冴えない中年男が奪われた妻を取り戻すために“スーパーヒーロー”となり巻き起こす騒動を描く、監督、脚本ジェームズ・ガン、製作、主演レイン・ウィルソン、エレン・ペイジ、リヴ・タイラー、ケヴィン・ベーコン他共演のアクション・コメディ。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジェームズ・ガン
製作総指揮
レイン・ウィルソン
マット・ルートワイラー
製作
テッド・ホープ
ミランダ・ベイリー
脚本:ジェームズ・ガン
撮影:スティーヴ・ゲイナー
編集:カーラ・シルヴァーマン
音楽:タイラー・ベイツ
出演
フランク・ダルボ/クリムゾンボルト:レイン・ウィルソン
リビー/ボルティー:エレン・ペイジ
サラ・ヘルジランド:リヴ・タイラー
ジャック:ケヴィン・ベーコン
ジョン・フェルクナー刑事:グレッグ・ヘンリー
エイブ:マイケル・ルーカー
ハミルトン:アンドレ・ロヨ
トビー:ショーン・ガン
クィール:スティーヴン・ブラックハート
Mr.レンジ:ドン・マック
マリア:リンダ・カーデリーニ
ホーリー・アベンジャー:ネイサン・フィリオン
神/声:ロブ・ゾンビ
アメリカ 映画
配給
IFC Films(北米)
StudioCanal(世界)
2011年製作 96分
公開
北米:2011年4月1日
日本:2011年7月30日
製作費 $2,500,000
北米興行収入 $322,160
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
冴えない中年男フランク・ダルボ(レイン・ウィルソン)は、不釣合いな美女のサラ・ヘルジランド(リヴ・タイラー)と結婚できたのだが、彼女はドラッグ依存症だった。
ある日、サラの留守中に、ジャック(ケヴィン・ベーコン)という男が訪ねて来たのだが、その5日後に、フランクの元からサラは姿を消す。
フランクはサラを捜し始め、ジャックには無視され、警察署に出向いても、刑事のジョン・フェルクナー(グレッグ・ヘンリー)に相手にされない。
愛情を注げるペットでも飼おうかと思ったフランクだったが、自分のような男が相手では可哀想だと考え、それを諦める。 テレビのヒーロー、ホーリー・アベンジャー(ネイサン・フィリオン)を見て、ジャックに立ち向かう勇気が出たフランクは、彼と一緒にいたサラを連れ戻そうとする。 フランクは、ジャックに脅されるもののそれに抵抗し、彼の手下エイブ(マイケル・ルーカー)らに痛めつけられてしまう。 神に祈りを捧げたフランクは眠れない夜を過ごし、その後、神に脳に触れられ、現われたホーリー・アベンジャーに、自分が神に選ばれし者だと告げられる。 それが夢であったのか・・・? 思い立ったフランクは、描いたデザインを参考にして、コスチュームを作り、変身して”クリムゾンボルト”となる。 ドラッグディーラーが集まる場所で、腕試しをしたフランクは、自分に超人的パワーがないことを知り、リビーに助言を求める。 パイプレンチが武器になると考えたフランクは、その後、悪党を懲らしめることに成功する。 ドラッグに溺れるサラを見たフランクは、自分がコックをするレストランの、ウエイトレスだった頃の彼女を思い出す。 ドラッグ依存症だったサラは、なぜか人と違うフランクに惹かれ、二人は愛し合うようになる。 その頃、世間では、フランクの思惑とは異なり、クリムゾンボルトが市民に乱暴をしていると報道される。 ある日フランクは、並んでいた列に割り込んだカップルを、その場でクリムゾンボルトに変身して、レンチで殴り倒してしまう。 そんな時、新聞記事を見たリビーは、フランクを訪ねて、彼がクリムゾンボルトだと見抜いていることを伝える。 刑務所に入れられることを恐れたフランクは、コスチュームを捨てるべきかを神に問う。 一旦はそれを捨てたフランクは思い留まり、変身してサラがいる屋敷の敷地内に侵入し、麻薬を打たれる彼女を見て窓を叩き割る。 しかし、ジャックの手下達に銃を向けられえたフランクは、その場から逃げ去り、正体もばれてしまう。 エイブの銃弾を受けながら、何とか逃げ延びたフランクは、リビーに誘われたパーティーに向かう。 コスチュームを隠すために、ゴミ袋を身にまとい、リビーに会ったフランクは、彼女に傷の手当をしてもらう。 その頃、被害届を取り消したフランクが、クリムゾンボルトだということに気づいたフェルクナー刑事は、彼の家に侵入するが、現われたエイブらに射殺されてしまう。 リビーは、自分もヒーローになることを望み、二人で組んでサラを取り戻すことを提案し、”ボルティー”に変身してみせる。 