製作、監督、脚本のJ・J・エイブラムスと製作スティーヴン・スピルバーグが組んだスマッシュ・ヒット作。 自主映画製作にのめり込む少年達が軍の秘密計画に巻き込まれながら立ち向かう姿を描く、出演ジョエル・コートニー、エル・ファニング、ライリー・グリフィス他共演のSF映画。 |
・スティーヴン・スピルバーグ / Steven Spielberg 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:J・J・エイブラムス
製作
スティーヴン・スピルバーグ
J・J・エイブラムス
ブライアン・バーク
脚本:J・J・エイブラムス
撮影:ラリー・フォン
編集
メリアン・ブランドン
メアリー・ジョー・マーキー
音楽:マイケル・ジアッキーノ
出演
ジョー・ラム:ジョエル・コートニー
アリス・デイナード:エル・ファニング
チャールズ・カズニック:ライリー・グリフィス
ケアリー:ライアン・リー
マーティン:ガブリエル・バッソ
プレストン:ザック・ミルズ
ジャック・ラム:カイル・チャンドラー
ルイス・デイナード:ロン・エルダード
ネレク大佐:ノア・エメリッヒ
ウッドワード:グリン・ターマン
ダニー:デヴィッド・ギャラガー
カズニック夫人:ジェシカ・タック
カズニック:ジョエル・マッキノン・ミラー
プルイット保安官:ブレット・ライス
ロスコ:マイケル・ヒッチコック
オーバーマイヤー:リチャード・T・ジョーンズ
ジェン・カズニック:アマンダ・ミシェルカ
イーディ:デイル・ディッキー
イジー:ダン・カステラネタ
クーパー:ブルース・グリーンウッド
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
2011年製作 112分
公開
北米:2011年6月10日
日本:2011年6月24日
製作費 $50,000,000
北米興行収入 $127,004,180
世界 $259,936,680
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1979年、オハイオ州、モントゴメリー郡。
鉄鋼工場に勤めていた妻が事故死した保安官補ジャック・ラム(カイル・チャンドラー)は、14歳の息子ジョー(ジョエル・コートニー)と共に失意の日々を送る。
4ヶ月後、夏休み。
ジョーは、親友のチャールズ・カズニック(ライリー・グリフィス)、ケアリー(ライアン・リー)、マーティン(ガブリエル・バッソ)、そしてプレストン(ザック・ミルズ)らと、8ミリ映画を作るのが趣味だった。
ある夜5人は、映画を作るために家を抜け出し、無免許のアリス・デイナード(エル・ファニング)が運転する車で、撮影現場に向かう。
撮影の準備は整い、メイク担当のジョーは、リハーサルでのアリスの演技に感動してしまう。
そこに、列車が近づき、チャールズは絶好のチャンスだと言って、撮影開始を急がせる。 抜群の舞台設定で撮影を始めた6人だったが、通り過ぎた列車は、直後に衝突事故を起して脱線して大破する。 難を逃れたジョーは、貨物車が揺れ動くのを目撃し、その後、仲間達が無事だったことを確認する。 ジョーは、線路に車が止まっていたことを目撃したため、これが偶然の事故ではないと考える。 その車を見つけた彼らは、運転していた教師のウッドワード(グリン・ターマン)に気づき、彼が持っていた地図とそれに書かれたメモを見つける。 生きていたウッドワードは、このことは誰にも言うなとジョーら告げて、彼らは現われた兵士に気づきその場から逃亡する。 ジョーらを取り逃がしたネレク大佐(ノア・エメリッヒ)は、その場に落ちていた”スーパー8mmフィルム”の空箱を確認する。 6人は怯えながら帰宅し、ジョーは現場に落ちていたキューブを持ち帰る。 