窮地に陥った弟子を救出しようとする引退間近のCIA工作員の行動を描く、監督トニー・スコット、ロバート・レッドフォード、ブラッド・ピット共演のサスペンス・アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:トニー・スコット
製作
ダグラス・ウィック
マーク・エイブラハム
製作総指揮
アーミアン・バーンスタイン
トーマス・A・ブリス
ジェームズ・W・スコッチドポール
イエン・スミス
原案:マイケル・フロスト・ベックナー
脚本
マイケル・フロスト・ベックナー
デイヴィッド・アラタ
撮影:ダニエル・ミンデル
編集:クリスチャン・ワグナー
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ
出演
ネイサン・ミュアー:ロバート・レッドフォード
トム・ビショップ:ブラッド・ピット
エリザベス・ハドレー:キャサリン・マコーマック
チャールズ・ハーカー:スティーヴン・ディレイン
トロイ・フォルジャー:ラリー・ブリッグマン
グラディス・ジェニプ:マリアンヌ・ジャン=バプティスト
ハリー・ダンカン:デヴィッド・ヘミングス
ドーメット:オミッド・ジャリリ
ワイリー:デイル・ダイ
アンナ・キャスカート:シャーロット・ランプリング
リー:ケン・レオン
ヴィンセント・ヴィンゴ:マイケル・ポール・チャン
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2010年製作 126分
公開
北米:2001年11月19日
日本:2001年12月15日
製作費 $92,000,000
北米興行収入 $62,362,560
世界 $143,049,560
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1991年4月14日。
中国、蘇州刑務所でコレラが発生し、外国人医師団が急行する。
医師に扮していたCIA工作員トム・ビショップ(ブラッド・ピット)は、ある囚人を救出しようとしたため、スパイ容疑で逮捕されてしまう。
ビショップを育てたCIAのベテラン工作員ネイサン・ミュアー(ロバート・レッドフォード)は、香港支局長のハリー・ダンカン(デヴィッド・ヘミングス)からその知らせを受ける。
バージニア州、CIA本部。 CIA副長官のトロイ・フォルジャー(ラリー・ブリッグマン)やチャールズ・ハーカー(スティーヴン・ディレイン)が出席する、今回にの件に関する監視下の会議が始まり、ビショップが24時間後の翌朝8時に処刑されることが分かる。 ミュアーは、ビショップとの出会いをその場で語り始める。 1975年、ベトナム戦争末期、ダナン。 それを受けて現地に向かったビショップだったが、当初の情報とは違う敵の装備に計画実行が危ぶまれる。 ミュアーは計画を中止させようとするのだが、ビショップはヘリコプターの攻撃を受けながらも将軍暗殺に成功する。 ビショップを救出しに向かったミュアーは、彼の姿が見えないことで諦めかけるが、負傷した同僚を連れて現れた彼を発見する。 妻を装った秘書グラディス・ジェニプ(マリアンヌ・ジャン=バプティスト)からの電話を受けたミュアーは、資料を調べられていることを知らされる。 暗殺計画が大統領の承認を受けていたかという質問を受けたミュアーは、資料が必要だと言ってオフィスに戻るものの、その場は荒らされていた。 ミュアーは、預けてあった資料を焼却するようグラディスに指示し、フォルジャーやパーカーがビショップを見殺しにしようとしていることを伝える。 香港の新聞社に電話をしたミュアーは、CIA局員がスパイ容疑で逮捕されたという情報を流して、それをCNNにオンエアさせるネタとして使わせようする。 会議に戻ったミュアーは、1976年、東ドイツのベルリンに赴任するよう手を回し、言葉も通じずに苛立つビショップに、偶然、再会したように見せかけ、彼をCIAに誘い易い環境を整えたことを語る。 翌日から訓練は始まり、ミュアーはビショップに全てを教えた。 ビショップは最初の任務で、東ドイツの役人を西側に向かわせるはずだった。 しかし、役人を捨てるようミュアーから指示を受けたビショップは仕方なくそれに従う。 