マフィア壊滅のための証人を保護するFBIと殺し屋の攻防と隠された秘密を描く、製作、監督、脚本ジョー・カーナハン、出演ジェレミー・ピヴェン、ライアン・レイノルズ、レイ・リオッタ、アンディ・ガルシア、ベン・アフレック他共演の犯罪アクション。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ジョー・カーナハン
製作
ティム・ビーヴァン
ジョー・カーナハン
ライザ・チェイシン
エリック・フェルナー
製作総指揮:ロバート・グラフ
脚本:ジョー・カーナハン
撮影:マウロ・フィオーレ
編集:ロバート・フレイゼン
音楽:クリント・マンセル
出演
バディ“エース”イズラエル:ジェレミー・ピヴェン
プリモ・スパラッザ:ジョセフ・ラスキン
シドニー・K・セレナ:アレックス・ロッコ
ビクター“バズ”パディチェ:デヴィッド・プローヴァル
アイビー:コモン
ヒューゴ・クループ:ジョエル・エドガートン
ビーニー:クリストファー・マイケル・ホーリー
モーリス・メクレン:カーティス・アームストロング
リチャード・メスナー:ライアン・レイノルズ
ドナルド・カラザーズ:レイ・リオッタ
スタンリー・ロック:アンディ・ガルシア
フリーマン・ヘラー:マイク・フォーコウ
ルパート“リップ”リード:ジェイソン・ベイトマン
ジャック・デュプリー:ベン・アフレック
ピート・ディークス:ピーター・バーグ
ホリス・エルモア:マーティン・ヘンダーソン
ジョージア・サイクス:アリシア・キーズ
シャリス・ワッターズ:タラジ・P・ヘンソン
ダーウィン・トレモア:クリス・パイン
ジーブス・トレモア:ケヴィン・デュランド
レスター・トレモア:モーリー・スターリング
パスクアール・アコスタ:ネスター・カーボネル
ラズロ・スート:トミー・フラナガン
イングストローム:ウラジミール・クリッチ
ビル:マシュー・フォックス
本人:ウェイン・ニュートン
アメリカ/イギリス 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
2006年製作 109分
公開
イギリス:2006年1月12日
北米:2006年1月26日
日本:2007年5月12日
製作費 $17,000,000
北米興行収入 $35,787,690
世界 $57,103,900
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ラスベガス郊外。
FBI捜査官のリチャード・メスナー(ライアン・レイノルズ)とドナルド・カラザーズ(レイ・リオッタ)は、マフィアのボス、プリモ・スパラッザ(ジョセフ・ラスキン)の屋敷を監視する。
メスナーとカラザーズは、組織を裏切った人気マジシャンのバディ“エース”イズラエル(ジェレミー・ピヴェン)を殺すために、スウェーデン人を雇ったという情報を入手する。
スパラッザの余命が短いと考えた部下のシドニー・K・セレナ(アレックス・ロッコ)とビクター“バズ”パディチェ(デヴィッド・プローヴァル)は、イズラエルを誘拐して身代金を要求することを考える。
女二人組の殺し屋が雇われ、イズラエルの心臓に100万ドルの報酬を払うという、スパラッザの考えを知った世界中の殺し屋がそれを狙うということをメスナーとカラザーズは知る。 保釈保証人のジャック・デュプリー(ベン・アフレック)は、元刑事のピート・ディークス(ピーター・バーグ)とホリス・エルモア(マーティン・ヘンダーソン)に、イズラエルの弁護士ルパート“リップ”リード(ジェイソン・ベイトマン)に雇われたことを伝える。 FBI副長官スタンリー・ロック(アンディ・ガルシア)は、優秀な潜入捜査官フリーマン・ヘラー(マイク・フォーコウ)を含めた多くの人物を殺害したスパラッザの手口などをメスナーとカラザーズに話す。 イズラエルはスパラッザに可愛がられ、マジシャンでありながら組織に深入りし、その結果、全米の”コーザ・ノストラ”から命を狙われることになった。 コーザ・ノストラの息の根を止められる証言取引でイズラエルは起訴を免れ、FBIによる保護で守られることになる。 