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類猿人ターザン Tarzan the Ape Man (1932)

1912年に発表された、エドガー・ライス・バローズの小説”Tarzan of the Apes”を基に製作された作品。
アフリカのジャングルで暮らす白人”ターザン”に遭遇したイギリス人商人らの冒険を描く、製作総指揮アーヴィング・タルバーグ、監督W・S・ヴァン・ダイク、出演ジョニー・ワイズミュラーニール・ハミルトンモーリン・オサリヴァンC・オーブリー・スミス他共演のアドベンチャー・アクション。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


アクション/アドベンチャー


スタッフ キャスト
監督:W・S・ヴァン・ダイク

製作総指揮:アーヴィング・タルバーグ
原作:エドガー・ライス・バローズTarzan of the Apes
脚本:シリル・ヒューム
撮影
ハロルド・ロッソン
クライド・デ・ヴィンナ
編集
トム・ヘルド
ベン・ルイス
音楽:ジョージ・リチェラリー

出演
ターザン:ジョニー・ワイズミュラー
ハリー・ホルト:ニール・ハミルトン
ジェーン・パーカー:モーリン・オサリヴァン
ジェームズ・パーカー:C・オーブリー・スミス
カッテン夫人:ドリス・ロイド
ビーミッシュ:フォレスター・ハーヴェイ
チータ:ジグス
リアーノ:アイボリー・ウィリアムズ
猿:レイ・コリガン
鳥:ジョニー・エック

アメリカ 映画
配給 Loew’s Inc.
1932年製作 99分
公開
北米:1932年3月25日
日本:1932年9月9日
製作費 $652,675


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
アフリカ
輸出入商品の売買をするイギリス人のジェームズ・パーカー(C・オーブリー・スミス)とハリー・ホルト(ニール・ハミルトン)は、象牙を求めて象の墓場を探していた。

現地に到着したパーカーの娘ジェーン(モーリン・オサリヴァン)はカッテン夫人(ドリス・ロイド)に迎えられ、父に電報を送っていたにも拘わらず、迎えに来ていないことを疑問に思う。

その場にいたホルトはジェーンに挨拶し、彼女に惹かれる。

カッテン夫人に案内されてパーカーの家に向かったジェーンは、自分の写真を見つめていた父に声をかけて驚かせ、再会を喜び涙する。
...全てを見る(結末あり)

そこに電報を持ったビーミッシュ(フォレスター・ハーヴェイ)が現れ、ジェーンは彼との再会も喜ぶ。

自分に出したジェーンの電報をその場で確認したパーカーは、ホルトに娘を紹介する。

ジェーンの大量の荷物に驚いたパーカーは、ホルトのことを気にする彼女に、相棒だと伝える。

商売のために現れた部族に興味を持つジェーンは、パーカーから説明を受ける。

ムアチ山の話をするパーカーとホルトの会話が気になったジェーンは、死期を迎える象には死に場所があり、それが危険な呪いの山ムアチを越えたところにあることを知らされる。

