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消されたヘッドライン State of Play (2009)

2003年にイギリスBBCで放映されたテレビ・ドラマ「ステート・オブ・プレイ?陰謀の構図?」の映画化。
下院議員の愛人でもある助手の死の裏に潜む陰謀を描く、監督ケヴィン・マクドナルド、主演ラッセル・クロウベン・アフレックレイチェル・マクアダムスヘレン・ミレンロビン・ライトジェフ・ダニエルズジェイソン・ベイトマン共演によるサスペンス・ドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(サスペンス/犯罪)

ラッセル・クロウ / Russell Crowe 作品一覧
ラッセル・クロウ / Russell Crowe / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:ケヴィン・マクドナルド
製作総指揮
ポール・アボット

ライザ・チェイシン
デブラ・ヘイワード
E・ベネット・ウォルシュ
製作
アンドリュー・ハウプトマン

ティム・ビーヴァン
エリック・フェルナー
脚本
マシュー・マイケル・カーナハン

トニー・ギルロイ
ビリー・レイ
ポール・アボット(TVシリーズ)
撮影:ロドリゴ・プリエト

編集:ジャスティン・ライト
音楽:アレックス・ヘッフェス

出演
ラッセル・クロウ:キャル・マカフリー
ベン・アフレック:スティーヴン・コリンズ
レイチェル・マクアダムス:デラ・フライ
ヘレン・ミレン:キャメロン・リン
ロビン・ライト:アン・コリンズ
ジェフ・ダニエルズ:ジョージ・ファーガス
ジェイソン・ベイトマン:ドミニク・フォイ
マイケル・ベレッセ:ロバート・ビンガム
ハリー・J・レニックス:ドナルド・ベル刑事
デヴィッド・ハーバー:情報源
サラ・ロード:マンディ・ブロコウ
マリア・セイヤー:ソニア・ベーカー

アメリカ/イギリス 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2009年製作 127分
公開
北米:2009年4月17日
イギリス:2009年4月30日
日本:2009年5月22日
製作費 $60,000,000
北米興行収入 $37,017,960
世界 $87,812,370


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
ワシントンD.C.
追われている男が、殺し屋ロバート・ビンガム(マイケル・ベレッセ)に射殺され、それを目撃したピザの配達人も撃たれて昏睡状態になる。

翌朝。
地元紙”ワシントン・グローブ”の記者キャル・マカフリー(ラッセル・クロウ)は、現場に駆けつけてネタを探る。

軍事利権に絡む企業”ポイント・コープ”の、癒着に関する公聴会の、議長を務める下院議員スティーヴン・コリンズ(ベン・アフレック)は、調査員兼助手であるソニア・ベーカー(マリア・セイヤー)の突然の死を知りショックを受ける。

地下鉄で、自殺したかのように思われたソニアの死に、コリンズは公聴会の席上で涙を流し、それがきっかけで二人の深い関係がマスコミで取りざたされる。

マカフリーは、大学時代の友人コリンズが、マスコミの餌食になることを心配する。

新人記者デラ・フライ(レイチェル・マクアダムス)は、ウェブサイト担当記者として厚遇されていた。
...全てを見る(結末あり)

