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運命の饗宴 Tales of Manhattan (1942)

様々な人の手に渡る一着の燕尾服の元で起きる出来事を描く、監督ジュリアン・デュヴィヴィエ、出演シャルル・ボワイエリタ・ヘイワースジンジャー・ロジャースヘンリー・フォンダチャールズ・ロートンエドワード・G・ロビンソントーマス・ミッチェルシーザー・ロメロエルザ・ランチェスターW・C・フィールズジョージ・サンダース他共演のアンソロジー映画

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:ジュリアン・デュヴィヴィエ

製作
ボリス・モロス
サム・スピーゲル
原作
ベン・ヘクト
フェレンツ・モルナール
脚本
ドナルド・オグデン・スチュワート
サミュエル・ホッフェンスタイン
アラン・キャンベル
ラディスラス・フォドール
撮影:ジョセフ・ウォーカー
編集
ロバート・ウィリアム・ビショフ
ジーン・ファウラーJr.
音楽:ソル・カプラン

出演
ポール・オーマン:シャルル・ボワイエ
エセル・ハロウェイ:リタ・ヘイワース
ダイアン:ジンジャー・ロジャース
ジョージ:ヘンリー・フォンダ
チャールズ・スミス:チャールズ・ロートン
エイブリー”ラリー”L・ブラウン:エドワード・G・ロビンソン
ルーク:ポール・ロブスン
エスター:エセル・ウォーターズ
ラザレス牧師:エディ”ロチェスター”アンダーソン
ジョン・ハロウェイ:トーマス・ミッチェル
ルーサー:ユージン・パレット
ハリー・ウィルソン:シーザー・ロメロ
エレン:ゲイル・パトリック
エドガー:ローランド・ヤング
”リス”:マリオン・マーティン
エルザ・スミス:エルザ・ランチェスター
アルトゥーロ・ベリーニ:ヴィクター・フランセン
パフルホイッスル教授:W・C・フィールズ
セールスマン:フィル・シルヴァース
セールスマン:マルセル・ダリオ
ランゲハンケ夫人:マーガレット・デュモント
ランゲハンケ:チェスター・クルート
ィリアムズ:ジョージ・サンダース
”ファーザー”ジョー:ジェームズ・グリースン
ライオンズ教授:ハリー・ダヴェンポート
コステロ:J・キャロル・ナイシュ
合唱団:ホール・ジョンソン合唱団
古着屋:フランク・オース
ウィルソン:クリスチャン・ラブ
ピッコロ奏者:シグ・アーノ
ハンク・ブロンソン:ジェームズ・レニー
デイヴィス:ハリー・ヘイデン 同窓会
トム・バーンズ:モリス・アンクラム 同窓会
ヘンダーソン:ドン・ダグラス 同窓会
モリー:メエ・マーシュ
祖父:クラレンス・ミューズ
クリストファー:ジョージ・H・リード
ニコデモ:コーデル・ヒックマン
”スパッド”ジョンソン:ポール・レネイ
メアリー:バーバラ・リン
祖母:アデライン・ド・ウォルト・レイノルズ
女優:ヘレン・レイノルズ

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1942年製作 118分
公開
北米:1942年8月5日
日本:1946年8月29日
製作費 $1,000,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ニューヨーク
有名な舞台俳優ポール・オーマン(シャルル・ボワイエ)の元に、特注の燕尾服が届けられる。

仕立屋ラザーから服の説明を受けたポールは、それを着て初日の舞台に立つ。

女に撃たれて死ぬ演技を終えたポールは、着替えもせずに、使用人のルーサー(ユージン・パレット)が運転する車に乗り、かつての恋人エセル・ハロウェイ(リタ・ヘイワース)の元に向かう。

ポールを迎えたエセルは、嫉妬深い夫ジョン(トーマス・ミッチェル)から酷い仕打ちを受けていることを彼に伝える。

夫と別れることを約束したエセルが、ウソをついたことを批判するポールは、現れたジョンに紹介される。

ジョンと牽制し合いながら話をしたポールは、帰ろうとする。

エセルからロッジで待っていてほしいと言われたポールは、その場に向かう。
...全てを見る(結末あり)

