1982年に発表された、スティーヴン・キングの中編小説「恐怖の四季」の中の(秋の目覚め)”The Body”を基に製作された作品。 事故死した少年の死体を捜すために初めて町を出た4人の少年の夏の思い出をノスタルジックに描く、監督ロブ・ライナー、出演ウィル・ウィートン、リバー・フェニックス、コリー・フェルドマン、ジェリー・オコンネル、キーファー・サザーランド、リチャード・ドレイファス、ジョン・キューザック他共演による青春ドラマの秀作。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ロブ・ライナー
製作
ブルース・A・エヴァンス
レイノルド・ギデオン
アンドリュー・シェインマン
原作:スティーヴン・キング”The Body”
脚本
レイノルド・ギデオン
ブルース・A・エヴァンス
撮影:トーマス・デル・ルース
編集:ロバート・レイトン
音楽:ジャック・ニッチェ
主題曲:ベン・E・キング
出演
ゴードン”ゴーディ”ルチャンス(12歳):ウィル・ウィートン
ゴードン・ラチャンス(作家):リチャード・ドレイファス
クリストファー”クリス”チェンバーズ:リバー・フェニックス
テディ・ドゥチャンプ:コリー・フェルドマン
バーン・テッシオ:ジェリー・オコンネル
ジョン”エース”メリル:キーファー・サザーランド
ビリー・テッシオ :ケイシー・シーマツコ
デニス”デニー”ルチャンス:ジョン・キューザック
ルチャンス:マーシャル・ベル
ルチャンス夫人:フランシス・リー・マッケイン
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1986年製作 88分
公開
北米:1986年8月8日
日本:1987年4月18日
製作費 $8,000,000
北米興行収入 $52,287,410
■ アカデミー賞 ■
第59回アカデミー賞
・ノミネート
脚色賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
作家のゴーディ・ルチャンス(リチャード・ドレイファス)は、新聞記事で、弁護士のクリス・チャンバースが刺殺されたことを知る。
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1959年、夏、オレゴン州、 キャッスルロック。
人口1281人の小さな町に住む12歳のゴードン”ゴーディ”ラチャンス(ウィル・ウィートン)にとって、そこが全世界だった。
ツリーハウスに向かったゴーディには、いつも行動を共にする三人の友人がいた。
変わり者のテディ・ドゥチャンプ(コリー・フェルドマン)、誰もがグレると思っているリーダー格のクリストファー”クリス”チェンバーズ(リバー・フェニックス)、そして、お人好しのバーン・テッシオ(ジェリー・オコンネル)だった。 それぞれ家庭に問題を抱える4人は、その場で鬱憤を晴らしていた。 バーンは、3日前に行方不明になった少年レイ・ブラワーが森で汽車に撥ねられ、線路脇の川で死体で横たわっているという、兄ビリー(ケイシー・シーマツコ)が話していたことを皆に伝える。 死体を捜し英雄になろうと決めた4人は、キャンプに行くと言って家を抜け出すことにする。 盛り上がる3人のような気分になれなかったゴーディには、ある理由があった。 ゴーディの両親(マーシャル・ベル/フランシス・リー・マッケイン)は、エリートだった長男デニー(ジョン・キューザック)を4ヶ月前に交通事故で亡くして以来、ショックから立ち直れずにいた。 両親は、それまで以上にゴーディに対し無関心になってしまっていた。 デニーの部屋に水筒を探しに行ったゴーディは、優しかった兄のことを想い出す。 ゴーディは、交友関係も良かったデニーに比べ、自分の友人は間抜けと泥棒で、クリスは給食代を盗んだと父から言われる。 昼過ぎに家を出たゴーディは、クリスと共に合流場所に向かい、彼が持参した父親の拳銃”M1911”を見せられる。 拳銃を手にした発砲したゴーディは、実弾が入っていたためにクリスと共に驚き焦る。 弾が入っていることは知らなかったと言うクリスの言葉を、ゴーディは信じる。 その後、ゴーディとクリスは、不良グループのリーダー、ジョン”エース”メリル(キーファー・サザーランド)にからかわれてしまう。 そして、合流した4人は線路伝いに歩き始め、生まれた町しか知らない少年達の大冒険が始まる。 食料を持ってこなかったことに気づいた4人は所持金を出し合い、2ドル37セントあることを確認して、廃車置場の先にある店で何かを買うことにする。 汽車が来たために線路を離れたゴーディらだったが、テディがその場に残る。 焦るクリスが止めさせて、余計なことをしたとテディから言われながらも二人は握手する。 その後4人は、立入禁止の私有地である廃車置場に着き、ゴーディがコインのクジで負けて、近くの店に食料を買いにに行くことになる。 店主から、優秀だったデニーの話をされたゴーディは、自分の書いた物語を褒めてくれた兄のことを想い出す。 クリスらの元に戻ったコーディは、廃車置場の地主に猛犬を放たれて必死に逃れる。 フェンスを越えた4人は追って来れない犬をからかうが、父親が精神異常者だとテディは地主から言われる。 父はノルマンディーで戦った勇者だと言うテディは憤慨し、地主に襲い掛かろうとするものの、尚も罵られた彼は落ち込んでしまう。 皆に励まされたテディは、楽しんでいたのに悪いことをしたと言って謝罪し、クリスから気にするなと言われる。 そんなに楽しくないと言うゴーディは、死体捜しなど楽しくないと伝える。 