翌日、チャールズは事故現場を利用して撮影を続けることを考え、ジョーもそれに賛成してアリスを誘う。 ジョーは、軍隊が空軍だと気づき、ウッドワードが、列車の進路を地図で確認して衝突したと考える。 町民の危険を考え、ネレクに積荷などを確認したジャックは、その不審な行動や”キューブ”のことなどをプルイット保安官(ブレット・ライス)に報告する。 しかし、保安官はジャックの意見を聞き入れず、彼に休暇を取るようにと言い渡す。 その後、保安官は、ガソリンスタンドで給油中に、何者かに襲われ姿を消してしまう。 ジャックにその事件の連絡が入り、現場を見た彼は、中古車ディーラーの車のエンジンが奪われたという連絡を受けて、それを確認する。 愛犬がいくなったジョーは、それを捜すのだが、町中の犬が行方不明だということと、ジャックらの話を聞き、空軍の医療施設に収容されているウッドワードの研究を、軍が探っていることを知る。 町は混乱し、ジャックは対応に追われ、軍がおかしな通信をしていることなども分かる。 アリスの父ルイス(ロン・エルダード)が、車荒らしの疑いで警察に連行され、彼はジャックに、ジョーを娘に近づけるなと警告する。 しかし、ジョーとアリスは親交を深め、心通い合うようになっていた。 ジョーの愛犬は遥か遠方で発見され、空軍の無線を傍受したジャックは、”ウォーキング・ディスタンス作戦”という言葉を耳にする。 軍が捜索を続ける現場で、撮影をしていたジョーは、現われたジャックにパトカーに乗るよう指示される。 その場にいたネレクに、”ウォーキング・ディスタンス”を知っていることを伝えたジャックは、二人で話し合うことになる。 ジョーは、妻と同じ職場だったルイスをかばってきたのだが、生活を改めない彼を見限り、ジョーにアリスと会うことを禁じてしまう。 亡き母を思い出したジョーは墓地に向かうが、彼はその場の建物内の異常に気づく。 誰かが現場を撮影していたことに気づいていたネレクは、ウッドワードにそれが誰かを問い質すが、彼は口を開かないままに抹殺される。 その夜、ジョーの部屋に現われたアリスは、父ルイスの代わりに仕事をしたジョーの母親が、事故死したことを伝える。 その時、ジョーが事故現場から拾ってきたキューブが動き始めて、部屋の壁を突き破ってしまう。 帰宅したアリスは、父ルイスと言い合いになり家を飛び出し、彼は車でそれを追い事故を起してしまう。 次の瞬間、アリスは現われた何者かに連れ去られてしまう。 翌日、チャールズがアリスを好きなことを知ったジョーは、彼と二人で現像した事故当日のフィルムを見て、貨物車から、得体の知れない生物が脱出する映像を確認する。 その後、町には避難命令が出て、空軍基地に移動したジョーは、その場にいたルイスから、アリスがさらわれたことを知らされる。 ジョーはアリスを助けるために、チャールズの姉ジェン(アマンダ・ミシェルカ)に気がある、カメラ・ショップの店員ダニー(デヴィッド・ギャラガー)を丸め込み、仲間達と共に基地を脱出する。 同じ頃、拘束されていたジャックも、兵士に扮してその場を抜け出し基地に向かう。 学校に侵入したジョーらは、ウッドワードの経歴や研究資料などを調べるが、現われたネレクらに捕らえられてしまう。 ジョーらを乗せた移送バスはモンスターに襲われ、彼らは何とかその場を逃れるが、同乗していたネレクらはその餌食になってしまう。 その場にダニーが現われ、彼の車で町に戻ったジョーらだったが、軍隊の武器兵器が勝手に発砲などを始め戦場となる。 ジョーは、ケアリーと共にアリスを捜すために墓地に向かい、巨大な穴を見つける。 子供達を見つけるために、ジャックはルイスを連れて基地を離れる。 ジャックは、ルイスから妻のことで謝罪されるが、あれは事故だったと伝える。 穴の底に向かったジョーとケアリーは、給水塔の地下付近で、捕らえられていた人々を、モンスターが食べている姿を目撃する。 