サウンド・オブ・メタル Sound of Metal (2019)

ルーベンは、4～8万ドルかかるインプラントを埋め込む手術をすれば、聞こえるようになるとルーに伝える。

演奏は無理だと言われたルーベンは、予定が組まれているのでライブは中止できないと伝えて、ルーの話を聞こうとしない。

支援者のヘクターに電話をしたルーはルーベンに代わり、ライブをキャンセルする話をさせる。

グループ治療を提案するヘクターの話を聞いたルーは、感謝して電話を切る。

暫くしてヘクターから電話があり、ルーは、支援グループのことを聞き、それをルーベンに伝えて、その場に向かうことになる。

ルーベンとルーは、ジョー（ポール・レイシー）という男性が運営する、聴覚障害者の施設に到着する。

ジョーに歓迎されたルーベンとルーは、唇を読む彼に挨拶する。

ジョーは、手話ができないルーベンのために、話す言葉を文字にしてくれるパソコンのソフトで会話をする。

ルーベンが薬物依存症だったことを確認したジョーは、自分はアルコール依存症だと言って、ベトナム戦争で爆発の近くにいたために失聴したことを伝える。

酒のせいで、妻子を含めてすべてを失ったと言うジョーは、ルーベンが4年前にドラッグをやめたことを知り、助けは必要か尋ねる。

話をする気持ちになれないルーベンは、席を立ってルーを見に行こうとする。

ルーと付き合って何年かと訊かれたルーベンは、4年だと答える。

ルーベンが手術したいことを知ったジョーは、高額だと言って話題を変える。

聴覚障害者のコミュニティーのことを話し始めたジョーは、皆が互いに協力し合っていることを伝える。

自分たちが探している解決策は、耳のことではなく頭だと言うジョーは、ルーとも話したいとルーベンに伝える。

3人で話したジョーは、ここで暮らすべきであり、手話を学ぶことを勧める。

ルーベンから資金のことを訊かれたジョーは、教会が難聴者を支援しているので問題ないと伝える。

信仰を気にするルーベンに関係ないと伝えたジョーは、2人にここにいたいか尋ねる。

そうしたいと言う2人に、ここに残るのはルーベン1人だと伝えたジョーは、仲間と共同生活をして、外界との接触と電話は禁じると伝える。

経験からこれが最善の方法だと言われたルーベンは、気持ちの整理がつかないとジョーに伝える。

何日かいるがトレーラーに住むと言うルーベンは、それを許可してもらえないために、ジョーに感謝してその場を去る。

トレーラーでルーベンと話をしたルーは、手術まで何とかライブを続けたいと言う彼の気持ちを理解する。

翌朝、取り乱したルーベンを見て驚いたルーは、父の元に向かうと言って、混乱する彼に去ることを伝える。

タクシーを呼んだルーは、動揺するルーベンを説得して、戻るようにと伝えて彼と別れる。

ジョーの元に戻ったルーベンは相部屋に案内され、車のキーと携帯電話を渡す。

ルーベンは、コミュニティーの他のメンバーに紹介され、ミーティングに参加して新しい生活に慣れようとするものの、不安が募り孤立して悩み眠れない。

その後、ジョーに連れられて聾唖学校に案内されたルーベンは、教師ダイアン（ローレン・リドロフ）のクラスで子供たちと接し、手話も習い始める。

コミュニティーに戻り、ジョーのオフィスに勝手に入ったルーベンは、パソコンを使いメールでルーの近況を知る。

ある日ルーベンは、ジョーから課題を課せられ、朝5時にコーヒーを用意しておくので、部屋で気持ちが落ち着くまでじっと座り、それが出来なければ、何でもいいので紙に書くよう指示される。

