サイトアイコン That's Movie Talk!

サスペリア Suspiria (2018)

1977年に公開された、ダリオ・アルジェント監督、脚本によるイタリアのホラー映画「サスペリア」のリメイク。
西ベルリンの舞踏団に入団したアメリカ人女性が体験する恐怖と秘められた謎を描く、監督ルカ・グァダニーノ、主演ダコタ・ジョンソンティルダ・スウィントンミア・ゴスジェシカ・ハーパークロエ・グレース・モレッツ他共演のホラー。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

クロエ・グレース・モレッツ / Chloë Grace Moretz / Pinterest


スタッフ キャスト
監督:ルカ・グァダニーノ
製作
マルコ・モラビート
ブラッドリー・J・フィッシャー
ルカ・グァダニーノ
デヴィッド・カイガニック
シルヴィア・ヴェンチュリーニ・フェンディ
フランチェスコ・メルツィ・デリル
ウィリアム・シェラック
ガブリエレ・モレッティ
製作総指揮
キンバリー・スチュワード
ローレン・ベック
ジョシュ・ゴッドフリー
ジェームズ・ヴァンダービルト
マッシミリアーノ・ヴィオランテ
原作
サスペリア
ダリオ・アルジェント
ダリア・ニコロディ
脚本:デヴィッド・カイガニック
撮影:サヨムプー・ムックディプローム
編集:ヴァルテル・ファサーノ
音楽:トム・ヨーク

出演
スザンナ”スージー”バニオン/マザー・サスピリオラム:ダコタ・ジョンソン
マダム・ブラン/ジョセフ・クレンペラー博士/マザー・ヘレナ・マルコス:ティルダ・スウィントン
サラ・シムズ:ミア・ゴス
アンケ・マイヤー:ジェシカ・ハーパー
パトリシア・ヒングル:クロエ・グレース・モレッツ
オルガ・イヴァノヴァ:エレナ・フォキナ
ジョセフ・クレンペラー博士:ルッツ・エバースドルフ
タナー:アンゲラ・ヴィンクラー
ヴェンデガスト:イングリット・カーフェン
グリフィス:シルヴィー・テステュー
フーラー:レネ・ソーテンダイク
パブラ:ファブリツィア・サッキ
ミリアス:アレック・ウェック
バニオン夫人/デス:マウゴーシャ・ベラ
カパリット:ブリジット・キュベリエ
バルフォア:クリスティン・ルブット
ダニエル:マジョライン・ウスコッティ
グロックナー:マイケル・オルソン
アルブレヒト:フレッド・クレメン

イタリア/アメリカ 映画
配給
Amazon Studios(北米)
Videa(イタリア)
2018年製作 153分
公開
イタリア:2019年1月1日
北米:2018年10月26日
日本:2019年1月25日
製作費 $20,000,000
北米興行収入 $2,483,470
世界 $7,940,490


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
第一幕

1977年、西ベルリン
ドイツ赤軍”によるテロ事件”ドイツの秋”に誘発されて学生達がデモを起こす中、世界的舞踊団“マルコス・ダンス・カンパニー”のダンサー、パトリシア・ヒングル(クロエ・グレース・モレッツ)は、心理療法士のジョセフ・クレンペラー博士(ルッツ・エバースドルフ)を訪ねる。

患者の予約があるので出直してほしいと言われたパトリシアは、意味不明なことを話しながら、”彼女”を生かし続ける気だとクレンペラーに伝える。

それが”マルコス”であることを確認にしたクレンペラーは、動揺するパトリシアから、あいつは魔女だと言われる。

妄想が深刻化しているとメモしたクレンペラーは、”マザー・マルコス”が自分の中に入ろうとしていると言うパトリシアのことを心配しながら、去ろうとする彼女を見送る。

オハイオ州。
メイナイトキリスト教アナバプテストの教派)の信者であるバニオン夫人(マウゴーシャ・ベラ)は、病床で苦しんでいた。

オハイオ州から来たアメリカ人のスザンナ”スージー”バニオン(ダコタ・ジョンソン)は、オーディションを受けるためにマルコス・ダンス・カンパニーに向かい、主席指導員のタナー(アンゲラ・ヴィンクラー)に迎えられる。