しばらくして現れたエセルとの愛を確認したポールは、別れたことを後悔して、2人でブラジルに発ち結婚することを提案する。

マネージャーのオリヴァーに電話をしたポールは、公演を中止することを指示し、明日から半年、旅に出ると伝えて、リオデジャネイロ行きのチケットも手配させる。

その場に現れたジョンは、エセルが、カナダへの鹿狩りに行く気がないために残念に思う。

代わりにポールを誘ったジョンは、銃は貸すと言ってコレクションを見せる。

お気に入りの猟銃を手にしたジョンは手入れを始めて、女に撃たれて死ぬ演技のことを話しながら発砲する。

ポールは脇腹を抑えて椅子に倒れ込み、ジョンは、警察が来れば自分たちは破滅だと言うエセルに、暴発だと伝える。

エセルは、瀕死のポールは助からないと思い、証人になり最後まで従うことをジョンに伝える。

ジョンが使用人を呼びに行こうとしたため、立ち上がったポールは、演技だったと言って2人を驚かせる。

ポールは、エセルが自分の発言を後悔し、ジョンが謝罪したために満足してその場を去る。

車に戻ったポールはうずくまり、ルーサーは彼が撃たれたことを知る。

ポールは、犯人を知ろうとするルーサーに、自分の責任であり、身から出たサビで事故だと言って、病院に向かうよう指示し、最高の演技を無駄にしたくないと伝える。

ルーサーは、幸運を呼ぶ服のはずだったとポールに伝える。

数日後ルーサーは、銃弾の跡が残った燕尾服を持参して、友人のエドガー(ローランド・ヤング)の元に向かう。

ハリー・ウィルソン(シーザー・ロメロ)の使用人であるエドガーは、今夜、結婚式があることをルーサーに話しながら、前日のパーティーの片付けをする。

ルーサーは、エドガーにポールの燕尾服を貸して10ドル借りようとする。

銃弾の痕のような穴が空いていることに気づきながら、エドガーは仕方なくルーサーに金を貸す。

ハリーの婚約者ダイアン(ジンジャー・ロジャース)からの電話を受けたエドガーは、眠っていたハリーに電話を回す。

ハリーとランチの約束をしていたダイアンは、それを確認して電話を切る。

そこに友人のエレン(ゲイル・パトリック)が現れ、ダイアンは、夫のジムが浮気したために、離婚を決意したと言いながら涙する彼女の話を聞く。

ダイアンは、ジムの燕尾服のポケットの中の浮気の証拠を見つけたと言うエレンと共に、ハリーのアパートに向かう。

エドガーに迎えられたダイアンは、その場にあった燕尾服を気にするエレンに促されて、ポケットの中身を調べてみる。

切手や帽子のチケット、ハンカチなどが出てくるものの問題ないと思ったダイアンは、香水の匂いがする手紙を見つける。

その内容は、”リス”(女)という人物が情熱的な”ライオン”(ハリー?)に宛てたラブレターだった。

それを知ったハリーは焦り、親友のジョージ(ヘンリー・フォンダ)に電話をしてすぐに来てもらおうとする。

手紙を読んで苛立つダイアンは、現れたハリーと話をしようとする。

トラブルを避けたいエレンは、ハリーからランチに誘われるものの、遠慮してその場を去る。

手紙を見せてハリーを牽制するダイアンは、彼を問い詰めようとする。

訪ねて来たジョージは、エドガーが借りた燕尾服をハリーのものということにして渡されリビングに向かう。

ハリーに迎えられたジョージはダイアンに声をかけ、昨夜、大騒ぎをして燕尾服を間違えて持ち帰ったことを話す。

ジョージが、持参した燕尾服をその場にあった服と交換しようとしたため、ダイアンは自分が勘違いしていたと思い、彼とハリーの体格もほぼ同じなので納得する。

ダイアンは手紙のことが気になり、ハリーを着替えに行かせた間にジョージと話し、内気な彼が、手紙の内容のような情熱的な男性なのか確かめようとする。

実はダイアンに惹かれていたジョージは、彼女が自分に興味を持ってくれたために嬉しく思う。

今まで気づかなかったジョージの魅力を知ったダイアンは、彼とキスしてしまい、惹かれ合っていることを確認する。

そこに手紙の相手の”リス”(マリオン・マーティン)が現れ、その場にあった自分の手紙に気づく。

苛立つリスは花や置物などを壊し始め、ジョージは、彼女の恋人を装うためにキスする。

戻って来たハリーは、内緒で結婚することを責めるリスに殴られ、ダイアンにすべてがバレてしまう。