象牙が目的だと気づいたジェーンは、それを探す旅に同行したいことをパーカーに伝えて、ホルトの口添えで許可したもらおうとする。

許そうとしないパーカーだったが、ジェーンの射撃の腕前を見て、ホルトと共に納得する。

その後、荷物運びの部族民を連れたパーカー一行は出発し、夜になりキャンプを張る。

ホルトと話をしたジェーンは口説かれ、考えておくと答える。

暫くすると太鼓の音が聴こえ、現れた男が倒れ込み、ムアチ山を見たらしいということが分かる。

追われている男を匿うことにしたパーカーとホルトは、現れたアバンガ族から、掟を破った者を捜していると言われる。

ホルトは部族民を追い払い、凶暴な種族だとジェーンに伝える。

男から話を聞こうとしてパーカーとホルトだったが、男は死んでいたために、ムアチを見たからだと考える。

翌日、ムアチと思われる岩山を登り始めたパーカーらは、薬などを運んでいた者が落下してしまい、注意しながら前進しようとする。

ジェーンも足を踏み外ずし宙づりになるものの、ホルトがつけてくれた命綱で救われる。

頂上に着いた一行は休憩し、奇妙な叫び声を聴く。

人間の声に思えたパーカーは前進を諦めようとするが、ジェーンに説得されて出発する。

川に着き、カバを追い払ったパーカーらは、二つの筏を作って渡る。

一行はカバの大軍に襲われてホルトらは川に落下し、ワニに襲われて犠牲者が出る。

岸に着いた一行は、迫るカバに銃を向けるものの、再び聴こえた叫び声でカバたちは川に戻る。

ホルトが道を探しに行き、その場でキャンプしようとしたパーカーは、雄叫びを上げながら、蔓を使って木と木を飛んで渡る白人(ジョニー・ワイズミュラー)を目撃する。

木の上の男に話しかけても返事がないパーカーは、現われた小人族に襲われたために銃で反撃する。

その間にジェーンが姿を消し、彼女は男に連れ去られる。

悲しむパーカーは、戻ったホルトにジェーンがさらわれたことを伝える。

木の上にジェーンを連れて行った男は、近づいてきた猿(レイ・コリガン)を追い払い、ヒョウを見つけて殺す。

住居に連れて行かれたジェーンは抵抗するが、男は何もせずに外で眠る。

翌朝、起こされたジェーンは猿がいたために驚き、男がそれを追い払う。

男に感謝したジェーンは、言葉は通じないものの、彼に自己紹介する。

自分のことを”ターザン”だと言う男が、何も理解しようとしないためにジェーンは苛立つ。

食べ物を探しに行ったターザンは、見つけた象の背に乗り、群れがいる場所に案内される。

罠に落ちた象を確認したターザンは、他の象に協力してもらい助ける。

獲物を仕留めたターザンは、ライオンが現われために木に登る。

木の上から声かけるジェーンに気づいたパーカーらは、彼女の傍にいた猿を射殺する。

戻ってきたターザンも撃とうとしたホルトだったが、木から下りたジェーンに制止される。

涙するジェーンはパーカーに抱き寄せられ、ターザンを仕留めようとするホルトは、ジェーンに説得されて諦める。

チンパンジーのチータ(ジグス)と共に猿が死んだことを確認したターザンは、パーカー一行を追う。

その後、キャンプをしたパーカーは、元気のないジェーンから、ターザンは悪人ではなく、仲が良かった猿が殺されたことで、彼を気の毒に思うと言われる。

パーカーから、ターザンは動物と同じだと言われたジェーンは、話を聞いて笑うホルトが、ターザンも撃ち殺せばよかったと考えているために、彼を非難する。

追ってきたと思われるターザンに殺された者がいることを知ったパーカーとホルトは、彼を撃ち殺そうとする。

それを制止したジェーンは、自分なら説得できると言って、ターザンと話しをしたいとパーカーに伝える。

ジェーンに呼ばれたターザンが雄叫びを上げたため、銃撃したホルトは、地面の血を確認する。

その間にジェーンは、猿に連れ去られる。

傷を負ったターザンは雌ライオンに襲われるものの、格闘の末に倒す。

雄ライオンにも襲われたターザンは、雄叫びを上げて象を呼ぶ。

傷つきながらも雄ライオンを倒したターザンは、力尽きて倒れるが、別のライオンが現われる寸前で、象に助けられて運ばれる。

象の鳴き声を聞いた猿たちは、ジェーンをターザンの元に連れて行く。

ジェーンに介抱されたターザンは意識を回復し、微笑みながら彼女の名前を呼ぶ。

傷が癒えていないにも拘らず、動き回り始めたターザンは、水に飛び込みジェーンと遊び始める。

子供のようなターザンに手を焼き、水から上がったジェーンは、水牛が迫ってきたためにターザンに助けを求める。

打ち解けた二人は、ぎこちない関係ながら惹かれ合う仲になり、ターザンは少しずつ言葉を話せるようになる。

木の上からパーカーらが現れたことを確認したジェーンは、悲しい気持ちを伝えながらターザンに別れを告げる。

ジェーンを抱いたターザンは、疲れて休息していたパーカーらの元に彼女を連れて行く。

その場から去るターザンを呼び止めるジェーンは、涙しながら一緒に来てほしいと伝える。

姿を消したターザンの気持ちを察するパーカーは、彼は友達だと言うジェーンを慰める。

