死に直面する幼馴染みと暮らす男性が最高の日々だった夏の思い出だけを励みに生きる姿を描く、主演ロバート・カーライル、レイチェル・ブレイク、スティーヴ・エヴェッツ、ケイト・ディッキー他共演のヒューマン・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ケネス・グレナーン
製作総指揮:ナイジェル・トーマス
製作:カミーラ・ブレイ
脚本:ヒュー・エリス
撮影:トニー・スレーター=リン
編集:クリスティナ・ヘザリントン
音楽:スティーヴン・マッキーオン
出演
ショーン・セドマン:ロバート・カーライル
ケイティ・ビッグス:レイチェル・ブレイク
ダズ:スティーヴ・エヴェッツ
ジャニス・セドマン:ケイト・ディッキー
ダニエル:マイケル・ソーチャ
アン:ジュリア・フォード
イギリス 映画
配給
Vertigo Films
Contender Entertainment Group
2008年製作 82分
公開
イギリス:2008年12月5日
日本:未公開
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ショーン・セドマン(ロバート・カーライル)は、事故が原因で車いす生活を送る親友のダズ(スティーヴ・エヴェッツ)と、その息子ダニエル(マイケル・ソーチャ)と暮らしていた。
ショーンは、幼馴染みのダズ、そしてケイティ(レイチェル・ブレイク)と過ごしたある夏を懐かしく想う。
ある日、ショーンに伴われて病院の検査を受けたダズは、肝硬変が悪化し余命2か月と医師から宣告される。
ホスピスに入ることを勧められたダズだったが、彼はそれを断り自宅で過ごすことに決める。
ケイティにダズのことを知らせようと、彼女の自宅で住所を聞こうとしたショーンだったが、母親に追い払われてしまう。 成績も悪く問題ばかり起こすショーンは、クラスメイトにからかわれたことで相手を骨折させて、学校を退学させられた。 母親ジャニス(ケイト・ディッキー)は途方に暮れるのだが、ショーンはダズと遊び回った。 職安のパソコンで、求職申請書を作るように見せかけて、ケイティの住所をネットで調べたショーンは、弁護士になった彼女を訪ねようとするが、それができずに帰宅する。 ダニエルが学校をサボり退学させられることで、ダズはわめき散らしショーンにも八つ当たりする。 ショーンは、やりきれない思いで家を飛び出し裏庭で怒りを露わにするが、ダズを見捨てることはできなかった。 ケイティがベッドに現れた夢を見たショーンは、彼女のオフィスを訪ねる。 しかし、ケイティはショーンに会おうとせず、ショックを受けた彼は、自分の右手を万力で潰した時のことを思い出す。 その後、ケイティはショーンの仕事場を訪ね、なぜ連絡をくれかったのかなどを聞く。 その方がケイティのためだと言うショーンは、ダズのことも聞かれて、手遅れだと答える。 悲しむケイティは、来るべきではなかったとショーンに伝えてその場を去る。 ダニエルは酒場に入りびたりで喧嘩を繰り返し、ショーンは彼の世話までするようになる。 そんな時ダズの容態は悪化して意識を失い、病院の彼のベッドの横で、ショーンは学校の体育館に放火した時のことを思い出す。 警察に追われた二人だったが、別れた後、バイクに乗っていたダズは、パトカーと衝突してしまう。 ショーンはダズの元に戻り、彼はその事故が原因で半身不随となってしまった。 ダズはショーンに見守られながら亡くなり、それを知らされたダニエルは家に帰ろうとしなかった。 自宅に戻ったショーンは、ダズの物を処分して掃除を始めるが、親友を失った悲しさと、惨めな自分の人生を思い涙する。 戻ったダニエルに励まされたショーンは、気を取り戻して、ダズの葬儀でケイティに再会する。 葬儀を終えたショーンは、ケイティと思い出の場所である池に向かい、会いたかったことと、あの時の夏が最高の日々だったことを伝える。 その後ショーンは、ダズの遺灰を池に撒き、現れた猟銃を持った男から逃れ、ケイティとダニエルと共にその場から走り去る。 吹っ切れた気分になったショーンは、過去を背負って生きてきて自分が、変われる気がすることをケイティに伝えて別れる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ショーン・セドマンは、事故が原因で車いす生活を送る親友のダズと、その息子ダニエルと暮らしていた。
肝硬変を患うダズは、医師から余命2か月と宣告されるが、彼は自宅での生活を望む。
わがままなダズに手を焼くショーンだったが、幼馴染みの彼を見捨てることはできず、何をするにも一緒だった子供時代を想い出す。
そんなショーンは、親に反対されながらも共に遊ぶ仲間だったケイティに、ダズのこと知らせようとする。
出来の悪い問題児のショーンとは違い、優秀なケイティは弁護士となっていた。
しかしケイティは、訪ねて来たショーンを避けてしまう。
何もかもうまくいかない自分の人生の中で、ケイティ、そしてダズと過ごした、ある夏の想い出だけがショーンの支えではあったが・・・。
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辛い過去を背負い、全てを投げ出したい気持ちを抑えながら、死を待つだけの親友に尽くす男の切実な思いが、観る者に痛いほど伝わる。
誰にでもある忘れられない想い出を胸に、一筋の希望を見つけることができる主人公の表情で締めくくられるラストは感動的だ。
劣悪な生活環境に近い現在と、何もかも自由気ままな少年時代の過去を交錯させながら、物語全体を理解することができる構成となっている。
過去を背負いながら、現状の生活へのやりきれない思いを、渾身の演技で演じ切るロバート・カーライルと、死に直面する親友役レイチェル・ブレイクの好演は光る。
英国アカデミー・スコットランド賞で、作品賞と監督賞を受賞し、ロバート・カーライルが主演賞にノミネートされた。
主人公の、唯一の心の支えでもある幼馴染みのレイチェル・ブレイク、主人公の母親ケイト・ディッキー、ダズ(スティーヴ・エヴェッツ)の息子マイケル・ソーチャなどが共演している。