痛快コメディ・ウエスタン「夕陽に立つ保安官」(1969)の姉妹編。 製作総指揮、監督バート・ケネディ、主演ジェームズ・ガーナー、スザンヌ・プレシェット、ジャック・イーラム他共演のコメディ・ウェスタン。 |
・西部劇
■ スタッフ キャスト ■
監督:バート・ケネディ
製作総指揮:バート・ケネディ
製作:ビル・フィネガン
脚本:ジェームズ・エドワード・グラント
撮影:ハリー・ストラドリングJr.
編集:ウィリアム・B・ガリック
音楽
ジャック・エリオット
アリン・ファーガソン
出演
ラティゴ・スミス:ジェームズ・ガーナー
ペイシェンス・バートン:スザンヌ・プレシェット
ジャグ・メイ:ジャック・イーラム
ジェニー:ジョーン・ブロンデル
テイラー・バートン:ハリー・モーガン
ゴールディ:マリー・ウィンザー
バド・バートン:ディック・カーティス
エズ:ヘンリー・ジョーンズ
エイムズ大佐:ジョン・デナー
マクラグレン:ウィリス・ボーシェイ
モーリス:ウォルター・バーク
コロラド:ベン・クーパー
マーサ:キャスリーン・フリーマン
”スウィフティ”モーガン:チャック・コナーズ
シュルツ医師:ダブ・テイラー
オルティス:ペドロ・ゴンザエエス・ゴンザレス
アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1971年製作 92分
公開
北米:1971年5月26日
日本:1971年10月9日
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ギャンブラーのラティゴ・スミス(ジェームズ・ガーナー)は、コロラドに向かう列車内で酔った挙句に、出会った富豪のゴールディ(マリー・ウィンザー)と結婚の約束をしてしまう。
しかしラティゴは、ゴールディが寝ている間に次の駅で列車を降りようと考える。
パガトリー。
鉱山の所有権で揉めている実力者のテイラー・バートン(ハリー・モーガン)は、乱暴なじゃじゃ馬娘のペイシェンス(スザンヌ・プレシェット)に手を焼きながら、ガンマンが乗っているはずの列車の到着を待つ。
予定通り列車を降りたラティゴに近づいたバートンは、彼に探りを入れて、それをペイシェンスも確認する。
ホテルに向かったラティゴは、女主人マーサ(キャスリーン・フリーマン)に部屋へ案内されるものの、荷物を間違えたことに気づく。 バートンはペイシェンスと息子バド(ディック・カーティス)とホテルに向かい、マーサからラティゴのことを聞き出そうとする。 三人はラティゴが出ていった部屋で、彼の荷物を調べる。 ペイシェンスは、ラティゴがジャグ・メイ(ジャック・イーラム)と話している姿を見て二人に発砲してしまう。 ジャグに町医者のいる場所を聞いたラティゴは、酒場にいたシュルツ医師(ダブ・テイラー)に、500ドルである治療を頼みたいことを伝える。 シュルツは、バートンとエイムズ大佐(ジョン・デナー)が、金脈の坑道争いで2年間も揉めていることをラティゴに話す。 その直後にラティゴは、ペイシェンスに馬車で轢かれそうになりながらシュルツの診療所に向かう。 ラティゴは、胸に彫られたゴールディの入れ墨を消してもらいたいことをシュルツに伝える。 二日後に治療をすることになったラティゴは、その場に現れたバートンに雇いたいと言われるものの、それを無視して酒場に向かう。 ラティゴはルーレットで、ラッキー・ナンバーの”黒の23”に全財産の4600ドルを賭け、それをすってしまい卒倒する。 ジェニー(ジョーン・ブロンデル)の酒場に向かったラティゴは、彼女をおだてて親しくなる。 その後ラティゴは、バートンが雇ったガンマンのコロラド(ベン・クーパー)に決闘を挑まれるものの、彼を叩きのめして指を潰してしまう。 バートンは間抜けなコロラドを追い出し、社員のマクラグレン(ウィリス・ボーシェイ)とモーリス(ウォルター・バーク)に、凄腕ガンマン”スウィフティ”モーガンだと思い込んでいるラティゴを買収する考えを伝える。 父バートンと付き合っているエイムズの姉アビゲイル(エレン・コービー)の協力で酒場の女に扮したペイシェンスは、食事中のラティゴをダイナマイトで殺そうとする。 ラティゴは、自分を”スウィフティ”だと言うペイシェンスを追い払う。 ラティゴについてをシュルツに聞いたペイシェンスは、彼がガンマンの”スウィフティ”だということを知らせる。 ラティゴを雇うことで意見が一致したバートンらは、彼に報酬の5000ドルを提示する。 自分を”スウィフティ”だと思うバートンらに、ジャグが本人だと伝えたラティゴは、彼らに現金を持参するように伝える。 ラティゴは、報酬が1000ドルだということにして現金を受け取り、エイムズ側の警備を追い払うことに成功し、バートンらを喜ばす。 ジャグに分け前を渡したラティゴは酒場に向かい、再び”23”に賭けて、受け取った報酬4600ドルを失ってしまう。 ニューヨークの大学に入ることが夢だったペイシェンスは、ラティゴが現地で育ったことを知り、彼に親しみを感じるようになる。 散歩をした二人は惹かれ合うのだが、そこに、バートンがアビゲイルを送って現れる。 エイムズに、姉と付き合うことを批判されたバートンは家の中に連れて行かれる。 