そこに現れた小人族に捕えられたパーカーらは、船に乗せられる。

チータに気づいたジェーンは、ターザンに知らせるよう指示する。

獰猛なライオンなどを警戒し追われながら、チータはターザンを捜す。

戻って来たチータが興奮して何かを伝えようとしたため、ジェーンの危機だと考えたターザンは、彼女らを捜そうとする。

ターザンからの指示で象の元に向かったチータは、象の群れを引き連れてターザンを追う。

ジャングルを抜けて川に飛び込んだターザンは、ワニに追われたために、雄叫びを上げてカバを呼び寄せ、それに乗って逃げ切る。

小人族の村落に着いたパーカーらは拘束され、地下のおぞましい姿の獣の餌食にされそうになる。

何人かの男たちが地下に落とされ、獣に襲われる。

ジェーンが吊るされて獣に捕まり、ホルトが助けようとして地下に下りるが、殴り倒される。

パーカーが獣に襲い掛かるものの、叩きのめされる。

村落に着いたターザンは獣と格闘になり、押し倒されて意識を失う。

獣は、加勢するチータを痛めつけて放り投げる。

意識が戻ったターザンは、ナイフを使って獣に襲い掛かり、相手を倒して雄叫びを上げる。

警告の角笛を聴いた小人族はその場から逃れ、象の大群が村落を破壊する。

ホルトと共に無事だったジェーンは、ターザンの雄叫びで意識が戻る。

ターザンらは、現れた象に助けられる。

抵抗した小人族は、象に襲われる。

ホルトとジェーン、そしてパーカーを象に乗せたターザンは、その場から脱出する。

傷を負うものの無事だったチータは、ターザンらを追う。

ターザンは、怪我をした象に刺さった槍を抜き、パーカーは、その象が墓場に向かうかもしれないと考え前進する。

ついに象の墓場を発見したパーカーは象から落下し、ホルトが彼の死を確認する。

悲しむジェーンは、ターザンとホルトの前で泣き崩れる。

その場を離れたジェーンは、偉大な冒険家として死んだ父は満足だったと思うとホルトに伝える。

別れを告げるホルトに、象牙を運ぶためにまたこの場を訪れるはずであり、今度は自分たちが守ってあげると伝えたジェーンは、ターザンと共に去って行く彼を見守る。

ターザンと岩に登ったジェーンは、ホルトに手を振る。

ジェーンとターザンは、傷つきながら戻って来たチータを抱き寄せる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
アフリカ
イギリス人商人のパーカーとホルトは、象牙を求めて象の墓場を探していた。
現地に到着した娘のジェーンを歓迎したパーカーは、象の墓場に興味を持つ彼女を旅に同行させる。
途中、一行はジェングルで暮らす白人”ターザン”に遭遇し、ジェーンがさらわれてしまう。
木の上で暮らす野生の男ターザンを恐れるジェーンだったが、逞しい彼に次第に惹かれていく・・・。
__________

1910年代から映画化されていた”ターザン”の物語を、アーヴィング・タルバーグが製作総指揮を担当し、W・S・ヴァン・ダイクが監督した作品。

象牙を手に入れるために象の墓場を探すイギリス人商人が、アフリカのジャングルで暮らす白人”ターザン”に遭遇して起きる事件と冒険を描くアクション映画。

ファーストクレジットではないものの、主人公の”ターザン”を演ずるジョニー・ワイズミュラーの魅力により大成功した作品であり、本作を第1作として彼のターザン映画は12作製作された。

ジョニー・ワイズミュラー”ターザン”シリーズ
・「類猿人ターザン」(1932)
・「ターザンの復讐」(1934)
・「ターザンの逆襲」(1936)
・「ターザンの猛襲」(1939)
・「ターザンの黄金」(1941)
・「ターザン紐育へ行く」(1942)
・「ターザンの凱歌」(1943)
・「ターザン砂漠へ行く」(1943)
・「魔境のターザン」(1945)
・「ターザンと豹女」(1946)
・「ターザンの怒り」(1947)
・「絶海のターザン」(1948)

パリ・オリンピック”の水泳自由形で5つの金メダルと銅メダル(水球)を獲得した、アメリカの英雄でもあるジョニー・ワイズミュラーは、その見事な身体能力を遺憾なく発揮し、もちろん得意の水泳も存分に披露してくれる。

象の墓場を探す冒険の神秘性や、弱肉強食のジャングルの様子を描写する映像も素晴らしい。

スタントを使っているとは言え、特撮など使わない、本物のライオンなど動物との格闘シーンも迫力満点だ。

象牙を手に入れるために象の墓場を探すイギリス人商人ハリー・ホルトのニール・ハミルトン、彼のパートナーであるジェームズ・パーカーを演ずるベテラン名バイプレイヤーのC・オーブリー・スミス、その娘でターザンと親交を深めるジェーンのモーリン・オサリヴァンミア・ファローの母)、彼女を現地で迎える婦人ドリス・ロイド、パーカーの助手フォレスター・ハーヴェイ、ターザンと暮らすチンパンジー”チータ”のジグス、猿を演ずるレイ・コリガン、鳥のジョニー・エックなどが共演している。


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