落ちぶれた初老のカー・ディーラーが周囲には理解できない生き方を貫き孤立していく姿を描く、製作スティーブン・ソダーバーグ、主演マイケル・ダグラス、スーザン・サランドン、ダニー・デヴィート、メアリー=ルイーズ・パーカー、ジェシー・アイゼンバーグ他共演、監督ブライアン・コッペルマン、デヴィッド・レヴィーンによるドラマ。 |
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・スティーヴン・ソダーバーグ / Steven Soderbergh 作品一覧
■ スタッフ キャスト ■
監督
ブライアン・コッペルマン
デヴィッド・レヴィーン
製作総指揮
アヴィ・ラーナー
ダニー・ディムボート
ボアズ・デヴィッドソン
トレヴァー・ショート
モシュ・ダイアマント
ジョー・ゴッタ
製作
ポール・シフ
スティーブン・ソダーバーグ
ハイディ・ジョー・マーケル
ドンナ・ゴロム
脚本:ブライアン・コッペルマン
撮影:アルウィン・H・カックラー
編集:トリシア・クック
音楽:マイケル・ペン
出演
ベン・カルメン:マイケル・ダグラス
ナンシー・カルメン:スーザン・サランドン
ジミー・マリノ:ダニー・デヴィート
ジョーダン・カーシュ:メアリー=ルイーズ・パーカー
スーザン・ポーター:ジェナ・フィッシャー
アリソン・カーシュ:イモージェン・プーツ
ダニエル・チェストン:ジェシー・アイゼンバーグ
スティーヴ・ヘラー:リチャード・シフ
エドワード・ギトルソン学部長:ダグラス・マクグラス
アメリカ 映画
配給
Millenium Films
Smartest Man Productions
2010年製作 90分
公開
北米:2010年5月21日
日本:2011年6月4日
製作費 $15,000,000
北米興行収入 $4,360,550
世界 $5,178,580
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
約6年半前。
かつては世間で注目を浴びた伝説のカー・ディーラーであるベン・カルメン(マイケル・ダグラス)は、心臓の検査が必要で、重病である可能性を医師から指摘される。
現在。
今では落ちぶれていたベンは、学生時代から付き合い結婚した妻ナンシー(スーザン・サランドン)と、今は離婚しているものの、娘スーザン・ポーター(ジェナ・フィッシャー)や孫に会うことを楽しみにしていた。
そんなベンは、大手自動車メーカーの役員の娘であるジョーダン・カーシュ(メアリー=ルイーズ・パーカー)が、現在の恋人だった。
ジョーダンの娘アリソン(イモージェン・プーツ)の大学進学で、その大学の学部長を知るベンは、彼女の進学で便宜を図るようにと頼まれていた。
アリソンとボストンの大学に向かったベンは、学生自治会のダニエル・チェストン(ジェシー・アイゼンバーグ)に迎えられる。
...全てを見る(結末あり)
エドワード・ギトルソン学部長(ダグラス・マクグラス)の元に案内されたベンは、面接するアリソンを彼に預け、ダニエルと構内を見学する。
着替えるためにダニエルの部屋に向かったベンは、その部屋を見て意見し始める。
無類の女好きであるベンは、ダニエルに恋人がいないことを見抜き、女性の口説き方を伝授する。
その後、出身校でもあり、図書館に寄付もしているベンは、構内を歩き回り、妻ナンシーとであったベンチで、思い出を振り返ったりもする。
その夜、ダニエルとパーティーに参加し、再び女心を捉える指南を始めたベンは、その後、学友ジミー・マリノ(ダニー・デヴィート)が経営する学生街のダイナーに向かい、昔話に花が咲かせる。
ホテルに戻ったベンは、面接後にアリソンに付き合っていた男子学生が、つり合わないと彼女に助言する。
ベンは、経験の浅いアリソンに、男女関係の楽しみ方などを語り、そして燃え上がった二人は愛し合ってしまう。
ニューヨークに戻ったベンは、ジョーダンのお陰で新たなデイーラーを任されることになり、アリソンは大学に合格する。
ベンは、今後もアリソンと楽しめることを望むのだが、彼女は意外にもクールで、一度だけの遊びだと割り切っていることを伝える。
そしてアリソンは、母ジョーダンにベンと寝たことを話してしまう。
ベンは、当然、ジョーダンの”復讐”に遭い、ディーラーの件は流れてしまい、生活費も工面できず、娘スーザンに金を借りる。
