スパルタカス Spartacus (1960)

その後、剣闘士としてのトレーニングは続き、スパルタカスらは徹底的に鍛え上げられ、彼は戦士としての才能を発揮し始める。

ある日、ローマ随一の富豪マルクス・リキニウス・クラッスス(ローレンス・オリヴィエ)がバタイアタスを訪ねる。

クラッススは、連れのマーカス・パブリウス・グラブラス(ジョン・ドール)やその妹ヘレナ(ニナ・フォック)、そして彼の婚約者クローディア(ジョアンナ・バーンズ)らに、剣闘試合を見せようとする。

ヘレナとクローディアが剣闘士を選び、スパルタカス、クリクサス、ドラバ(ウッディ・ストロード)らが選ばれる。

最初の戦いでクリクサスが相手を倒し、スパルタカスは、親しくなっっていた奴隷ドラバとの勝負を命ぜられる。

戦いは始まり、スパルタカスを追い詰めて止めをさそうとしたトラバだったが、彼はその槍をクラッススらに投げつけて殺されてしまう。

生き延びたスパルタカスだったが、ヴァリニアがクラッススに買われてしまい、バタイアタスがローマに連れて行かれることを知らされる。

スパルタカスは、怒りを抑えきれずにマルセラスを殺し、暴動を起こす。

バタイアタスは、ヴァリニアを連れて養成所を離れローマに向かい、スパルタカスらは逃亡して、ヴェスヴィオ山中腹に拠点を構える。

ローマ。
元老院は、警備隊長に任命されていたグラブラスを、討伐隊としてヴェスヴィオ山に派遣することを決定する。

ローマの主導権をクラッススと争う実力者、元老院議員でもあるグラッカス(チャールズ・ロートン)は、グラブラスの留守中の警備隊長代理に、ジュリアス・シーザー(ジョン・ギャヴィン)を推薦する。

その頃クラッススは、シシリー長官からの貢物である奴隷のアントナイナス(トニー・カーティス)らを受け取る。

その後、グラブラスから奴隷討伐への警備隊派遣を知らされたクラッススは、それが自分を釘付けにしておくグラッカスの考えだと見抜く。

一方、スパルタカスを首領とした、ローマ軍をも凌ぐ最強の剣闘士軍団は、国中の奴隷を解放して仲間に引き入れ、貴族から財産を奪い取っていく。

そしてスパルタカスは、移送中にバタイアタスの隙を見て逃亡していたヴァリニアと再会し、二人は愛を確かめる。

養成所の暴動をクラッススのせいだと考え、彼を憎むようになったバタイアタスは、グラッカスと手を組み復讐を企む。

グラッカスは、クラッススの鼻を明かすために、逃亡してしまったヴァリニアが利用できるとバタイアタスに告げる。

ヴェスヴィオ山。
組織を拡大したスパルタカスは見事にそれを統率し、それにクラッススの奴隷アントナイナスも加わる。

手品や魔術をたしなみ詩を読むアントナイナスは、ヴァリニアと共にスパルタカスの精神的な支えとなる。

南部の海岸線から逃れることを計画するスパルタカスは、キリキアの海賊ティグリンズ・リヴァントス(ハーバート・ロム)から500隻の船を買取り、ブリンディジから脱出することを考える。

