SFテレビ・ドラマ「スタートレック」を基に製作された映画化シリーズ第2作。 惑星連邦・宇宙艦隊USSエンタープライズの艦長カークに追放された優生人類カーンの復讐に立ち向かう、カークらクルーの活躍を描くSFドラマ。 監督ニコラス・メイヤー、主演ウィリアム・シャトナー、レナード・ニモイ、デフォレスト・ケリー、リカルド・モンタルバン他共演。 |
・SF
■ スタッフ キャスト ■
監督:ニコラス・メイヤー
製作:ロバート・サリン
製作総指揮:ハーヴ・ベネット
原作:ジーン・ロッデンベリー”スター・トレック”
原案
ハーヴ・ベネット
ジャック・B・ソワーズ
サミュエル・A・ピープルズ
脚本
ジャック・B・ソワーズ
ニコラス・メイヤー
撮影:ゲイン・レシャー
編集:ウィリアム・ポール・ドーニッシュ
音楽:ジェームズ・ホーナー
出演
ジェームズ・T・カーク:ウィリアム・シャトナー
スポック:レナード・ニモイ
レナード・マッコイ:デフォレスト・ケリー
モンゴメリー・スコット:ジェームズ・ドゥーアン
ウフーラ:ニシェル・ニコルズ
ヒカル・スールー:ジョージ・タケイ
パヴェル・チェコフ:ウォルター・ケーニッヒ
カーン・ノニエン・シン:リカルド・モンタルバン
クラーク・テレル艦長:ポール・ウィンフィールド
サーヴィック大尉:カースティ・アレイ
キャロル・マーカス博士:ビビ・ベッシュ
デヴィッド・マーカス博士:メリット・バトリック
アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1982年製作 116分
公開
北米:1982年6月4日
日本:1983年2月19日
製作費 $11,000,000
北米興行収入 $78,912,960
世界 $97,000,000
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
2285年。
惑星連邦・宇宙艦隊”U.S.S.エンタープライズ NCC-1701”を再現したシュミレーションで、バルカン人とロミュラン人の混血サーヴィック(カースティ・アレイ)が艦長を務める。
科学主任スポック(レナード・ニモイ)、医師マッコイ(デフォレスト・ケリー)、通信士のウフーラ(ニシェル・ニコルズ)、パイロットの、ヒカル・スールー(ジョージ・タケイ)に指示を与えたサーヴィックは、クルー他乗組員を全滅させてしまう。
そこに現れた提督ジェームズ・T・カーク(ウィリアム・シャトナー)は、クルーに声をかけてサーヴィックに助言してその場を去る。
カークは、エンタープライズに向かうスポックに、借りていた古典の礼を言い、誕生日を祝福される。 その夜カークは、訪ねてきたマッコイから、酒と、今では使わない400年前の眼鏡を贈られ、現場への復帰を勧められる。 パヴェル・チェコフ(ウォルター・ケーニッヒ)と艦長のクラーク・テレル(ポール・ウィンフィールド)は、生命反応をキャッチし、”ジェネシス計画”を遂行するため宇宙船”リライアント”で惑星セティ・アルファ6に向かう。 ジェネシス計画の責任者で、カークの元恋人であるキャロル・マーカス博士(ビビ・ベッシュ)と息子のデヴィッド博士(メリット・バトリック)は、テレルからの報告を受けるものの慎重に対処する。 セティ・アルファ6に転送されたテレルとチェコフは、貨物船を発見して調べる。 チェコフは、船が”ボタニー・ベイ”であることを知り、危険を知らせテレルと共にその場を離れるが、何者かに捕えられてしまう。 二人を捕えた者達のリーダーは、20世紀の優生人類カーン・ノニエン・シン(リカルド・モンタルバン)で、チェコフは彼の出現に驚く。 かつてカーンは、”ボタニー・ベイ”で宇宙を漂っていた際にエンタープライズに救われるものの反乱を起こし、15年前、カークによりセティ・アルファ5に追放されたのだった。 カーンはチェコフを思い出し、”ボタニー・ベイ”が着いたのが、生命のあるセティ・アルファ5ではなく、”6”が半年後に爆発して軌道が変わり、不毛の地が”5”になったことを伝える。 