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サリヴァンの旅 Sullivan’s Travels (1941)

貧しい人々の気持ちを知るために浮浪者に扮して旅立った人気映画監督が巻き起こす騒動を描く、製作、監督、脚本プレストン・スタージェス、主演ジョエル・マクリーヴェロニカ・レイクロバート・ワーウィックウィリアム・デマレスト他共演のコメディ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ


スタッフ キャスト
監督:プレストン・スタージェス

製作
プレストン・スタージェス
ポール・ジョーンズ
脚本:プレストン・スタージェス
撮影:ジョン・サイツ
編集:スチュアート・ギルモア
音楽
レオ・シューケン
チャールズ・ブラッドショウ

出演
ジョン・L・サリヴァン:ジョエル・マクリー
女優志願の女性:ヴェロニカ・レイク
ルブラン:ロバート・ワーウィック
ジョーンズ:ウィリアム・デマレスト
カザルシス:フランクリン・パングボーン
ヘイドリアン:ポーター・ホール
ジョニー・ヴァルデル:バイロン・フォルガー
秘書:マーガレット・ヘイズ
バロウズ:ロバート・グリーグ
サリヴァンの使用人:エリック・ブロア
医師:トーベン・マイヤー
ゼフィー:エスター・ハワード
浮浪者:ジョルジュ・レナヴェント
鉄道職員:エモリーパーネル

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1941年製作 90分
公開
北米:1942年1月28日
日本:1994年6月4日
製作費 $689,665


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ハリウッド
若手人気監督のジョン・L・サリヴァン(ジョエル・マクリー)は、スタジオのルブラン(ロバート・ワーウィック)とヘイドリアン(ポーター・ホール)に、社会問題をテーマにした悲劇を撮りたいことを伝える。

娯楽作品を望むルブランらに、今は失業と貧困の時代だと伝えたサリヴァンだったが、苦労をしてきた二人から、恵まれた生活しか経験していないことを指摘される。

納得したサリヴァンは、浮浪者に扮して体験をすることを思いつき、それを即、実行しようとする。

衣裳部屋で服を用意したサリヴァンは屋敷に戻り、浮浪者になり切ろうとして、使用人(エリック・ブロア)と執事のバロウズ(ロバート・グリーグ)に協力してもらう。
...全てを見る(結末あり)

サリヴァンに浮浪者になる理由を尋ねたバロウズは、興味本位の行動は、貧しい者をからかうことになると言って意見する。

10セントの所持金では不安だと思う使用人も、靴底に身分証を挟んでおくことをサリヴァンに伝える。

サリヴァンが考えを変えないため、ルブランは、スタッフを乗せたトレーラーハウスを同行させることを条件にして納得させる。

食堂やシャワー、無線機なども完備するのトレーラーハウスに乗り込んだスタッフのジョーンズ(ウィリアム・デマレスト)や秘書(マーガレット・ヘイズ)、医師(トーベン・マイヤー)、ジョニー・ヴァルデル(バイロン・フォルガー)は、街道を歩くサリヴァンの後をついて行く。

