2011年に発表された、ウォルター・アイザックソンの伝記”スティーブ・ジョブズ”を基に製作された作品。 ”Apple”の共同設立者スティーブ・ジョブズによる、”Macintosh 128K”(1984)、”NeXTcube”(1988)、”iMac”(1998)発表前の舞台裏と家族や周囲の人々との関係を描く、製作、監督ダニー・ボイル、主演マイケル・ファスベンダー、ケイト・ウィンスレット、セス・ローゲン、ジェフ・ダニエルズ他共演のドラマ。 |
・ドラマ
・マイケル・ファスベンダー / Michael Fassbender / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:ダニー・ボイル
製作
マーク・ゴードン
ガイモン・キャサディ
スコット・ルーディン
ダニー・ボイル
クリスチャン・コルソン
原作:ウォルター・アイザックソン”スティーブ・ジョブズ”
脚本:アーロン・ソーキン
撮影:アルウィン・H・カックラー
編集:エリオット・グレアム
音楽:ダニエル・ペンバートン
出演
スティーブ・ジョブズ:マイケル・ファスベンダー
ジョアンナ・ホフマン:ケイト・ウィンスレット
スティーブ・ウォズニアック:セス・ローゲン
ジョン・スカリー:ジェフ・ダニエルズ
アンディ・ハーツフェルド:マイケル・スタールバーグ
クリスアン・ブレナン:キャサリン・ウォーターストン
リサ・ブレナン=ジョブズ:(19歳):パーラ・ヘイニー=ジャーディン
リサ・ブレナン=ジョブズ(9歳):リプリー・ソーボ
リサ・ブレナン=ジョブズ(5歳):マケンジー・モス
アンドレア”アンディ”カニンガム:サラ・スヌーク
アビー・テバニアン:アダム・シャピロ
ジョエル・フォーサイマー:ジョン・オーティス
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2015年製作 122分
公開
北米:2015年10月9日
日本:2016年2月12日
製作費 $30,000,000
北米興行収入 $17,766,660
世界 $34,441,870
■ アカデミー賞 ■
第88回アカデミー賞
・ノミネート
主演男優賞(マイケル・ファスベンダー)
助演女優賞(ケイト・ウィンスレット)
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1984年1月24日、カリフォルニア州、クパチーノ、フリント・センター。
”Apple”の共同設立者スティーブ・ジョブズ(マイケル・ファスベンダー)は、”Macintosh 128K”の発表を前にして、プログラマーのアンディ・ハーツフェルド(マイケル・スタールバーグ)と”Hello”と話すはずのマシンが何も言わない理由を考える。
直せとジョブズに言われたハーツフェルドは無理だと答え、マーケティング担当のジョアンナ・ホフマン(ケイト・ウィンスレット)は、”GQ”の記者ジョエル・フォーサイマー(ジョン・オーティス)が来ているので声を小さくするようにと二人に伝える。
大絶賛された”スーパーボウル”のCMでは”Hello”のことは知らせていないと言うジョアンナは、それをカットするよう提案するが、ジョブズは納得しない。 会場内を自分の責任で暗闇にすることをマネージャーのアンドレア”アンディ”カニンガム(サラ・スヌーク)に指示したジョブズは、今日を逃せば50年は”IBM”の天下だと言って妥協しないものの、音声デモはなしにするとジョアンナに伝える。 発表会も中止だと言うジョブズは、ジョン・スカリー(ジェフ・ダニエルズ)もスピーチをしたがらないはずだとジョアンナに伝えながら、その場にあった”TIME”に気づく。 コンピューターが”Man of the year”に選ばれた号を座席に配ろうとしたことを知ったジョブズは憤慨するが、思い止まり回収したとジョアンナは伝える。 しつこくそれを追及するジョブズに、その話を終りにして”Mac”の販売目標を下方修正する話を始めたジョアンナは、2495ドルの商品が90日で100万台売れるのは不可能だと伝える。 人が欲しがるものと売ろうとするものの違いを説明するジョブズの話を受け入れられないジョアンナは、ダニエル・コトキが情報をリークした件に触れる。 