劇団員のショーに協力することになった農場主の女性と演出家の恋を描く、監督チャールズ・ウォルターズ、主演ジュディ・ガーランド、ジーン・ケリー、エディ・ブラッケン、グロリア・デヘブン他共演のミュージカル・コメディ。 |
・ジュディ・ガーランド / Judy Garland / Pinterest
・ジーン・ケリー / Gene Kelly / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:チャールズ・ウォルターズ
製作:ジョー・パスターナク
原作:サイ・ゴンバーグ
脚本
ジョージ・ウェルズ
サイ・ゴンバーグ
撮影:ロバート・H・プランク
編集:アルバート・アクスト
音楽:コンラッド・サリンジャー
出演
ジェーン・ファルベリー:ジュディ・ガーランド
ジョー・D・ロス:ジーン・ケリー
オーヴィル・ウィンゲイト:エディ・ブラッケン
アビゲイル・ファルベリー:グロリア・デヘブン
エズメ:マージョリー・メイン
ハーブ・ブレイク:フィル・シルヴァース
ジャスパー・G・ウィンゲイト:レイ・コリンズ
サラ・ヒギンズ:ニタ・ビーバー
アーティ:カールトン・カーペンター
ハリソン・I・キース:ハンス・コンリード
アメリカ 映画
配給 MGM
1950年製作 109分
公開
北米:1950年8月31日
日本:未公開
製作費 $2,025,000
北米興行収入 $2,498,000
世界 $3,357,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ファルベリー農場。
農場主のジェーン・ファルベリー(ジュディ・ガーランド)は、3年間まともな収穫がなかった。
ジェーンは、祖父の代からの使用人フランクとゼブにまともな給料が払えず、辞めると言う2人を引き止めることができなかった。
家政婦のエズメ(マージョリー・メイン)に励まされたジェーンは、カレンダーのトラクターの広告を見て、それさえあれば収穫が見込めると考える。
雑貨店を営むジャスパー・G・ウィンゲイト(レイ・コリンズ)に相談に行ったジェーンは、彼の息子で婚約者のオーヴィル(エディ・ブラッケン)と話をする。
ジェーンから注文を聞いたオーヴィルは、ロープやペンキの他にトラクターと言われたために驚き、高価だったために父に相談する。
ジャスパーに呼ばれたジェーンは、オーヴィルとの結婚の話ばかりする彼から、快くトラクターを提供される。
トラクターに乗って農場に戻ったジェーンは、大勢の人々が納屋に荷物を運びこんでいたために驚く。
リーダーのジョー・D・ロス(ジーン・ケリー)の話も聞かずに追い出そうとしたジェーンは、妹アビゲイル(グロリア・デヘブン)が劇団を連れて戻ったことを知る。 演出家のジョーのショーに出演するアビゲイルは、家の中でジェーンと話をして、婚約者の彼に問題はないと伝える。 アビゲイルは、画家になることを諦め美術学校をやめて、友人に舞台に立つことを勧められ、ジョーと知り合ったことをジェーンに話す。 場所がないので納屋でショーをやりたいと言うアビゲイルは、ジェーンを説得する。 そこに主役の俳優ハリソン・I・キース(ハンス・コンリード)が到着し、彼を迎えたアビゲイルはジェーンを紹介する。 ジョーと話したジェーンは、農場の仕事について伝えて、お遊びはよそでやってほしいと彼に伝える。 ショーを遊びだと言われたジョーは反論し、納屋を貸す約束は守ってほしいとジェーンに伝える。 自分は約束していないと言うジェーンは、今晩は納屋に寝てもいいが、明日は出ていくようにとジョーに伝える。 ジョーらはショックを受けて夕食も喉が通らず、泣き出したアビゲイルは、ショーに理解を示さないジェーンを批判する。 仕方なくジェーンは、ジョーらにショーをしてもいいと伝える。 ジェーンは、その条件として、農場の仕事を手伝うことをジョーらに約束させる。 朝6時からと言われたジョーは戸惑うが、ショーのためだと言って、ハーブ・ブレイク(フィル・シルヴァース)ら劇団員を説得する。 翌朝エズメは、銃を発砲して納屋で眠っている皆を起こす。 ジェーンに指示された劇団員たちは農場の作業を手伝おうとするものの、何一つまともにできない。 ジョーは、伯母に習ったというジェーンのタップのステップを見て感心する。 ジェーンはジョーと話し、姉の立場でアビゲイルをどう思っているか尋ね、ショーが成功しなければ、結婚してほしいとは言えないと答える彼の気持ちを知る。 訪ねて来たオーヴィルは、劇団員のことが町で噂になっているとジェーンに話し、彼女を父の元に連れて行く。 ジョーは、アビゲイルとキースと共に納屋の中でリハーサルを始める。 トラクターで切り株を抜こうとしたハーヴは、ロープが外れて暴走し、トラクターを壊してしまう。 その頃ジェーンは、劇団員など当てにせず、トラクターを使って農作業を進めるようにとジャスパーから意見される。 ジェーンは、伝統あるウィンゲイト家主催のダンス会を納屋で開催し、成功させることをジャスパーに約束する。 ダンス会は開催され、劇団員は町の人々の古風なダンスを見つめる。 ジョーはジェーンにトラクターのことを話すことができず、メカに詳しいアーティ(カールトン・カーペンター)に修理を頼む。 子供たちがそれに気づき、ジョーはジェーンにバレそうになったために彼女を誘い踊る。 それを見た劇団員は、禁止されていたにも拘らず踊り始めてしまう。 ダンス会を台無しにされたジャスパーはジェーンを責めて、協力なら自分たちに頼むべきだと言って、トラクターを渡したことなどを話す。 