アリスを助けたジョーは、その場にいた保安官や生存者らと穴から脱出しようとする。 しかし、保安官らはモンスターに殺され、ジョーはアリスとケアリーを助けるためにそれに立ち向かう。 ジョーは、モンスターに捕らえられながらも、辛さを乗り越えて生きていけると説得し、彼は解放されて地上に戻る。 給水塔に町中の金属が吸い付けられ、その上部が宇宙船のようなものに変形する。 そこに、ジャックとルイスが現われ、二人は子供達と再会して固く抱き合う。 宇宙船は飛び立とうとするが、ジョーの母親の形見であるペンダントが吸い寄せられる。 ジョーはペンダントを離し、それは給水塔に吸い付けられ、宇宙船は飛び立って行く。 ジョーやアリス、ジャックとルイス、そして町の人々は、いつまでも宇宙船を見つめる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
母親を事故で亡くした少年ジョー・ラムは、保安官補である父親と失意の日々を送っていた。
夏休みになり、友人チャールズらとの映画製作が趣味のジョーは、ある夜、家を抜け出し、仲間達と共に撮影現場に向かう。
列車が近づく絶好の撮影チャンスに、カメラを回したジョーらだったが、直後に、列車の衝突事故に遭遇してしまう。
出演者アリスらの無事を確認したジョーは、列車と衝突した教師のウッドワードが、意図的に起した事故ではないかと考える。
現われた空軍のネレク大佐に驚き、その場から逃亡したジョーらは、怯えながら家路に着く。
ジョーは、貨物車両が異常な動き方をするのを目撃していて、現場にあったキューブも持ち帰る。
その後、町では、人々の失踪事件や機械の紛失騒ぎが起き、消息を絶った保安官に代わり、ジャックがその対処に奔走する。
その後も少年達は、事件現場を利用して撮影を続け、やがてジョーとアリスは親交を深め、心が通じ合うようになるのだが・・・。
__________
製作にスティーヴン・スピルバーグが参加していることでも明らかだが、「未知との遭遇」(1977)や「E.T.」(1982)と、映画撮影に熱中していたスピルバーグとJ・J・エイブラムスの少年時代へのオマージュ的な作品である。
見るからにグロテスクなモンスターとして登場するエイリアンは、上記作品の友好的雰囲気のそれとは異なるが、ラストのカメラ・アングルや雰囲気は、正に「E.T.」を思わせる。
序盤で起きる、列車衝突事故の場面などは凄まじい迫力であり、映画製作現場の役割分担なども凝っている、J・J・エイブラムスの手抜きのない細やかな演出も興味深い。
キッズ・ムービー風で始まる作品だが、その見事な仕上がりは、大人でも十分に楽しめるものになっている。
押し付けがましくない家族愛の描写などを含め、1970年代末の舞台設定なども、ドラマにアクセントを加え、何とも知れないノスタルジックな思いにさせてくれる作品であり、多くの古風な小道具なども実に新鮮に見える。
北米興行収入は約1億2700万ドル、全世界では約2億6000万ドルという、予想を遥かに上回る大ヒットとなった。
母を亡くし心に傷を負いながらも、友人達に支えられ健気に生きる少年を好演するジョエル・コートニー、その父で保安官補のカイル・チャンドラー、主人公と親交を深める少女エル・ファニングその父親ロン・エルダード、主人公の親友達ライリー・グリフィス、ライアン・リー、ガブリエル・バッソ、ザック・ミルズ、空軍大佐のノア・エメリッヒ、列車事故を引き起こす教師グリン・ターマン、カメラ・ショップの店員デヴィッド・ギャラガー、チャールズ(R・グリフィス)の両親ジョエル・マッキノン・ミラーとジェシカ・タック、姉アマンダ・ミシェルカ、保安官ブレット・ライス、そして、エイリアン”クーパー”として、ブルース・グリーンウッドは一応出演したことにはなっているが、当然、彼の素顔は登場しない。