リサという娘の話をしたかをジョブズに訊かれたコトキが、”イエス”と正直に答えただけだと言うジョアンナだったが、ジョブズは娘がいることを否定する。 認知拒否や血液検査のことを書かれたためにこんな目に遭ったと言いながら、ジョブズは”TIME”を手にし、コトキのせいで”Man of the year”になれなかったとジョアンナに伝える。 パートナーだったクリスアン・ブレナン(キャサリン・ウォーターストン)が来ていることをジョアンナから知らされるものの、会う気のないジョブズは、そんなことをしたら、パスを渡した記者全員から彼女が取材を受けると言われる。 一応、納得したジョブズは、一緒にいてほしいとジョアンナに伝え、彼女がそれを承諾してくれたために、待っていたクリスアンとリサ(マケンジー・モス)を招き入れる。 その場を去ろうとするジョアンナは、機嫌が悪くて挨拶をしないマシンを見に行くと言ってリサを連れて行こうとする。 ”パパ”のマシンも”Lisa”だと言うリサに、父親ではないと伝えたジョブズは、誰かに名前を訊かれたら”Local Integrated Software Architecture”の頭文字をとった機械と、偶然に同じだったと答えるようにと言い聞かせる。 自分にマシンの名前を付けたのかとリサに言われたジョブズはそれを否定し、偶然だと答える。 リサがジョアンナと去った後で、ジョブズとクリスアンは言い合いになり、彼女は生活保護を申請したことを伝える。 株保有額4億4100万ドルの男としての意見を聞いたクリスアンは、娘とその母親が生活保護を受けて生活していても平気なのかと問うが、ジョブズは、あくまで父親ではないと言い張る。 ジョアンナに呼ばれたジョブズはハーツフェルドの元に向い、6回に1回しか作動しないと言われる。 作動する確率を高める努力をするようにとハーツフェルドに指示したジョブズは、スタッフが来ていたシャツのポケットのフロッピーディスクに注目する。 ステージで、それを”美しく”取り出すアイデアを考えたジョブズは、胸ポケット付きの白いシャツを用意するようジョアンナに命ずる。 クリスアンの元に戻ったジョブズは、その場にあった”Mac”の操作方法をリサに教えて遊ばせる。 再び追及されたジョブズは養育費は払っていると伝え、月にたった385ドルだとクリスアンに言われたため、裁判所が決めたことだと答える。 学校には”Mac”を寄付しているなどと持論を語るジョブズの考えが理解できないクリスアンは、スティーブ・ウォズニアック(セス・ローゲン)が現れたために話しをやめる。 ウォズニアックから、史上初の一体型コンピューター”Apple Ⅱ”の開発者への謝辞を述べてもらいたいと言われたジョブズは、クリスアンが来ているので後で話そうと伝える。 クリスアンの元に戻ったジョブズは、ジョアンナからシャツを受け取り、リサが”Mac”描いた線の絵を彼女に保存させる。 金を振り込み、学校の近くに家を買うことをクリスアンに約束したジョブズは、ウォズニアックとスカリーが待っているとジョアンナに言われる。 リサはコンピューターに興味を示し、その様子を見ていたジョブズは、なぜ急に金を払う気になったかをクリスアンに訊かれ、子供は学校にいるべきで、必要な物は与えると約束する。 ”Apple Ⅱ”への謝辞を求めるウォズニアックの意見が、回顧的であり新作発表にそぐわないと言うジョブズは、リサが自分に似ているというジョアンナに、そんな話よりも今はやることがあると伝える。 第二次大戦の連合国の勝利に次ぐ、歴史が変わる瞬間が迫ると言うジョブズは、あくまでリサを娘と認めようとしない。 ジョアンナは、つまらない確立などの計算ではなく、リサが父親だと信じていることが重要だとジョブズに伝える。 神はイエスを殺したが人々に愛され、90日で100万台、以降は月に2万台売れるのだから、これに集中させてほしいとジョアンナに伝えたジョブズは部屋を出る。 待っていたウォズニアックと会場に向いながら話したジョブズは、過去は語りたくないといと伝えるが、”Apple Ⅱ”が経費を稼ぎだしたと意見される。 ガレージ時代に、芸術性を重視し拡張機能を省くことで議論した話をしながら、ジョブズは、”Mac”の発表会では過去の製品を語るべきではないという考えを変えない。 