世界中に衝撃を与えた大ヒット作「サタデー・ナイト・フィーバー」(1977)の続編。 かつてディスコ・キングと言われた青年がブロードウェイのスターになろうとする努力と苦悩そして成長を描く、製作、脚本、監督シルヴェスター・スタローン、主演ジョン・トラボルタ、シンシア・ローズ、フィノラ・ヒューズ他共演のドラマ。 |
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・シルヴェスター・スタローン / Sylvester Stallone 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督:シルヴェスター・スタローン
製作
シルヴェスター・スタローン
ロバート・スティグウッド
脚本
シルヴェスター・スタローン
ノーマン・ウェクスラー
撮影:ニック・マクリーン
編集
マーク・ワーナー
ピーター・E・バーガー
ドン・ジマーマン
音楽
ビージーズ
フランク・スタローン
出演
アンソニー”トニー”マネロ:ジョン・トラボルタ
ジャッキー:シンシア・ローズ
ローラ:フィノラ・ヒューズ
ジェシー:スティーヴ・インウッド
フロー・マネロ:ジュリー・ボヴァッソ
バトラー:チャールズ・ウォード
カール:フランク・スタローン
振付師:カートウッド・スミス
音響技師:スティーヴ・ビックフォード
マーク:ジェシー・ドーラン
街の通行人:シルヴェスター・スタローン
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1983年製作 93分
公開
北米:1983年7月15日
日本:1983年12月10日
製作費 $22,000,000
北米興行収入 $64,892,670
世界 $127,092,700
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
かつてディスコ・キングと言われたアンソニー”トニー”マネロ(ジョン・トラボルタ)は、ブルックリンを離れてマンハッタンに移り、ブロードウェイのダンサーを目指していた。
オーディションを何度受けても落ちてしまうトニーは、ダンス・スクールの同僚インストラクターである恋人のジャッキー(シンシア・ローズ)に、その日の結果もダメだったことを伝える。
ダンス・スクールでのレッスンの仕事を終えてアパートに戻ったトニーは、クラブに向いウエイターのバイトをする。
ダンサーとしてトップを目指すトニーは、何人もの女性に声をかけられるものの、それを拒み、寝る間も惜しんで自分を売り込むためエージェント回りをする。
全く相手にされないトニーはジャッキーに愚痴をこぼすが、競争意識をコントロールするよう彼女に助言される。 その夜トニーは、バック・ダンサーの役が付いたジャッキーのステージを観に行く。 ステージ脇にいたトニーは、イギリス人トップ・ダンサーのローラ(フィノラ・ヒューズ)の見事なパフォーマンスに感激し心を奪われる。 ジャッキーに素晴らしかったと伝えたトニーは、彼女が着替えに行ったためにローラの楽屋に向かう。 ローラに話しかけたトニーだったが、まともに聞いてもらえずに追い払われる。 その態度を批判するトニーは、自分と付き合ってほしいとローラに伝える。 相手にされないトニーは、ローラからオーディションを受けることを提案される。 それを断り諦めて帰ろうとしたトニーは、ローラから再び明日のオーディションに来るかを聞かれる。 ジャッキーと劇場を出たトニーは、明日のオーディションのことなどを確認し、ローラに声をかけられる。 トニーがリムジンに乗るローラを気にするために、ジャッキーは気分を害してその場を去る。 翌日、オーディションを受けたトニーは、合格したジャッキーの後で、現れたローラを気にしながら踊る。 演出家のジェシー(スティーヴ・インウッド)は、採用2名は24時間以内に連絡するとトニーらに伝える。 ローラから合格すると言われたトニーは、彼女にキスして誘い、二人は街に出る。 散歩を楽しんだ二人は、ローラのホテルに向い愛し合う。 翌日、電話を待っていたトニーは採用の連絡に興奮し、母フロー(ジュリー・ボヴァッソ)に連絡し、それを知らせて喜ばせる。 バンドメンバーとしてボーカルも務めているジャッキーのステージを見たトニーは、彼女から実力で採用されたと言われる。 トニーは、ジャッキーと共にステージに立つリズム・ギタリストのカール(フランク・スタローン)が気になる。 その後、ホテルの前でローラを待っていたトニーは、彼女が男性同伴だったためにショックを受ける。 バンド出演を終えてトニーを待っていたジャッキーは、彼が現れないためにアパートに帰る。 翌日のリハーサルで、ジャッキーは、トニーとローラの様子を気にする。 トニーと階段で話していたジャッキーは、ローラが現れたためにその場を去る。 自分を無視するようなローラの態度を批判するトニーだったが、互いに利用し合っただけだと彼女から言われてしまう。 そんな二人の様子をジェシーが見ていた。 その後、喧嘩したつもりはないと言うローラは、トニーをパーティーに誘う。 戸惑いながらホテルのローラの部屋で行われているパーティーに出席したトニーは、ジェシーがその場にいたために気分を害する。 皆仲間だと言うローラはトニーとテラスに出て話し、それでも納得いかない彼を批判する。 ステージで歌うジャッキーの元に向かったトニーは、今の気持ちを歌うような彼女に謝罪する。 