殺し屋のジョージア・サイクス(アリシア・キーズ)とシャリス・ワッターズ(タラジ・P・ヘンソン)は、イズラエルを連れて来るだけで10万ドルを渡すとロレッタに言われる。 容疑の証拠を得る目的で、イズラエルを証人にするための保護を提案するよう、ロックはメスナーとカラザーズに命ずる。 ロックは、“エストラゴ/破壊屋”と呼ばれる傭兵パスクアール・アコスタ(ネスター・カーボネル)なども、100万ドルのために現れるはずだとメスナーとカラザーズに伝える。 デュプリーとディークスは、ダーウィン・トレモア(クリス・パイン)、ジーブス(ケヴィン・デュランド)、レスター(モーリー・スターリング)の三兄弟が現れる可能性を話す。 ジョージアとシャリスは、誰もその本当の姿を知らない変装の達人ラズロ・スート(トミー・フラナガン)が、最も危険かもしれないと考える。 イズラエルがタホ湖にいると知らされたジョージアとシャリスは、1割引かれた4万5000ドルが報酬だとロレッタ言われる。 ロックは、イズラエルのマネージャーのモーリス・メクレン(カーティス・アームストロング)が、こちら側との取引が成立すれば保護に応じると考えだとメスナーとカラザーズに伝える。 イズラエルの居場所はタホ湖の”ノーマッド・ホテル”のペントハウスだと知らせたロックは、弁護士のリードが保釈保証人にラスベガスに戻すよう指示したため、それを阻止するようメスナーとカラザーズに命ずる。 ホテルに近づいたメスナーとカラザーズは、スウェーデン人より先にイズラエルを捕えるよう指示される。 パディチェに会ったジョージアとシャリスは、色仕掛けでイズラエルに迫ることを伝える。 リードを訪ねたデュプリー、ディークス、エルモアは、単なるアル中のダメ男にしか見えない彼から、イズラエルのことについて知らされて、報酬の5万ドルを受け取る。 動揺するイズラエルを落ち着かせたボディガードのアイビー(コモン)は、寝ていたビーニー(クリストファー・マイケル・ホーリー)を起こして、娼婦達を引き上げさせる。 警備員を装いホテルに侵入しようと考えていたデュプリーらは、現れたトレモア兄弟に銃撃される。 デュプリーらがイズラエルを狙っていたことを知ったダーウィンは、警備員の制服を奪いホテルに向かう。 向いのホテルに到着したジョージアとシャリスは、チャックインする。 イズラエルの部下ヴィトリを殺したスートは、現れた同僚のヒューゴ・クループ(ジョエル・エドガートン)を射殺する。 スートは、ヒューゴのフェイスマスクを作り変装する。 メクレンからの連絡を受けたイズラエルは、部下も引き渡すというFBI側の要求をのむ。 その知らせを受けたメスナーとカラザーズは、ホテルの警備に連絡しようとする。 FBI捜査官ディエゴに扮して警備室に向かったアコスタは、警備主任のビル(マシュー・フォックス)から、ペントハウスの警備状況を訊く。 しつこく質問するアコスタに再度、身分証の提示を求めたビルは、殺害されてしまう。 湖に捨てられたエルモアは息を吹き返し、デュプリーとディークスが死んでいることを確認する。 それを知らされたメスナーとカラザーズは、殺された保釈保証人のデュプリーらが、警備員の制服をレンタルしたことを知る。 自分がホテルに向かうことをメスナーに伝えたカラザーズは、湖を調べるよう指示する。 イズラエルのホテルを狙い狙撃の準備を整えたシャリスは、娼婦に扮したジョージアから、ホールに向かうという無線連絡を受ける。 パディチェは、ジョージアとシャリスのことをセレナに電話で伝える。 ヒューゴに扮したスートはペントハウスに向い、トレモア兄弟は警備員としてホテルに侵入し、アコスタは警備服を着て準備し、スウェーデン人も現地に到着する。 その頃、かつてスパラッザに殺された潜入捜査官ヘラーの資料を見たロックは、事態が変わったと言ってメクレンと共に現場に向かおうとする。 ヒューゴの変装は警備に疑われることなく、スートはペントハウスに入る。 ホテルに着いたカラザーズは警備主任に会おうとして、エレベーターに乗る警備員(アコスタ)に声をかける。 エレベーターでトレモア兄弟に出くわしたジョージアは、彼らを無視して娼婦が来るのを待つ。 湖から這い上がり民家にたどり着いたエルモアだったが、玄関で力尽きる。 