1995年に発表された、ロレンツォ・カルカテラの小説”Sleepers”を基に製作された作品。 少年院で看守達に暴行を受けた少年達の成長後の復讐劇を描く、製作、監督、脚本バリー・レヴィンソン、主演ジェイソン・パトリック、ブラッド・ピット、ケヴィン・ベーコン、ロバート・デ・ニーロ、ブラッド・レンフロ、ダスティン・ホフマン他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:バリー・レヴィンソン
製作
バリー・レヴィンソン
スティーヴ・ゴリン
製作総指揮:ピーター・ジュリアーノ
原作:ロレンツォ・カルカテラ”Sleepers”
脚本:バリー・レヴィンソン
撮影:ミヒャエル・バルハウス
編集:スチュー・リンダー
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演
ロレンツォ”シェイクス”カルカテラ:ジェイソン・パトリック
マイケル・サリヴァン:ブラッド・ピット
トミー・マルカーノ:ビリー・クラダップ
ジョン・ライリー:ロン・エルダード
ボビー・カリーロ神父:ロバート・デ・ニーロ
ロレンツォ”シェイクス”カルカテラ(少年期):ジョー・ペリーノ
マイケル・サリヴァン(少年期):ブラッド・レンフロ
トミー・マルカノ(少年期):ジョナサン・タッカー
ジョン・ライリー(少年期):ジェフリー・ウィグダー
ショーン・ノークス:ケヴィン・ベーコン
キャロル:ミニー・ドライヴァー
ダニー・スナイダー:ダスティン・ホフマン
キング・ベニー:ヴィットリオ・ガスマン
ラルフ・ファーガソン:テリー・キニー
ヘンリー・アディソン:ジェフリー・ドノヴァン
シェイクスの父:ブルーノ・カービー
アメリカ 映画
配給 ワーナー・ブラザーズ
1996年製作 147分
公開
北米:1996年10月18日
日本:1997年4月12日
製作費 $44,000,000
北米興行収入 $53,315,290
世界 $165,615,290
■ アカデミー賞 ■
第69回アカデミー賞
・ノミネート
作曲賞
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1966年、夏、ニューヨーク、ヘルズ・キッチン。
4人の少年ロレンツォ”シェイクス”カルカテラ(ジョー・ペリーノ)、マイケル・サリヴァン(ブラッド・レンフロ)、トミー・マルカーノ(ジョナサン・タッカー)、ジョン・ライリー(ジェフリー・ウィグダー)は、固い友情で結ばれいつも行動を共にしていた。
街のボス、キング・ベニー(ヴィットリオ・ガスマン)に気に入られたシェイクスは、仲間達も紹介して、4人は小遣い稼ぎを始める。
4人をよく知る相談役で、元悪党のボビー・カリーロ神父(ロバート・デ・ニーロ)は、それに賛成しなかった。
1967年、冬。 その話を聞いたキング・ベニーは、ボビー神父が最高の殺し屋になれると語る。 夏。 しかし、4人は重みで手を滑らせてしまい、屋台は階段を転げ落ち男性が下敷きになる。 男性は一命を取り留めるものの、4人は起訴されて少年院行きとなる。 シェイクスは、良き話し相手ではあったが、母親に暴力を振るう父(ブルーノ・カービー)を監視してほしいとボビー神父に頼む。 ボビー神父は、耐え抜くようにとシェイクスを励まし、収監される彼を見送る。 教育施設のようなウィルキンソン少年院に収容された4人は、看守班長のショーン・ノークス(ケヴィン・ベーコン)やラルフ・ファーガソン(テリー・キニー)、ヘンリー・アディソン(ジェフリー・ドノヴァン)ら看守に監視されながら淡々とした日々を送る。 4人は、更生など望めないような者達の中でトラブルも起こして、ノークスに目を付けられる。 そしてノークスは、看守達と共に4人を連れだしてレイプする。 面会の日、シェイクスは、ノークスに口止めされてボビー神父に会う。 ボビー神父は、自分の目を見て話せないシェイクスが涙する姿を見て何かを察するが、再び耐えるようにと言って励ます。 その後、看守達とのフットボール試合で、4人は相手を叩きのめし束の間の自由を味わう。 しかし、その仕返しに遭った4人は、共に戦った黒人少年が殺されたことを知る。 1968年、春。 1981年、秋。 ある日ジョンは、バーで食事をするノークスに気づき、それをトミーに知らせる。 二人はノークスの席に向かい、自分達を思い出させて容赦なく射殺する。 逮捕された二人は、面会に来た新聞記者見習いのシェイクス(ジェイソン・パトリック)に、ノークスを片付けたことを伝える。 地方検事補になっていたマイケル(ブラッド・ピット)に会ったシェイクスは、これをきっかけにして、復讐する考えがあることを知らされる。 マイケルは、元看守達のことを調べた資料をシェイクスに見せて、トミーとジョンには話さずに、それを実行しようとする。 トミーとジョンの事件を担当するマイケルは、話に乗ったシェイクスと綿密な計画を立てる。 キング・ベニーにもそれは知らされ、彼は、弁護士ダニー・スナイダー(ダスティン・ホフマン)を呼ぶ。 アル中のスナイダーに、有無を言わせず弁護を強要したキング・ベニーは、裏で手を回して計画を成功させようとする。 シェイクスは偽証となることを知りながら、マイケルの計画通りトミーとジョンのアリバイを作ろうとする。 幼馴染のキャロル(ミニー・ドライヴァー)に会ったシェイクスは、ソーシャルワーカーの彼女に資料のコピーなどを頼む。 