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砂丘の敵 Sundown (1941)

アフリカへの武器密輸の陰謀に立ち向かうイギリス軍兵士の戦いを描く、製作ウォルター・ウェンジャー、監督ヘンリー・ハサウェイ、主演ジーン・ティアニーブルース・キャボットジョージ・サンダースハリー・ケリージョセフ・カレイア他共演の戦争ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(戦争)


スタッフ キャスト
監督:ヘンリー・ハサウェイ

製作:ウォルター・ウェンジャー
原作:バー・リンドン
脚本
チャールズ・G・ブース
バー・リンドン
撮影:チャールズ・ラング
編集:ドロシー・スペンサー
美術・装置
アレクサンダー・ゴリツェン
リチャード・アーヴァイン
音楽:ミクロス・ローザ

出演
ジア:ジーン・ティアニー
ウィリアム”ビル”クロフォード大尉:ブルース・キャボット
A.L.クームス少佐:ジョージ・サンダース
デューイ:ハリー・ケリー
パリーニ:ジョセフ・カレイア
ロディ・ターナー中尉:レジナルド・ガーディナー
ヤン・カイペンス:カール・エスモンド
アブディ・ハマッド:マーク・ローレンス
クームス司教:セドリック・ハードウィック
アラン・アシュバートン:ギルバート・エメリー
ミリアミ:ジェニ・ル・ゴン
キプサン:エメット・スミス
キプサンの花嫁:ドロシー・ダンドリッジ
部族警察官:ウディ・ストロード

アメリカ 映画
配給 ユナイテッド・アーティスツ
1941年製作 90分
公開
北米:1941年10月16日
日本:1952年3月7日
製作費 $1,200,000


アカデミー賞
第14回アカデミー賞

・ノミネート
美術(白黒)・撮影(白黒)・ドラマ音楽賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
イギリス領東アフリカ、ライノロック近郊。
航空機で到着したジア(ジーン・ティアニー)は、キャラバン隊に迎えられてマニカに向かう。

マニカ。
地方長官のウィリアム”ビル”クロフォード大尉(ブルース・キャボット)は、ナイロビの総督に連絡を取り、地元の部族センシの研究のために1ヵ月間の一時帰国を要請する。

その直後に同僚のロディ・ターナー中尉(レジナルド・ガーディナー)は、センシが敵対的になっているとして、クロフォードの休暇要請を却下するよう総督にメッセージを送る。

クロフォードは、部隊員でもある部族民キプサン(エメット・スミス)と花嫁(ドロシー・ダンドリッジ)の結婚を認める。

夕暮れになり、2機の飛行機が到着し、機内から大量のライフルが運び出される。

クロフォードとターナーは、総督の代理人A.L.クームス少佐(ジョージ・サンダース)を迎える。

クームスは、亡くなったアラブの商人アブ・カリが住んでいた、今は空き家となった屋敷が気になる。

見張りが少ないことが気になるクームスは、イタリア人捕虜のパリーニ(ジョセフ・カレイア)がコックをしているため、監禁するようクロフォードとターナーに指示する。
...全てを見る(結末あり)

