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ある日どこかで Somewhere in Time (1980)

1975年に発表された、リチャード・マシスンの小説”Bid Time Return”を基に製作された作品。
心惹かれる女性の愛を手に入れるために時空を超える青年の運命を描く、監督ヤノット・シュワルツ、主演クリストファー・リーヴジェーン・シーモアクリストファー・プラマーテレサ・ライト他共演によるファンタジー・ロマンスの秀作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ファンタジー


スタッフ キャスト ■
監督:ヤノット・シュワルツ

製作
スティーヴン・サイモン

レイ・スターク
原作:リチャード・マシスンBid Time Return
脚本:リチャード・マシスン

撮影:イシドア・マンコフスキー
編集:ジェフ・ガーソン
衣装デザイン:ジャン・ピエール・ドルレアック
音楽:ジョン・バリー

出演
リチャード・コリアー:クリストファー・リーヴ

エリーズ・マッケナ:ジェーン・シーモア
ウィリアム・フォーセット・ロビンソン:クリストファー・プラマー
ローラ・ロバーツ:テレサ・ライト
エリーズ・マッケナ(老年期):スーザン・フレンチ
アーサー・ビール:ビル・アーウィン
ジェラルド・フィンリー博士:ジョージ・ヴォスコヴェック

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ

1980年製作 103分
公開
北米:1980年10月3日
日本:1981年1月31日
製作費 $5,100,000
北米興行収入 $9,709,597


アカデミー賞 ■
第53回アカデミー賞

・ノミネート
衣装デザイン賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1972年5月、ミルフィールド大学。
劇作家志望の学生リチャード・コリアー(クリストファー・リーヴ)の戯曲が初演され、彼はその内容を評価されて祝福される。

そこに現れた老婦人(スーザン・フレンチ)は、リチャードに”戻ってきて”と伝えて懐中時計を渡し立ち去り、彼は見知らぬ女性の出現に驚く。

老婦人は屋敷に戻り、リチャードと芝居についてを考えながら思いに耽る。

8年後、シカゴ
劇作家となり成功していたリチャードだったが、スランプに陥り、彼は気分転換のために旅行に出かける。

...全てを見る(結末あり)

途中、以前から気になっていた”グランド・ホテル”に宿泊したリチャードは、70年間その場にいるボーイ、アーサー・ビール(ビル・アーウィン)に気軽に声をかけられる。

アーサーは、以前、会ったことがあるかを尋ねるものの、リチャードはそれを否定する。

その後、リチャードはホテル内の歴史ホールを見物して、そこで流れる自分の最も好きな曲”ラフマニノフラプソディー”に誘われるように、美しい女性の写真の元に向かい目を奪われる。

アーサーを捜したリチャードは、写真の女性が当時の有名な女優であり、ホテルの劇場公演に出演したエリーズ・マッケナ(ジェーン・シーモア)だと知らされる。

その公演が1912年だと聞いたリチャードは、エリーズのことが頭から離れなくなり、出発を取り止めて図書館に向かう。

エリーズのことを調べたリチャードは、8年前に自分に時計を渡した老婦人が彼女であったことを知る。

リチャードは、エリーズの秘書だったローラ・ロバーツ(テレサ・ライト)を訪ねる。

亡くなった夜に消えたという時計を見せ、それをエリーズから受け取ったことをローラに伝えたリチャードは、家に招き入れられる。

1912年のホテルの公演がきっかけとなり、エリーズが変わってしまったと知ったリチャードは、彼女のマネージャーであるウィリアム・フォーセット・ロビンソン(クリストファー・プラマー)についての話も聞き、二人は変わった関係であったことも知らされる。

