娘の親権を取り戻すためにストリッパーとなった女性の奮闘を描く、監督、脚本アンドリュー・バーグマン、主演デミ・ムーア、バート・レイノルズ、アーマンド・アサンテ、ヴィング・レイムス、ロバート・パトリック他共演のコメディ・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:アンドリュー・バーグマン
製作:マイク・ロベル
原作:カール・ハイアセン
脚本:アンドリュー・バーグマン
撮影:スティーヴン・ゴールドブラット
編集:アン・V・コーテス
音楽:ハワード・ショア
出演
デミ・ムーア:エリン・グラント
バート・レイノルズ:デヴィッド・ディルベック下院議員
アーマンド・アサンテ:アル・ガルシア
ヴィング・レイムス:シャド
ポール・ギルフォイル:マルコム・モルドウスキー
ロバート・パトリック:ダレル・グラント
スチュアート・パンキン:アラン・モルデカイ
ロバート・スタントン:アーブ・クランダル
ジアンニ・ルッソ:ウィリー・ロホ
ホセ・ズニガ:クリス・ロホ
ルマー・ウィリス:アンジェラ・グラント
ウィリアム・ヒル:ジェリー・キリアン
ディナ・スパイビー:モニークJr.
バーバラ・アリン・ウッズ:ローレライ
フランシス・フィッシャー:ドナ・ガルシア
シオバン・ファロン・ホーガン:リタ・グラント
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1996年製作 117分
公開
北米:1996年6月26日
日本:1996年9月28日
製作費 $50,000,000
北米興行収入 $32,758,420
世界 $107,500,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
マイアミ。
FBIの秘書課に勤めていたエリン・グラント(デミ・ムーア)は、出来損ないの夫ダレル(ロバート・パトリック)のせいで職を失う。
エリンは、無職だという理由で7歳の娘アンジェラ(ルマー・ウィリス)の親権を奪われてしまう。
娘を取り戻すためには多額の弁護料が必要で、エリンは仕方なくストリッパーになる。
エリンは数週間で人気ダンサーになり、彼女のショーは大盛況となる。
金になる悪巧みばかりを考えているが、頼りになる店の用心棒シャド(ヴィング・レイムス)や、陽気なダンサー仲間に囲まれ、エリンの仕事は充実してはいた。
しかし、娘アンジェラに会えないエリンの、満足できる日々とは言えなかった。
ある日、酔った客がステージのエリンに絡み、それを見た彼女のファンの男性(バート・レイノルズ)が、その客を殴り倒す。 ダレルと連絡が取れなくなったエリンは、義姉リタ(シオバン・ファロン・ホーガン)を訪ねる。 電話記録を手に入れ、ダレルの居場所を突き止めようとするエリンだったが、行方は分からないままだった。 数日後、エリンは仕事帰りに、彼女の熱狂的なファンであるジェリー・キリアン(ウィリアム・ヒル)からの花束を受け、娘アンジェラを取り戻す秘策を聞かされる。 ジェリーは、ある下院議員の弱みを握っていて、それを利用できると言うのだ。 店でエリンを助けた男性客が、デヴィッド・ディルベック下院議員(バート・レイノルズ)で、ジェリーは、彼が客に殴りかかる瞬間の写真を持っていた。 ジェリーは、ディルベックの部下マルコム・モルドウスキー(ポール・ギルフォイル)に会い、エリンの親権裁判の担当判事に圧力をかけるよう脅そうとする。 しかしジェリーは、湖で静養していたアル・ガルシア刑事(アーマンド・アサンテ)により、その死体が発見される。 エリンは久しぶりにアンジェラに会えるが、たった2時間で彼女をダレルに返し、辛い思いをする。 その頃、シャドも、ディルベックの写真を手に入れた弁護士アラン・モルデカイ(スチュアート・パンキン)と手を組んで、金を脅し取ることを考える。 その後、ガルシアはエリンに接触し、ジェリーが殺されたことを伝える。 エリンは、ジェリーが、ある下院議員の弱みを握っていたことを伝え、 ガルシアに病院の車椅子泥棒の夫ダレルを犯罪者にする協力を求める。 その後、垂れ込み屋もしていたダレルが、警察から切られたとガルシアから聞いたエリンは喜ぶが、判事が急死し、裁判が半年後に延びてしまい彼女はショックを受ける。 同じ頃、モルデカイはディルベックに接触し、写真を見せて脅しをかける。 エリンは、今後半年、アンジェラがダレルと暮らしていくのを許せず、娘を連れ戻してしまう。 ディルベックはエリンの家を突き止めて、秘書のアーブ・クランダル(ロバート・スタントン)に、彼女の肌に触れた物を盗ませる。 ウィリー・ロホ(ジアンニ・ルッソ)とクリス・ロホ(ホセ・ズニガ)親子との間で、サトウキビ栽培の利権が絡む関係にあったディルベックは、6週間後に控える選挙で負けるわけにいかず、スキャンダルをもみ消そうとする。 クラブの楽屋で、ダンサー達のマスコットになっていたアンジェラを、ダレルは取り戻しに来るが、シャドに追い払われる。 