リヴァントスに前金となる財宝を渡し、7ヶ月で現地に到着する約束をしたスパルタカスは、自分達が全滅すると予言されてもそれを恐れることはなかった。

その後、スパルタカスはローマ軍の警備隊陣営を襲い武器などを奪い、グラブラスを捕らえる。

グラブラスを生かしたスパルタカスは、彼をローマに追い返し、生き恥をかかせ、そして、軍団と仲間達を率い南部に向かう。

●　インターミッション

ローマ。
グラブラスは、元老院にスパルタカス軍の行動と脱出計画を報告後に追放され、彼の任命責任負ったクラッススは、軍団を返上し公職から身を引く。

グラッカスはクラッススの行動を批判し、必ず復権を試みるだろうと議員達に警告する。

スパルタカス軍団と仲間達の、ヴェスヴィオ山からの大移動は始まり、長い苦難の旅は続く。

そして、スパルタカスとヴァリニアの間に子供が生まれることになり、二人は改めて愛を確かめ合う。

その頃、元老院では、グラッカスがシーザーを警備隊長に推薦し、軍団を派遣して、メタポンタムでスパルタカス軍を全滅させようとする。

しかし、優秀な指揮官のいないローマ軍は撃滅されてしまい、グラッカスは、クラッススにその全権を任せることを仄めかす。

グラッカスは、スパルタカス軍団をキリキアに逃がそうとするが、クラッススの陰謀で輸送船の助けがなくなる。

スパルタカスは、クラッススが自分達をローマに誘き出そうとしていることに気づく。

キリキアの海賊リヴァントスは償いのために、スパルタカスと主だった者達だけを救う提案をする。

しかし、仲間を裏切る気のないスパルタカスは、リヴァントスを追い払い、全員を集合させる。

スパルタカスは、国中の奴隷を解放させるために、ローマに攻め込む決意を語る。

一方、ローマでは、スパルタカス軍撃滅のため、引退していたクラッススが、ローマ執政官及び軍最高司令官に任命される。

軍を組織したクラッススは、スパルタカス伝説根絶のための策略を練り、彼を鍛えた奴隷商バタイアタスを呼び寄せろ。

スパルタカスの人間性を知ろうとしたクラッススは、かつて、バタイアタスの養成所で見た剣闘士が、彼だということを知らされる。

バタイアタスはクラッススと取引をして、彼に協力することを約束する。

決戦の日、優勢に見えたスパルタカス軍だったが、隊列を組む何千ものローマ兵に加え、ポンペイウス軍らの援軍も加わり形勢逆転される。

そして、スパルタカス軍は捕虜を残して全滅し、彼らは命を救われる代わりに、スパルタカスの死体または生きた本人を指し示すよう命ぜられる。

生き残ったスパルタカスは、自ら名乗り出ようとするが、捕虜達は自分がその本人だと名乗る。

生き残ったヴァリニアは見つかり、スパルタカスが死んだとクラッススに告げ、生まれた子供と共に彼の奴隷となる。

クラッススは、ローマまで通ずるアッピア街道沿いに6000人の捕虜達を磔刑としてさらし者にするよう命ずる。

そして、クラッススはアントナイナスを見つけ、もう一人の男(スパルタカス)と共に、最後に刑に処することを伝える。

ヴァリニアを引き取ろうとしたバタイアタスは、クラッススにそれを拒まれ鞭打たれてしまう。

ローマに戻ったバタイアタスは、クラッススへの復讐の決心が固まったことをグラッカスに告げる。

元老院で、クラッススを陥れることの出来ないグラッカスは、 ヴァリニアを奪うことで彼の誇りを傷つけることを考え、それをバタイアタスに命ずる。

その直後グラッカスは、クラッスス側についたシーザーの迎えで元老院に呼ばれる。

クラッススは、グラッカスの一連の策略を責め彼を失脚させて追放する。

ヴァリニアを一人の女性として扱ったクラッススだったが、彼女に愛を求めるもののそれを拒絶されてしまう。

クラッススは、ヴァリニアにスパルタカスを恐れていると言われ、生き残りの捕虜を彼と確信してアントナイナスと闘わせ、 勝った者を磔にするよう命ずる。

スパルタカスは、友情を確かめながらアントナイナスを已む無く殺し涙する。

後に続くものが、何百万人もいると言い放つスパルタカスだったが、クラッススは、ヴァリニアと子供が自分の奴隷だと言って彼を絶望させて磔を命ずる。

バタイアタスに命じ、クラッススの元からヴァリニアと子供を助け出したグラッカスは、 彼女に敬意を表し自由を与えて通行証を渡す。

そしてグラッカスは、バタイアタスと共にヴァリニアを旅立たせ、自ら命を絶つ。

ローマ兵に気づかれぬよう馬車に乗るヴァリニアは、 磔になりながらまだ息があるスパルタカスの姿に気づく。

ヴァリニアはスパルタカスに子供を差出し、自由になったことを伝える。

そして、ヴァリニアとバタイアタスは、見せしめの磔奴隷が立ち並ぶアッピア街道を馬車で進む。

スパルタカスは、息絶えるまでそれを見つめていた。