ジョージはダイアンに思いを伝えようとするが、ハリーが、燕尾服のことでウソをついたことを彼女に話す。

燕尾服はエドガーのものであり、ルーサーが持ってきた入院中の俳優ポールの服だと知ったダイアンは、指輪をハリーに渡し、ジョージと共にその場を去る。

その後、ルーサーとエドガーは、燕尾服を古着屋(フランク・オース)に10ドルで売る。

店にいたエルザ・スミス(エルザ・ランチェスター)は、音楽家のチャールズ(チャールズ・ロートン)のために燕尾服を買ってあげたいと思う。

チャールズは、著名な指揮者アルトゥーロ・ベリーニ(ヴィクター・フランセン)のオーケストラの一員である友人ウィルソン(クリスチャン・ラブ)の元に向かう。

ウィルソンの紹介でベリーニに会ったチャールズは、気難しい彼に才能を認められる。

帰宅したチャールズは、ベリーニに天才だと言われ褒められたことを、エルザや祖母(アデライン・ド・ウォルト・レイノルズ)に伝えて喜んでもらう。

チャールズは、カーネギー・ホールで行われるベニーニの演奏会で指揮をする機会を与えられるが、燕尾服を着用しなければならなかった。

チャールズを会場に向かわせたエルザは古着屋に向かい、燕尾服を買って届ける。

小さくて穴も空いている燕尾服だったが、チャールズはそれを着て指揮するしかなく、桟敷席のエルザに見守られながら舞台に立つ。

ベリーニに紹介されたチャールズは指揮を始めるものの、小さくてきつすぎた燕尾服は裂けてしまい、それを見た観客は笑い騒ぎになる。

それに気づいたチャールズは、ショックを受けて燕尾服を脱ぎ捨て、惨めになりうずくまってしまう。

ところが、桟敷席にいたベリーニは立ち上がり燕尾服を脱ぎ、指揮を続けることをチャールズに指示する。

自分の才能を信じたチャールズは指揮を始め、感激した男性客が燕尾服を脱ぎ、男性全員がそれに続く。

祖母と共にそれを見ていたエルザは涙する。

公演を終えたチャールズは、エルザらと共に帰宅する途中で、慈善団体の婦人モリー(メエ・マーシュ)に燕尾服を寄付する。

ホームレスの人々のための慈善宿泊所を運営するジョー(ジェームズ・グリースン)は、モリーから燕尾服を受け取る。

ジョーは、宿泊所に出入りしていたエイブリー”ラリー”L・ブラウン(エドワード・G・ロビンソン)宛の手紙を受け取り彼を捜す。

路地で寝ていたラリーを見つけたジョーは、手紙を渡す。

それは1917年の卒業生の25周年同窓会の案内で、”ウォルドルフ=アストリア”で今日、開催されることをツタセル、ラリーの同級生ハンク・ブロンソン(ジェームズ・レニー)からの手紙だった。

興味がないラリーは、通行人に小銭をもらいバーに向かいウイスキーを飲む。

ラリーを追ったジョーは、社会復帰のチャンスだと思い、彼を説得して同窓会に出席させようとする。

モリーが燕尾服を直し、それを着て身なりを整えたラリーは別人のようになり、ジョーらに見送られて出かける。

ウォルドルフ=アストリア
酔ったハンクらに歓迎されたラリーは、成功していることを装い、カリフォルニアから到着し、中国で暮らしていると話してしまう。

かつて弁護士だったラリーは、その場で仕事の依頼を受け、恩師ライオンズ教授(ハリー・ダヴェンポート)に声をかけられ、彼が教え子に語る話を聞く。

同級生の一人、ウィリアムズ(ジョージ・サンダース)は、ラリーがシカゴで弁護士資格を剥奪されたことを知っていたために、彼を牽制する。

その後、ヘンダーソン(ドン・ダグラス)の財布が見つからないために、皆の上着を調べることになる。

ラリーは、燕尾服に触れるハンクに腹を立てる。

ハンクのアイデアで、ラリーを被告にウィリアムズを検察官、トム・バーンズ(モリス・アンクラム)を判事に見立てた模擬裁判が行われる。

自分の過去を暴こうとするウィリアムの考えを知ったラリーは、シカゴで弁護士事務所を開き、禁酒法時代に裏社会の者と付き合い成功したことを話す。

禁酒法後には不運が続き結婚生活にも失敗してお落ちぶれ、中国チャイナタウン”に行きついたことを、ラリーは皆に話す。

西海岸から飛行機で来たのはウソだと言うラリーは、慈善宿泊所を経営している友人の勧めで来たのだが、ヘンダーソンが財布を無くさなければ、自分は成功者としてこの場から去れたことを伝える。