緊張しながらオーディションを受けるスージーは、マダム・ブランがいないことを気にするが、チャンスを与えられただけで満足するべきだと言われる。

レッスン中に何かを感じたマダム・ブラン(ティルダ・スウィントン)は、オーディションを受けるスージーの元に向かい、彼女のダンスを見つめる。
...全てを見る(結末あり)

マダム・ブランに気に入られたスージーは入団を許可され、タナーから、ダンサーたちの母親代わりであるヴェンデガスト(イングリット・カーフェン)を紹介される。

入団が許可されて感激するスージーは、給料は安いが寮費などは無料だと言われ、一部屋空いたことを知らされる。

ダンサーたちが話していたパトリシアが姿を消したことを知っていたスージーは、彼女の部屋を使うことになる。

マダム・ブランは、スージーの様子を監視していた。

その夜スージーは、パトリシアのことを話していたサラ・シムズ(ミア・ゴス)がホテルに迎えに来たために、今晩はここに泊まると伝えて彼女と過ごす。

第2幕 涙の宮殿

翌朝、投票で最高位者を”マルコス”に決めたヴェンデガストらは、パトリシアに代わり儀式を行う者を探そうとする。

指導員たちは、スージーを迎えに行ったサラが使えるかもしれないと考える。

東ベルリン
別荘に向かったクレンペラーは、亡き妻アンケ(ジェシカ・ハーパー)の思い出に浸る。

サラと共にカンパニーに向かったスージーは、暮らすことになる部屋に案内される。

その後、スージーをダンサーたちに紹介したマダム・ブランは、レッスンを始める。

パトリシアのことが気になり集中できないオルガ・イヴァノヴァ(エレナ・フォキナ)は、マダム・ブランから、活動家と関係していた彼女の生き方を尊重するべきであり、それも人生だと言われる。

自分に操られていたとオルガから言われたマダム・ブランは、取り乱す彼女を落ち着かせようとする。

出て行こうとするオルガは、マダム・ブランらを魔女呼ばわりしてその場を去る。

誰も主役をやりたがらない中で、スージーが名乗り出るものの、マダム・ブランから10か月もレッスンしてきた演目だと言われる。

タナーから、まず単独で踊らせてみるべきだと意見されたマダム・ブランは、スージーに踊るよう指示する。

建物から去ろうとしたオルガは涙が止まらなくなり動揺し、同時に指導員のグリフィス(シルヴィー・テステュー)にも異変が起きる。

何者かの声に誘われてある場所を通りスタジオに向かったオルガは、操られるようにして踊り始め、体がねじれて苦しみ息を引き取る。

同時に激しく踊っていたスージーは、めまいがしてうずくまってしまう。

スージーに声をかけて落ち着かせたマダム・ブランは、彼女を部屋に連れて行くようサラに指示する。

部屋に向かったスージーは、子供時代にベルリンに興味を持つものの、それを母に理解してもらえなかったことを思い出す。

スージーは、カンパニーの指示で検尿をする。

クレンペラーは、”暗闇の母、涙の母、嘆きの母”であるマザー・マルコス、マダム・ブランや自分とサラのことを考えながら、若い女性が行方不明になったことを警察に通報する。

スタジオに向かったヴェンデガストらは、肉フックを使いオルガの死体を隠し部屋に運ぶ。

17世紀にアーミッシュメイナイトから分派したことなどを、食事をしながらマダム・ブランと話すスージーは、自分に興味を持つ彼女から、作品をダメにしそうだったオルガがいなくなったのは幸いだと言われ、手を貸してくれたことに感謝される。