クームスは、センシに向かおうとするクロフォードに、誰かが武器を持ち込んでいるために、政府が調査を希望していることを伝える。

そこに、イタリア政府に協力しているオランダ人技師ヤン・カイペンス(カール・エスモンド)が現れ、パリーニが彼宛の手紙のことを思い出す。

クロフォードは手紙をカイペンスに渡し、クームスは証明書が揃っている彼に問題がないことを伝える。

クームスは、センシを迂回してきたと言うカイペンスに、銃のことを尋ねる。

その後、部隊と共に移動するクロフォードらは、地元の商人アブディ・ハマッド(マーク・ローレンス)らに襲われるものの、それから逃れる。

キプサンが負傷しながら奪った銃を持ち帰ったクロフォードは、それがチェコスロバキア製であることを確認し、クームスは、政府が疑っていたのがこれだと考える。

その話を聞いていたパリーニは、センシには銃以外にもっと大きな陰謀があることをクロフォードとクームスに伝える。

パリーニを信用したクームスは、彼をコックに戻す。

捕らえたハマッドと話したクロフォードは、銃を持ち込んだためにセンシが死んだことで彼を責める。

クロフォードは、それを否定するハマッドを解放して追い払う。

武器の流れを知ろうとするクロフォードは、ハマッドを泳がせておくことをクームスに伝える。

その後、キプサンが亡くなり、クロフォードらは葬儀に参列する。

到着したジアは、亡き父アブ・カリの屋敷を確認し、クロフォードの元に向かう。

クロフォードらは、ジアの美しさに驚く。

交易所の品物を補給することが目的だと伝えたジアは、銃は持ち込んでいないと言って、クロフォードから許可を得る。

子供時代からジアを知るパリーニは再会を喜び、彼女から夕食に招待される。

パリーニは、手広く商売をしているアブ・カリの娘ジアのことをクロフォードらに話す。

ターナーが誕生パーティーを開くことを提案し、クームスはそれに賛成し、パリーニが料理を用意することになる。

その夜、パーティーの準備が整い、フランス人とのハーフであるジアには特別な席が用意される。

ジアを迎えたクロフォードはカイペンスを紹介し、彼女と席に着き話をする。

アフリカで育ったことをクロフォードに話したジアは、席の意味は理解していると彼に伝える。

その後、部族民が姿を消してしまい、ジアも屋敷に戻る。

ジアと話をしたパリーニは、6人の男の中の1人が死ぬという言い伝えを聞き、それは”ハバリ”というものだった。

5人しかいないので問題ないと考えたクロフォードらだったが、そこに白人ハンターのデューイ(ハリー・ケリー)が現れる。

知人のデューイを歓迎したクロフォードは、彼に皆を紹介する。

それで6人となり、襲われるのはクロフォードだということになり、解放したハマッドが襲ってくると考えた彼は、対抗しようとする。

クロフォードは家に向かい、その場に向かったジアは、ハマッドが機関銃を発砲してたために身を隠す。

銃弾をかわしたクロフォードは難を逃れ、警戒していたクームスらがハマッドを銃撃する。

隠れていたハマッドを見つけたクロフォードらは、逃げる彼を射殺する。

ハマッドの武器を確認したクロフォードは、ジアが家のベランダで撃たれていたことをデューイから知らされ、軽傷だった彼女の様子を見に行く。

召使いのミリアミ(ジェニ・ル・ゴン)の手当てを受けていたジアはクロフォードに気づき、彼から家に来たことを非難され、ハマッドを警戒するよう警告しに行ったことを伝える。

そこに現れたクームスは、ジアにこの場を去るよう命ずる。

クロフォードは、クームスの真意を確かめようとする。

身を潜めて会話を聞いていたカイペンスはジアと話し、イギリス人を理解するべきだと伝える。

ジアは、訛りがあるカイペンスはオランダ人ではなく、ハマッドと手を組んで武器を供給していたことに気づく。

自分のビジネスのことだけを考えていると言うジアは、勝者側つくとカイペンスに伝えて信じてもらい、同行することになる。

その場を去るカイペンスは、ジアを心配して現れたパリーニに気づく。

ジアは、黒幕のカイペンスがセンシの武器に絡んでいることをパリーニに話し、クロフォードに伝えるよう指示する。

カイペンスとここを出るので、とにかくクロフォードに伝えてほしいと言われたパリーニは、ジアを心配しながらその場を去り、待ち構えていたカイペンスに殺される。

翌日、地面にカイペンスと書かれた文字の横でパリーニの死体が見つかり、クロフォードは、姿を消したジアのことをミリアミに尋ねるものの、何も分からなかった。

クームスから、カイペンスと出て行ったジアは、銃の密輸でつながっていることを知らされたクロフォードは、彼女を疑うことができなかった。

政府からカイペンスの捜査を指示されていたクームスは、それに従うことをクロフォードに伝える。

ジアは、カイペンスと共に武器庫である洞窟に着き、それを通り抜けた場所にある湖に浮かぶ、武器を運ぶ水上機を確認する。

クームスは、飛行機で到着したアラン・アシュバートン(ギルバート・エメリー)と話をする。

デューイから、爆発性の鉱石が採取される場所が怪しいと言われたクロフォードは、彼と共にその場に向かう。

クームスからの軍隊の出動要請を拒んだアシュバートンは、クロフォードと話をしようとするが、彼はデューイと共に姿を消していた。

キャラバンの野営地を見つけたクロフォードとデューイは、武器と弾薬を確認して、それを爆破する。

山岳地帯から湖に向かい、水上機を発見したクロフォードとデューイは、密輸の方法を知る。

クロフォードは、デューイにクームスへの連絡を任せる。

カイペンスは、昨夜の爆破の件について話し、ジアがクロフォードに連絡していると考え、彼女を追及する。

ジアがグラハム・フレッチャーの娘であることを知っているカイペンスは、彼女が2歳の時に母親を亡くし、アブ・カリが養子に迎えアラブ人として育てたことを話し、武器運搬にキャラバンを利用したかっただけだと彼女に伝える。

