両親の離婚で悩みを抱える家族の再生とそれぞれの恋の行方を描く、監督、脚本ジョシュ・ブーン、主演グレッグ・キニア、ジェニファー・コネリー、リリー・コリンズ、ローガン・ラーマン、ナット・ウルフ、リアナ・リベラト、クリステン・ベル他共演のコメディ・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョシュ・ブーン
製作:ジュディ・カイロ
製作総指揮
パトリック・W・ドゥーガン
ジェフ・ライス
マイルズ・ネステル
リサ・ウィルソン
マイケル・A・シンプソン
エリック・ブレナー
脚本:ジョシュ・ブーン
撮影:ティム・オアー
編集:ロブ・サリバン
音楽
マイク・モーギス
ネイト・ウォルコット
出演
ビル・ボーゲンズ:グレッグ・キニア
エリカ:ジェニファー・コネリー
サマンサ・ボーゲンズ:リリー・コリンズ
ルイス:ローガン・ラーマン
ラスティ・ボーゲンズ:ナット・ウルフ
ケイト:リアナ・リベラト
トリシア:クリステン・ベル
マーティン:ラスティ・ジョイナー
グレン:パトリック・シュワルツェネッガー
ジェイソン:スペンサー・ブレスリン
本人(声のみ):スティーヴン・キング
アメリカ 映画
配給 Millennium Entertainment
2013年製作 96分
公開
北米:2013年7月5日
日本:2015年6月27日
北米興行収入 $81,070
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
高校生のラスティ・ボーゲンズ(ナット・ウルフ)は、英語のクラスで一緒のケイト(リアナ・リベラト)に惹かれていた。
しかし、ケイトはグレン(パトリック・シュワルツェネッガー)と付き合っているため、ラスティは声をかけることもできない。
ラスティの姉で作家志望の大学生サマンサ(リリー・コリンズ)は、自由気ままな日々を送っていた。
サマンサとラスティの父親で作家のビル(グレッグ・キニア)は、離婚した元妻エリカ(ジェニファー・コネリー)に未練があり、彼女の家を覗きに行く。
エリカが再婚相手のマーティン(ラスティ・ジョイナー)と口喧嘩をしていたために喜んだビルだったが、仲直りした二人が愛し合う姿を見て落胆する。 感謝祭。 三人は食事を始め、サマンサの本が出版されることを知ったビルは喜ぶ。 出版社が、ファンであるスティーヴン・キングの”チャールズ・スクリブナーズ・サンズ”だと知ったラスティは驚き、少し嫉妬する。 話してくれれば紹介したと言うビルに、偽名で原稿を送ったと伝えたサマンサは、作品を評価してほしかったのだった。 自分も校正を手伝っていた作品ではなく、出版されるが新作だと知ったビルは、ショックを受けて席を外す。 母エリカの席が用意されていることを気にするサマンサは、これから訪ねるつもりのラスティに、死ねと言ってほしいと伝える。 マリファナを吸ってエリカの家に向かったラスティは、食事をしながら、サマンサの本が出版されることを母に知らせる。 マーティンから皮肉を言われて反論したラスティは、エリカから注意される。 サマンサのことを訊いたエリカは、1年以上、話していないと言って嘆く。 ラスティから、サマンサが宜しく言っていたことを知らさるものの、嘘だと分かっていても、気遣いは嬉しく思う。 サマンサのように嫌ってほしくないと伝えてラスティを抱きしめたエリカは、少しも嫌っていないと言う彼がマリファナを吸っていることに気づき、それ以外はだめだと釘を刺す。 海岸でタバコを吸うビルに話しかけたサマンサは、悲しませたくかったので話せなかったと伝えて、かなり手伝ってもらったので、申し訳なく思うと言って謝罪する。 謝罪はするなと言うビルは、関わった自分が悪いと伝えて、新作を読むのを拒む。 エリカの家で不審者の通報があったことをビルに伝えたサマンサは、別れて2年も経つのに戻ってくると思っている覗きまでする父に、正気ではないと伝える。 最近は何も書いていないビルに、エリカに振り回され過ぎだと伝えたサマンサは家に戻る。 帰ってきたラスティと話したサマンサは、出版のことは嫉妬したと言われて謝罪され、屋根の上で二人でマリファナを吸う。 気になる子はいないのかと訊かれたラスティは、英語のクラスにいると答え、サマンサから、帰らぬ人を待つことが愛なら、自分は遠慮すると言われる。 