ナネットは、彼の母が重病で妹は肺を患っていることをラリーから知らされる。

治療費も払えないと言うラリーの話を聞いたナネットは、ジミーに同情しながら共に歌う。

曲はベアトリスに歌わせると言うラリーの意見に反対したジミーは、自分の将来がかかっていると伝える。

その話を聞いたナネットは、出資をすることを決める。

ジミーから主役を演じられると言われたナネットはその気になり、ベアトリスのことを考えてラリーは焦る。

ベアトリスに歌わせるならジミーが降りると言いだし、ナネットも出資をやめる。

仕方なくベアトリスには別の役を与えると言うラリーは、ナネットを主役にすることにする。

ラリーを信用しないポーリーンは出資に反対するが、ナネットは、マックスに話して現金を渡すことをラリーに約束する。

その頃、アーリーから、半年で市場は戻るので倹約するようにと言われたマックスは、ナネットからの電話を受けて焦り、今は話せないが節約するようにと伝える。

アーリーに新開発したズボンのプレス機を見せたマックスは、それの実演をする。

ナネットに節約させるよう念を押しアーリーは、つまらないものを買うマックスに、たまには”ノー”と言って断るようにと忠告する。

1日だけでも”ノー”と言えば10万ドルは浮いたと話すアーリーは、その場を去る。

屋敷に戻り株価急落の新聞記事を読み気持ちが沈むマックスは、ラリーのことを話しながら”二人でお茶を”を歌うナネットから、2万5000ドルを出資したいと言われて驚く。