反論するジェーンがトラクターを返品すると言いだしたために、ジョーは焦り、仕方なく彼女に壊してしまったことを話す。 トラクターを見てショックを受けたジェーンは泣き出してしまい、ジョーはハーブを責める。 翌朝、アビゲイルと話をしたジェーンは、ジョーらを追い出すと言って、女優を諦めさせて農場を手伝わせようとする。 庭に出たジェーンは、ジョーらが金を出し合い、ワゴン車も売って新品のトラクターを買ってくれたことを知り、ショーの準備を続けてほしいと伝える。 アビゲイルにもそれを知らせたジェーンは、喜んでもらう。 昨夜のことを謝罪しに来たオーヴィルは、婚約者のためにトラクターを譲ったように言われたためにプライドが傷つき、彼を批判する。 アビゲイルから女心が分からないと言われたオーヴィルは、子供の頃、彼女が自分に好意を持っていたことを知る。 頼られる男になるべきだと言われたオーヴィルは、アビゲイルが気になる存在になる。 ジョーのショー”Fall In Love”の準備は進み、納屋のステージも完成し、その場に立ってみたジェーンは、ショーの素晴らしさを語るジョーの話を聞く。 ジェーンは、ジョーにキスされたために動揺する。 ジャスパーと共に訪ねて来たオーヴィルから、結婚のことについて訊かれたジェーンは、ショーが終わり劇団が帰ったら式を挙げると伝える。 複雑な思いのジェーンは、ジョーから結婚のことを訊かれ、彼が自分を思う気持ちを知り悩む。 その後、オーヴィルとデートしてもジョーのことが気になるジェーンは、リハーサルでアビゲイルに厳し過ぎる彼に意見する。 ショーのためだと考えるジョーだったが、ジェーンの妹でもあり彼女の納屋を使わせてもらうことを考慮して納得する。 キースから、ブロードウェイで自分が力になると言われていたアビゲイルは、ショーは子供だましだとジョーに伝え、リハーサルに身が入らなくなる。 ショーを6人のプロデューサーが観に来ることになり、ジョーらは喜ぶ。 しかしジョーは、アビゲイルがキースと共にニューヨークに行ってしまったことをジェーンから知らされる。 キースの役を自分で演ずることにしたジョーは、アビゲイルの代役でジェーンを出演させようとする。 仕方なくそれを引き受けたジェーンは、ジョーらと共に猛レッスンを始め、口出しをするオーヴィルとの婚約を解消してしまう。 ジャスパーに一族の恥さらしだと批判されたオーヴィルは憤慨し、ショーを中止させると言って父を黙らせる。 その噂を知ったジェーンは、町に向かいジャスパーに会い、ショーの邪魔はさせないと伝える。 本番が近づき、緊張するジェーンはジョーに励まされる。 ジョーや劇団員と共にステージに立ったジェーンは、見事な歌やダンスを披露する。 その頃オーヴィルは、アビゲイルに出演させるためにショーを遅らせることを考え、彼女を連れて農場に向かおうとしていた。 農場に着いたオーヴィルは、ジェーンとアビゲイルを交替させようとする。 ショーを台無しにしたくないジェーンは反発し、オーヴィルを非難してジョーとキスしてしまう。 アビゲイルは、自分を黙らせようとする男らしくなったオーヴィルに惹かれてしまい、それを知ったジャスパーは喜ぶ。 そして、ステージに上がったジェーンとジョーは、ショーを大成功させる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストーリー)
農場主のジェーン・ファルベリーは、妹のアビゲイルが劇団員を連れて現れたために驚く。
女優を目指すと言うアビゲイルから、演出家で婚約者のジョーを紹介されたジェーンは、戸惑いながら納屋を貸すことにする。
劇団員に農場の仕事を手伝ってもらうことにしたジェーンは、役に立たない彼らを迷惑に思いながらも、ジョーに惹かれてしまう・・・。
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ミュージカルの話題作を次々と世に送り出していたチャールズ・ウォルターズが監督し、MGMを支える大スターのジュディ・ガーランドとジーン・ケリーが共演した作品。
劇団員のショーに協力することになった農場主の女性と演出家の恋を描くミュージカル・コメディ。
ジュディ・ガーランドにとっては色々な意味で注目される作品であり、体重を減らすダイエットには成功するものの(それでもややふっくらしている)、撮影を大幅に遅らせる問題を起こし、その結果、ヒットはするものの損失を出したMGMに解雇された彼女は自殺未遂を起こした。
後にルイス・B・メイヤーは、この決断を後悔したと述べている。
黒でそろえたソフト・ハットとタキシード、網タイツにハイヒールという姿で登場するクライマックスの”Get Happy”は、ジュディ・ガーランドの歌唱力を活かし、オーラを感じさせる素晴らしいパフォーマンスだ。
他と比べて別もののように思えるのは、これが追加されたシーンであり、彼女が撮影時よりさらにダイエットをしたためだ。
そんなトラブルを感じさせない農場主を溌溂と演ずるジュディ・ガーランドと、彼女に惹かれてしまう演出家のジーン・ケリーの見事なパフォーマンスが堪能できる作品であるが、本作が2人にとって最後の共演作となった。
主人公の婚約者を愉快に演ずるエディ・ブラッケン、主人公の妹で女優のグロリア・デヘブン、主人公の農場の家政婦マージョリー・メイン、トラブルばかり起こすドジな劇団員フィル・シルヴァース、主人公にトラクターを売る町の名士でオーヴィル(エディ・ブラッケン)の父親レイ・コリンズ、劇団員のニタ・ビーバー、同じく壊れたトラクターを直すカールトン・カーペンター、ショーの主演俳優ハンス・コンリードなどが共演している。