ハーツフェルドの作業状況を確認したジョブズは、512Kで128Kを動かすよう指示し、それに反発するジョアンナの言葉を退け、場内の歓声に気づく。 512Kは年内に出荷する予定なので詐欺ではないと言うジョブズは、ジョアンナの許しを得る。 スカリーと話したジョブズは、”シャトー・マルゴー”の1955年もので乾杯して祝福されながら、周りが敵だらけでCMにも理解を示さないことを伝える。 会場では、そのリドリー・スコットによるCMが映し出され、スカリーは、ジョブズは養子であることで疎外感を感じているように思えるが、育ての親に選ばれたとのだと指摘する。 支配が肝心だと呟くジョブズは、誇りに思うとスカリーに言われる。 紹介されてステージに向かうスカリーに、ジョブズは、リサが”Mac”で絵を描いたことを伝える。 発売された”Macintosh 128K”は苦戦し、100万台の販売計画はわずか3万5000台という結果となり、ジョブズのコントロールで他の機器やソフトとも互換性がなく不評で、その打撃をもろに受けた”Apple”は工場を二つ閉鎖した。 取締役会はジョブズの解雇を決定し、その後、彼は”NeXT”を設立して”Apple”と対決することになる。 1988年、サンフランシスコ、ウォー・メモリアル・オペラ・ハウス。 それを拒んだジョブズだったが、様々な指示をジョアンナに伝えて控室に向かい、その場にいたリサ(リプリー・ソーボ)から、”cube”の寸法のことでしつこく質問される。 電話をかけているというクリスアンと共に学校に行くようリサに指示したジョブズは、現れたウォズニアックと部屋を出る。 ”Apple Ⅱ”や”Lisa”を軽視していると再び意見されたジョブズは、そのつもりはなかったとウォズニアックに答える。 ウォズニアックの腕の時計に気づいたジョブズは、”ニキシー管”時計だと言われ、その構造と操作方法を知り爆弾のようだと伝える。 時間がないと言って去ろうとするジョブズの態度が気に障ったウォズニアックは、プログラムも書けずデザイナーでもいのに、なぜ天才だと言われるのかを彼に問う。 オーケストラの指揮者だと答えたジョブズは、”cube”は間違いなく大失敗すると指摘するウォズニアックから、このままでは殺される、友人として守りたいと言われる。 承知しているとウォズニアックに伝えたジョブズは、二人の話を聞いていたジョアンナから、どうする計画なのかと言われるが、何も語らずに、開場を指示して控室に向かう。 その場にいたクリスアンと話したジョブズは、援助の使い道や、彼女がリサにボールを投げつけた件などで口論になり、金は振り込んでおくと言ってその場を去る。 ロビーに現れたジョブズに声をかけたジョエルは、”cube”が、OSのないデモしかできないただの箱だと知らされる。 ハーツフェルドと話したジョブズは、”Apple”が”NeXT”を買収し、自分がCEOに復帰するというパロディ記事を見せられる。 リサがまだその場にいたことに気づいたジョブズは、学校に行くようにと彼女に伝え、待っていたクリスアンの元に連れて行く。 別れ際に抱き付かれたジョブズは、一緒にいたいとリサに言われて、動揺しながら彼女を見送る。 ジョアンナからスカリーに会うかと訊かれ、それを拒んだジョブズだったが、スカリーが待っていた。 ”Mac”発表で揉めたことと、解雇された取締役会の件などを話したジョブズは、自分の批判にウォズニアックを利用するなとスカリーに伝える。 友人であるウォズニアックは守るとスカリーに伝えたジョブズは、ジョアンナに呼ばれてその場を去る。 ジョエルから受け取った記事を気にするジョアンナは、わざとOS開発を遅らせて”Apple”の出方を見ていると言って、いつ対抗するマシンを出すのかをジョブズに問う。 1970年代の”スカイラブ計画”を例にとるジョブズは、回収方法がないまま打ち上げられ、衛星は8年後にインド洋に墜落したが、その位置がずれていたら被害が出たと話す。 革新を求めている”Apple”なら、アビー・テバニアン(アダム・シャピロ)が作るOSと自分を必ず買おうとするはずだと言うジョブズは、約5億ドルの株で完全な製品が作れると語る。 そしてジョブズは、ステージに上がる。 発表会から1年以上してNeXTの製品が店頭に並ぶものの、全く注目されず、同じく”Apple”の業績も不振が続く。 ”ニュートン”の発表も不発に終わったスカリーは解雇され、ジョブズは”Apple”に復帰する。 1998年5月11日、サンフランシスコ、シンフォニー・ホール。 干渉されたくないジョブズだったが、最初の90日で100万台、以降は月に2万台という、本当の売り上げ予測を知らされる。 喜ぶジョブズは、”Windows”からの乗り換えが12%であるため、それでビル・ゲイツが叩こうとしているとジョアンナに言われる。 勝つことは明らかであるため、楽しむ時間を過ごしリサと仲直りするべきだとジョアンナに言われたジョブズは、自分が購入した家を売ったクリスアンと、それを認めたリサを許せなかった。 リサがそれをやめさせるべきだったと言うジョブズは、19歳の娘が母に指示できるわけがないと考えるジョアンナの意見を聞き入れない。 仲直りしなければ辞職すると言うジョアンナは、父親の役目を果たさなかったジョブズを涙ながらに批判する。 あくまで家を売ったことにこだわるジョブズは、リサが怒っているのは、ハーバード大学の学費を父親が払わないことだとジョアンナに言われる。 学費を払っているのはハーツフェルドだとジョアンナから知らされたジョブズは驚き、現れた彼にそれを確かめる。 道を外しても仕方ない状況下で良い子に育ったリサの力になりたかったと言うハーツフェルドに、ジョブズは学費は送金すると伝える。 かつて、”Mac”の発表会で脅されたと言うハーツフェルドは、なぜ嫌われたがるのかをジョブズに問う。 そう思われても構わないと答えるジョブズは、嫌いだったとハーツフェルドに言われ、自分は好きだったので残念だと伝える。 ハーツフェルドが出て行った後で、プレゼンテーションの内容を確認するジョブズの脳裏には、リサとの思い出が過る。 リサが会わない方がいいと言っているとジョアンナから知らされたジョブズは、このままでいたくないため娘とどうしても話したいことを伝える。 ジョエルと話していたジョブズは、サメができたというアビーに呼ばれる。 アビーの元に向い、39回目のサメにOKを出したジョブズは、客席にいたウォズニアックから、”Apple Ⅱ”への謝辞を再び求められる。 ジョアンナに呼ばれたジョブズは、リサが話す気がないと言われたため、何とかするようにと伝えてステージに戻る。 ウォズニアックから、解雇されたトップの名前を出すようにと言われたジョブズは、マイナー級の”Apple Ⅱ”は必要ではなく、謝辞など述べる気はないことを伝える。 アンディはその場にいるスタッフらを出そうとするが、ジョブズがそれを制止する。 パーソナルコンピューターの分野で最も世に貢献したと自負する自分に、なぜ敬意を表さないのかをジョブズに尋ねたウォズニアックは、話を聞き入れようとしない彼を見限りその場を去る。 ウォズニアックは本気ではないと考えるジョアンナに、彼の本音だと伝えたジョブズは、負けを認めようとしない気持ちを抑えて、話す気になったリサに謝罪するようにと言われる。 そこにスカリーが現れたためにジョアンナは席を外し、ジョブズは、開けなければ価値があるという”ニュートン”を渡される。 スカリーを会社に招いた時のことを考えながら、養子の件を話したジョブズは、実は二人で実夫に会っていることを伝える。 その会食の席のレストランのオーナー、ジャンダーリが実夫だったと妹モナ・シンプソンから知らされたことをジョブズはスカリーに話す。 全てを水に流すことで意見が一致したジョブズとスカリーは、握手をする。 ”ニュートン”を切った理由を話したジョブズは、それはタッチペンであり、五本の指が使えないとスカリーに伝えてその場を去る。 リサ(パーラ・ヘイニー=ジャーディン)に会ったジョブズは、学費は払うが家を売るのは納得いかないと伝える。 母が医療費を払うためにお金が必要だったと伝えたリサは、子供が親の面倒を見る必要はないとジョブズに言われる。 自分の母親でもかと訊かれたジョブズは、何もできない老人なら別だが、クリスアンはまだ45歳であり、自分が面倒を見るので今の生活を楽しむようにとリサ伝える。 話を理解しようとしないリサに、クリスアンの金の使い道が道理を外れていることをジョブズは話すが、かつての”TIME”の記事を読み傷ついたと言われる。 