天才画家パブロ・ピカソと彼が愛した女性達との関係を描く、監督ジェームズ・アイヴォリー、製作イスマイル・マーチャント、主演アンソニー・ホプキンス、ナターシャ・マケルホーン、ジュリアン・ムーア他共演のドラマ。 |
・ドラマ
・ジュリアン・ムーア / Julianne Moore / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェームズ・アイヴォリー
製作
イスマイル・マーチャント
デヴィッド・L・ウォルパー
製作総指揮
ドナルド・ローゼンフェルド
ポール・ブラッドリー
脚本:ルース・プラワー・ジャブヴァーラ
撮影:トニー・ピアース=ロバーツ
編集:アンドリュー・マーカス
音楽:リチャード・ロビンズ
出演
パブロ・ピカソ:アンソニー・ホプキンス
フランソワーズ・ジロー:ナターシャ・マケルホーン
ドラ・マール:ジュリアン・ムーア
アンリ・マティス:ジョス・アクランド
サミュエル・M・クーツ:デニス・ボウトシカリス
ジャウメ・サバルテス:ピーター・エアー
オルガ・ホフロヴァ:ジェーン・ラポテア
カーンワイラー:ジョゼフ・メイハー
ジロー:ボブ・ペック
ジャクリーヌ・ロック:ダイアン・ヴェノーラ
マリー=テレーズ・ワルテル:スザンナ・ハーカー
フランソワーズの祖母:ジョーン・プロウライト
パウロ・ピカソ:ドミニク・ウェスト
マルセル:ピーター・ゲレッティ
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1996年製作 125分
公開
北米:1996年9月20日
日本:1997年1月18日
製作費 $16,000,000
北米興行収入 $2,021,350
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1943年、パリ、ナチス・ドイツ占領下。
高名な画家パブロ・ピカソ(アンソニー・ホプキンス)は、ナチスの将校に保管庫の絵画を見せるが、彼らは興味を示さない。
その後ピカソは、愛人である写真家兼画家のドラ・マール(ジュリアン・ムーア)と共カフェにに向かう。
ピカソは、その場にいた画家だと言う若い女性フランソワーズ・ジロー(ナターシャ・マケルホーン)に声をかけてアトリエに誘う。
アトリエを訪ねたフランソワーズは、絵のことは口実であり、影響を受け過ぎることを警戒しつつ、その数週間後に再び彼を訪ねる。
ピカソは現れたフランソワーズを歓迎し、二人は40歳の年齢差も問題にせず親交を深める。 1944年。 フランソワーズは、学校をやめて絵に専念する決心をするが、父親(ボブ・ペック)は反対する。 祖母(ジョーン・プロウライト)に相談しようとしたフランソワーズだったが、厳格な父親は娘の考えを許すことなく激高して彼女を殴る。 父親は、母がフランソワーズを信じるというため、二人と縁を切る。 ピカソを訪ねたフランソワーズは、一緒に暮らすことを提案されるが、彼女はそれを拒む。 祖母は、老人のピカソと付き合うフランソワーズの考えが理解できないが、確信を持ち生きると言う彼女を信じる。 ピカソの最初の愛人マリー=テレーズ・ワルテル(スザンナ・ハーカー)は、週末だけしか父親に会えないという娘に、その理由を話す。 精神的に不安定なドラとは終わったというピカソは、フランソワーズと彼女を対面させてそれを確認させる。 毎日マリー=テレーズからの手紙を受け取るピカソ、サソリだらけの家に嫌気がさしたフランソワーズは、その場から逃げ出そうとする。 それを阻止したピカソは、次の愛人など考えていないと言って、自分の子供を産めば分かると説得する。 パリに戻ったピカソは創作に行き詰まり、部屋に閉じ篭る日々が続く。 フランソワーズや秘書のジャウメ・サバルテス(ピーター・エアー)に励まされ、ニューヨークから来た画商サミュエル・M・クーツ(デニス・ボウトシカリス)に会ったピカソは、彼に絵を見せる。 現金を見せて絵を買いたがるクーツは、翌日に来るようにと言われ、ピカソは、旧友である画商カーンワイラー(ジョゼフ・メイハー)を部屋に招き入れる。 その後、フランソワーズはピカソの子クロードを出産し、パリを離れ、別の家族も呼び寄せて南仏で春から秋を過ごす。 フランソワーズは、クロードを義姉に会せるためマリー=テレーズを招くが、”一番の座”は譲らないと言われる。 かつて”ゲルニカ”を描いている際、マリー=テレーズとドラが争いを始め、その様子を見ながらピカソは創作を続けた。 ロシアのバレリーナだった最初の妻オルガ・ホフロヴァ(ジェーン・ラポテア)は、ピカソとフランソワーズを軽蔑する。 ピカソとオルガの息子パウロ(ドミニク・ウェスト)は、フランソワーズと同じ歳だった。 パウロはトラブルばかり起こし、ピカソはロシア人とは結婚するなと警告されたことを思い出して後悔する。 フランソワーズの祖母は、正気を失ったように見えるオルガに付きまとわれても、彼女がピカソに苦しめられたと考え責めずに同情する。 一人家族が増えることになったピカソは、フランソワーズの要望で南仏の家に引っ越す。 現金を銀行に預けずに持ち歩いていたピカソは、それをフランソワーズには渡さず、そのことでも祖母は彼を嫌っていた。 フランソワーズの絵も売れ始め、カーンワイラーがそれに興味を持ち始める。 