詐欺罪で逮捕された時も支援してくれた、旧知の取引相手スティーヴ・ヘラー(リチャード・シフ)にも、人が変わってしまったことなどを非難され見限られてしまう。
その夜、孫の友人の母親とベッドを共にしたベンは、孫の誕生日を思い出す。
それに遅れてしまったベンは、スーザンや孫を失望させる。
ケーキを買って孫の元に向かったベンは、再びスーザンに金を借りようとするが、彼女は、息子との約束も守らずに、借金を頼む父に呆れてしまう。
元妻ナンシーの元に向かったベンだったが、不動産業者として、満ち足りた日々を送る彼女にも相手にされない。
働き口もなく、仕方なく安アパートに移ったベンだったが、そこの家賃の払えず、スーザンには、友人と寝たことがばれてしまう。
どうして父親としての自覚を持てないのかという、スーザンの問いに答えを返せないベンは、彼女に親子の縁を切られてしまう。
ボストンのジミーの家を訪ね、居候することになったベンは、彼の店で働かせてもらうことになる。
ある日、学生になっていたアリソンが店に現れ、ベンは彼女に、自分が置かれている状況を説明する。
ベンがアリソンの近くにいることを知ったジョーダンは、彼を娘から排除しようとして脅しをかける。
ダニエルに誘われたパーティーで、彼のガールフレンドを侮辱してしまったベンは、その帰りに、アリソンの父が雇った男に痛めつけられる。
ジミーに介抱されたベンは病院に運ばれ、駆けつけたスーザンが看病し、親子の絆は保たれる。
ベンは、意識のない状態で、していなかった心臓の精密検査をされる。
その結果連絡を無視したベンは、ダニエルに謝罪した後、初めて出会ったベンチに座っているナンシーに気づく。
6年半前に、医師から精密検査を勧められたベンは、その日から女遊びを始めたことをナンシーに伝える。
検査を受けなかった理由として、医師の判断に縛られるのを嫌ったベンは、心臓が破裂しても、好き勝手に生きる人生を選んだことをナンシーに語る。
ニューヨークに一緒に戻るか、ナンシーに考える時間を与えられたベンは、車の中で待つ彼女を見つめる。
そしてベンは、目の前を通り過ぎる女子学生を気にしながら、ベンチから立ち上がる・・・。
*(簡略ストー リー)
伝説のカー・ディーラーとして世間でも知られていたベン・カルメンは、妻ナンシーとは離婚するものの、娘スーザンや孫と会うのを楽しみにしていた。
そんなベンは、無類の女好きでもあり、今の恋人は、大手自動車会社の役員の娘ジョーダンだった。
かつての栄光を取り戻すために、ディーラーとして復活を考えるベンは、ジョーダンの支援の代わりに、彼女の娘アリソンの大学進学に便宜を図ることを約束する。
母校にコネのあるベンは、アリソンの面接に同行してボストンに向かう。
ところがベンは、面接の終わったアリソンと愛し合ってしまう。
その後も関係を望むベンだったが、遊びだと割り切るアリソンにはそれを断られ、そのことがジョーダンにも知られてしまう。
再起を考えていたベンは、一気に窮地に陥り、彼は、家族を含め周囲に見放されてしまう・・・。
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奔放で無鉄砲なだけに見える主人公、オープニングの精密検査の勧めが、終盤でその生き方の理由として解る筋立てや、プライドだけが頼りの主人公の人間味ある人生観を、渋みも増すベテランのマイケル・ダグラスが、変幻自在に演ずる演技を堪能できる。
マイケル・ダグラスの盟友ダニー・デヴィートをはじめとした魅力的なキャスティングや、スティーブン・ソダーバーグも製作に加わっていることも注目だが、拡大公開はされず、商業的な成功はしなかった作品でもある。
恋人の娘に手を出した、女好きの男の不運を描いたコメディなどとの宣伝もあるが、不器用な男が、自分なりの考えを貫く人生を送ろうとする、哀愁漂うヒューマン・ドラマと言った方が正しい。
主人公を最もよく知る元妻として、出番は少ないが存在感を示すスーザン・サランドン、その娘ジェナ・フィッシャー、主人公の唯一と言っていい理解者にして学友ダニー・デヴィート、主人公の恋人をクールに演ずるメアリー=ルイーズ・パーカー、その娘イモージェン・プーツ、学生のジェシー・アイゼンバーグ、主人公を見限る取引相手リチャード・シフ、大学の学部長ダグラス・マクグラスなどが共演している。