母にも問題はあるが、恥知らずの卑怯者だとジョブズを罵るリサは、その場を離れて屋上の駐車場に向かう。 リサを追ったジョブズは、”Lisa”の意味の話は嘘で、名前に決まっていると伝える。 なぜ違うと言ったのかと訊かれて分からないと答えたジョブズは、父だと認めなかった理由も問われる。 自分は中途半端な人間だと言うジョブズは、プレゼンが遅れることを気にするリサに、構わないと伝える。 学内新聞に掲載しているエッセイのことを知っていたジョブズは、それを今、読みたいとリサに伝え、読むまで”iMac”は発表しないと言い張る。 ジョアンナが呼びに来たために帰ろうとしたリサは、500曲~1000曲をポケットに入れてあげるとジョブズに言われる。 リサが持っていたポータブルカセットプレーヤーを、見るに堪えないレンガのような代物だと言うジョブズは、曲をポケットに入れることを約束する。 プレゼンを見て行くようにと言われたリサは、ジョブズと共に会場に向う。 ウォズニアックは、満員で熱気溢れる場内に戻る。
...全てを見る(結末あり)
”NeXTcube”発表会を前に、ウォズニアック、ハーツフェルド、スカリーが来ていることをジョアンナから知らされたジョブズは、彼らに会うようにと言われる。
”iMac”発表のリハーサルをしていたジョブズは、絶賛する記事をジョアンナから渡され、リサと仲直りするようにと言われる。
*(簡略ストー リー)
1984年、”Apple”の共同設立者スティーブ・ジョブズは、”Macintosh 128K”の発表を前に、娘リサを連れて現れた元パートナーのクリスアンから、娘を認知しないことで責められ援助を迫られ、ジョブズは仕方なく援助には応ずる。
そんな中、マーケティング担当のジョアンナ・ホフマン、共同設立者スティーブ・ウォズニアック、CEOのジョン・スカリー、プログラマーのアンディ・ハーツフェルドらは、革新的発想で未来を見るジョブズの考えに翻弄され続ける・・・。
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世界の人々の日常生活に変革をもたらした、”Apple”の共同設立者スティーブ・ジョブズの、完璧なまでの人生観を深く掘り下げて描いた人間ドラマ。
ダニー・ボイルらしい、躍動感のある場面展開と役者の力強い演技は見応え十分で、周知の事実は端的に伝える小気味よい演出も光る作品。
本作は、人類史上に残るカリスマ経営者と言えるスティーブ・ジョブズの、栄光と挫折の半生を描く物語ではない。
スティーブ・ジョブズの人生の大きな分岐点とも言える、”Macintosh 128K”(1984)、”NeXTcube”(1988)、”iMac”(1998)発表前の舞台裏と家族との関係、苦楽を共にした周囲の人々との関りがドラマチックに描かれている。
三番目のエピソードとなる”iMac”(1998)のプレゼンでは、前二つとは異なり、その後に続く更なる偉大な革命を予感させる脚色として、事実とは違い、スティーブ・ジョブズを”iPod”のプレゼンのスタイル、黒いタートルネックとジーンズで登場させているところなどに注目したい。
第88回アカデミー賞では、主演男優賞(マイケル・ファスベンダー)と助演女優賞(ケイト・ウィンスレット)にノミネートされた。
近代テクノロジーの常識を変えた革命児スティーブ・ジョブズを熱演するマイケル・ファスベンダーと、彼に勝るとも劣らない演技で、主人公を支えるマーケティング担当者ジョアンナ・ホフマンを好演するケイト・ウィンスレットの演技のぶつかり合いは、舞台劇を見ているような迫力がある。
”Apple”の共同設立者スティーブ・ウォズニアックのセス・ローゲン、”Apple”CEOのジョン・スカリー役ジェフ・ダニエルズ、プログラマーのアンディ・ハーツフェルド役マイケル・スタールバーグ、スティーブ・ジョブズの元パートナーであるクリスアン・ブレナンのキャサリン・ウォーターストン、彼女の娘リサ・ブレナン=ジョブズ(19歳)のパーラ・ヘイニー=ジャーディン、(9歳)リプリー・ソーボ、(5歳)マケンジー・モス、マネージャーのアンドレア”アンディ”カニンガム役サラ・スヌーク、ソフトウェア・エンジニアのアビー・テバニアン役アダム・シャピロ、GQの記者ジョン・オーティスなどが共演している。