判事のトムに、過去を考えると疑われても仕方がないと言って有罪を認めたラリーは、燕尾服を調べてもらおうとする。

ラリーが燕尾服を脱ごうとしたためにロムはそれを制止し、彼が出て行く姿を見守る。

そこにヘンダーソンの運転手が現れ、財布が車に落ちていたことを知らせる。

翌朝、酔ったラリーを迎えたジョーらは、燕尾服を脱ぎ2階に向かう彼の様子を見て、辛い目に遭ったことを察する。

そこに現れたハンク、トム、デイヴィスは、仕事の約束をしていると言って、ラリーを迎えに来たことをジョーに伝える。

それを知ったラリーは、友人たちに気持ちを嬉しく思い涙ぐむ。

ジョーは、燕尾服を向かいの古着屋に売るようモリーに指示する。

古着屋に入った詐欺師のパフルホイッスル教授(W・C・フィールズ)は、2人のセールスマン(フィル・シルヴァース/マルセル・ダリオ)が勧めた燕尾服を買おうとする。

パフルホイッスルは内ポケットに財布が入っていることに気づき、15ドルだと言われたために3ドルなら買うと伝えるものの、脱がされそうになり、仕方なく金を払って店を出る。

財布の中身を確認したパフルホイッスルは、新聞紙だったために、セールスマンに騙されたことに気づく。

富豪のランゲハンケ(チェスター・クルート)は、今晩も、妻(マーガレット・デュモント)が企画したパフルホイッスルの講義があることを執事から知らされてうんざりする。

この苦しみから逃れると言うランゲハンケは、用意されたココナッツ・ミルクに酒を入れてしまう。

その後、ランゲハンケ夫人と集まった人々に歓迎されたパフルホイッスルは、皆でココナッツ・ミルクを飲みながら講義を始める。

酔った人々は講義に満足して謝礼を出し合い、パフルホイッスルはそれを受け取りその場を去る。

古着屋に忍び込んだコステロ(J・キャロル・ナイシュ)は燕尾服を盗み、違法賭博場に向かい5万ドルを奪い逃走する。

飛行機でメキシコに向かうコステロは、火花が散り燕尾服に引火したため、現金が入ったまま服を脱ぎ捨ててしまう。

その燕尾服は、作業をしていた貧しい黒人夫婦ルーク(ポール・ロブスン)とエスター(エセル・ウォーターズ)の元に落ちる。

大金に気づいたルークとエスターは、神が授けてくれたと考え、ラザレス牧師(エディ”ロチェスター”アンダーソン)に見せて相談しようとする。

ラザレスに現金を見せたルークは神の奇跡を話し、エスターは、祈りを捧げた者に分け与えることを提案する。

ラザレスは、欲しいものを尋ねながら、子供を含めた人々に現金を配り始める。

神が与えてくれた金額は4万3000ドルで、1454ドル50セントを配ったことを、ラザレスは村人に伝える。

残金を村の発展のために使うことで意見が一致した村人は、神に感謝する。

騒ぐ人々を鎮めたエスターは、村一の貧しい老人クリストファー(ジョージ・H・リード)がいないことに気づく。

クリストファーが大金が欲しいと祈っていれば残金は彼のものだと言うエスターの意見を聞いたルークは、クリストファーの家に向かう。

ルークは、祈りを捧げたかクリストファーに尋ね、欲しいものがない彼から、1つだけあったと言われて焦る。

クリストファーは、何匹も集まるカラスを追い払うために、カカシが欲しいと祈ったとルークに伝える。

ルークは、手にしていた燕尾服をクリストファーに渡す。

クリストファーは、カラスを追い払うために燕尾服でカカシを作り、ルークは村人と共に神に感謝する。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
特注の燕尾服を着て舞台に立った有名な舞台俳優ポール・オーマンは、恋のもつれで銃弾に倒れる・・・
その燕尾服は結婚を控えたハリーの使用人の元に渡り、浮気騒ぎを鎮める小道具に使われる・・・
