1912年に発表された、エドガー・ライス・バローズの小説に登場する”ターザン”を主人公にした作品。 アフリカのジャングルで暮らす野生の白人”ターザン”に遭遇した女性とハンターの冒険を描く、監督D・ロス・レダーマン、主演グレン・モリス、エレノア・ホルム、ジョージ・ミーカー、ジョージ・バービアのアドベンチャー・アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:D・ロス・レダーマン
製作:ソル・レッサー
原作:エドガー・ライス・バローズ(キャラクター)
脚本
ロバート・リー・ジョンソン
ジェイ・ヴァン
撮影:ジョージ・ミーハン
編集
ジーン・ミルフォード
バート・ジョーダン
音楽:ヒューゴ・リーゼンフェルド
出演
ターザン:グレン・モリス
エレノア・リード:エレノア・ホルム
ネヴィン・ポッター:ジョージ・ミーカー
ペニー・リード:ヘッダ・ホッパー
ロジャー・リード:ジョージ・バービア
ベン・アリュー・ベイ:C. ヘンリー・ゴードン
オラフ・パンチ:ジョー・ソイヤー
ジガー:コーベット・モリス
コキ:ジョン・レスター・ジョンソン
ベン・アリューの召使い:フレデリック・クラーク
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1938年製作 70分
公開
北米:1938年1月7日
日本:未公開
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
アフリカ。
蒸気船で川を移動するアメリカ人旅行社のネヴィン・ポッター(ジョージ・ミーカー)は、召使いのジガー(コーベット・モリス)から銃を渡されてワニを撃つ。
婚約者エレノア・リード(エレノア・ホルム)にワニを撃ったことを話したネヴィンは、狩りへの意欲を語る。
ネヴィンらは、珍獣を捕らえて動物園に売ろうと考えていた。
エレノアは、バーにいる両親ロジャーとペニー(ジョージ・バービア/ヘッダ・ホッパー)の元に向かい話をして、ネヴィンと共に部屋に向かう。
エレノアとネヴィンは、乗船している、エメラルド鉱山の所有者で原住民の支配者であるベン・アリュー・ベイ(C. ヘンリー・ゴードン)という人物のことが気になる。
100人の妻がいて、ジャングルに宮殿も持つというベン・アリューに興味を持ったエレノアは、彼の部屋を覗く。
エレノアを一目見て轢かれたベン・アリューは、召使い(フレデリック・クラーク)に宝石を用意させる。 宝石をエレノアに渡すよう召使いに指示したベン・アリューは、それを受け取ってもらえなかった。 下船したベン・アリューは、エレノアに迷惑をかけた運搬人を殴る。 その行為を批判したエレノアはベン・アリューを殴り、彼を罵倒してその場を去る。 ベン・アリューは、エレノアのガイドが誰かを召使いに調べさせる。 ロジャーらは、サファリ会社の支配人ジョンソンから、ガイドのオラフ・パンチ(ジョー・ソイヤー)を紹介される。 ベン・アリューは、ロジャーに雇われたオラフに金を渡し、連絡を待つよう指示する。 花粉症でクシャミが止まらないペニーは、休息したいことをロジャーに伝えるものの、ジガーからクシャミの回数が減っていると言われて気を良くし、奥地に進むことにする。 ジャングルで暮らす白人のターザン(グレン・モリス)は、雄叫びを上げながらチンパンジーと共に川に向かう。 宮殿に向かうベン・アリューは、その声を聞く。 像を見つけたロジャーは興味深く眺め、発砲したネヴィンを批判する。 川で泳ぎジャングルに戻ったターザンは、ロジャーらのキャンプに気づく。 ターザンは、ヒョウに近づくエレノアとネヴィンに気づき、危険を知らせるために叫び声をあげる。 エレノアが沼に落ちてしまい、ネヴィンは引き上げるものを探しに行く。 それを見ていたターザンは、エレノアを助ける。 互いの名前を知ったターザンはエレノアをからかい、ネヴィルが戻って来たためにその場を去る。 ネヴィンらにロープで引き上げられたエレノアは、人が来て助けてくれたことを話すものの、信じてもらえない。 キャンプに戻る途中、ライオンの子供を2頭見つけて連れて帰ったエレノアは、ペニーとロジャーにそれを見せる。 エレノアは、男性に助けられたことを両親に伝えるものの、やはり信じてもらえなかった。 子供がいなくなったことに気づいた母ライオンは、キャンプに向かう。 母ライオンは子供たちを見つけるものの、何者かの声を聞きその場を離れる。 声の合図でテントを出たオラフは、ベン・アリューの使いと話し、橋に向かうことを伝えて、毒の吹き矢を渡される。 それに気づいた運搬人のコキ(ジョン・レスター・ジョンソン)が、オラフの行動を不審に思う。 翌朝、オラフは白いワニが対岸にいることをロジャーに話し、その場に向かうことになる。 母ライオン、そしてターザンは一行を追う。 その夜、一行はキャンプをすることになり、子供のライオンにミルクを与えていたエレノアは、現れた母ライオンに気づき叫び声をあげる。 襲いかかってきたターザンと格闘になった母ライオンは、その場から逃げる。 ターザンは、子供のライオンを連れてジャングルに向かう。 エレノアの叫び声を聞き、様子を見に来たロジャーは、母ライオンが現れたと言う彼女が、ターザンに助けられた話をしても信じられなかった。 テントに誰かがいることに気づいたエレノアは、その場にいたチンパンジーが、ターザンと一緒だったことを皆に伝える。 ロジャーは、チンパンジーを檻に入れておくようジガーに指示する。 