翌日、英語のクラスで課題の詩を発表するラスティは、ケイトのことを思いながらそれを読む。 授業は終わり、ケイトに話しかけられたラスティは、詩がよかったと言われ、感謝祭のことなどを話す。 グレンに呼ばれたケイトは、詩のことを伝えたかったと言ってその場を去る。 隣人である既婚者のトリシア(クリステン・ベル)と関係を持っていたビルは、ランニング中に尋ねてきた彼女と愛し合う。 帰宅したラスティは、ビルが日記を読んでいたために憤慨するものの、目を引く部分があったと言われて、それを知らされる。 日記を平気でその辺に置けるのは隠し事がないからだと言うビルは、ケイトに気持ちを伝えるよう提案し、サマンサを例に出して、作家には経験が必要だとラスティに助言する。 友人のジェイソン(スペンサー・ブレスリン)と共にパーティーに参加しようとしたラスティは追い払われそうになるが、マリファナを見せて歓迎される。 ライブハウスで楽しんでいたサマンサは、エリカからの電話を無視する。 二階にいるケイトを捜したラスティは、彼女がコカインを吸っている姿を見てショックを受ける。 帰ろうとしたラスティは、ケイトと言い争いになり彼女を押し倒したグレンを殴ってしまう。 ケイトを気遣うラスティは、ジェイソンと共にその場から逃げる。 ジェイソンを車で送ったラスティは、家に買いりたくないケイトから泊めてほしいと言われる。 うたた寝をしていたビルは、訪ねてきたエリカから話し合いたいと言われる。 サマンサと連絡も取れず見捨てられていると嘆くエリカは、ビルのせいだと言って責める。 家を覗いていたのがバレていたビルは、マーティンと喧嘩して幸せそうには見えなかったと伝える。 バンドのボーカル、ピートと話そうとしたサマンサは、同じステージでバックで演奏していたルイス(ローガン・ラーマン)に呼び止められる。 悪い噂があるピートには近づかない方がいいと言われたサマンサは、自分を口説こうとしても無駄だとルイスに伝える。 ルイスが上級・小説コースの講義で一緒だということを知ったサマンサは、彼を相手にせずにピートの元に向かう。 家に着いたラスティは、ビルに気づかれないようにしてケイトの傷の手当てをする。 起きてきたビルにケイトを紹介したラスティは、押し倒されて怪我をした彼女を、間抜けな男から守ったことを伝える。 よくやったと言うビルは薬を探し、泊るつもりのケイトにかまわないと伝えて寝室に戻る。 部屋に向かいベッドに入ったケイトは、詩の中の天使は自分のことだったのかと尋ね、そうだと答えるラスティにキスする。 翌日、同じ講義で後ろの席にいたルイスに気づいたサマンサは、彼から手を振られる。 グレンは、ラスティとケイトが校内で仲良くする姿を見て気にする。 トリシアと愛し合ったビルは、再婚することを提案され、自分なら出会い系サイトや新聞の募集などもチェックすると言われる。 トリシアは、5年後もビーチの椅子でエリカを待つ姿は見たくないとビルに伝える。 その夜も男をゲットしようとしていたサマンサは、現れたルイスをストーカー扱いするものの、カフェに誘われる。 話がかみ合わないルイスを鬱陶しく思うサマンサは、ルイスが好きな作品がビバリー・クリアリーの”ヘンショーさんへの手紙”だと知り、自分の好みに合わせたと思い席を立ち店を出る。 サマンサを追ったルイスは、付きまとわれたくない、住む世界が違うと言われ、彼女も同じ本が好きだったことに気づく。 ルイスから、身を捧げるのは自分よりIQの低い男だけだと言われたサマンサは、何も答えずにその場を去る。 クリスマス・プレゼントを渡したいと言って訪ねてきたケイトを招き入れたラスティは、コートの下に下着しか着けていない彼女に驚く。 二人は、ラスティの部屋のクローゼットで愛し合う。 次の講義で、ルイスの姿が見えないために気になったサマンサは、彼の家を訪ねてみる。 サマンサは、ルイスが重病の母ダイアンを看病をしていることを知る。 街でエリカと出くわしたビルは、サマンサにプレゼントするノートPCを買いに来たことを伝えて、付き合ってもらう。 エリカと話をしたビルは、隣人のトリシアから前に進むようにと助言されたことを伝える。 二人の関係に気づいているエリカは、自分達が犯した間違いを話すビルから、次はまともにできると言われ、別れてから何も書けないことを知らされる。 才能はあるし、人生を無駄にしないようにと言うエリカは、別れ際に、自分も決断が正しかったか不安になる時もあるとビルに伝える。 