ジョーは、試してみて、それがむずかしく感じたら自分の元に来るようにとルーベンに伝える。

自分も家で同じことをしていると伝えたジョーは、ルーベンを納得させる。

翌早朝ルーベンは、用意されたコーヒーとドーナツを持って、ノートとペンが置いてある部屋に向かう。

何の意味があるのか理解できないルーベンは苛立ち、ドーナツを潰して考え込み、沈黙の中で苦しみ、何も書くことができない。

そんなルーベンは、ダイアンのクラスの生徒と校庭に向かい、その子が滑り台を叩く振動に応え、ドラムのように叩き始める。

それをきっかけにして、生徒たちと触れ合い始めたルーベンは、手話も覚えて、子供たちとの交流を楽しめるようになる。

毎朝ルーベンは、ドーナツとコーヒーを持って向かった部屋で、ひたすらノートに書き続ける。

コミュニティーのメンバーであるジェンとも親交を深めたルーベンは、彼女の背中にタトゥーを掘ってあげる。

保護者参観の日にルーベンは、バケツを使い、子供たちとダイアンにドラムの叩き方を教える。

ジョーと話をしたルーベンは、今では欠かせない存在になったと言われ、この場のスタッフになることを提案される。

ジョーのオフィスに向かい、ネットでルーのことを調べたルーベンは、彼女がパリで活動していることを知る。

トレーラーに向かったルーベンは、ジェンに協力してもらい、音楽機材を売る。

聴覚学者ジュリア・ルーアスに電話をしたルーベンは、診察の予約をとる。

2万6000ドルで業者に車を売ることにしたルーベンは、8週間後に1割増しで買い戻す条件で相手を納得させる。

ジョーにメモを残してクリニックに向かったルーベンは、手術を受ける。

ルーベンは、手術は成功したと言うルーアスから、4週間後に音入れをすることを知らされる。

コミュニティーに戻ったルーベンは、手術をしたことをジョーに話し、将来を考えて行動したと伝える。

ここに自分がいなくても誰も気にしないと言うルーベンは、ジョーから、朝、座っている時に静寂の瞬間を感じたことはあるか訊かれる。

動き続ける世界は残酷な面もあるが、自分にはその静寂こそが、心の平穏を得られる時だと話すジョーは、その場所は君を決して見捨てないとルーベンに伝える。

ルーベンが決めたことを尊重するジョーは、彼の幸せを願う。

ジョーの気持ちを嬉しく思うルーベンは、トレーラーを買い戻すために、彼から金を借りようとする。

依存症が再発したように思えると言われたルーベンは、それを否定して、裕福なルーの父親に資金援助を頼めるだろうとジョーに伝える。

バカなことを言って悪かったと謝罪するルーベンは、、耳が治るまで4週間いさせてほしいとジョーに伝える。

ジョーは、聴覚障害はハンディキャップではないという理念に基づいて、このコミュニティーが作られたことをルーベンに話す。

互いの信頼関係により運営されていると言うジョーは、トラブルを避けるために、この場から出て行ってほしいとルーベンに伝える。

その場を去りモーテルで暮らすことにしたルーベンは、包帯を外して髪を切る。

その後ルーベンは、装着したインプラントにより疑似聴力を回復するものの、雑音のような歪んだ音に失望する。

パリ。
ルーの父親リシャール（マチュー・アマルリック）を訪ねたルーベンは、歓迎されて耳のことなどを訊かれる。

リシャールに手術をしたことを伝えたルーベンは、ルーから聞いていたと言われ、今後の生活について話す。

ルーのことを話したリシャールは、今夜はパーティーがあることを知らせて、ルーベンと食事をする。

リシャールは、大切なもの（娘）を奪ったルーベンにいい感情を抱いていなかったと率直に話すが、娘を奪ったのは母親で、離婚した時と自殺した時に二度奪われたと伝える。

自分はルーに恨まれたが、彼女に居場所を与えてくれたと言うリシャールは、結果的に娘が帰ってきたので感謝したいとルーベンに伝える。

ルーベンは、最近のルーは幸せそうで、見ていると嬉しいと言うリシャールの話を聞く。

ルーの部屋で待つよう指示されたルーベンは、戻って来た彼女との再会を喜ぶ。

ルーベンは、別人のように変わっているルーが自傷行為もやめたことを知り、彼女を抱きしめる。

ルーベンが身の回りのものを処分したことを知ったルーは、リシャールのパーティーの準備を始めるために1階に向かう。

パーティーは始まり、その場に向かったルーベンは、招待客の声などが雑音にしか聞こえない。

ルーは、リシャールに頼まれて歌を披露することになり、父とデュエットする。

ルーベンは、2人の歌が歪んで聞こえてしまう。

その夜、ルーとベッドを共にしたルーベンは、元の生活に戻り活動を再開したいとルーに伝える。

それに同意したルーが腕を搔き始めたため、ルーベンは、彼女がそれを望んでいないことを理解する。

ルーベンは、自分を救い幸せを与えてくれただけで十分だとルーに伝える。

涙するルーは、自分もあなたに救われたと言ってルーベンを抱きしめる。

翌朝、ルーベンは、ルーが寝ている間に荷物を持って出て行く。

公園のベンチに座っていたルーベンは、教会の鐘の音が歪んで聞こえる。

ルーベンは耳のプロセッサーを外し、静寂の中で辺りを見つめる。