閉校が決まったミリタリー・アカデミー候補生の少年達が施設を占拠して抵抗する姿を描く、監督ハロルド・ベッカー、主演ジョージ・C・スコット、ティモシー・ハットン、ロニー・コックス、ショーン・ペン、トム・クルーズ他共演のドラマ。 |
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■ スタッフ キャスト ■
監督:ハロルド・ベッカー
製作
スタンリー・R・ジャッフェ
ハワード・B・ジャフィ
原作:デヴァリー・フリーマン”Father Sky”
脚本
ダリル・ポニックサン
ロバート・マーク・ケイメン
撮影:オーウェン・ロイズマン
編集:モーリー・ワイイトローブ
音楽:モーリス・ジャール
出演
ハーラン・ベイシュ准将:ジョージ・C・スコット
ブライアン・モアランド:ティモシー・ハットン
カービー大佐:ロニー・コックス
アレックス・ドワイヤー:ショーン・ペン
デイヴィッド・ショーン:トム・クルーズ
JC・ピアース:ジャンカルロ・エスポジート
エドワード・ウエスト:エヴァン・ハンドラー
ケヴィン・モアランド:ウェイン・ティピット
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1981年製作 126分
公開
北米:1981年12月20日
日本:1982年5月
北米興行収入 $35,856,050
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
歴史と伝統を誇る”バンカーヒル・ミリタリー・アカデミー”の校長ハーラン・ベイシュ准将(ジョージ・C・スコット)は、最高学年に進級する模範生、ブライアン・モアランド(ティモシー・ハットン)を、新たな指揮官として少佐に任命する。
部屋に帰ったモアランドは、同室のアレックス・ドワイヤー(ショーン・ペン)や同僚デイヴィッド・ショーン(トム・クルーズ)、そしてエドワード・ウエスト(エヴァン・ハンドラー)らに昇格を祝福される。
華やかな卒業式の式典が始まり、ベイシュ将軍は訓示で、理事会の決定により、150年近く続いたアカデミーが、1年の猶予後に閉校されることを述べる。 同時にベイシュは、このアカデミーを存続させるため、戦い抜くことを候補生達に誓う。 閉校の理由をベイシュに尋ねたモアランドは、自分達が時代錯誤と考えられる現実を知らされる。 モアランドは、ベイシュ同様、民間人の理事会の言いなりになることを拒絶することを誓う。 そんな時、パーティー会場の入り口で、民間人の少年達と候補生らが小競り合いになり、仲裁に入ろうとしたベイシュが銃を発砲してしまう。 弾丸は民間人の少年に当たり死亡し、ベイシュは逮捕されてしまう。 連行されたベイシュは心臓発作で倒れ、モアランドは彼の身を案じながら夏休みを迎える。 アカデミーの武器は当局の管理下に置かれ、夏季訓練も中止の可能性がでてくる。 その後、候補生は、1年の猶予を待たず、アカデミーが即刻閉校されることをニュースで知る。 意を決したモアランドは候補生を集め、食料と武器を確保し、アカデミー運営者側と警察に対して、ベイシュ将軍との面会、アカデミー売却調査の権限、幹部候補生と理事会とで、閉校回避について協議するという要求を突きつける。 ある日、街を走行中のドワイヤーのトラックが故障してしまい、そこに現れた、少年達と候補生がトラブルとなる。 危険を感じたショーンが威嚇射撃をして逃走し、駆けつけたパトカーに体当たりして、彼らはアカデミーに戻る。 モアランドは事件の状況を聞き、規律と団結で軍人としての姿勢を貫くことが、勝利につながることを幹部候補生に語る。 職員はアカデミーの外に退去させられ、候補生は敷地内を占拠する。 その後、警察がアカデミー入り口を包囲し、占拠が違法行為だと伝え、候補生側と一触即発状態になる。 その時、少年候補生が助けを求め外部に逃げ出し、攻撃は回避され、その後、事態はこう着状態が続く。 翌日、モアランドの父ケヴィン・モアランド曹長(ウェイン・ティピット)をはじめとする代表団が面会に現れる。 計画の甘さと、ベイシュを批判する父に殴られたモアランドは、その場を去り代表団を退去させる。 部隊に戻ったモアランドは、信念のない者がいないことを確認する。 