キャロルと共にボビー神父を訪ねたシェイクスは、始まった裁判で、トミーとジョンを検事のマイケルが救おうとしていることを知らせる。 シェイクスは、裁判の証人として二人のアリバイを証言してほしいことをボビー神父に伝える。 神に仕える身であるものの、ボビー神父は即答でそれを断らずに、ノークスが死んで当然であったと言うシェイクスの話を聞く。 キャロルと共に、少年院での暴行と性的虐待のことを聞いたボビー神父は、考えさせてほしいと言ってシェイクスを見送る。 勝っても負けても自分に責任がのしかかるマイケルは、その重圧に耐えながら裁判を続ける。 地下鉄でキャロルに会ったマイケルは、ボビー神父から返事がもらえないことを知らされる。 シェイクスに、全てを話すようキャロル伝えたマイケルだったが、彼女は、神父と共に自分も少年院のことは聞いたと答える。 それを話してくれれば、自分達の関係も変わっていたと言うキャロルだったが、動揺したマイケルは姿を消す。 キング・ベニーは、身内が少年院で殺されたという情報をギャングに渡し、その犯人で元看守の一人アディソンを陥れる。 マイケルは、証人として元看守のファーガソンを法廷に呼び、ノークスの人柄などが普通であったことを証言させる。 続いて質問したスナイダーは、ノークスやファーガソンが、少年院で子供達を殴ったことなどがあるかを尋ねる。 それを全て否定しないファーガソンは、性的暴行もあったかを聞かれ、耐えきれなくなった彼は、ノークスの行為を認めてしまう。 その後、アディソンは抹殺され、他の元看守も逮捕される。 法廷の証言台に立ったボビー神父は、事件のあった時間には、トミーとジョンと共に過ごしていたことを証言する。 マイケルは反対尋問をするが、ボビー神父の証言は同じだった。 トミーとジョンは無罪となり釈放され、マイケルは辞職することをシェイクスに伝える。 マイケルは、静かに暮らしたいことをシェイクスに告げて、少年院のことは忘れたいと言い残してその場を去る。 1カ月後。 1984年3月16日、ジョンの死体がアパートで発見され、トミーは1985年7月26日に銃弾を受けて殺された。 マイケルはイギリスの田舎町で大工の手伝いをしている。 キャロルはヘルズ・キッチンでソーシャルワーカーを続け、結婚せずに養子をとり4人の名前を付ける。 裁判の1カ月後の日は、5人が集まった最後の夜だった。
ジョンが母親の愛人に殴られ病院に運ばれ、ボビー神父が相手に会い、手出しさせないようにさせる。
...全てを見る(結末あり)
4人は、ホットドック屋をからかい屋台を奪い、隠そうとして地下鉄の入り口に運ぶ。
出所が近づいた4人は、ノークスらに連れ出され、最後の”挨拶”をされる。
トミー(ビリー・クラダップ)とジョン(ロン・エルダード)は、殺人も犯す悪党となっていた。
4人とキャロルは集まり、食事をして楽しく過ごす。
共に29歳だった。
*(簡略ストー リー)
1967年、夏、ニューヨーク。ヘルズ・キッチン。
親友同士の4人の少年シェイクス、マイケル、トミー、ジョンは、街のマフィアのボス、キング・ベニーに可愛がられていた。
ある日、ホットドックの屋台を盗み隠そうとした4人は、誤って事故を起こし男性に重傷を負わせてしまう。
その事件で4人は少年院に入れられることになり、シェイクスは、自分達を世話してくれた、よき理解者のボビー神父に耐えるよう励まされる。
4人に目を付けた少年院の看守長ノークスは、彼らを暴行して性的虐待を繰り返す。
1981年、出所して悪党になっていたトミーとマイケルは、街でノークスを見かけて容赦なく射殺してしまう。
新聞記者見習いのシェイクスは、二人の事件を担当する検事補マイケルが、これをきっかけに、看守達への復讐を考えていることを知らされる。
それに同意したシェイクスは、キング・ベニーの手を借り、マイケルと共に綿密な復讐計画を立ててそれを実行していくのだが・・・。
__________
将来有望な子役や若手に加えて、ハリウッドを代表する実力派の共演、更には、バリー・レヴィンソンの演出と脚本、そして、ジョン・ウィリアムズの音楽なども注目の、公開当時話題となった作品。
それに加え、原作者ロレンツォ・カルカテラの体験を基にしたドラマと言われながら、少年院でそのような事実があったことは否定されて、看守殺害の裁判記録もないことなどが物議を呼び問題になった作品でもある。
よくある、裏社会が絡む犯罪映画とは違い、正義を下す司法の場を利用し、神への誓いを破りながらの、悪にも勝る復讐劇が繰り広げられるところが興味深い。
根底に、傷ついた少年達の心の問題があるのだが、許されることであるのか、深く考えさせる物語だ。
誰が主演とも言えない状況下で展開する中で、各個性を見事に活かしたバリー・レヴィンソンの演出手腕は光る。
第69回アカデミー賞では作曲賞にノミネートされた。
北米興行収入は約5300万ドルに終わったが、全世界では約1億6600万ドルのヒットとなった。
主人公達の青年期、ロレンツォ・カルカテラのジェイソン・パトリック、ブラッド・ピット、ビリー・クラダップ、ロン・エルダード、同じく少年期のジョー・ペリーノ、ブラッド・レンフロ、ジョナサン・タッカー、ジェフリー・ウィグダー、彼らを見守る神父ロバート・デ・ニーロ、少年達を虐待する看守班長のケヴィン・ベーコン、主人公らの幼馴染ミニー・ドライヴァー、弁護士ダスティン・ホフマン、街のマフィアのボス、ヴィットリオ・ガスマン、看守のテリー・キニーとジェフリー・ドノヴァン、シェイクスの父ブルーノ・カービーなどが共演している。