翌日、即、命令に従わなかったビショップに、役人は内通者と思われる大使夫人のアンナ・キャスカート(シャーロット・ランプリング)を陥れるための餌だったことをミュアーは伝える。 それに納得できないビショップだったが、この世界の厳しさをミュアーに教えられる。 フォルジャーは、アンナが東側に亡命した2カ月後にホテルで死体で発見されたことを資料で確認する。 それを実行したのがビショップである可能性をフォルジャーらは考える。 ミュアーは、ビショップを見殺しにするのかをフォルジャーらに確認する。 フォルジャーは、中国政府機関の盗聴作戦が展開されていたことを話し、それに関係してはいなかったビショップが、刑務所から誰かを救出して逮捕されたことを伝える。 それが誰か分からないまま、ミュアーは、CIAのスパイであるビショップが逮捕されたというテレビ報道を確認してその場を離れ、オフィスに戻りデスクを整理する。 ビショップを助け出すというミュアーは、グラディスに別れを告げ、本部を後にしようとする。 ところが、報道は訂正され、ビショップ逮捕はデマであり、迫る米中通商会談を優位に進めるため、中国側が流したしたと伝えられる。 それを知ったミュアーはオフィスに戻り、陸軍情報部と連絡を取り蘇州刑務所の衛星写真を手に入れるようグラディスに指示する。 ハーカーの元に向かったミュアーは、ビショップが助けようとした者が分かったことを伝えて彼を牽制する。 台湾の澎湖諸島アメリカ駐留軍のことを知ったミュアーは、刑務所の写真が資料室にあることをグラディスから知らされる。 写真を手に入れて駐留軍のことを調べるようグラディスに指示したミュアーは、ハーカーにそれを気づかれる。 会議室に戻ったミュアーは、ビショップの目的がイギリス人女性のエリザベス・ハドレー(キャサリン・マコーマック)だということを伝える。 1985年、レバノン、ベイルート。 ビショップは、医療品を難民キャンプに運ぶエリザベスに目を付け、サラメの主治医アマードに近づこうとする。 エリザベスと関係を持つようになったビショップは、ミュアーが到着したことを知り、サラメの情報も掴む。 ビショップはミュアーの誕生日を調べて、手に入れることが困難な”スキッドボトル”を、”ディナー・アウト”作戦だと言って彼に贈る。 ビショップにアマードを紹介されたミュアーは、両親が事故死ではなく、サラメに殺されたと吹き込み協力者させる。 ミュアーは、ビショップとエリザベスの関係を現地の協力者ドーメット(オミッド・ジャリリ)に調べさせる。 エリザベスが、ロンドンの過激派だと知ったミュアーは危険を感じ、ビショップの甘さを指摘する。 それを私生活と捉えるビショップは、ミュアーに不快感を示すが、エリザベスが活動資金のために行動していることを知る。 自分の正体を話せるはずもないビショップは、お互いの立場をエリザベスに指摘され答えを返せない。 納得したビショップは、サラメを殺害するための薬をアマードに渡して、ミュアーと共にその時を待つ。 その間、ビショップはエリザベスの元に戻り本名を伝える。 サラメの健康診断の日、爆撃があったためキャンプで治療をしていたアマードをビショップが迎えに行く。 ミュアーは、サラメがアマードを待ち切れず発とうとしていることを知り、義勇軍の爆破チームを準備させる。 ビショップはアマードをサラメのいるホテルに向かわせるが、爆破は決行される。 アマードも爆破に巻き込まれて死亡し、ビショップはミュアーのやり方についていけないことを伝えて、別のチームに加わると言って彼と別れる。 その後、エリザベスはビショップに手紙を残して姿を消す。 フォルジャーの秘書のデスクにあった資料を手に入れたミュアーは、グラディスが入手したものと照らし合わせる。 蘇州刑務所上空の衛星写真とバハマの写真が酷似していることから、ミュアーは自己資金をケイマンに送金をする。 それを知ったハーカーは、ビショップがダンカンと関係していたという報告を受け、香港への通話記録を調べる。 香港のダンカンに連絡したミュアーはFAXで資料を送り、澎湖諸島のアメリカ駐留軍司令官ワイリー中佐(デイル・ダイ)宛に、CIA長官の署名を偽造して指示書を送る。 ダンカンは、ミュアーの指示を受けて、賄賂で蘇州刑務所を停電にする準備を進める。 