ナネットの馬鹿げた話に付き合う気のないマックスは、24時間”ノー”と言えてたら10万ドルは浮いていたと伝える。

それを賭けだと思ったナネットは、48時間”ノー”と言い続けたら2万5000ドルを受け取れる賭けをマックスに提案する。

ポーリーンを監視役にすると言うナネットは、賭けのことを彼女に話し、負けたら1年間何も欲しがらないとマックスに約束する。

ナネットが1年間、無駄遣いをしないことを確認したマックスは、仕方なくその賭けに乗る。

その件をナネットから知らされたラリーは喜び、ベアトリスとバーで楽しむ。

翌日、ポーリーンと共に劇場に向かったナネットは、ジミーとトミーに迎えられ、ラリーからスポンサーを紹介される。

ナネットがすべての質問に”ノー”と答えるために、信用できなくなったスポンサーはその場を去る。

月曜まで待ってほしいとラリーに伝えたナネットは、劇場を追い出されると言われ、団員を屋敷に連れてくることを提案する。

賭けの件を話しながら、アーリーと共に屋敷に戻ったマックスは、40人の劇団員がいることを知り驚く。

ジミーと歌のレッスンをするナネットは、彼と惹かれ合うようになる。

マックスとアーリーは、ポーリーンも立ち会う場でナネットと賭けの契約をする。

アーリーから、寝ている間もナネットを監視するようにと言われたポーリーンは、”イエス”と言ったことを報告したら250ドルを払うと約束してもらう。

ラリーは、この場に来る予定のベアトリスのことを気にするナネットに、適当な話をして安心させる。

ベアトリスにナネットを主役にすることを話していない件をラリーに追及したジミーは苛立ち、マックスがその話を聞いてしまう。

到着したベアトリスに信用人と間違われたマックスは、ナネットが主役であることを教えて、それを信じない彼女をラリーの元に向かわせる。

メイベルに言い寄るラリーは、ベアトリスに気づいて焦り、プールに飛び込む。

主役の件でラリーを責めるベアトリスは、金のためだと言われるものの、自分で片を付けると彼に伝える。

トミーらとレッスンをするナネットは、現れたベアトリスに非難される。

間には入ったマックスは、”イエス”と言えないナネットに不利な質問をして、彼女が出資しないことを確認して皆を出て行かせようとする。

思い通りになったマックスだったが、気落ちするナネットを見て後悔する。

その夜、ナネットの言動がおかしいために何か隠していると思ったジミーは、それを彼女に尋ねる。

賭けのことを話せないナネットは、垣根に隠れているマックスを気にしながら、ジミーの成功を確信する。

自分たちに気づかず近くを歩くラリーとベアトリスが、裏で手を組んでいることを知ったナネットは、それを気にせず、ジミーとの愛を確かめる。

眠ろうとしたマックスは、執事のスティーヴンス(クローフォード・ケント)にズボンのプレス機をセットさせる。

マックスは電源を入れるが、熱でズボンが焦げて切れてしまう。

ポーリーンは、ラリーが窓に小石を投げていることに気づき、それをナネットに伝えて彼を無視する。

ラリーがナネットの部屋に梯子をかけていることを知ったマックスは、ベアトリスにそのことを知らせる。

梯子を上り、ナネットに主役を任せると伝えるラリーの話を聞いたベアトリスは、梯子を倒して彼を落下させる。

翌朝、アーリーからの電話で起こされたマックスは、市場が開く前に手続きすれば、少し取り戻せることを知らされる。

ナネットの運転で出掛けたマックスは、スピードを上げさせたために、警官に車を止められてしまう。

”ノー”としか言わないナネットと、焦げたズボンを履くマックスを信用しない警官は、二人を署に連行する。

憤慨するマックスと共に屋敷に戻ったナネットは、ショーのためにウソをついていたと言うジミーに、すべて知っていたと伝える。

秘密を話したためラリーに非難されたジミーは、役者たちのためを思うナネットは、必ず出資すると言って彼を安心させる。

その話を聞いていたマックスは、ジミーのナネットに対すする気持ちを確認する。

ジミーをナネットの部屋に向かわせてたマックスは、彼女が”イエス”と言うのを期待する。

気分を害していたナネットに愛を伝えたジミーは、自分の気持ちに対して”イエス”と言ってくれないためにショックを受ける。

覗いているマックスとジミーが話をしたことに気づいたナネットは、”イエス”と言えないので彼の気持ちに応えることができない。

諦めたジミーは、分相応の世界に戻るとナネットに伝えてその場を去る。

約束の時間になり、賭けに勝ったナネットは、ラリーやトミーにそのことを話し、ジミーが屋敷を去ったことを知る。

ナネットが出資してくれることを確認したラリーは、主役を彼女に任せて、ベアトリスには別の役を与える。

マックスは、ナネットから2万5000ドルを要求されて焦る。

現れたアーリーから、ナネットが財産を失ったことを知らされたポーリーンは、それを皆の前で説明させる。

株価の下落は一時的だと思うというのがアーリーの考えだったのだが、ナネットは、マックスが国債を買っていなかったことを知る。

マックスはバカな男だったことを認め、騙されたと言うラリーはナネットを責める。

ナネットを擁護するトミーに、後は引き継げと言うラリーは、彼にショーの書類を渡す。

ラリーと団員たちは屋敷から引き揚げ、マックスはナネットに謝罪する。

二人一緒なら立ち直れると言うナネットは、マックスと抱き合う。

書類をチェックしたトミーは、ラリーが1万ドル使ったために、ショーを成功させるには、あと3万5000ドル必要だとナネットらに話す。

無理だと考えるナネットに、トミーは、ショーのタイトルを”ノー・ノー・ナネット”にすると伝える。

トミーには何か考えがあると思ったポーリーンは、それを確かめようとする。

トミーから、この不況の中でも儲けた男がいるはずだと言われたポーリーンは、それがアーリーだと気づき、トミーの考えを聞く。

アーリーをドライブに誘ったポーリーンは彼に迫り、出資させることに成功する。

ブロードウェイ
”ノー・ノー・ナネット”の初日を迎え、結婚したポーリーンとアーリーは、マックスと共に桟敷席で開演を待つ。

そして、ナネットが主役のショーは成功する。
__________

話を終えたマックスは、リンとリチャードに、両親はこうして結婚したと伝える。

アパートに戻ったナネットとジミーは子供たちに迎えられ、マックスと共に幸せを実感する。

ナネットとジミーを乗せてきたタクシー・ドライバーをしていたラリーは、嫌味を言ってその場を去る。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ニューヨーク
大富豪令嬢のナネット・カーターは、叔父マックスが大恐慌により株式投資に失敗したことを知らない。
そんなナネットは、作曲家でピアニストのジミーやダンサーのトミーと共に、ブロードウェイのショーに出演することを夢見ていた。
プロデューサーのラリーは、ショーを成功させるために、ジミーとトミーを巻き込んでナネットに2万5000ドル出資させようとする。
その頃、ナネットに真実を話したマックスは、48時間”ノー”と言い続ければ2万5000ドルを渡すという賭けに乗るのだが・・・。
__________

1925年のステージ・ミュージカル”No, No, Nanette”にヒントを得て製作された作品。

サイレント時代は俳優として活躍し、トーキー時代と共に監督に転身したデヴィッド・バトラーの作品で、各キャラクターの個性を活かした愉快なミュージカルとして大いに楽しめる。

デビュー間もないドリス・デイの魅力は特筆すべきであり、スクリーンに映える健康的な輝くような美しさ、魅力的な歌声を聴けるだけで十分に価値のある作品。

ドリス・デイと共に見事な歌声を披露してくれるゴードン・マクレー、その友人である、軽快なダンスが印象的なジーン・ネルソン、主人公のアシスタントを味のある演技で演ずるイヴ・アーデン、ショーのために主人公を利用しようとするものの、どこか憎めない演技で楽しませてくれるビリー・デウルフ、主人公の叔父を愉快に演ずるS.Z.サカル、その弁護士ビル・グッドウィン、コーラスガールのヴァージニア・ギブソン、主人公をライバル視してショーの主役を狙うパトリス・ワイモアエロール・フリン夫人)、主人公の屋敷の執事クローフォード・ケント、主人公の娘エリノア・ドナヒューなどが共演している。


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