フランス共産党に入党して宣伝に利用されていたためか、ピカソの絵はアメリカでの売れ行きが悪かった。 やがて娘パロマが生れたピカソは、くず鉄を集めて”ミシンと傘の偶然の出会い”という作品の創作をした。 ニース。 ある日ピカソは、パウロとふざけていて新車を壊した、25年も仕えたマルセル(ピーター・ゲレッティ)を容赦なく解雇する。 マルセルは、いつかは、フランソワーズを含め皆去って行くと断言する。 ヴァロリスで陶芸を始めたピカソは、ジャクリーヌ・ロック(ダイアン・ヴェノーラ)を新しい愛人にして、それに関するフランソワーズの干渉を許さない。 その後ピカソは、フランソワーズと子供達を置いて、ジャクリーヌと共にパリに向かう。 父親からの電話で、祖母が発作を起こしたと聞いたフランソワーズは、ピカソが嫌がるのを承知でパリに向かう。 駅で父親に迎えられたフランソワーズは、祖母が昨晩亡くなったことを知らされる。 旧友ジュヌヴィエーヴに再会しピカソを捜したフランソワーズは、カフェにいた彼とジャクリーヌの様子を見て幻滅する。 アトリエに現れたフランソワーズに不快感を示したピカソだったが、祖母が亡くなったと聞き態度を変える。 このまま子供達とパリで暮らすと言うフランソワーズは、ここに住めばいいと提案するピカソの言葉を本心だと思わない。 サバルテスは、惨めな思いをしても自分はこの場に残ると言い切り、その理由をフランソワーズに聞かれる。 ピカソの傍にいてやれば、彼に会うための煩わしい手間が省けると、サバルテスは答える。 フランソワーズは、自分がいなければ才能など誰も評価せず、カーンワイラーとの契約も切れるとピカソに言われる。 その後、カフェでドラと再会したフランソワーズは、ピカソの影響を受けて変わったと言われる。 別れはくるが別れられない、ピカソのいない日々は空しいだけで、彼の後には神しかいないとドラは付け加える。 フランソワーズはその場を去る決心をして、自分を苦しめたと言うピカソは彼女を追いだしてしまう。 しかしピカソは、ジャクリーヌを追い払うと言って、フランソワーズをヴァロリスに呼びようパウロに伝える。 フランソワーズはそれを拒み、暫くパリで考えたいとパウロに語る。 自分を何も理解していないと言うフランソワーズは、子供に別れを言わないのか問うが、ピカソは無言で部屋に戻る。 その後フランソワーズはマスコミに追われ、夏になりヴァロリスに向かう。 フランソワーズは、ピカソのために生きると言うジャクリーヌに、影響を受け過ぎないようにと忠告するが、彼女はそれを気にしない。 フランソワーズに戻ってほしいピカソだったが、ジャクリーヌが二人の様子を気にする。
...全てを見る(結末あり)
パリは連合軍により開放され、ピカソは、レジスタンスの英雄として祭り上げられる。
ピカソは、友人のアンリ・マティス(ジョス・アクランド)に会うのを楽しみにしていた。
ピカソは、去ろうとするフランソワーズに、1週間で戻ると言って、去った女はいないと伝える。
*(簡略ストー リー)
1943年、パリ、ナチス・ドイツ占領下。
高名な画家パブロ・ピカソは、画家志望の学生フランソワーズ・ジローと出会う。
40歳の年齢差を問題にせず親交を深めた二人は同棲を始め、やがて男の子が産まれる。
妻オルガ・ホフロヴァ、最初の愛人マリー=テレーズ・ワルテル、二番目の愛人ドラ・マールらが、なぜピカソの影響を受けそして去って行ったのか、それを考えながら、フランソワーズは彼との生活を続けるのだが・・・。
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パートナーでもあるイスマイル・マーチャントとジェームズ・アイヴォリーの”マーチャント・アイヴォリー・プロダクション”による製作作品。
天才と言われたパブロ・ピカソが、いかにして人に影響を与え、好かれて愛され、そして嫌われたか・・・それを克明に描く物語であり、実力派スターの個性を生かしたジェームズ・アイヴォリーの演出が見所の作品。
しかし、歴史的事実を順序立てて描いているだけの展開はやや単調で、”女性”の物語でもある内容に、もう少し深みを持たせてほしかったというのが感想だ。
魅力的なキャスティングにも拘わらず、商業的には失敗した作品。
製作費 $16,000,000
北米興行収入 $2,021,350
主人公を演ずるのは紛れもなく”アンソニー・ホプキンス”なのだが、時々見せる表情や仕草などがピカソに見間違うほどの、役になり切っている彼の演技は流石だ。
見かけはか弱い女性だが、全ての者が屈するピカソに服従することなく逞しく生きる3番目の愛人フランソワーズ・ジローのナターシャ・マケルホーン、2番目の愛人ドラ・マールのジュリアン・ムーア、アンリ・マティスのジョス・アクランド、ピカソの秘書ピーター・エアー、最初の妻オルガ・ホフロヴァのジェーン・ラポテア、画商サミュエル・M・クーツのデニス・ボウトシカリス、同じく画商ジョゼフ・メイハー、フランソワーズの父親ボブ・ペック、祖母ジョーン・プロウライト、2番目の妻ジャクリーヌ・ロックのダイアン・ヴェノーラ、最初の愛人マリー=テレーズ・ワルテルのスザンナ・ハーカー、ピカソの息子ドミニク・ウェスト、使用人ピーター・ゲレッティなどが共演している。