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南太平洋 South Pacific (1958)

1946年に発表され1948年ピューリツァー賞を受賞したジェームズ・A・ミッチェナーのベストセラー小説”Tales of the South Pacific”を基に製作された作品。
1949年に作曲リチャード・ロジャース、作詞オスカー・ハマスタイン二世によりミュージカル化され同じく1950年にピューリツァー賞を受賞。
監督ジョシュア・ローガン、主演ロッサノ・ブラッツィミッツィ・ゲイナージョン・カーレイ・ウォルストンファニタ・ホール共演。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ミュージカル


スタッフ キャスト ■
監督:ジョシュア・ローガン
製作:バディ・アドラー
原作:ジェームズ・A・ミッチェナー
脚本:ポール・オズボーン
撮影:レオン・シャムロイ

編集:ロバート・シンプソン
音楽
作曲:リチャード・ロジャース

作詞:オスカー・ハマースタイン二世
音楽監督
アルフレッド・ニューマン

ケン・ダービー

出演
ロッサノ・ブラッツィ:エミール・デ・ベック
ミッツィ・ゲイナー:ネリー・フォーブッシュ
ジョン・カー:ジョセフ・ケーブル中尉
レイ・ウォルストン:ルーサー・ビルス
ファニタ・ホール:ブラッディ・メリー
フランス・ニュイエン:リアット
ラッセル・ブラウン:ジョージ・ブラケット大佐
フロイド・シモンズ:ビル・ハービンソン中佐

アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1958年製作 171分(131分:一般公開)
公開
北米:1958年3月19日
日本:1959年11月10日
製作費 $6,000,000
北米興行収入 $36,800,000


アカデミー賞 ■
第31回アカデミー賞

・受賞
音響賞
・ノミネート
撮影賞・音楽賞(ミュージカル)


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
太平洋戦争の最中、南太平洋の島にジョセフ・ケーブル海兵隊中尉(ジョン・カー)が赴任してくる。

島には、水兵でよろず屋のルーサー・ビルス(レイ・ウォルストン)や、みやげもの屋のブラッディ・メリー(ファニタ・ホール)などがいた。

ビリスら水兵は気ままな島暮らしをして、ご多聞にもれず女性のことばかり考えていた。

ブラッディ・メリーは、ケーブルを見るなり彼が気に入り、そして、何かを感じる。

ケーブルは、神秘の島”バリ・ハイ”に必ず行くだろうとブラッディ・メリーに言われ、島の様子を説明される。

その後ケーブルは、指揮官のジョージ・ブラケット大佐(ラッセル・ブラウン)と、副官のビル・ハービンソン中佐(フロイド・シモンズ)に会う。

ケーブルは、島の居住者で、フランス人農園主エミール・デ・ベック(ロッサノ・ブラッツィ)と接触しようとしていた。

そして、敵が占領している孤島に、輸送船団の監視所を設けるための案内役を、デ・ベックにさせる任務を受けていることを、ケーブルは大佐に伝える。

デ・ベックは、海軍の看護士ネリー・フォーブッシュ(ミッツィ・ゲイナー)に好意を持ち、彼女も同じ気持ちだった。
...全てを見る(結末あり)

