1987年に発表された、マイケル・クライトンの同名小説の映画化。 アメリカ海軍が発見した海底に沈む宇宙船調査に派遣された心理学者と科学者達の活躍を描く、製作、監督バリー・レヴィンソン、主演ダスティン・ホフマン、シャロン・ストーン、サミュエル・L・ジャクソン、リーヴ・シュレイバー、ピーター・コヨーテ、クイーン・ラティファ他共演のSF心理スリラー大作。 |
・SF
■ スタッフ キャスト ■
監督:バリー・レヴィンソン
製作
マイケル・クライトン
アンドリュー・ウォルド
バリー・レヴィンソン
原作:マイケル・クライトン
脚本
スティーヴン・ハウザー
ポール・アタナシオ
撮影:アダム・グリーンバーグ
編集:ストゥ・リンダー
音楽:エリオット・ゴールデンサール
出演
ダスティン・ホフマン:ノーマン・グッドマン
シャロン・ストーン:エリザベス”ベス”・ハルパーン
サミュエル・L・ジャクソン:ハリー・アダムス
ピーター・コヨーテ:ハロルド・C・バーンズ
リーヴ・シュレイバー:テッド・フィールディング
クイーン・ラティファ:アリス”ティーニー”・フレッチャー
マルガ・ゴメス:ジェーン・エドマンズ
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1998年製作 134分
公開
北米:1998年2月13日
日本:1998年5月23日
製作費 $80,000,000
北米興行収入 $36,976,370
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
南太平洋の海底に沈む300年前の宇宙船調査に、心理学者ノーマン・グッドマン(ダスティン・ホフマン)、生物海洋学及び生化学者であるエリザベス”ベス”ハルパーン(シャロン・ストーン)、数学者のハリー・アダムス(サミュエル・L・ジャクソン)、天体物理学者テッド・フィールディング(リーヴ・シュレイバー)らが招集される。
プロジェクトリーダーのハロルド・C・バーンズ(ピーター・コヨーテ)が操縦する潜水艇に乗り、5人はアメリカ海軍の設営した海底基地”ハビタット”に向かう。
基地に到着した一行は、早速、宇宙船の調査を始めるが、彼らはその船体の大きさなどに驚いてしまう。
船内に入ろうとした一行は、外部からハッチをこじ開けようとするが、それが自然に開いてしまう。 手分けして調べることにした5人だったが、ノーマンとベスは自動的に動き出したエレベーターで上部に誘導されてしまう。 船内には英語の文字や人間のミイラがあり、アメリカの宇宙船と思われるのだが時代が一致しない。 コントロール・ルームの制御パネルに映し出された日付は2043年か1743年、そして”未知の突入事故”と表示された飛行データも残されていた。 やがて、ハロルド達が宙に浮かぶ巨大な”完全な球体”(スフィア)を発見する。 基地に戻った一行の中で、天体物理学者のテッドは、未来の宇宙船がブラックホールに吸い込まれ、過去に到着したと推測した。 海上ではサイクロンが発生し、一行は基地から撤退することになるが、テッドは調査実行を主張する。 ハリーも球体が生きていて、中に生物がいるとノーマンに伝え、単独で球体に向かう。 ノーマンはハリーを追い、球体に入ったと思われる気絶した彼を発見する。 海上の船は海底基地を見捨てて姿を消し、基地内は孤立状態になる。 やがて、装置の異常を調べようと海底に出た交信オペレーターのフレッチャー(クイーン・ラティファ)は、クラゲに襲われ命を落とす。 ノーマンの教え子でもあるベスには、自殺未遂の経験があることを知ったハロルドは、それを今まで隠していたノーマンを責める。 その頃、ハリーの意識が戻り、彼は人が変わったように陽気に振舞うが、球体の中のことは語らなかった。 コンピューターが異常な信号をキャッチし、ハリーとテッドがそれを解読、地球外生命体と思われる”ジェリー”と名乗る相手との交信に成功する。 もう一人のオペレーラー、エドマンズ(マルガ・ゴメス)の姿が消え、船外に救出に向かったノーマンとベスは、正体不明の物体と無数の卵に怯えながら、エドマンズの遺体を回収して船内に戻る。 ”ジェリー”と交信していたノーマンらだったが、巨大な生物が基地を襲い、”ジェリー”も怒りを露にする。 ”お前達を殺す”という”ジェリー”の交信の後、基地内は火災が発生し、ハロルドとテッドは死亡する。 