少年が運転する車に乗せてもらったサリヴァンは、暴走するものの、トレーラーハウスを振り切ることはできない。

付近の農家に居座るつもりのサリヴァンは、ラスベガスで合流することを伝えてジョーンズらと別れる。

未亡人のゼフィー(エスター・ハワード)の家で世話になったサリヴァンは、彼女に迫られそうになり、その場から逃げ出す。

ヒッチハイクでトラックに乗せてもらったサリヴァンは、翌朝、ハリウッドに戻ってしまう。

ダイナーに寄ったサリヴァンは、女優志願の女性(ヴェロニカ・レイク)に出会う。

夢を諦めて故郷に戻ろうとする女性が気の毒になったサリヴァンは、友人に車を借りて送ると伝えて屋敷に向かう。

ダイナーで待っていた女性を車に乗せたサリヴァンは、シカゴに行きたいと言われたため、車を彼女に貸そうとする。

映画監督のサリヴァンから借りたと女性に伝えたサリヴァンは、メモを残して来たか不安になり、警官に追われて逮捕されてしまう。

警察署にバロウズと使用人が現れ、自分の車だと証明できたサリヴァンは、女性と共に釈放されて屋敷に向かう。

サリヴァンが本当の監督だと知った女性は屋敷内を案内され、彼をプールに突き落とす。

何も知らない田舎娘を騙したと言ってサリヴァンを非難した女性は、彼に足を引っ張られてプールに落ちてしまう。

苦労を知っているので自分も”実験の旅”に加わりたいと言う女性は、世間知らずのサリヴァンに協力できると伝える。

素晴らしい提案だと言うバロウズは、女性とサリヴァンと共にプールに落ちてしまう。

バロウズを助けようとした使用人もプールに落ちる。

その後、バロウズと使用人は、ただ乗りできる貨物列車を探す。

少年に扮した女性と共に駅に送ってもらったサリヴァンは、バロウズと使用人に別れを告げて、浮浪者たちと共に列車の出発を待つ。

発車した列車の貨物車両に飛び乗ったサリヴァンと女性は、その場で一晩過ごす。

クシャミが出ることを気にするサリヴァンは、町が見えてきたために降りることにする。

女性と飛び降りたサリヴァンは、近くのダイナーに向かうものの、所持ていた10セントがないことに気づき、店主からコーヒーとドーナッツを恵んでもらう。

店主に感謝したサリヴァンは、ラスベガスに着いていたことを知り、近くにトレーラーハウスが止まっていたために驚く。

トレーラーハウスに向かい、ジョーンズらにこれまでのことを話したサリヴァンは、次はカンザスシティで合流することを考えるが、医師から発熱していると言われて静養することになる。

感謝されたダイナーの店主は、ヴァルデルから大金を受け取り驚く。

体調が回復したサリヴァンは、女性と共に浮浪者の生活を体験し、監視するカメラマンがその様子を撮影する。

避難所で寝ることになったサリヴァンは、その場で靴を盗まれてしまう。

その後も町をさ迷うサリヴァンと女性は、所持金もなく食べ物にも困り限界を感じて旅を終える。

カンザスシティ
ジョーンズに5ドル札を1000ドル分用意させたサリヴァンは、感謝として貧しい人々に配ることを考える。

女性と話をするサリヴァンは、減税のためだけに結婚した妻がいることを伝える。

金遣いが荒い妻と離婚するつもりのサリヴァンは、それに同意してもらえないことを女性に話す。

友情以上のものが芽生えていた女性と別れるのが残念なサリヴァンは、推薦状は書くと言って、悲しむ彼女を慰める。

ヴァルデルから金を受け取ったサリヴァンは、夜の街に向かい貧しい人々に5ドル札を配る。

一人の浮浪者(ジョルジュ・レナヴェント)が金を配っているサリヴァンを尾行し、駅で彼に襲い掛かり、殴り倒して貨物列車の車両に乗せる。

列車は動き始め、サリヴァンの金を奪った男はその場から逃げるものの、線路で札を落としたために列車に轢かれて死亡する。

戻ってこないサリヴァンのことを女性と共に心配するジョーンズは、身元不明の遺体が発見されたという連絡を受ける。

サリヴァンが靴の底にカードを挟んでいたことを女性から知らされたジョーンズは、遺体を確認させる。

靴に挟まれていたカードにはサリヴァンの名前が書かれていたため、それが一斉に各方面に伝わり、彼の変死体が発見されてと報道される。
(サリヴァンを襲ったのは、避難所で靴を盗んだ浮浪者だった。)