その後ゴーディは、才能を生かして作家になることをクリスに勧められ、自分のような就職組に加わるなと言われる。 やがて4人は、汽車が来たら逃げ場のない鉄橋に差し掛かり、遠回りも考えるものの、そのまま先を急ぐ。 そこに、運悪く汽車が来てしまい、4人は必死に走り間一髪で鉄橋を渡りきる。 夜になり、焚火をした4人は、ゴーディの考えた、太っていることでからかわれていた少年が、パイの大食い競争で復讐する物語で盛り上がり、他愛の無い話をして過ごす。 その後、口には出さなかったが、死んだと思われる少年ブロワーのことを考えていた4人は、不気味な森の夜に怯え始める。 4人は順番で見張りをすることになり、デニーの葬儀の夢を見るゴーディは、”お前ならよかった”と父から言われてうなされて目覚める。 見張りのクリスと話したゴーディは、成績は悪くはないのだが、家庭に恵まれず、不良の兄のおかげで自分まで白い目で見られているというクリスの話を聞く。 更に、盗んでしまった給食費を返金した際に、それを横取りした女性担任のことなどでショックを受けたクリスは、心に傷を負っていたのだ。 涙しながら話すクリスを励ますコーディは、彼の心の支えになろうと考え、二人の友情はより深まる。 翌朝、4人は空腹のまま出発し、線路を行く遠回りを避けて森を突っ切り、現場に急ごうとする。 その頃、死体の話を聞いたエースは、ビリーら仲間を集めて現場に向かう。 その後、4人は沼地でヒルに噛まれ、性器を噛まれたコーディは失神してしまう。 引き帰すかという話にもなるが、帰らないと言うゴーディが先頭を切って先を急ぐ。 いつも競い合っている相手と街道でチキン・レースをしたエースは、度胸を試して現場に向かう。 ついに少年の死体を見つけた4人は、担架を作りそれを運ぼうとする。 死体を見て死んだデニーのことを想い出したゴーディは、父親に嫌われている自分を哀れに思い涙する。 そんなコーディにクリスは、作家になって自分達の事を書けばいいと言って励ます。 そこに、エースらが現れ、双方は対決となり、クリスは死体を渡せと言われる。 それに従わないクリスに、エースはナイフを手にして迫る。 しかし、クリスの拳銃で威嚇射撃をしたコーディが、エースを脅して彼らを追い払う。 死体をそのままにして引き帰すことにした4人は、匿名で警察に電話をすることにする。 皆黙って夜通し歩き、”レイバー・デー”の前日にようやく町にたどり着いた4人は、町が小さく違って見えることに気づく。 4人は、学校での再会を約束して別れる。 その後コーディは、テディとバーンには学校で会うだけになった。 高校を卒業したバーンは、結婚して4人の子持ちとなり、製材所で働く。 目が悪いテディは希望の軍隊には入れず、一度、刑務所に入り、臨時雇いで働いている。 一生この町で暮らすのかと考えるクリスは、何でもできるとゴーディから言われ、二人は握手をして別れる。 クリスは進学コースに進み、努力の末に弁護士になったが、喧嘩の仲裁に入り喉を刺されて即死した。 クリスの言葉を思い出すコーディは、12歳の夏の日を共に過ごした友のことを書き綴る。 息子に出かける約束だと言われたゴーディは、最後の言葉を付け加える。 あの12歳の時のような友達は、二度と持てないだろう・・・。 コンピューターの電源を切ったゴーディは、外で待っていた息子とその友人の元に向かう。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)
1959年、夏、オレゴン州、 キャッスルロック。
人口1281人の田舎町に住む、仲良しの4人組であるゴーディ、クリス、テディ、バーンは、ある日、線路で撥ねられた少年の死体があるという噂話を聞く。
町から出たこともない少年達は、キャンプだと偽り、数十キロ離れた現場に向かうことになる。
それぞれ家庭で問題を抱える少年達は、旅を続ける過程で、友情を深め新たな信頼関係を築いていく・・・。
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誰にでも経験のある子供時代の思い出や、友達を懐かしむ心の扉を開かせてくれるような、ノスタルジックな気持ちになれる作品。
善悪を問わず、登場人物はほとんど少年達で、成長して作家になった主人公の回顧物語として淡々と描かれている。
第59回アカデミー賞では、脚色賞にノミネートされた。
4人の少年達それぞれの個性を生かすロブ・ライナーの演出は冴え、特に、主人公コーディとクリスが、互いをの心の傷を知り思いやる姿や、大人の世界では大騒動となる行方不明者の死体捜しを、探検や宝探し程度に思ってしまう子供心などを実にうまく表現、描写している。
ドラマの舞台と同じ時代の1961年にヒットした、ベン・E・キングの”スタンド・バイ・ミー”が効果的に使われ、再び大ヒットした。
期待の息子(長男)の死で、両親からの愛情を受けられず悩み続けるウィル・ウィートン、精神的な逞しさはあるものの、信頼していた大人の裏切りに傷つき将来を諦めかけるリバー・フェニックス、精神を病んでいる父を戦争の英雄と信じ尊敬するコリー・フェルドマン、気のいいお人好しのジェリー・オコンネル、憎らしいこと極まりないが、印象に残る不良を演ずるキーファー・サザーランド、友との約束を果たして作家となった主人公を演ずるリチャード・ドレイファス、そして、その兄を演ずる若きジョン・キューザック、バーン(ジェリー・オコンネル)の兄ケイシー・シーマツコ、コーディ(ウィル・ウィートン)の両親マーシャル・ベルとフランシス・リー・マッケインなどが共演している。