ターザンは、子供のライオンを母ライオンの元に返してあげる。 キャンプに戻ったターザンは、チンパンジーを檻から出し、他の捕らえられた動物も逃がす。 翌朝、それを知ったエレノアはターザンが逃がしたと考え、人間の足跡を確認したロジャーは、彼女の話しを信じる。 ターザンを捕らえることになり、それに反対するエレノアは、見つからないでほしいと思う。 エレノアは、木の上のターザンに気づき近寄り、彼に連れ去られてしまう。 それを目撃したペニーは、叫び声をあげながら失神する。 その声を聞いた運搬人らは驚き、ターザンを追う。 木の上に連れて行かれたエレノアは、子供のライオンが親の元に戻ったことを知る。 怖くなったエレノアは、ターザンにライオンなどを追い払ってもらい、チンパンジーと共に果物を食べる。 ロジャーとネヴィンは、エレノアがターザンにさらわれたことを運搬人から知らされ、彼女を捜しに行く。 ターザンと共に川に向かったエレノアは、彼に誘われて泳ぐ。 夜になり、疲れたエレノアはターザンと共に眠る。 翌朝、ターザンとチンパンジーは姿を消し、ロジャーらの声でエレノアは目覚める。 ターザンと過ごしたことを話すエレノアは、ロジャーらが彼を捕らえようとしていることに気づき、遠くに行ってしまったと伝える。 食料を持って戻ったターザンだったが、エレノアの姿はなかった。 キャンプに戻ったエレノアは、ロジャーから移動することを提案され、ターザンと過ごしたいために、この場に残りたいと伝える。 結局は移動することになり、エレノアは一行と共に奥地に向かう。 宮殿に戻ったベン・アリューは、橋に到着する一行の元に向かい、エレノアを連れてくるよう部族に指示する。 何かを感じたネヴィンは発砲し、ターザンでなかったことに気づくが、弾丸が鹿の前脚に当たってしまう。 撃たれた鹿を見つけたターザンは、治療をしてあげる。 川に着いた一行はその場でキャンプし、翌日、つり橋を渡ることになる。 オラフは、橋を渡ることに反対したコキを、吹き矢で殺す。 エレノアと川で泳ぎ始めたネヴィンはワニに気づき、それを彼女に知らせる。 ワニから逃げて岸にたどり着いたエレノアは、部族民にさらわれる。 それをロジャーらに知らせたネヴィンは、吊り橋を渡ろうとする。 ターザンは、エレノアがさらわれるのを目撃して戻って来たチンパンジーと共に川に向かう。 吊り橋を渡り始めたオラフは、現れた部族民に自分だけが通ることを許され、ネヴィンらは戻る。 現れたターザンは、部族民の何人かを橋から突き落として追い払う。 川に飛び込んだターザンは岸に泳ぎ着き、部族民に追われる。 宮殿に連れて来られたエレノアは、ベン・アリューに歓迎される。 ターザンは宮殿に侵入してエレノアに合図を送り、ベン・アリューの隙を見て彼女を連れ去る。 オラフと部族民に追われたターザンは橋を渡り、エレノアをネヴィルらの元まで連れて行く。 ターザンは橋の綱を切って壊し、追ってきた部族民らは川に落下してワニの餌食になる。 その後、獲物を捕獲したロジャーらは引き返すことになり、エレノアはターザンに会いに行く。 ネヴィンは銃を持ってエレノアを追い、ターザンに向けて発砲する。 銃弾は肩をかすめ、憤慨したターザンはネヴィンに襲い掛かり投げ飛ばす。 ネヴィンらを乗せた船は出発し、ジャングルに残ったエレノアは、ターザンと共に川で泳ぐ。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
アフリカ。
珍獣を捕獲して動物園に売る目的で現地に着いたロジャーとその家族は、川を船で移動して奥地へと向かう。
ジャングルで暮らす野生人の白人ターザンは、ロジャーの娘エレノアに興味を持ち一行を追う。
一方、エメラルド鉱山の所有者で原住民の支配者であるベン・アリューも、エレノアに惹かれて彼女を捕らえることを考える。
沼でターザンに助けられたエレノアは、それを婚約者のネヴィンらに伝えるものの信じてもらえない。
その後ターザンは、ロジャーらが捕らえた動物を逃がし、エレノアと親しくなるのだが・・・。
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エドガー・ライス・バローズの小説に登場する”ターザン”を主人公にした冒険映画。
ジョニー・ワイズミュラーの”ターザン”シリーズとは関連がない作品ではあるが、彼と同様、”ベルリン・オリンピック”十種競技の金メダリストであるグレン・モリスと、”ロサンゼルス・オリンピック”競泳・背泳ぎの金メダリスト、エレノア・ホルムが共演したことで話題になった作品。
前記の”ターザン”シリーズと比べて、作品自体の評価は低かったものの、それなりの見せ場はあり、クライマックスの宮殿のシーンの豪華なセットなどの仕上がりもまずまずだ。
酷評されたターザンの雄叫びは、何種類もの音源をミックスしたものが使われた、ジョニー・ワイズミュラー作品の素晴らしい効果音とは比較にならないものの、物語が進むにつれて、かえって自然に思えてくるのは不思議だ。
主人公のターザンを演ずるグレン・モリスは、運動能力を活かして逞しい主人公を演じ、ヒロインを演ずるエレノア・ホルムも、見事な泳ぎを見せてくれる。
ヒロインの婚約者ジョージ・ミーカー、ヒロインの両親ヘッダ・ホッパーとジョージ・バービア、ヒロインを捕らえようとするジャングルの支配者C. ヘンリー・ゴードン、彼に協力するガイドのジョー・ソイヤー、ヒロイン一家の召使いコーベット・モリス、運搬人のジョン・レスター・ジョンソン、支配者の召使いフレデリック・クラークなどが共演している。