バートンは、坑道とアビゲイルから手を引けとエイムズに言われて脅される。 その場に向かったラティゴは、自分と”スウィフティ”(ジャグ)が行動を監視することをエイムズに伝える。 エイムズは笑いながらそれを承知して、ラティゴの出方を見ようとする。 翌日、ゴールディが町に現れ、ジェニーの友人だった彼女の話で、ラティゴがとんだ食わせ者だったことが分かる。 焦ったラティゴは開き直るが、ゴールディに叩きのめされ、その場に現れたペイシェンスも、胸の入れ墨に気づき彼を殴ってしまう。 その夜バートン主催のパーティーが始まり、シュルツの治療を受けたラティゴは、自分と結婚する気のペイシェンスから謝罪される。 エイムズは、ダイナマイトで坑道を爆破すしようと企み、その場にいたラティゴに話しかけて、ジャグが偽者であることを見破り、実際は”スウィフティ”を呼んでいないことを伝える。 驚いたラティゴだったが、その直後に爆発が起き、坑道は破壊されてしまう。 復旧するには1週間はかかり、エイムズは、その頃には本物の”スウィフティ”が現れるだろうとバートンに伝える。 同じ頃”スウィフティ”モーガン(チャック・コナーズ)は、列車でパガトリーに向かっていた。 ジャグは、バートンの報酬が5000ドルだったことを知らされていたが、ラティゴを恨むことなく、まともに食える金を与えてくれた彼に家謝する。 スウィフティが現れるために町を出る気だったラティゴだったが、ジャグは名を上げるチャンスだと言って同行を断る。 到着したスウィフティは、自分の偽者がいることを電信技士のエズ(ヘンリー・ジョーンズ)から知らされ、通りで決着をつけようとする。 それを知ったジャグはスウィフティに立ち向かおうとするが、ラティゴが彼を殴り倒す。 現れたペイシェンスに自分に責任があると言って、ラティゴはある考えがあることを彼女に伝える。 ラティゴはダイナマイトの箱を積んだラバに乗り、スウィフティを待ち構えていた。 その時、爆発が起き、スウィフティはそのはずみで自分の足を撃ってしまい、ラティゴは暴れるラバと共にジェニーの店に飛び込む。 店は爆発して、ラティゴはゴールディとジェニーに支えられながら姿を現す。 金脈を当てたことを喜ぶジェニーだったが、バートンのラバのお蔭だと言うラティゴは、彼に権利があることを伝える。 バートンは喜び、ラティゴに駆け寄るペイシェンスは、彼の胸の入れ墨が消えたことに気づく。 ラティゴは、ルーレットで1万ドルを”23”に賭け、見事にそれを当てる。 ラティゴとペイシェンスはデンバーで結婚し、彼女は結局ニューヨークの大学は諦め、7人の娘がそれに通った。 バートンはアビゲイルと結婚し、エイムズは破産して、スウィフティはブーツのままの生活を送る。 そしてジャグは、イタリアン・ウエスタンの大スターとなる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ギャンブラーのラティゴ・スミスは、コロラドに向かう列車内で、富豪の女性ゴールディと酔った勢いで結婚の約束をしてしまう。
ゴールディに気づかれないよう、パガトリーの町で列車を降りたラティゴは、実力者のバートンに敵対するエイムズの雇ったガンマンと間違われてしまう。
バートンとエイムズの両実力者は、金脈の坑道を巡って争っていた。
バートンの娘ペイシェンスはラティゴを殺そうとするが、バートンは、彼を5000ドルで雇おうとする。
ラティゴは、ゴールディから奪った金をルーレットですってしまい、仕方なく、親しくなったジャグをガンマンに仕立て上げてバートンから報酬を受け取るのだが・・・。
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好評だった「夕陽に立つ保安官」(1969)の続編ではないが、監督は同じバート・ケネディ、出演者もほとんど同じであり実に愉快な作品に仕上がっている。
また、黒澤明の「用心棒」(1961)とスパゲティ・ウエスタンの「荒野の用心棒」(1964)のパロディということになっているが、ややそのような雰囲気がある程度で、設定が開拓時代の西部というだけの純然たる爆笑コメディ。
権力者の争い、ガンマンの登場、酒場の喧嘩にじゃじゃ娘に手を焼く主人公、西部劇そして娯楽の要素満載の快心作と言っていい。
前作を上回る持ち味で楽しませてくれる、主人公を演ずるジェームズ・ガーナーの人を食ったようなキャラクターと演技はファンを魅了する。
美しさも兼ね備える、実力者(ハリー・モーガン)の娘役スザンヌ・プレシェットの、手の付けられないじゃじゃ馬振りも見ものだ。
いい味を出して好演する、主人公に協力する町の男ジャック・イーラム、酒場の女主人ジョーン・ブロンデル、主人公と結婚の約束をする富豪の女性を豪快に演ずるマリー・ウィンザー、実力者の息子ディック・カーティス、電信技士ヘンリー・ジョーンズ、敵対する実力者役のジョン・デナー、バートン(H・モーガン)の部下ウィリス・ボーシェイとウォルター・バーク、若い雇われガンマンのベン・クーパー、ホテルの主人キャスリーン・フリーマン、ガンマンのチャック・コナーズ、町医者ダブ・テイラー、床屋のペドロ・ゴンザエエス・ゴンザレスなどが共演している。