主役になれたことなどをサラに話したスージーは、政治活動に関わっていたと思われるパトリシアのことを気にする彼女から、明日、頼みごとを訊いてほしいと言われる。

その夜スージーは、悪夢を見る。

第3幕 借り物

翌日、訪ねてきたグロックナー(マイケル・オルソン)とアルブレヒト(フレッド・クレメン)両刑事からパトリシアのことを訊かれたヴェンデガストは、彼らを招き入れる。

事務室でパトリシアとオルガの資料を探したサラとスージーは、それがないことに気づく。

スージーは、ヴェンデガストらがグロックナーを裸にしてからかう姿を目撃してしまう。

新しい作品のレッスンを始めたマダム・ブランは、スージーに即興で踊らせる。

スージーが踊る姿を見て何かを感じたマダム・ブランはタナーと話し、ヘレナ・マルコスを床下の衣装庫に閉じ込めたことを確認する。

”マザー”の希望だったと話すタナーに、マダム・ブランは、そう呼ぶのはやめるはずで、彼女が”3人の母”の一人ならこうはならなかったと伝える。

あなたからスージーのことは話すべきで、マザーは彼女を望んでいると伝えたタナーは、また無駄な犠牲者を出すのかと言うマダム・ブランに、投票で決まった最高位のマルコスの希望であるため、準備をする必要があると言って説得する。

マルコスの命のために新しい子が見つかってよかったとマダム・ブランに伝えたタナー、準備を整えて自分からマルコスに話すつもりだったと言われる。

その夜スージーは、サラと共に同じベッドで眠る。

第4幕 取り込み

警察に向かったクレンペラーは、グロックナーとアルブレヒトに会う。

カンパニーのことを話すクレンペラーは、”マザー・マルコス”が”魔女集団”を率いていると言っていたという、パトリシアから聞いた話を二人に伝える。

パトリシアが、数か月そのことばかり話していたと言うクレンペラーは、魔女を信じるかと訊かれる。

信じないと答えたクレンペラーは、人は組織的に犯罪を行う手段として魔術を利用すると伝える。

世の中で起きているテロのことなどを知っているかと言われたクレンペラーは、その場を去ろうとする。

見送ってくれたグロックナーを呼び止めたクレンペラーは、以前フリーデナウの警察で、妻の捜索を手伝ってもらったと伝える。

ソ連侵攻の前の1943年だと話すクレンペラーは、ポーランドの記録にはないと分かったと言われるものの、感謝していると伝えてその場を去る。

レッスン中に、ジャンプが得意でないことをマダム・ブランに指摘されたスージーは、キャロラインから手本を見せられるものの、納得いかずに意見してしまう。

レッスンは終了するものの、キャロラインが発作を起こして倒れてしまう。

カンパニーに向かたクレンペラーは、建物から出できたサラ達に声をかけて、ダンサーを捜していると伝える。

クレンペラーは、自分はパトリシアの友人だとサラに伝えて話をする。

サラにパトリシアの日記を見せたクレンペラーは、魔女についてのパトリシアの空想などを話すものの、カンパニーは家族だと言われる。

警察が何か見落としている可能性があると言うクレンペラーは、、建物内に秘密の部屋があるとパトリシアが話していたことをサラに伝える。

パトリシアが世話になったことは感謝するとクレンペラーに伝えたサラは、これ以上話はしたくないと言ってその場を去る。

マダム・ブランは夜になってもスージーと話し合い、レッスンを続けて満足するジャンプができるようになる。

食事を楽しんでいたヴェンデガストらは、突然、立ち上がったグリフィスが、テーブルのナイフで首を刺して意識を失ったために驚く。

部屋の壁の奥が気になったサラは、廊下で距離を測り、階下のスタジオで位置を確認して、鏡の奥に入れる隠し扉を見つける。

奥の部屋に向かったサラは、ドアの向こうの食堂で騒ぐヴェンデガストらの声を確認して、棚に収納されていた肉フックを手にしてその場を去る。

クレンペラーの元に向かったサラは、”3人の母”がキリストが生まれる以前に姿を消したとパトリシアが日記に書いた、”暗闇、涙、嘆き”の話を聞き、昨夜、そのイメージの陶器を見たと伝える。