火災は収まり、生き残ったノーマンとベス、そしてハリーだったが、ハリーの様子を疑ったノーマンは、彼を警戒するようベスに伝える。 しかしノーマンは、水中でパニックになってしまったところをハリーに助けられ、今度はベスが姿を消す。 食料は山ほどあるのに、宇宙船にそれを探しに行ったベスを見て、ノーマンは精神分裂症だと言い張る。 ハリーが嘘をついているというベスはショックを受けるが、ノーマンはハリーが読んでいる”海底二万里”が、食料棚の中に積み重なっているのに気づく。 ノーマンは、”ジェリー”にそれを問いただすが、”ジェリーと呼ぶな”と言われ、暗号を解読すると、”私はハリー”という言葉が現れる。 球体に入ったハリーが想像したことが、現実で起きるとノーマンは分析してベスに知らせる。 ハリーを薬で眠らせたノーマンとベスだったが、彼女は、ノーマンも球体に入ったと思い、ハリーと同じように眠らせようと部屋に閉じ込めてしまう。 ノーマンは脱出してベスを問い詰めるが、球体に入っていたベスは錯乱状態となり、彼女がスイッチを入れた珊瑚の爆破装置が作動してしまう。 自殺を考えたベスが設置してしまった爆破装置は、宇宙船をも爆破させるだろうことが予想され、ノーマンとハリー、そしてベスは脱出艇へと急ぐ。 3人は脱出艇に向かうが、誰かが想像したため、幻覚の中で宇宙船内をさ迷ってしまう。 そこが脱出艇の中だと言い聞かせながら、海底基地を脱出した3人は、爆破を逃れ海面に浮上する。 海軍に救助された3人は、自分達が利用されるのを嫌い、身につけたパワーで球体のことを忘れようとする。 そして、そのパワーを使うには、人間はまだ未熟だということを悟る。 3人が手を取り合い、球体のことを忘れようとした時、海中から金色に光る球体が大空に向け飛び立つ。 その瞬間3人は、全てのことを忘れていた。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
南太平洋。
海底に沈む300年前の宇宙船調査に、リーダーのハロルドをはじめ、心理学者ノーマン・グッドマン、生物海洋学及び生化学者ベス、数学者ハリー、天体物理学者テッドらが招集される。
5人は、潜水艇で海軍の設営した海底基地”ハビタット”に向かい、巨大な宇宙船を前に驚く。
船内に、招き入れられるように入った一行はその様子を調べ、宙に浮かぶ、巨大な”完全球体” (スフィア)を発見する。
天体物理学者のテッドは、未来の宇宙船がブラックホールに吸い込まれ、過去に到着したと推測する。
一方、海上ではサイクロンが発生し、一行は基地から撤退することになる。
しかし、球体に興味を抱くテッドや、それが生きていて、生物存在の可能性もあると考えるハリーは、単独で調査に向かうのだが・・・。
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300年前の謎の宇宙船調査という、夢のある壮大なストーリーではあるが、現実と想像の世界の区別が、狭くて暗いイメージの基地内や海底での展開ということで、映像表現としてうまく伝わってこないのが残念。
人類には理解できないことだと悟った球体が、逃げるように地球から去っていく結末も、盛り上がりに欠ける。
出演者の個性を、繊細且つ丁寧に描いた、バリー・レヴィンソンの人間描写は見応えあるが、ファンタジックな部分とサスペンス調のスリラーとして、上記のように、もう少し映像的工夫などが欲しかった。
8000万ドルの製作費をかけた大作にも拘らず、北米興行収入はその半分も回収出来ない結果に終わってしまった。
*北米興行収入 $36,976,370
心理学者であるのに度々パニクってしまう、それが球体との接触が原因なのか・・・
ハリウッドでも屈指の演技派ダスティン・ホフマンは、60歳を過ぎ、本作あたりを境に脇役に回ることが多くなる。
正気か錯乱しているのかよく分からないのだが、いかにも知的なシャロン・ストーン、数学者に見えないところが謎めいていて、役柄に合っているサミュエル・L・ジャクソン、何かを企んでいるように思えるものの、命を落とすプロジェクト・リーダーのピーター・コヨーテ、地球外生物?との交信に成功する天体物理学者リーヴ・シュレイバー、想像の生命体の犠牲になる、交信オペレーター役のクイーン・ラティファとマルガ・ゴメス等が共演している。