翌朝、会議室に向かったミュアーは、自分達を妨害しているとして、ダンカンとのコンタクトなどを含めハーカーに指摘される。 ハーカーは、ミュアーが自己資金28万2000ドルを使い、中国から何かを買ったことをフォルジャーに伝える。 ミュアーは、バハマのリゾート地を買う私的目的だったと答え、ハーカーは言葉を失う。 会議は続けられ、ミュアーは、エリザベスが過去に関わった中国大使館爆破テロ事件により蘇州刑務所に入れられたため、ビショップがその場に向かったことを伝える。 そこにグラディスから連絡が入り、ワイリーからの電話が繋がれ、ビショップを救出する”ディナー・アウト”作戦が実行されることを知る。 蘇州刑務所は停電となり、ワイリーの命令を受けた海軍の”SEALs”は所内に突入し8時前にビショップとエリザベスを救出する。 ミュアーは、ビショップを諦めるようフォルジャーに言われて席を立ち本部を離れる。 ビショップは、作戦名が”ディナー・アウト”と聞き、ミュアーがとった行動だっと知る。 フォルジャーは、中国で事件が起きたことを知らされ、全てビショップが仕掛けたことだとハーカーは気づく。
引退の日、オフィスに向かったミュアーは、ビショップが許可なく単独行動をとったということを知り、関連資料を処分しようとする。
...全てを見る(結末あり)
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海兵隊の”観測及び目標捕捉小隊”のスナイパーだったビショップに会ったミュアーは、ラオス軍のハン=チェー将軍暗殺計画に加えようとする。
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アメリカ大使館爆破を指示したテロ組織のリーダー、シーク・サラメ殺害計画のため、ビショップはミュアーより先に現地入りして報道記者に扮する。
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*(簡略ストー リー)
1991年。
引退するCIA工作員ネイサン・ミュアーは、自分が育てたトム・ビショップが中国で逮捕されたことを知る。
ビショップは、蘇州刑務所から誰かを救出しようとしたのだが失敗し、24時間後に処刑されることが分かり、ミュアーは彼を救うための方法を考える。
CIA副長官フォルジャーらは、米中通商会談を成功させるための盗聴作戦を展開していたが、それに関わっていなかったビショップを見捨てようとする。
ミュアーは、ビショップとの出会いから、育てて共に行動した作戦内容を語りながら、周囲に知られないように、ビショップ救出のため行動を開始するのだが・・・。
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トニー・スコットが演出し、ロバート・レッドフォードとブラッド・ピットが共演するサスペンスということで注目された作品。
緊迫感漂うスパイ戦の面白みに加え、トニー・スコットの、流れるようなスピード感溢れる演出が冴える快作で、内容も分かり易く非常に見応えがある。
「リバー・ランズ・スルー・イット」(1992)では監督と出演者という立場だったロバート・レッドフォードとブラッド・ピットは師弟関係を演じ、命を懸けた厳しい世界に生きる男の友情が、押しつけがましくなく描かれている。
主演のロバート・レッドフォードは、厳しさの中にもユーモアを感じさせる、同僚を翻弄しながらの、スキルを活かした救出劇は、スパイ・アクションとしても十分に楽しめる。
美形だけとは言わせない、野性味も感じさせるブラッド・ピットの魅力も注目だ。
製作費に9200万ドルかかったのは少々信じ難いが、北米興行収入は約6200万ドルに留まるものの、全世界では約1億4300万ドルのヒットとなった。
事件の鍵を握る収監されている過激派キャサリン・マコーマック、CIA局員スティーヴン・ディレイン、副長官役のラリー・ブリッグマン、主人公の秘書マリアンヌ・ジャン=バプティスト、香港支局長のデヴィッド・ヘミングス、ベイルートの現地協力者オミッド・ジャリリ、駐留米軍指揮官デイル・ダイ、大使夫人シャーロット・ランプリング、CIA局員のマイケル・ポール・チャン、他ケン・レオンなどが共演している。