旧友コリンズの件を、フライはマカフリーから聞き出そうとするが、彼は相手にしない。

コリンズは、ソニアと愛人関係だったことを、院内総務のジョージ・ファーガス(ジェフ・ダニエルズ)に告白する。

”ワシントン・グローブ”の編集局長キャメロン・リン(ヘレン・ミレン)は、旧友のことをネタにしたがらないマカフリーに気を揉む。

マカフリーを訪ねたコリンズは、ソニアが事故当日に送ってきた映像メールを見せ、彼女が自殺ではなく、殺害されたという考えを伝える。

それを聞いたマカフリーは、反撃を開始しするために、ウェブ版でコリンズを記事にし始めたフライに連絡を入れる。

マカフリーは、夜中にフライを叩き起こし、警察関連の聞き込みと、ソニアが死んだ地下鉄の監視カメラを確認するよう指示を出す。

新たな情報を何も得られなかったフライに、マカフリーは引き続き取材を続けさせる。

路上殺人の記事を催促されたマカフリーは、遺体の検死所で射殺された男の携帯電話の履歴を調べる。

そしてマカフリーは、その中のにソニアの番号であることを知り驚いてしまう。

フライは、ソニアの麻薬逮捕歴などを調べるようマカフリーに命ぜられる。

その後マカフリーは、遺体検死所でコーラを買ってあげたホームレスの少女マンディ・ブロコウ(サラ・ロード)に、バッグを盗まれてしまう。

マンディから、重要な情報と引き換えに金を要求されたマカフリーは、彼女の住んでいる場所に連れて行かれる。

射殺された男の友達だったマンディは、彼が盗んだ鞄にあった、ソニアの盗撮写真をマカフリーに見せる。

コリンズとは不仲だった妻のアン(ロビン・ライト)は、マカフリーに説得されて夫婦で記者会見を開き、コリンズは素直に自分の過ちを認める。

マカフリーは、ソニアの死と、その前日に路上で射殺された男とピザの配達人の銃撃事件との関連性を探る。

ソニアの死を望む者がいたかを、コリンズに確認したマカフリーだったが、彼は、ソニアが事件に巻き込まれるようなことがないことを伝える。

しかし、社に戻ったマカフリーは、ソニアが万引きや借金の踏み倒しなどをした事実があることをフライの調べで知り、それをリン編集局長に知らせる。

さらにマカフリーは、全てコリンズを陥れるために仕組まれた、”ポイント・コープ”が関連した策略だという可能性を指摘する。

リンは、大事件の予感を感じて、記事をベテラン記者に任せようとするが、マカフリーは、フライの仕事だと言い、彼女も記事にして見せると意地を見せる。

マカフリーとフライは手を組み、その後、ピザの配達人が意識を取り戻したことを知る。

フライは、マカフリーに指示され、配達人のコメントを取るために病院に向かう。

しかし、配達人はフライの目の前で、病院外から狙撃され殺されてしまう。

アンに会っていたマカフリーはフライに呼ばれ、証拠を警察に渡し、殺人を阻止するべきだったと後悔して、動揺する彼女を慰める。

その後、リンを含め関った記者らは、証拠隠匿を警察から追求される。

リンは、警察の発表前に決定的な証拠を上げるため、特別チームを組む。

その後フライは、病院で出くわした男(ビンガム)と、地下鉄ホームの監視カメラの映像に映っていた男が同一人物だということに気づく。

それを聞いたマカフリーは、”ポイント・コープ”の情報源(デヴィッド・ハーバー)と接触し、駅のホームの男の写真を渡して身元を調べさせる。

そして彼から、実質的にアメリカの軍事を民営化したような企業の”ポイント・コープ”が、その貧欲な活動で、年間約400億ドルもの巨額な利益を得ていることをマカフリーは知らされる。