リチャードは、エリーズの愛読書だったという、自分の恩師である哲学者の著書”時を越える旅”や、ホテルのミニチュア・オルゴールから流れる最も好きな曲に耳を傾ける。

哲学者ジェラルド・フィンリー博士(ジョージ・ヴォスコヴェック)を訪ねたリチャードは、時空を超える方法と一瞬ではあるが感じたその体験を聞く。

それを自分でも試そうと考えたリチャードは、1912年当時の服装などを準備する。

リチャードは、フィンリーから言われた催眠・暗示の方法で、1912年6月27日午後6時に行けることを心から願うものの成功はしなかった。

諦めかけたリチャードだったが、当時の宿泊名簿を調べて、自分がホテルに宿泊していたことを確認し、もう一度、実験を始める。

眠ってしまったリチャードは、夜明けと共に目覚め、周囲の様子から、自分が1912年にいることに気づく。

その部屋を出てエリーズを捜そうとしたリチャードは、ロビーで遊ぶ少年アーサーに気づく。

劇場に向かったリチャードは相手にされず、エリーズが湖畔で散歩していることを知らされる。

そしてリチャードは、自分と気づいたエリーズと対面する。

動揺するエリーズだったが、そこにロビンソンが現れて、リチャードを追い払う。

ホテルに戻ったリチャードは、レストランでエリーズを見つけてダンスを踊る。

ロビンソンは再びリチャードを追い払おうとするが、エリーズは直ぐに戻ると言って彼と共にその場を去る。

リチャードのことを尋ねたエリーズは、多くを語らずロビンソンの元に戻る。

ロビンソンがリチャードを気にするため、彼が”例の人”かとエリーズは尋ねる。

それは自分が知るとロビンソンに言われたエリーズは、翌日からの公演に備える。

翌朝、ソファーで目覚めたリチャードは、エリーズの部屋に向かい彼女を強引に誘う。

エリーズは仕方なくそれを受け入れ、リチャードは、彼女が恋に落ちたことを確信する。

その後、リチャードを見つけたロビンソンは、彼に話しかけて探りを入れ警戒する。

フロントに向かったリチャードは部屋を取り、予定通り416号室の鍵を受け取り宿泊簿にサインする。

約束した時間にエリーズと出かけたリチャードは、楽しい時を過ごし、なぜ自分のことに気づいていたのかを彼女に尋ねる。

誰かが来るとロビンソンが予言してたというエリーズは、ある男性が自分の人生を変えると言われたことを伝える。

ホテルに戻ったエリーズは、公演のために休息をとることをリチャードに伝えるものの、彼を部屋に招き入れてキスする。

そこにロビンソンが現れ、エリーズに干渉されたくないと言われながらリチャードを追い出す。

舞台は開演し、エリーズは台詞にない演技を始めてしまい、客席のリチャードの目の前で彼に愛を伝える。

ロビンソンや団員はその演技に驚くが、エリーズは観客から喝采を受け、リチャードは感激する。

リチャードはロビンソンに劇場の外へと呼び出され、大スターになる資質を見抜きエリーズを育てたと言われる。

ロビンソンが、エリーズへの愛だけ求めていると考えていたリチャードは、彼が純粋にエリーズのことを思っていることを知り謝罪する。

リチャードは、自分もエリーズから離れないことを伝えるが、彼女を破滅させると言われて、ロビンソンの部下に痛めつけられる。

舞台は終わり、リチャードを捜そうとしたエリーズは、その場に現れたロビンソンから、リチャードは姿を消し自分の人生からも消え去ったと言われる。

エリーズは、リチャードを愛し、彼が自分を幸せにできるとロビンソンに伝える。

出発が迫るエリーズは、リチャードが姿を現さないことを悲しむ。

翌朝、厩舎に拘束されていたリチャードはエリーズの部屋に向かうが、彼女が昨夜のうちに旅立ったことを知る。

ショックを受けたリチャードだったが、エリーズはその場に戻り、二人は部屋に向かい愛し合う。

翌朝、エリーズのために戯曲を書くことを約束したリチャードは、未来の硬貨を持参していることに気づき、その瞬間に、その場から消え去る。

目覚めたリチャードは現在だということに気づき戸惑い、過去に戻ろうとするもののそれはできなかった。

エリーズを想う日々が続いたリチャードは、廃人の様な状態でアーサーに発見され、医師の診断を受ける。

その後リチャードは、意識の中でエリーズと再会する。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
1972年。
劇作家志望の大学生リチャード・コリアーは、戯曲の初演を終えて、その内容を絶賛される。
その場に現れた老婦人は、リチャードに歩み寄り懐中時計を渡し”帰ってきて”と言い残して姿を消す。
8年後、劇作家として成功していたリチャードはスランプに陥り気晴らしに旅行に出かける。
気になっていた”グランド・ホテル”に立ち寄ったリチャードは、その場で、かつて女優だったエリーズの存在を知り心奪われる。
エリーズのことが頭から離れないリチャードは、彼女こそが8年前に自分の前に現れた老婦人であったことを知る。
リチャードは、時空を超える体験をした哲学者に会い、自分もそれを試し1912年の世界に向かうのだが・・・。
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困難を乗り越え愛を手に入れるのはロマンスの定番ではあるが、本作はその障害となるものが”時間”であるというアイデアがいい。

ロマンスとSF、又はファンタジーが相性が良いというのも事実だが、ヤノット・シュワルツの落ち着いた雰囲気の演出と共に、”やわらかい”映像描写も印象的だ。

時代設定が1910年代ということもロマンスには効果的で、その一つは衣装であり、第53回アカデミー賞では衣装デザイン賞にノミネートされた。

ラフマニノフラプソディーパガニーニの主題による狂詩曲”をアレンジした、ジョン・バリーの美しい音楽も心に残る。

”スーパーマン”役者として世界的な知名度を得たクリストファー・リーヴは、そのイメージを微妙に活かし実にいい雰囲気で主人公を演じている。

実力派女優として着実にキャリアを築いていたジェーン・シーモアの美しさも際立つ。

ヒロインをスターにするために、全てを捧げているマネージャー役のクリストファー・プラマー、ヒロインの元秘書役のテレサ・ライト、老婦人のスーザン・フレンチ、ホテルのボーイ役のビル・アーウィン、哲学者のジョージ・ヴォスコヴェックなどが共演している。


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