遺伝子工学で与えられた知能で生き残ったカーンは、その後、カークへの復讐だけを考えていた。 カーンは、セティ・アルファ5で生き残った唯一の生物の幼虫をチェコフとテレルの脳に埋め込み、指示に従わさせ、この地に来た目的とカークの居場所を聞き出そうとする。 クルーらとエンタープライズに到着したカークは、機関士のモンゴメリー・スコット(ジェームズ・ドゥーアン)らに迎えられ、直ちに出航の指示を出す。 艦長スポックは、サーヴィックに指揮を執らせエンタープライズは発進する。 リライアントはカーンに奪われ、チェコフからの連絡を受けたマーカスは、この場に向かうという彼の報告に戸惑い、それがカークの命令だと知らされる。 軍に計画を奪われると判断したマーカスは、カークと連絡を取り彼を非難する。 電波状況が悪いために、カークはマーカスが何を語ろうとしているのか理解できない。 スポックに指揮を執るよう提案されたカークはそれに従い、エンタープライズをマーカスの研究施設”レギュラ1”に向かわせる。 カークは、スポックとマッコイを呼び、不毛地帯から生命を生み出すジェネシス計画についてを知る。 マッコイは、計画が悪用され生命のある場所に使われた場合、あおれが絶滅する危険性を指摘する。 その時、エンタープライズの位置を知ったリライアントが接近し、フェイザー砲で攻撃する。 降伏要請を受けたカークは、交信映像に現れたカーンから、投降とジェネシス計画のデータを要求される。 カークは、それに応じると見せかけて反撃し、カーンは仕方なく一旦、退却する。 多くの部下を失ったスコットを慰めたカークは、レギュラ1に向かうよう指示する。 現地に到着するものの、カークはマーカスらとの連絡は取れず、彼はマッコイとサーヴィックを伴いレギュラ1に向かう。 三人は、研究員の死体を見つけ、拘束されていたチェコフとテレルを救い出す。 チェコフらは、幼虫を体内に入れられ従わされていたことや、他の乗組員がセティ・アルファ5に連れて行かれたことなどをカークに伝える。 スポックと連絡を取ったカークは、マッコイらと共に地下に向かい、ジェネシスの装置を確認し、息子デヴィッドに襲われながらマーカスと再会する。 しかし、チェコフとテレルはカークらに銃を向け、カーンに連絡を入れる。 カーンは、カークを殺すよう指示を出すが、それに従えないテレルは自分を撃ち消滅する。 チェコフは意識を失い、幼虫が耳から這い出しカークがそれを殺す。 カークはカーンと連絡を取り怒りをぶつけるが、ジェネシスが転送されてしまう。 カーンは、自分と同じ目に遭わせることをカークに伝える。 マーカスは、ジェネシスがたった1日で不毛の地に生命を与えた様子をカークに見せる。 リライアントの修復が完了したため、カーンはエンタープライズの元に向かうもののその姿はなかった。 スポックと交信したカークは、転送の準備ができたことを確認してエンタープライズに戻る。 不利であることを知ったカークは星雲に向かうことを指示し、追ってきたカーンを挑発する。 エンタープライズはリライアントの背後に回り、攻撃を受けながらも相手に大きなダメージを与える。 カーンの人間としての特性を考えながら、リライアントを発見して攻撃を加えたカークは降伏を要求する。 瀕死のカーンはジェネシスを起動させてしまい、ワープで退避するため、スポックが放射能の危険性があるエンジン・ルームに向かい動力を復活させる。 エンタープライズは、ジェネシス作動寸前でワープしてその場を離れ、カークらは新たに誕生した惑星を確認する。 マッコイからの連絡でエンジン・ルームに向かったカークは、放射能に汚染されたスポックの死を見届ける。 スポックの追悼式が行われ、カークは彼に別れを告げ、遺体は宇宙に放出される。 その後カークは、自分を誤解していたというデヴィッドから、息子であることを誇りに思うと言われ、父子は固く抱き合う。 カークは、新惑星”ジェネシス”を眺めながらスポックを想い、彼に借りた詩集の一説を語る。 スポックの遺体が収容されたポッドは、生命が誕生した惑星ジェネシスに不時着していた。