デュプリーとディークスの死体発見現場を調べたメスナーは、姿を消したのが、元刑事のエルモアだと知らされてホテルに向かう。 スートは、部屋を掃除していたビーニーを射殺する。 スパラッザの資料をチェックするロックは、顔面を何度も手術していることを確認する。 カラザーズは、一緒にいる警備員の指を見て、自ら指紋を噛み切ったという傭兵”破壊屋”アコスタの情報を思い出す。 警備主任のビルが倒れているという無線連絡と同時に、カラザーズとアコスタは銃を撃ち合い倒れる。 ジョージアとシャリスは、銃声に気づく。 エルモアは、看護師だった住人に介抱される。 デュプリーらが殺されたことを知ったリードは焦る。 自分がFBIに売られることを知りイズラエルを責めるアイビーは、争いになり発砲してしまう。 警備員が押し入り、ビーニーを撃ったとイズラエルに疑われたアイビーは、その場から連れて行かれる。 アイビーは、警察に売られるとヒューゴに言い残す。 イズラエルの部屋の異変に気づいていたシャリスは、それをジョージアに知らせる。 エレベーターのドアを開けたジョージアは、撃ち合って倒れているカラザーズとアコスタの死体を確認する。 興奮剤を飲んだエルモアは、その場にあった銃を手にする。 フロント係から、カラザーズが別のFBI捜査官ディエゴ(アコスタ)とエレベーターに乗ったと言われたメスナーは、不審に思う。 その捜査官が警備員の制服を着ていたことも知ったメスナーは、何者かがFBIを装っていると考え、エレベーターで上に向かおうとする。 死にかけている男二人の身分証を確認して、FBIだとシャリスに伝えたジョージアだったが、一人は違うと言われる。 カラザーズとディエゴの二人の名前を確認するジョージアの無線を聴いていたメスナーは、乗っていたエレベーターを止める。 メクレンからの連絡を受けたイズラエルは、取引は中止されたと言われて絶望する。 スートは、イズラエルを殺して心臓を摘出する準備を始める。 カラザーズが倒れているエレベーターを確認したメスナーだったが、ジョージアが向いのビルに合図を送り、シャリスが銃撃を始める。 アコスタがジョージアを撃とうとするが、カラザーズに銃撃される。 瀕死のカラザーズに声をかけたメスナーは救護班を呼び、ジョージアを捕えるよう指示する。 エレベーターのドアを閉めたジョージアは、防弾チョッキを弾が貫通したことをシャリスに伝えて上に向かう。 トレモア兄弟は、ペントハウスの警備員に襲いかかるものの、ジーブスとレスターが殺される。 場所を変えたシャリスは、倒れていた娼婦をジョージアだと思い、怒りを爆発させて銃を乱射する。 ペントハウスに着いたジョージアに銃を向けられたダーウィンだったが、エレベーターに逃げ込みFBIを装う。 意識が朦朧とするイズラエルに襲いかかろうとしたスートだったが、特殊部隊とその場に押し入ったロックらに取り押さえられる。 カラザーズが死亡したことを知らされたロックは、居場所が分からないメスナーを捜すよう命ずる。 ジョージアを抱きかかえて非常階段を下りていたアイビーは、現れたメスナーに銃を向けられる。 銃を手にし、カラザーズを撃っていないことを伝えたジョージアは、FBIに恨みはないと言って、メスナーをペントハウスに向かわせる。 ロックに状況説明を求めたメスナーは、今は話せないと言われ、ワシントンD.C.に戻るよう指示される。 隙を見て拘束を逃れたスートは、ヒューゴのマスクを取りヴィトリだと言って隠れる。 エレベーターから降りたダーウィンは、FBIのバッジを見せながらその場から逃れる。 一命を取り留めたアコスタは、救護班により運び出され、スートもホテルを出る。 ジョージアが無事だったことに気づいたシャリスだったが、その場にFBIが踏み込む。 屋上の駐車場に向かったダーウィンは、エルモアに声をかけられる。 車のキーを渡して消えるよう指示されたダーウィンはそれに従うものの、エルモアに射殺される。 納得いかないメスナーはイズラエルが運び込まれた病院に向い、ロックに再び説明を求める。 なぜ自分達に事態が変わったという連絡をしなかったかと言ってロックを責めるメスナーは、治療室にいたスパラッザとイズラエルが親子だったことを知らされる。 