本心はどうなのか答えられないエリカは、ビルと別れる。 ダイアンと話し楽しい時を過ごしたサマンサは、母は脳腫瘍が見つかったと話すルイスに、カフェで酷いことを言ったとを謝罪する。 同情はしないでほしいと伝えたルイスは、サマンサから何か協力したいと言われる。 ルイスは、クリスマス明けにデートしてくれれば、今回のストーカー行為は忘れるとサマンサに伝える。 それをOKしてもらったルイスは、サマンサから著書をプレゼントされる。 母に読む本を探していたルイスは喜び、内容が過激だと伝えたサマンサだったが、構わないと言われる。 実家に帰省したサマンサは、ラスティにガールフレンドができたことをビルから知らされる。 自分もエリカのことは忘れて前に進むと言うビルは、サマンサに喜んでもらえる。 ケイトの家でプレゼント交換をしたラスティはCDをもらい、彼女にはスティーヴン・キングの”It”を贈る。 両親のことを気にしながら、ラスティはケイトと愛し合う。 休暇を終えたサマンサはルイスと食事をして、本の感想を訊く。 殆どが創作だと言うサマンサは、母親がビーチで男と寝ているところを少女が目撃するのは事実だと伝える。 サマンサは、高校生の時、両親がパーティーを開いている際、母がマーティンと愛し合うのを屋根の上から目撃し、彼が父を気にするものの、母がどうでもいい言ったことにショックを受けたと話す。 そんなサマンサは、ルイスには素直に話ができるのだった。 車の中でルイスと話したサマンサは、傷つくのが怖いと伝える。 傷つけないと言うルイスはサマンサにキスして、その後、二人はスケートリンクで楽しく過ごす。 出会い系サイトに登録することにしたビルは、トリシアに協力してもらい、ある女性と連絡を取り合いデートする。 その帰りにエリカの家に向かったビルは、彼女が読書している姿を覗きながら、窓際に指輪を置いて帰ろうとする。 思い止まったビルは、エリカが自分の著書”スーツモンキー”を読んでいることを知り、指輪を持って帰る。 エリカの家を訪ねたラスティは、ケイトを紹介する。 楽しく過ごしたケイトは洗面所でドラッグを探し、エリカに声をかけられ、頭痛がするのでためにアスピリンを探していたと伝える。 サマンサの出版記念パーティーが開かれ、ビルは、ラスティとケイと共に会場に向かう。 ビルはサマンサからルイスを紹介され、彼も才能がある作家だと知る。 サマンサはケイトを紹介され、ラスティはルイスとスティーヴン・キングの話をする。 バーにケイトを連れて行ったサマンサは、未成年者には酒は出せないと言われ、自分の分としてシャンパンを二つ渡してもらう。 紹介されたビルがスピーチし、長年携わってきた執筆について語り、娘サマンサを称える。 夜になり、ルイスに招待されたと言うエリカが現れ、サマンサは自分の宝物なのに憎まれていることで悩む彼女に、ビルは、娘と話してくるようにと促す。 出版された著書にサインをしてもらおうとしたエリカは、他人のような態度のサマンサに普通に話してほしいと伝える。 電話で話したルイスに挨拶されたエリカは、態度を変えないサマンサに、愛していると言いたかっただけだと話す。 エリカを許す気のないサマンサは、本を渡しただけだった。 悲しくて涙するエリカは、ラスティからケイトが見当たらないと言われ、二人で彼女を捜す。 サマンサにもそれを伝えたラスティは、ケイトにシャンパンを飲ませたことを知り、彼女が麻薬中毒の経歴があることを教える。 ケイトがその後も飲んだことを知ったサマンサは、彼女が学生と出て行ったことを知り、ビルらと共に車に乗りそのアパートに向かう。 学生の部屋に押し入り彼を痛めつけたビルは、意識のないケイトがコカインを吸ったことを知り、彼女をエリカと共に運び出す。 ラスティは、ケイトを抱きながら涙する。 数日後、グレンに殴られたラスティは、ケイトが施設に入り治療を受けることを知る。 ビルから、辛いを思いを執筆に向けるようにと言われたラスティは、母が出て行った時にはできたのかと尋ねる。 それが気に障ったビルは、ラスティを外出禁止にして、とにかく書くようにと伝える。 ビーチを散歩しながらサマンサと話したビルは、エリカがしたことを憎むのは間違いで、自分が先にしたと伝え、好きな女性ができて家を出たことを告白する。 サマンサが赤ん坊の頃のことで、エリカは半年、自分を待っていてくれたとビルは話す。 