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参考:
・「スター・トレック」(1979)
・「スタートレックII カーンの逆襲」(1982)
・「スタートレックIII ミスター・スポックを探せ!」(1984)
・「スタートレックIV 故郷への長い道」(1986)
・「スタートレックV 新たなる未知へ」(1989)
・「スタートレックVI 未知の世界」(1991)
・「スタートレックVII ジェネレーションズ」(1994)
・「スタートレックVIII ファーストコンタクト」(1996)
・「スタートレックIX 叛乱」(1998)
・「スター・トレックX ネメシス」(2002)
・「スター・トレック」(2009)
・「スター・トレック イントゥ・ダークネス」(2013)
・「スター・トレック BEYOND」(2016)
*(簡略ストー リー)
2285年。
惑星連邦・宇宙艦隊”U.S.S.エンタープライズ”の指揮を離れていたジェームズ・T・カーク提督は、医師マッコイから復帰を提案されてそれに従う。
かつて、カークに救われるものの反乱を起こし、追放された20世紀の優生人類カーンは、不毛の地に生命を誕生させる”ジェネシス計画”を知り、それを悪用することとカークへの復讐を誓う。
ジェネシスの責任者である、カークの元恋人で科学者のマーカス博士は、息子デヴィッドと共に研究を続けていたが、カークの指示で軍が計画に関与しようとしていることを知り戸惑う。
マーカスからの連絡を受け非難されたカークだったが、その意味を理解できないまま、カーンの罠とも知らずに彼女の元に向かう・・・。
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前作「スター・トレック」(1979)の成功を受けて、3年ぶりに製作された続編であり、主人公カーク提督とカーンの因縁の対決が見どころの作品。
また、カークの元恋人の科学者マーカスと、二人の息子の登場も注目であり、宿敵カーンを含め、「スター・トレック イントゥ・ダークネス」(2013)を鑑賞する上で参考になる作品。
「スター・トレック イントゥ・ダークネス」のラストで、カーク(クリス・パイン)が科学者キャロル・マーカス(アリス・イヴ)をクルーの一員として歓迎し、彼女の眼差しが二人のロマンスを暗示させる細かな演出に気づいたファンも多いだろう。
前作同様、誰もが知っているテレビ・シリーズの映画化なのだが、ファン以外は・・・というところがあり、北米興行収入は前作とほぼ同じだったが、全世界では1億ドルを下回る結果に終わってしまった。
それでも当時としてはヒットと言っていい成績だ。
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北米興行収入 $78,912,960
世界 $97,000,000
ジェリー・ゴールドスミスから交代したはジェームズ・ホーナーの音楽が、少々盛り上がりに欠ける出来だったのが気になる。
指揮を離れていたものの復帰し、人間性を感じさせる完璧でないところが魅力の、主人公カークを好演するウィリアム・シャトナー、思わぬ結末、しかし次回作につながる展開が期待できるスポック役レナード・ニモイ、医師マッコイのデフォレスト・ケリー、機関士スコットジェームズ・ドゥーアン、通信士ウフーラ役のニシェル・ニコルズ、パイロット。スールーのジョージ・タケイ、今回は別行動をとるチェコフ役のウォルター・ケーニッヒ、カークへの復讐だけに命を懸ける優生人類カーンを熱演するリカルド・モンタルバン、宇宙船艦長のポール・ウィンフィールド、艦長候補の士官カースティ・アレイ、科学者でカークの元恋人マーカス役のビビ・ベッシュ、二人の息子役メリット・バトリックなどが共演している。