マカフリーはそれをコリンズに確認し、彼の命も狙われているため、全てを公表しろと忠告する。

コリンズは、ソニアの死と”ポイント・コープ”をつなぐ証拠があれば、それを実行することをマカフリーに約束する。

フライは、コリンズが、ソニアの負債を肩代わりしたことなどのスキャンダルのネタを入手し、それを記事にすることをマカフリーに伝える。

学生時代から、マカフリーにも心を寄せていたアンは、アパートで彼の帰りを待つ。

帰宅したマカフリーは、アンにコリンズが大金を動かせる余裕があるかを聞くが、彼女はそれを否定する。

アンは、離婚してマカフリーとの生活を選びたい心の内を伝えるが、彼は現実的な生活を望まなかった。

その直後、情報源に呼び出されたマカフリーは、ホームの男が元兵士だという情報他を渡される。

その情報で、ある男に会いに行ったマカフリーは、そこで同居人だったホームの男(ビンガム)に会う。

マカフリーは、警察のドナルド・ベル刑事(ハリー・J・レニックス)に連絡した後、ビンガムに命を狙われるが何とか難を逃れる。

ベル刑事から情報提供を求められたマカフリーは、彼から、ホームレスのマンディが殺され、ソニアの写真は彼女の指紋だらけだったことを指摘される。

コリンズのスキャンダルが他紙で暴露され、それを知りながら、結局は記事にしなかったマカフリーとフライをリンは責める。

スキャンダルは中傷目当てだというマカフリーに対して、新聞社経営陣の、売り上げ重視の方針に説明がつかないというリンは激怒し、記事の提出を二人に迫る。

マカフリーは、ソニアの盗撮写真に写っていた男である”ポイント・コープ”の関連PR会社を経営するドミニク・フォイ(ジェイソン・ベイトマン)に目を付ける。

フォイに接触したマカフリーは、彼を記事ネタにすると脅してホテルに連れて行く。

そして、フォイとソニアの活動を聞き出し、フライらがその模様をビデオに録画する。

やがて、ソニアが”ポイント・コープ”に雇われた、報酬目的のスパイで、議会に彼女を手引きした者がいるということがわかる。

コリンズに電話を入れたマカフリーは、ソニアを推薦したのがファーガス院内総務だと聞き、コリンズをホテルに呼び出す。

ホテルに着いたコリンズに、マカフリーは、フォイのビデオを見せて全てを知らせる。

さらにマカフリーは、ソニアがスパイでありながらコリンズを愛してしまい、彼の子供を身篭っていたことも知らせる。

コリンズは、隣の部屋にいたフォイに襲い掛かり、それをマカフリーが制止する。

事実を、度を超したやり方で知らされたコリンズは激怒し、妻アンと親密になっていたマカフリーを非難する。

ファーガスが全ての黒幕だと睨んだマカフリーは、彼の元に向かう。

マカフリーは、ソニアをコリンズに推薦し、彼女が公聴会に関する委員会の情報を入手して”ポイント・コープ”に渡し、会社がソニア殺害に関与した事実関係を確認する。

大スクープを確信したマカフリーだったが、リンは確証が得られていないことを理由に、それを記事にしようとしない。

締め切りが迫る中、コリンズが妻アンとマカフリーのオフィスに現れる。

コリンズは、”ポイント・コープ”の件で自分が知り得る全ての情報と見解を公式に伝える。

その頃、ビンガムは今回のことのけりを付けるために、武装してその時に備える。

よき協力者になったフライと、祝杯をあげたマカフリーだったが、コリンズに知らせてもいないソニアの報酬金額を、アンが知っていたのを不審に思う。

マカフリーは、ビンガムとコリンズのつながりを知り、彼のオフィスを訪れてそれを追求する。

コリンズは、ソニアとは愛し合ってはいたものの、不審な出来事に怯える彼女の監視を、かつての湾岸戦争の戦友で命を助けたビンガムに依頼していたのだった。

全てを”ポイント・コープ”の責任にするコリンズに、自分の問題だとマカフリーは激しく言い寄る。

コリンズの行き過ぎた行動で、ソニアを含め4人もの死者をだしてしまったことを知ったマカフリーは、友人の破滅を知りつつオフィスに戻ろうとする。

マカフリーを待ち構えていたビンガムは、彼を殺そうとするが、駆けつけたベル刑事らに彼は射殺される。

オフィスに戻り、リンの許可が出たマカフリーは、自分を支えたフライとの連名で記事を書き上げる。

そして、マカフリーは記事をフライに送らせて、二人はオフィスを立ち去り、記事は翌朝のフロントページを飾ることになる。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
ワシントンD.C.
ある男が路上で殺し屋に射殺される事件が起き、地元紙”ワシントン・グローブ”の記者キャル・マカフリーは、早速、現場に駆けつけてネタを探る。
企業”ポイント・コープ”の軍事利権に絡む、癒着問題の公聴会の議長を務める、下院議員コリンズは、調査員兼助手のソニアの、突然の死を知りショックを受ける。
コリンズが、公聴会の席上、ソニアの死に動揺した様子で、マスコミが二人の深い関係を取り上げる。
マカフリーは、学友のコリンズが、マスコミの餌食になるのを心配するが、ウェブ・サイト担当の新人記者フライは、この事件を取材しようとする。
マカフリーは、フライを相手にしなかったが、同じ頃、コリンズは、ソニアと愛人関係だったことを、院内総務ファーガスに告白する。
”ワシントン・グローブ”の編集局長リンは、旧友コリンズのことを、ネタにしたがらないマカフリーに気を揉む。
その後マカフリーは、ソニアが他殺である可能性をコリンズから聞かされる。
さらにマカフリーは、路上殺人の被害者の携帯電話の履歴に、ソニアの番号があることを知るのだが・・・。
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ラストキング・オブ・スコットランド」(2006)の監督でもあるケヴィン・マクドナルドは、ドキュメンタリー出身らしく、殺人事件の追跡をする記者の苦悩や新聞社内の緊迫感などを、リアルな描写で見事に描いている。

旧友でもある若手下院議員、肉体関係を持ってしまったその妻、事件を深く追求せずに記事にしようとする新人記者、そして意見が対立する編集局長などとの関係に苦労しながら、ベテラン記者らしい、勘に頼る主人公(ラッセル・クロウ)は、だらしない生活や体系がアウトロー的でもあり、それが記者としての逞しさを強調させている。

非の打ち所がないハンサムなエリート議員ベン・アフレックを圧倒する、対照的な、無骨で古風なラッセル・クロウの、人間味のある、重厚さも漂う演技は見ものだ。

経験不足を若さでカバーする新人記者で、次第に主人公のベテラン記者に感化されていくレイチェル・マクアダムス、その二人を見守りながら、編集局長として貫禄の演技を見せているヘレン・ミレン、不仲の夫との微妙な生活、その友人でもある主人公と関係を持つロビン・ライト、事件の真相を知るジェイソン・ベイトマン、黒幕的存在の院内総務ジェフ・ダニエルズ、暗殺者マイケル・ベレッセ等が共演している。


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