パトリシアの話では、マザー・マルコスがその一人だというのだが、同意しない者もいるために、マルコス派とブラン派に分かれるらしいということだった。

マダム・ブランも関与し、彼女らは魔女なのかと訊かれたクレンペラーは、人は他人に妄想を抱かせることができるとサラに伝える。

それが宗教であり”第三帝国”だと言うクレンペラーは、両者には共通点があり、十字架と難解な儀式だと伝えて、”3人の母”はコードネームなのかもしれないと話す。

自分は危険な場所で暮らしていると言われたサラは、パトリシアは建物の中で囚われているかもしれないと考える。

世の中の情勢からすると難しいが、警察にもう一度頼んでみると伝えたクレンペラーは、よそに行くべきだとサラに助言して肉フックを預かる。

その場を去ろうとしたサラは、通りに出たところで、自分を監視していたタナーに気づく。

髪の毛をカットされたスージーは、それをヴェンデガストが持ち去ったために気になる。

ベッドに横たわりスージーのことを考えるバニオン夫人は、自分は娘でこの世を汚してしまったと考える。

レッスンに没頭するスージーが魔女と取引したと考えるサラは、そのことを彼女に問い詰めるものの、問題はないと言われる。

ドイツ赤軍”による”ルフトハンザ航空181便ハイジャック事件”は解決するが、国内は混乱する。

公演初日、準備をするスージーは、サラが姿を消したことをヴェンデガストから知らされる。

カンパニーに着いたクレンペラーは、席に案内される。

第5幕 マザーの家で(すべてのフロアは暗闇)

隠し部屋でパトリシアを見つけたサラだったが、そのおぞましい姿を見て驚き逃げ出す。

サラがいないまま、演目は始まる。

床のた穴に落ちたサラは、脚を骨折してしまう。

現れたヴェンデガストに呪いをかけられたサラは、起き上がる。

スージーたちを見守るマダム・ブランは、タナーから、準備は整いその時が来たと言われる。

その場に現れて踊り始めたサラだったが、叫び声をあげながら倒れてしまい、クレンペラーは運び出される彼女を見守る。

部屋に現れたマダム・ブランに謝罪したスージーは、作品を完成させるためにサラを連れ戻したと言う彼女に、外の世界と同様にすべてが混乱していると伝える。

なぜ皆は最悪な事態は過ぎたと思うのかと訊かれたマダム・ブランは、すべて説明できるが話すべきではないと伝えて、自分を信頼し今夜は夢を見ないようにとスージーに指示する。

第6幕 嘆き

翌日、マダム・ブランは、今夜やらなくてはならないと考える。

その夜、食事もせずに出かけたクレンペラーは、ある荷物と肉フックを川に捨てる。

スージーらは、マダム・ブランらと共にレストランに向かい食事をする。

別荘に向かったクレンペラーは、その場にアンケがいたために驚き、彼女から姿を消した理由を訊く。

別の人生を歩むしかなかったアンケが幸せだったことを知ったクレンペラーは、彼女を抱きしめる。

アンケと共に西ベルリンに戻ったクレンペラーだったが、カンパニーの建物に連れ込まれ、アンケを逃がすことができたはずだと言って責められる。
(アンケはクレンペラーの見た幻覚)

部屋に戻ったスージーは、誘われるようにマダム・ブランらが儀式を行う場所に向かう。

サラの腹部は裂かれ、全裸のクレンペラーは自分は無実だと訴える。

おぞましい姿のマザー・マルコス(ティルダ・スウィントン)は、スージーが自ら望んで来たことに気づき、マダム・ブランは儀式を中止させようとする。

マダム・ブランを殺したマザー・マルコスは、自分を受け入れるなら、母親を殺さねばならないとスージーに伝える。

マザー・マルコスから、母親を思い拒み追い払えと言われたスージーは、必要とする母親以外に死をと口にするよう強要される。

そこに死神(マウゴーシャ・ベラ)が現れ、”3人の母”の誰に選ばれたと訊かれてマザー・マルコスは、”マザー・サスピリオラム”だと答える。

スージーは、それは私だと伝える。

死神はマザー・マルコスとその支持者を殺す。

オルガ、パトリシア、サラも、スージーの手により安らかに葬られる。

クレンペラーを建物の外に案内したヴェンデガストは、彼を解放する。

エピローグ スライスされた梨

翌朝、ダンサーたちは、マダム・ブランが辞職したことを知らされる。

儀式の場を掃除するヴェンデガストは、首を切られたマダム・ブランが生きていることを確認する。

自分とアンケのナチス・ドイツ時代のアーリア人証明書を確認していたクレンペラーは、その場に現れたスージーから、自分は儀式を止める立場になかったと言われる。

真実を知る権利があると言われたクレンペラーは、アンケは南のテプリツェに向かおうとしたが、国境のグラスヒュッテの森で警備隊に捕まり、テレージエンシュタットのキャンプに連行されたことを知らされる。