しかし、トニーの気持ちを受け入れる気のないジャッキーは、今後は友達でいることを伝えて、涙しながらその場を去る。 ブルックリンの実家を訪ねたトニーは、迷っていることを母フローに伝え、今の自分を信じるよう助言されて吹っ切れる。 その後、リハーサルは続き、ジェシーはローラの相手役のバトラー(チャールズ・ウォード)のダンスに満足できない。 ジャッキーをスタジオに呼んだトニーは、彼女がカールと現れたために嫉妬する。 カールが帰った後でトニーは、バトラーの役を練習したいことをジャッキーに伝える。 役の交代を申し出るとジャッキーに伝えたトニーは、それが可能だと言う彼女の協力でレッスンを始める。 レッスンを終えたトニーはジャッキーをアパートに送り、今までの態度を彼女に謝罪し、二人は愛を確かめる。 翌日のリハーサルで、ジャッキーに促されたトニーは、自分ならできると言ってジェシーに役のことを話し、テストしてもらえることになる。 踊り始めたトニーは、気乗りしないローラに腹を立ててその場を去ろうとする。 ジェシーに引き留められ、チャンスを逃すなと言われたトニーは、自分を変える努力をしろと助言されてスタジオに戻る。 再びローラと踊り始めたトニーは、見事に期待に応える。 リハーサルは続き、同時にショーの準備も進み、トニーはジャッキーとの関係も良好なまま、”Satan’s Alley”は初日を迎えることになる。 緊張するトニーは、ジェシーとジャッキーに励まされる。 約束通りトニーに招待されたフローも席に着き、彼女は、周囲に自分の息子が出演することを自慢する。 そしてショーは始り、トニーは期待に応えたダンスをするが、第一幕の終わりでローラにキスしてしまい、憤慨したローラはトニーの目を傷つける。 ダンスは良かったと言うジャッキーは、なぜキスしたのかをトニーに問い、彼は意味はないと答える。 ステージ上で喧嘩をしていると言うジェシーはトニーを非難し、自分を捨ててショーに集中するよう指示する。 第二幕を問題なく終えたトニーは、謝罪するローラから誤解を解きたいと言われて誘われる。 トニーはデートがあると言ってそれを断るが、ローラは、それは嘘だと伝えてその場を去る。 そして、第三幕を完璧に踊り切ったトニーは、観客から喝采を浴び、フローは息子の姿に感激する。 一夜にしてスターとなったトニーは、君なしでは今夜はなかったと言ってジャッキーに感謝してキスする。 ローラは、二人の姿を見て納得する。 そして、トニーは新たな人生の可能性を信じ、街に出て気取りながら歩く。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ニューヨーク。
かつてディスコ・キングと言われたアンソニー”トニー”マネロは、ブロードウェイのスターを夢見ていた。
恋人のジャッキーと共にダンス・スクールのインストラクターをしながら努力を続けるトニーだったが、何度オーディションを受けても落ちてしまい焦る。
そんなトニーは、イギリス人のトップ・ダンサーのローラの才能と美しさに惹かれ、彼女と組むことを考えるのだが、それにより心の迷いが生じてしまう・・・。
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世界中にディスコ・ブームが巻き起こり、社会現象にまでなった大ヒット作「サタデー・ナイト・フィーバー」(1977)の続編。
翌年公開された「グリース」(1978)もそれを上回るヒットを記録し、世界の映画ファンの心を捉えたジョン・トラボルタが、ディスコ・キングからブロードウェイのスターを目指す青年を演じ、こちらも「ロッキー」(1976)でトップ・スターとなったシルヴェスター・スタローンが、製作、監督、脚本を兼ねた作品ということで、大いに期待された作品。
*シルヴェスター・スタローンは、ジョン・トラボルタと肩がぶつかる街の通行人でカメオ出演もしている。
しかし、内容は貧弱で、ブロードウェイの内幕的な恋も交えたドラマも訴えるものがなく、主演のジョン・トラボルタが画面に登場しているだけ、としか言いようのない作品。
大劇場で絶賛されるクライマックスのショーは、超一流として描かれるはずなのだが、そのパフォーマンスも心を打つものでもなく、シルヴェスター・スタローンの演出、脚本も平凡極まりない。
当然、本作は批評家観客から酷評されたのだが、それでも前作のお蔭と言っていいだろう、北米興行収入は約6500万ドル、全世界では約1億2700万ドルのヒットとなった。
整った顔立ちで鍛え上げた美しい体、女性を引き付ける魅力があるジョン・トラボルタは熱演するが、結局、本作を境に低迷期に入り、1990年代に復活するまで役に恵まれない時期が続くことになる。
本作でのジョン・トラボルタが、「ランボー」シリーズのシルヴェスター・スタローンを連想させる容姿に思えたのは私だけだろうか・・・。
主人公の心の支えになる恋人のダンサー、シンシア・ローズ、主人公を振り回すトップ・ダンサーのフィノラ・ヒューズ、主人公の才能を認めて見守りながらも厳しく接する演出家スティーヴ・インウッド、主人公の母親ジュリー・ボヴァッソ、主人公に役を奪われるダンサーのチャールズ・ウォード、音楽も担当した、バンドのギタリスト役フランク・スタローン(シルヴェスター・スタローンの弟)、振付師のカートウッド・スミス、そして、ジョン・トラボルタと肩がぶつかる街の通行人でシルヴェスター・スタローンがカメオ出演している。