その夜、重装備の軍隊が現れるが、候補生側との接触はとろうとせず、親達は息子にマイクで必死に呼びかける。 翌朝、11人が脱走したことが分かり、その後、軍隊の指揮官カービー大佐(ロニー・コックス)が面会に現れる。 カービーに、候補生が人質だと言われたモアランドは、部隊を召集し、再び自分に賛同できない者を確かめる。 すると、ウエスト中尉をはじめとした、多数の候補生が名乗り出て部隊を去って行く。 その後、人員が半減した部隊は水を止められ、ドワイヤーがモアランドの行動を批判し争いになる。 その時、敷地内の電気も切られて軍は行動を開始し、戦車が門に配備される。 発砲はなかったものの、発電機を作動させようとしていたJC・ピアース(ジャンカルロ・エスポジート)が火傷を負ってしまい、モアランドはカービーに責任を追及される。 カービーが、戦い抜こうとするモアランドを批判したために、彼は要求を絞りベイシュ将軍の指示を仰ぐことを伝える。 しかし、カービーは将軍が亡くなったことをモアランドに知らせ、ショックを受けた彼はその場を去る。 モアランドはベイシュ将軍の死を悼み、星条旗と将軍旗を半旗で掲げ弔意を表す。 その夜、恐怖に怯えた少年候補生が取り乱してしまい、それを制止しようとした候補生が射殺されてしまう。 カービーは、この悲劇を繰り返さないよう投降を促し、猶予を夜明けまでと告げる。 夜明けが近づき、責任を感じるモアランドは打ちひしがれるが、対立はしたものの親友であるドワイヤーは、勝利宣言をするべきだと彼に助言する。 候補生を中庭に召集して、行動の終わりを告げるモアランドとドワイヤーだったが、ショーンがカービーを銃撃してしまう。 軍は敷地内になだれ込み、モアランドは銃撃を続けるショーンを止めようとして、軍の攻撃を受けて死亡する。 軽傷だったカービーが駆けつけ、その光景にうなだれ、ドワイヤーは泣きながら、モアランドを抱えて投降する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
伝統あるミリタリー・アカデミーが、理事会の決定により閉校されることが決まる。
校長のハーラン・ベイシュ准将はそれに抵抗しようとするが、ある事件で民間人の少年を射殺してしまい、彼は逮捕されてしまう。
将軍の意思を継ぐ、指揮官のモアランド少佐は、アカデミーの武器を確保して施設を占拠し、閉校の再検討を要求する。
候補生の不安が募る中、周囲の説得に屈せず、軍人としての誇りを胸に抵抗を続けるモアランドだった。
その後、落伍者や怪我人、そして師と仰ぐ将軍の死を知らされたモアランドは、指揮官としての真価を問われる時が来る・・・。
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デヴァリー・フリーマンの著書”Father Sky”を基に製作された作品。
多くの戦いに疲弊した国民感情が、国家を守った軍人達の価値を過小評価し出した時に起きる悲劇。
その現場にいる者の、苦しみや挫折を描き考えさせられる、奥深い作品に仕上がっている。
その後に、ハリウッドを代表する人気スターとなるトム・クルーズや実力派のショーン・ペンらの、初々しい姿が実に新鮮で、”青春映画”のように捉えられてしまいがちの作品だが、上記のように伝統や歴史、国家の威信を重んじるアメリカの強さの源が感じられる作品でもある。
原題の”Taps”とは、将軍の死を悼む場面で流れる、葬送ラッパを意味する。
ドラマの序盤で姿を消してしまう主演のジョージ・C・スコットだが、若者達、特に主人公に尊敬される人物でありながら、軍のお荷物として黄昏れていく姿が哀しげで、故にその存在感と重厚な演技が印象に残る。
何箇所かのミリタリー・アカデミーで撮影されたリアルなロケや、少年達の統制の取れた隊列も見事で、モーリス・ジャールが担当している音楽も注目だ。
前年の「普通の人々」(1980)でアカデミー助演賞を受賞したティモシー・ハットンは、それに続く名演を見せ、本作でもゴールデングローブ賞にノミネートされた。
アカデミーを包囲する指揮官のロニー・コックス、繊細な心を持つ候補生ショーン・ペン、対照的に自分本位で攻撃的なトム・クルーズ、火傷を負うジャンカルロ・エスポジート、脱落者エヴァン・ハンドラー、主人公の父親ウェイン・ティピットなどが共演している。