20日間収容された1943年11月11日、ブルガー司令官が、調査のために激寒の野外に出るよう4万人に命じ、何時間も経過して数百人が凍死した。

アンケは親しくなった女性二人と共に死亡したため、孤独な死ではなかったと言われたクレンペラーは、最期の想いは誕生日のお祝いで、自分が誘った音楽会だったことを知る。

自分を想っていたので、アンケは不幸ではなかったと言われたクレンペラーは涙する。

クレンペラーに触れたスージーは、アンケ・マイヤー、パトリシア・ヒングル、サラ・シムズ、スザンナ・バニオンら、関わった女性の記憶は消えるとクレンペラーに伝えて姿を消す。

次の意瞬間、発作を起こしたクレンペラーは意識が戻り、目の前の女性が家政婦のゼザムだと言うことを知る。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
1977年、西ベルリン
ドイツ赤軍”によるテロ事件”ドイツの秋”に誘発されて学生達がデモを起こし、世の中は混乱していた。
アメリカのオハイオ州から到着したメイナイトの信者スザンナ”スージー”バニオンは、世界的な舞踏団”マルコス・ダンス・カンパニー”のオーディションを受けようとする。
舞踏団ではダンサーのパトリシアが失踪していたが、マダム・ブランの指導の下、次の作品に備えた準備が行われていた。
パトリシアから相談を受けていた心理療法士のクレンペラー博士は、舞踏団が魔女に操られていると言っていた彼女の言葉が気になり調査を始める。
マダム・ブランに気に入られて入団が決まったスージーは、レッスン中に取り乱し姿を消したオルガに代わり主役に抜擢されるのだが・・・。
__________

1970年代の世界的なオカルト・ブームの中で、独自の路線でホラー映画をてがけたダリオ・アルジェントによる衝撃作「サスペリア」(1977)のリメイク。

1977版は「魔女3部作」の1作目であり、その後「インフェルノ」(1980)、「サスペリア・テルザ 最後の魔女」(2007)が公開された。

世界的な舞踏団の裏で進行する魔女による怪奇事件が、同時期に西ドイツ国内を混乱させた、”ドイツ赤軍”によるテロ事件”ドイツの秋”の”ルフトハンザ航空181便ハイジャック事件”の情報と同時に描かれ、当時の世情を映し出す映像が興味深い。

また、第二次世界大戦当時の30年以上前に姿を消した妻の想い出の中で生きる、失踪したダンサーの調査をする心理療法士の人生と共に展開する内容など、凝った演出が見どころの作品。

その失踪した妻役で博士の幻覚として登場する、旧作でヒロインを演じたジェシカ・ハーパーの出演もファンには嬉しい。

主演のダコタ・ジョンソンは、冒頭で登場する母の存在とメイナイトキリスト教アナバプテストの教派)の信者であることから謎めいた雰囲気を持ち、クライマックスでその正体を明らかにするヒロインを熱演している。

舞踏団の指導者であり、部分的に特殊メイクでクレンペラー博士と、おぞましい姿のマザー・ヘレネ・マルコスを演ずるティルダ・スウィントン、主人公と親交を深め、儀式の犠牲となるダンサーのミア・ゴスエレナ・フォキナ、同じく失踪するクロエ・グレース・モレッツ、彼女の調査をする心理療法士ルッツ・エバースドルフ、彼とは戦時中に離れ離れになった妻ジェシカ・ハーパー、主席指導員アンゲラ・ヴィンクラー、同じくイングリット・カーフェンシルヴィー・テステューレネ・ソーテンダイクアレック・ウェック、ブリジット・キュベリエ、クリスティン・ルブット、マジョライン・ウスコッティ、ダンサーのファブリツィア・サッキ、主人公の母親と死神を演ずるマウゴーシャ・ベラ、刑事のマイケル・オルソンとフレッド・クレメンなどが共演している。


モバイルバージョンを終了