身分違いを感じるネリーは、デ・ベックにそれを伝えられない。

年齢の差を感じるデ・ベックだったが、彼は、ネリーに自分の気持ちを伝える。

そしてデ・ベックは、人々から嫌われていた者ではあるが、殺人を犯して、フランスから逃亡したことをネリー正直に話す。

司令部に出向いたケーブルは、デ・ベックの情報を入手し、彼が殺人を犯し逃亡した身だということを、ブラケット大佐から知らされる。

そこに、ブラケット大佐に呼ばれたネリーが現れ、彼女はデ・ベックの調査を依頼されえt戸惑ってしまう。

明らかに、ネリーがデ・ベックに心を寄せていることに気づいたケーブルは、中年男に惹かれる彼女の気持ちを理解しかねる。

ネリーは、デ・ベックのことを忘れようと努力するのだが、彼を前にしてその人柄や正義感に心打たれてしまう。

そしてネリーは、デ・ベックからの夕食会の招待を受け入れてしまう。

その後、ブラケット大佐はデ・ベックに任務への協力を要請するが、彼はネリーとの、今後の人生を失いたくないことを告げてそれを断る。

仕方なくケーブルは、任務を断念し島を去ろうとするが、ハービンソン中佐から休暇をとるよう言われる。

そのため、バリ・ハイに行くことを思いついたケーブルは、ビリスと島に向かう。

二人は、バリ・ハイの人々に歓迎を受け、ケーブルはその場にいたブラッディ・メリーに奥地に案内され、彼女の娘リアット(フランス・ニュイエン)を紹介される。

ケーブルは、リアットとたちまち恋に落ちるが、彼女がブラッディ・メリーの娘だとはどうしても思えない。

そして、夢のようなひと時を過ごしたケーブルは、ビリスと共に島を離れる。

約束の夕食会を楽しんだネリーは、デ・ベックに亡くなった地元民の妻との間に、子供が二人いることを知り困惑してしまう。

バリ・ハイを再び訪れたケーブルは、リアットとの楽しい時を過ごし、ブラッディ・メリーは、二人を結婚させようとする。

しかし、ケーブルは、結婚は出来ないとブラッディ・メリーに伝え、リアットと別れてしまう。

デ・ベックのことで心を痛めていたネリーは、それが気になり、感謝祭のショーのリハーサルに身が入らなくなってしまう。

転属まで申し出たネリーだったが、ブラケット大佐に励まされて、ショーを成功させる。

ネリーは、ショーの後でデ・ベックからのメッセージを受け取り、その場にいたケーブルの苦しい胸の内に同調する。

そして、現れたデ・ベックの愛を受け入れらないネリーは、その場から立ち去ってしまう。

失意のデ・ベックは失うものがなくなり、任務を引き受けることをケーブルに告げて、輸送機で目的地の島に向かう。

ビリスは機内に忍び込むのだが、機体から落ちてしまい、パラシュートで海に着水し、ゴムボートで独り戦闘を傍観する。

救出されたビリスは、身勝手な行動をブラケット大佐やハービンソン中佐に非難されるが、敵の攻撃を引きつけて輸送機を無事目的地に向かわせたことで、とりあえず放免となる。

島に着いたデ・ベックとケーブルは、的確な情報を本部に送るが、 ケーブルは戦死してしまう。

司令部でそれを知ったネリーは、突然デ・ベックが恋しくなり、彼が無事に帰還することを願い、ブラッディ・メリーとリアットに、ケーブルが戦死したことを伝える。

その後アメリカ軍は敵を撃破し、任務を終えたデ・ベックは救出される。

そしてデ・ベックは、子供達の面倒を見るネリーの元に戻る。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
太平洋戦争の最中。
太平洋の島に、殺人を犯しフランスから逃亡して農園主として住みついたエミール・デ・ベックは、アメリカ海軍の看護師ネリーに心を寄せていた。
ネリーも紳士的なデ・ベックに惹かれるが、身分違いだと思い、気持ちを伝えられないでいた。
島に赴任した、海兵隊中尉ケーブルは、敵軍の監視所を近くの島に設置するため、デ・ベックに協力を要請しようとする。
指揮官ブラケット大佐は、任務遂行の前に、殺人を犯したデ・ベックの身辺調査をネリーに命ずる。
ネリーは戸惑いながらも、軍人としての任務を果たそうとするが、デ・ベックの真摯な態度に彼への愛を抑えきれない。
デ・ベックも、ネリーとの今後の生活を考え大佐の協力要請を断ってしまう。
しかしネリーは、デ・ベックの過去の秘密を知り、彼の元から去ってしまう・・・。
__________

第31回アカデミー賞では、音響賞を受賞した。
・ノミネート
撮影賞・音楽賞(ミュージカル)

作曲リチャード・ロジャース、作詞オスカー・ハマスタイン二世のコンビによる、大ヒットブロードウェイ・ミュージカルは、本作の監督ジョシュア・ローガンが舞台でも演出を担当した。

音楽監督としては、アルフレッド・ニューマンがそれを担当している。

バリ・ハイ”や”魅惑の宵”をはじめ、傑作歌曲の数々は素晴しいが、作風がやや単調で荒い感じを受ける。

ロッサノ・ブラッツィは、いかにも彼らしい誠実な紳士を熱演しているが、歌声はイタリアのオペラ歌手ジョルジョ・トッツィーが吹き替えている。

上映時間が長い割には、ミッツィ・ゲイナーのダンスも感謝祭のショーのシーンだけで、やや物足りない感じもする。

しかし、全体的には、健康的で素朴な彼女の魅力を十分楽しめる。

舞台でも同じ役を演じた、ファニタ・ホールの”バリ・ハイ”の歌声は圧巻で、上映後まもなく登場する、幻想的な映像とこの曲で一気にドラマは盛り上がる。

共演のジョン・カーも若い将校役を無難に演じてはいるが、会った瞬間に、ブラッディ・メリー(J・ホール)の娘リアットと愛し合う仲になってしまったり、重要な役柄にも拘らず、突然、戦死してしまうのはあまりにも不可解だ。
*ロードショー版(171分)には、その辺りの描写があったのだろうか?

レイ・ウォルストンの陽気で、気のいい水兵役が特に印象に残る。

ブラッディ・メリー(J・ホール)の娘フランス・ニュイエン、指揮官ラッセル・ブラウン、副官フロイド・シモンズなどが共演している。


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