ガルシアに連絡したエリンは、騒ぎの日にステージに上がったのが、下院議員ディルベックだということを知る。 その後、選挙を控える身でありながら、エリンに首っ丈のディルベックは、1時2000ドルのパフォーマンスを彼女に要求する。 ガルシアと相談したエリンは、シャドを従えてディルベックの待つヨットに向かう。 ディルベックの目の前でダンスを踊ったエリンは、翌日はパフォーマンス料を5000ドルに値上げするという、彼の考えが常軌を逸しているのを知る。 帰り際にエリンは、アンジェラを手放したくなければ、このことを秘密にしておくよう、マルコムに釘を刺される。 モルデカイが殺されたことを、シャドに知らせたガルシアは、彼から例の写真のことを聞き、警察にも圧力をかけてくるディルベック側の謀略を暴く手助けをさせようとする。 5000ドルの報酬に負けたエリンは、アンジェラを守るためにガルシアにも知らせず、シャドも連れずにディルベックの元に向かう。 エリンが警察と接触していて、FBIに勤めていたことをマルコムはディルベックに知らせる。 ダレルは、エリンの後をつけてマルコムを叩きのめし、彼女とディルベックの前に現れる。 その頃、ガルシアはシャドを問い詰め、彼を伴いヨットに向かう。 エリンはディルベックとダレルに銃を突きつけ、ロホの運転手の協力で逃亡して、ダレルに、親権を渡すという誓約書を書かせてしまう。 エリンらは製糖工場に向かい、ディルベックが彼女に迫る。 そしてエリンは、ジェリーやモルデカイ殺害を指示した、ディルベックの会話を録音してしまう。 後を追って来た、殺人の実行犯マルコムが現れ、エリンとディルベックを殺そうとする。 そこに、シャドとガルシアが現れ、マルコムを倒してディルベックは逮捕される。 エリンはガルシアに感謝し、シャドに見守られながら、迎えに来ていたアンジェラと幸せを実感する。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ダメな夫ダレルのお陰で失業し、娘アンジェラの親権を奪われたエリン・グラントは、ストリッパーとして働く傍ら、何とかして娘を取り戻そうとする。
そんなある日、エリンの狂信的なファンであったディルベック下院議員が、ステージ上でトラブルを起こす。
エリンのファンが、ディルベックの弱みを握り彼を脅迫するが、彼は変死体で発見される。
そんな中、親権裁判の判事も急死してしまい、裁判は半年延長されたため、エリンは密かに娘を連れ戻してしまう。
そしてエリンは、気持ちを抑えきれないディルベックから、大金を積まれ、彼だけのためのショーに招かれのだが・・・。
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1993年に発表された、カール・ハイアセンの同名小説を基に製作された作品。
デミ・ムーアがストリッパーを演じるという驚きと共に、当時の女優では最高額の1250万ドルというギャラが大いに話題になった作品。
しかし、アメリカ国内では酷評され、興行成績も北米で3200万ドル強に終わる。
全世界では1億ドルを超すまずまずのヒットにはなったものの、ラジー賞を総なめにする結果となってしまった。
演技派としても大活躍していたデミ・ムーアのパフォーマンスは、あそこまでやらなくても、というほど際どいものだ。
長らく低迷していたバート・レイノルズの出演が、ファンとしては非常に嬉しかった作品でもある。
”低迷”とはいっても、ハリウッドで一時代を築いた俳優は、それほどシャカリキに仕事をしなくても、自家用ジェットの一機や二機くらい持てるほどのスターはざらなので、心配することもないが。
とはいえ、翌年も「ブギーナイツ」(1997)で好演し、アカデミー賞候補になり、見事に復活した。
アーマンド・アサンテも、主人公の良き理解者である刑事役として、なかなかの好演を見せてくれる。
ドラマの中で、再三ストリッパーという職業が見下されるのに対し、そのストリッパーの彼女達が、屈託ない誇りを持った仕事をしている姿は実に好感が持てる。
またそれとは対照的に、政治家の質はこの程度だと言わんばかりの皮肉も込められている。
用心棒ヴィング・レイムスもハマリ役で、ユスリ、タカリが専門の悪党ではあるが、正義感があり頼もしい、そして弱みも見せたりもする、人間味溢れる役柄を好演している。
デミ・ムーアとブルース・ウィリスの娘ルマー・ウィリスが出演しているが、実の娘の前でこのような演技ができる母デミ・ムーアは、さすがに只者ではないという感じがする。
主人公の自堕落な夫ロバート・パトリック、その姉シオバン・ファロン・ホーガン、下院議員の部下役ポール・ギルフォイル、熱狂的な主人公のファン、ウィリアム・ヒル、弁護士スチュアート・パンキン、秘書ロバート・スタントン、議員と癒着する製糖業者ジアンニ・ルッソ、ホセ・ズニガ、ストリッパーのディナ・スパイビー、バーバラ・アリン・ウッズなどが共演している。
また、わずかな出演だがアーマンド・アサンテの妻役で、直前までクリント・イーストウッドのパートナーであるフランシス・フィッシャーも登場する。