許してくれたエリカから、自分がもし過ちを犯しても待っていてほしいと言われたことを、動揺するサマンサに話すビルは、だから今でも彼女を待っていると伝えて、黙っていたことを謝罪する。 サマンサから、3年も経つので待っても無駄だと言われたビルは、エリカも待ってくれたのでそれを信じると伝える。 その後、ビルはラスティが執筆していることを知る。 ラスティは、書き終わった原稿をビルとサマンサに渡す。 ルイスからの電話で母が亡くなったことを知ったサマンサは、彼の元に向かい慰める。 葬儀が終わり、ルイスと母のアルバムを見せてもらったサマンサは、エリカの元に向かう。 サマンサが自分を許してくれたことを悟ったエリカは、何も語らないまま娘を抱きしめる。 執筆していたラスティは、スティーヴン・キングからの電話を受けて驚き、サマンサから原稿を受けとったと言われる。 某雑誌社にそれを送ったことを知らされたラスティはキングに感謝し、将来が楽しみだと励ましてくれる彼からビルに宜しくと言われ、父の著書”スーツモンキー”も大好きだということだった。 感激したラスティは、どれだけ影響を受けたことかとキングに伝えて電話を切る。 感謝祭の料理の用意をしたビルとラスティは、サマンサとルイスを迎えて楽しい食事をする。 訪ねてきたエリカを迎えたラスティは、ビルが出てくるかと思ったと言う彼女から、ドアを閉めてビルを呼んでほしいと指示される。 エリカから、まだ自分の居場所があるなら戻りたいと言われたビルは、彼女を抱きしめる。 ビルとサマンサはエリカを歓迎し、食事に加わった彼女は、原稿が売れたことをラスティから知らされる。 ラスティは、スティーヴン・キングに原稿を送ってくれたサマンサに感謝する。 家族は乾杯し、感謝祭の食事を楽しむ。
...全てを見る(結末あり)
海岸沿いの家で暮らすビルとラスティは、二人で食事の準備をして帰省したサマンサを歓迎する。
*(簡略ストー リー)
作家のビル・ボーゲンズは、別れた妻エリカに未練があり、彼女が戻ると信じていた。
ビルの娘で大学生である作家志望のサマンサは、著書が出版されることになっていたが、父を裏切った母エリカを許せないでいた。
同じく作家志望の弟ラスティは、英語のクラスのケイティに惹かれ、彼女のために書いた詩をきっかけにして親しくなる。
関係を持つ隣人の既婚者トリシアから、前に進むようにと助言されたビルは、エリカを諦めようとするのだが・・・。
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2年後の「きっと、星のせいじゃない。」(2014)が世界的な大ヒットとなる、ジョシュ・ブーンの脚本も兼ねた監督デビュー作。
別れた妻に未練がある作家が、執筆もできないまま彼女を待ち続ける思いと、父親と同じ道を歩もうとする作家志望の姉弟のそれぞれの恋を描くコメディ・ドラマ。
ベテランの域に達している実力派スター、グレッグ・キニアとジェニファー・コネリーが離婚した夫婦役で、また、リリー・コリンズと恋人のローガン・ラーマン、弟のナット・ウルフとリアナ・リベラトなど若手期待のスター競演が注目の作品でもある。
複雑な悩みを抱える家族の絆について深く考えさせる内容に加え、離婚やドラッグなどアメリカの社会問題を鋭く描く、ジョシュ・ブーンの演出手腕が見どころの作品。
上記のように、魅力的なキャスティングなどはファンには嬉しい作品なのだが、拡大公開もされずに商業的には成功しなった作品。
主演のグレッグ・キニアは、別れた妻が戻ることを信じ悶々とする日々を過ごしながらも、子供達の生き方には理解を示す父親を好演している。
自分の気持ちを理解してもらえず、娘に恨まれていることで苦悩する主人公の元妻ジェニファー・コネリー、母との関係にギクシャクしながら作家として成功の道を歩み始めるリリー・コリンズ、彼女と付き合う同じ作家志望の学生ローガン・ラーマン、スティーヴン・キングを崇拝する主人公の息子ナット・ウルフ、彼と付き合う麻薬依存症の高校生リアナ・リベラト、主人公と関係を持つ隣人のクリステン・ベル、エリカ(ジェニファー・コネリー)の再婚相手ラスティ・ジョイナー、ケイティの元ボーイフレンド、パトリック・シュワルツェネッガー(アーノルド・シュワルツェネッガーの息子)、ラスティ(ナット・ウルフ)の友人スペンサー・ブレスリン(アビゲイル・ブレスリンの兄)、また、スティーヴン・キングが電話の声のみで登場している。