捕らえられたクロフォードは、連れて来られたジアに、キャラバンの武器を爆破したことを伝えて彼女を疑う。

カイペンスの仲間のフリをしていただけだと言うジアは、地図と彼らの計画を知っているとクロフォードに伝えて、センシがマニカを攻撃することを涙しながら話し信じてもらう。

クロフォードとジアは、それを何とかクームスらに知らせようと考え、見張りを騙してその場から逃げる。

カイペンスは、武器の準備を整えて明日マニカを攻撃することを無線で知らせる。

クロフォードはカイペンスに見つかり銃撃戦になり、ジアは捕まってしまう。

ジアは、カイペンスからキャラバンに指示を出すようにと言われ、それに従わないために殴られる。

キャラバンに扮していたクームスらはカイペンスらを銃撃し、催涙弾が発射される。

デューイがジアを助けて、彼女にマスクをつけさせる。

カイペンスを追ったクームスは、銃弾を受けながら彼を倒す。

瀕死のクームスはクロフォードに後を任せ、司教だった父の考えに反し、聖職ではなく軍隊を選んだことを伝えて息を引き取る。

ロンドン
クロフォードとジアは結婚式を挙げる。

クームス司教(セドリック・ハードウィック)は、マニカの人々がアフリカとその国民を守っていることを話す。

多くの者が亡くなり、その中の1人の若者は自分の息子だと言う司教は、彼らは永遠に心の中に生き続けると語る。

昨日、結婚式を挙げた、アフリカから帰還した若者から息子のメッセージを受け取ったと言う司教は、小さな紙切れに書かれた詩は、信仰を持つものは必ず勝利するという強烈な内容だったと皆に伝える。


解説 評価 感想
*(簡略ストーリー)
イギリス領東アフリカ、マニカ。
地方長官のクロフォードは、総督代理のクームスから、武器密輸に関する調査をすることを知らされる。
アラブ人とのハーフであるジアのキャラバンが到着し、クームスは、彼女が密輸に絡んでいることを疑い、町からの退去を命ずる。
ジアは、測量士カイペンスの訛りからオランダ人ではないことに気づき、彼が黒幕だと考え、協力すると見せかけて行動を共にするのだが・・・。
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サタデー・イブニング・ポスト”に掲載された小説を基にバー・リンドンが脚色し、ウォルター・ウェンジャーの製作でヘンリー・ハサウェイが監督した作品。

明確に反ナチ作品という形では宣伝されていないが、クライマックスで登場するセドリック・ハードウィックが演ずる司祭が、信仰を持つものは必ず勝利すると皆に語るシーンは、第二次大戦が激化する中での、国民に対する強烈なメッセージであることは明らかだ。

ユナイテッド・アーティスツは、前年デビューしたばかりのジーン・ティアニーを、広告宣伝を含めすべての項目でファーストクレジットとする条件で20世紀FOXから借り受け、豪華スター競演で製作した大作として話題になった。

舞台は現ケニアなのだが、ブロンソン渓谷モハーヴェ砂漠ニューメキシコ州のシップロックなどが撮影が効果的に使われ、現地の雰囲気をだしている。

第14回アカデミー賞では、美術(白黒)、撮影(白黒)、ドラマ音楽賞にノミネートされた。

主演のジーン・ティアニーは、謀略に身を投じるヒロインを、謎めいた雰囲気で魅力的に演じている。

地方長官として領地を守るイギリスの軍人を熱演するブルース・キャボット、彼と共に武器密輸の陰謀を調査する少佐ジョージ・サンダース、主人公らに協力するハンターのハリー・ケリーイタリア人捕虜であるヒロインの知人でイギリス軍に協力するジョセフ・カレイア、地方長官の同僚である中尉レジナルド・ガーディナー、陰謀の黒幕だったカール・エスモンド、武器密輸に加担する地元民マーク・ローレンス、ラストで登場する司祭でクームス(ジョージ・サンダース)の父親セドリック・ハードウィック、現地への軍隊派遣を拒む士官ギルバート・エメリー、ヒロインの召使いジェニ・ル・ゴンイギリス部隊に所属する部族民エメット・スミス、その妻ドロシー・ダンドリッジ、部族警察官のウディ・ストロードなどが共演している。


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