サリヴァンの妻に夫が死んだことを伝えたルブランは、ジョーンズらを解雇する。

ルブランとヘイドリアンは、失意の女性を励まし、世話をすることを約束する。

停車した車両から降りたサリヴァンは、鉄道職員(エモリーパーネル)に痛めつけられる。

憤慨したサリヴァンは、石で職員の顔を殴ってしまう。

逮捕されて起訴されたサリヴァンは、記憶を失っていたために名前も答えられず、強制労働6年の判決を受ける。

収容所に連行されたサリヴァンは、所長に睨まれながら労働を続ける。

徐々に記憶を取り戻したサリヴァンは、自分が変死したことが新聞記事にになっていることを知る。

自分の記事だと所長に伝えたサリヴァンだったが、信じてもらえない。

懲罰箱に入れられたサリヴァンは、暑さの中、何とかそれに耐える。

ある夜、教会で行われる映画会が開かれ、サリヴァンら囚人もそれに参加する。

ディズニー”の1934年の映画”Playful Pluto”が上映され、それを観た信者や囚人たちが笑う姿を、サリヴァンは興味深く観察する。

やがてサリヴァンも、声を上げて大笑いしてしまう。

ある日、サリヴァン殺しの犯人になれば新聞に掲載されると考えたサリヴァンは、所長にそれを告白する。

女優となりスタジオにいた女性は、その件が掲載された記事を読みサリヴァンが生きていることを知り、ルブランの元に向かう。

ルブランやスタッフは喜び、サリヴァンが生きていることを知った妻は、再婚した会計士に怒りをぶつける。

迎えに来たスタッフらと共に喜ぶサリバンは、女性から、妻が会計士と再婚したことを知らされる。

喜ぶサリヴァンは、重婚罪になる妻は離婚するしかないことを女性に伝える。

旅の前に考えていた社会性のある悲劇は撮らないつもりのサリヴァンは、コメディを撮るとルブランらに伝える。

考えを変えたために非難されたサリヴァンは、悲劇を撮るにはあまりにも幸せな気分だと言って、笑いだけを心の支えにして生きている人々がいることをルブランらに話す。

そしてサリヴァンは、出会った人々の笑顔を想い浮かべる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
ハリウッド
若手人気監督のジョン・L・サリヴァンは、スタジオ側が要望するコメディ作品ではなく、社会情勢を反映した悲劇を撮ろうとする。
苦労したことがないサリヴァンは、自分が浮浪者となって人々の苦しみを知ろうと考える。
周囲の反対を押し切り、スタッフを乗せたトレーラーハウスがついて行くことを条件に旅立ったサリヴァンは、途中で女優志願の女性に出会い、彼女と共に世の中の情勢を知ろうとするのだが・・・。
__________

製作、脚本を兼ねるプレストン・スタージェスが、得意のスクリューボール・コメディ・タッチで、混乱する社会情勢をシニカルに描く傑作コメディ。

ヨーロッパで戦争が激化する時代、混乱する社会情勢の中で、貧しい人々の気持ちを知るために浮浪者に扮して旅立った人気映画監督が、出会った女優志願の女性と共に巻き起こす騒動を描くコメディ。

1990年、アメリカ議会図書館が、国立フィルム登録簿に登録した作品でもある。

主演のジョエル・マクリーは、無謀な実験を強行する苦労知らずの人気監督を熱演し、ヒロインのヴェロニカ・レイクは、主人公と行動を共にする女性を、撮影当時18歳とは思えない魅力で好演している。

主人公のわがままな行動を仕方なく許すスタジオの社長バート・ワーウィック、同じく重役のポーター・ホール、主人公の旅をサポートするスタッフのウィリアム・デマレストフランクリン・パングボーンバイロン・フォルガー、秘書のマーガレット・ヘイズ、医師のトーベン・マイヤー、主人公の執事ロバート・グリーグ、使用人のエリック・ブロア、主人公が世話になる未亡人エスター・ハワード、主人公の靴を盗む浮浪者ジョルジュ・レナヴェント、主人公を痛めつける鉄道職員のエモリーパーネルなどが共演している。


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