先走るリビーは過激な行動に出て、それをよく思わないフランクは、ガソリンスタンドでジャックの手下のトビー(ショーン・ガン)らに見つかってしまう。 そして、フランクとリービーは、市民の見てる前でトビーらを殺してしまい、それで吹っ切れたフランクは、ジャックに復讐を誓う。 二人は武装するために銃器などを揃え、クリムゾンボルトに対する人々の見方も、悪党から正義の味方に変わり、ボルティーもテレビで紹介されて彼女は興奮する。 コスチューム姿のリビーに求められ、彼女と愛し合ってしまったフランクは、戦いに挑む気になり、ジャックの屋敷に向かう。 ジャックは、Mr.レンジ(ドン・マック)と取引を始め、彼がサラを気に入り乱暴しようとする。 敷地内に侵入したフランクとリビーは、ジャックの手下達を容赦なく殺害する。 二人は見つかってしまい銃撃を受け、防弾チョッキで助かったフランクは、リビーが顔面を吹き飛ばされて、命を落としたことを知る。 怒りを爆発させたフランクは敵を次々と倒し、一方、取引を止めて帰ろうとしたレンジを、ジャックが射殺してしまう。 屋敷に押し入ったフランクはエイブを殺し、ジャックは彼にサラを連れ帰るよう指示する。 しかし、ジャックはフランクを銃撃し、反撃したフランクは、ジャックを殺す。 サラと、リビーの遺体を車に載せたフランクは自宅に戻り傷の手当をする。 2ヶ月間、平穏な日々を送っていたフランクとサラだったが、彼女は姿を消してしまう。 神はフランクを選んだのではなく、サラを選んだのであり、フランクは、彼女が再婚などをして幸せになり、新たな人生を築く手助けを自分がしたことに気づく。 フランクは、ペットのウサギと暮すようになり、サラの子供は自分を”フランクおじさん”と呼び、彼は、自分の体験してきた出来事をのイラストなどを壁一面に貼り、それを見て、笑みを浮かべながら涙する。
...全てを見る(結末あり)
フランクは、その時に見た、あるデザインを描き、コミック・ショップに向かい”ホーリー・アベンジャー”を手にし、店員のリビー(エレン・ペイジ)から、”悪に立ち向かう心が、人をヒーローにする”と言われる。
*(簡略ストー リー)
風貌もやることも何もかも冴えない、図体だけがデカイ中年男フランク・ダルボだったが、なぜか不釣合いな美女、妻サラと平穏な暮らしをしていた。
ある日、ジャックという男がサラを訪ねてくるのだが、その5日後に彼女は姿を消してしまう。
麻薬ディーラーの悪党ジャックに、ドラッグ依存症だったサラを奪われたフランクは、何とか彼女を取り戻そうとする。
しかし、フランクは、ジャックにも警察にも相手にされず、アニメ・ヒーローを見て勇気を出し、サラを取り戻そうとしてみる。
しかし、ジャックの手下に痛めつけられ、フランクは神に祈りを捧げ、その結果、自分が選ばれし者だという啓示を受ける。
コミック・ショップに向かったフランクは、店員リビーの意見を参考に、コスチュームを作り、ヒーロー”クリムゾンボルト”に変身して、悪に立ち向かおうとするのだが・・・。
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冴えない男が、変質者のようなヒーローとなり繰り広げる、唯のバカげたドタバタ・コメディかと思いきや、過激で”笑えない”?ブラック・ユーモアなどが、結構、新鮮にも思える作品。
主人公が、”本当”のヒーローになっていくクライマックス、平穏に終わると見せながらさらに打ちのめされる”衝撃”のラスト、哀愁漂う、メッセージ性のある結末も、なかなか凝っている。
純コメディにしては、かなり残虐な殺戮場面などが多く、それが要因なのか、豪華キャスティングにも拘らず、北米でもわずか38館でしか上映されなかった。
主演のレイン・ウィルソンは、とてつもなく冴えないヒーローを好演するが、ドラマの中で言われるほどダサい男にも見えない。
この役には、ジョン・C・ライリーの名前が上がっていたのだが、知名度、そして容姿からして、彼の方が適役だったかもしれない。
アッと驚く殺され方をする、ヒーロー願望のある唯のコスプレ・ガールを演ずるエレン・ペイジの怪演が見もので、実力派らしく、異彩を放つキャラクターを痛快に、また楽しそうに演じている。
主人公の妻でジャンキーのリヴ・タイラー、彼女を強引に自分のものにしてしまう麻薬ディーラーのケヴィン・ベーコン、その手下マイケル・ルーカー、監督ジェームズ・ガンの弟ショーン・ガン、スティーヴン・ブラックハート、刑事グレッグ・ヘンリー、主人公の同僚アンドレ・ロヨ、麻薬王のドン・マック、ペット・ショップの店員リンダ・カーデリーニ、あにめ・ヒーロー、ホーリー・アベンジャーのネイサン・フィリオン、神(声)ロブ・ゾンビなどが共演している。