著名な指揮者に音楽の才能を認められたチャールズは、妻エルザが古着屋で手に入れた燕尾服(ポールの服)を着て舞台に立つのだが・・・
慈善宿泊所を運営するジョーは、かつて弁護士だったものの今は落ちぶれたラリーの同窓会のために、寄付されたその燕尾服を提供するのだが・・・
詐欺師のパフルホイッスル教授は、古着屋に騙され、その燕尾服を高く買わされてしまう・・・
古着屋からその燕尾服を盗んだコステロは、違法賭博場で5万ドルを奪い飛行機で逃亡するが、服が燃えたために、現金を入れたまま捨ててしまう・・・
燕尾服を拾った貧しい黒人夫婦のルークとエスターは、現金に気づき神が与えてくれたものと思い、ラザレス牧師に相談して、祈りを捧げた村人に配り始める・・・。
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第二次世界大戦のためにアメリカに渡ったジュリアン・デュヴィヴィエの監督作品。
本作の成功により彼は、翌1943年に「肉体と幻想」をシャルル・ボワイエと共に製作して監督した。
シャルル・ボワイエエドワード・G・ロビンソントーマス・ミッチェルは両作に出演している。

様々な人の手に渡る、一着の燕尾服の元で起きる出来事を描くアンソロジー映画

ロマンスやコメディ、ヒューマンドラマや奇跡の物語など、様々な要素を取り混ぜ、ジュリアン・デュヴィヴィエが文化を尊重しながらアメリカ的に仕上げた作品。

ジュリアン・デュヴィヴィエフランス的感覚を好んだアメリカ人ファンは多いはずだが、本作が彼の最高作と考える声もあるのは皮肉な結果と言える。

W・C・フィールズが演ずる詐欺師の教授の5番目の物語は、上映時間を短縮するために公開時はカットされてしまい、1990年代に20世紀FOXの保管庫から発見されて本編に加えられたために、6番目の物語に燕尾服が渡るつながりはない。

物語の中心となる燕尾服を特注する有名な舞台俳優シャルル・ボワイエ、その元恋人リタ・ヘイワース、その夫トーマス・ミッチェル、俳優の使用人ユージン・パレット、彼から燕尾服を買う古着屋フランク・オース、俳優の共演者ヘレン・レイノルズ、婚約者シーザー・ロメロの浮気を疑うジンジャー・ロジャース、彼女に惹かれるハリー(シーザー・ロメロ)の友人ヘンリー・フォンダ、ハリーの使用人ローランド・ヤング、ダイアンの友人ゲイル・パトリック、ハリーの浮気相手マリオン・マーティン、著名な指揮者ヴィクター・フランセンに才能を認められる音楽家チャールズ・ロートン、その妻エルザ・ランチェスター、祖母のアデライン・ド・ウォルト・レイノルズ、チャールズの友人クリスチャン・ラブ、オーケストラのピッコロ奏者シグ・アーノ、落ちぶれた弁護士エドワード・G・ロビンソン、彼の社会復帰を願う慈善家ジェームズ・グリースンメエ・マーシュ、弁護士の同級生ジョージ・サンダースジェームズ・レニーハリー・ヘイデンモリス・アンクラムドン・ダグラス、彼らの恩師である教授ハリー・ダヴェンポート、詐欺師のW・C・フィールズ、彼に講義を頼む富豪夫人マーガレット・デュモント、その夫チェスター・クルート、詐欺師を騙して燕尾服を売るセールスマン役のフィル・シルヴァースマルセル・ダリオ、燕尾服を盗む強盗のJ・キャロル・ナイシュ、天から落ちてきた燕尾服を拾う貧しい黒人夫婦ポール・ロブスンエセル・ウォーターズ、大金を見つけた彼らから相談を受ける牧師のエディ”ロチェスター”アンダーソン、村の老人クラレンス・ミューズ、ラストで燕尾服をカカシにする老人ジョージ・H・リード、その物語に登場するホール・ジョンソンと合唱団などが共演している。


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