殺し屋だというスウェーデン人イングストローム(ウラジミール・クリッチ)は医師で、心臓外科の権威だった。 スパラッザはスートにイズラエルの部下の始末を依頼し、イングストロームは、親子の心臓移植手術のために来たのだった。 整形手術を繰り返したスパラッザの記録を見せられたメスナーは、彼が1940年に組織に侵入したヘラーであることをロックから知らされる。 上司はヘラーが悪に染まったと考え彼の抹殺を指示するが、同時期にスパラッザがヘラーを殺した。 しかし、ヘラーは死なずに何度も手術を繰り返し、別の自分になったのだった。 FBIはヘラーの記録を抹消したが、彼の60年分の情報の価値の方が、イズラエルの証言よりも価値があると判断されたのだった。 ”ヘラー”を救うために移植手術が行われるのだが、何も知らされずに死んだカラザーズらのこと思うメスナーは、ロックを痛烈に非難する。 無礼な言動は忘れると言うロックは、公益のための手段だということを理解してワシントンD.C.に戻るよう指示される。 納得したことを伝えたメスナーは、治療室の入り口を閉めて、イズラエルとスパラッザの生命維持装置の電源コードを抜いてしまう。 ロックらはその場に入ることができず、銃やバッジを床に置いたメスナーはうなだれる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
ラスベガスのマフィアのボス、スパラッザを監視していたFBI捜査官のメスナーとカラザーズは、組織と関りを持ち裏切った人気マジシャンのイズラエルの命が狙われているという情報を掴む。
その殺害のためにスウェーデン人が雇われ、イズラエルの心臓には100万ドルの報酬が支払われるため、名だたる殺し屋が集結することが考えられた。
FBI副長官のロックは、イズラエルに証言させて組織を壊滅させることを考える。
ロックは、殺し屋と保釈保証人のデュプリーらがイズラエルが滞在しているタホ湖のホテルに向かうことをメスナーとカラザーズに伝え、いち早くイズラエルの身柄を拘束することを命ずるのだが・・・。
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「ミッション:インポッシブル3」(2006)の監督に抜擢されながら降板したジョー・カーナハンが、監督、脚本を兼ねて製作した犯罪アクション。
マフィアの壊滅を目的とするFBIの証人保護作戦を中心に、報奨金目当ての殺し屋や保釈保証人グループ、謎のスウェーデン人などが入り乱れながらの攻防戦を描く作品。
それら登場人物の個性的な人物描写に加え、目まぐるしい展開のノンストップ・クライム・サスペンス・アクションでもあり、豪華スター競演も見逃せない、ジョー・カーナハンの軽快な演出も光る見所満載の作品に仕上がっている。
情報の思い違いによるクライマックスの意外な展開も注目で、多くの犠牲者を出したことを、公益優先で処理しようとする権力への反発で終わるラストは考えさせられる。
主人公を特定することは難しい作品で、証人の保護に命を懸けるFBI捜査官を熱演するライアン・レイノルズとレイ・リオッタ、彼らを指揮するFBI副長官のアンディ・ガルシア、マフィアと関係する人気マジシャンで命を狙われるジェレミー・ピヴェン、その部下コモン、ジョエル・エドガートン、クリストファー・マイケル・ホーリー、組織のボス、ジョセフ・ラスキン、その側近で、事件を利用して組織を支配しようとするアレックス・ロッコとデヴィッド・プローヴァル、マジシャンのマネージャーのカーティス・アームストロング、弁護士のジェイソン・ベイトマン、彼に雇われる保釈保証人ベン・アフレック、その仲間で元刑事のピーター・バーグとマーティン・ヘンダーソン、殺し屋の二人組アリシア・キーズとタラジ・P・ヘンソン、残虐な殺し屋三兄弟クリス・パイン、ケヴィン・デュランド、モーリー・スターリング、傭兵のネスター・カーボネル、変装を得意とする殺し屋のトミー・フラナガン、心臓外科医であったスウェーデン人のウラジミール・クリッチ、ホテルの警備主任マシュー・フォックス、ラスベガスのショーの司会者で本人役のウェイン・ニュートンなどが共演している。