1990年に発表されたジョン・ルッツの、小説”SWF Seeks Same”を基に製作された作品。 見知らぬ者との居住空間のシェアを題材にした、監督バーベット・シュローダー、主演ブリジット・フォンダ、ジェニファー・ジェーソン・リー、スティーヴン・ウェバー他共演のサイコ・サスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:バーベット・シュローダー
製作総指揮:ジャック・バラン
製作:バーベット・シュローダー
原作:ジョン・ルッツ
脚本:ドン・ルース
撮影:ルチアーノ・トヴォリ
編集:リー・パーシー
音楽:ハワード・ショア
出演
アリソン”アリー”ジョーンズ:ブリジット・フォンダ
ヘディ”カールソン:ジェニファー・ジェーソン・リー
サム・ローソン:スティーヴン・ウェバー
グラハム・ノックス:ピーター・フリードマン
ミッチ・マイヤーソン:スティーヴン・トボロウスキー
年配の隣人:フランセス・ベイ
完璧な応募者:レネ・エステヴェス
おしゃべりな応募者:ジャシカ・ランディ
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
1992年製作 107分
公開
北米:1992年8月14日
日本:1993年1月23日
北米興行収入 $48,017,400
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
アリソン”アリー”ジョーンズ(ブリジット・フォンダ)は、同棲しているサム・ローソン(スティーヴン・ウェバー)が、別れた妻と密会していたことを知り、彼をアパートから追い出してしまう。
ソフトウェアのデザイナーのアリーは、ミッチ・マイヤーソン(スティーヴン・トボロウスキー)との契約で、足元を見られてしまう。
帰宅したアリーは、突然、孤独感に襲われ泣き崩れるが、同じアパートのグラハム・ノックス(ピーター・フリードマン)に励まされる。
寂しさの余り、ルームメイトの募集広告を出したアリーは、何人かの中からある女性を選ぼうとするが、サムの写真を見て再び涙する。
そんな時、別の応募者ヘドラ”ヘディ”カールソン(ジェニファー・ジェーソン・リー)が現れ、二人は意気投合し、アリーは彼女をルームメイトとして迎える。 その間、サムはアリーと寄りを戻そうと彼女にコンタクトをとろうとするが、へディが彼の伝言を消してしまう。 その後へディは、断りもなく子犬を飼い、グレアムは彼女がアリーの洋服を着ているのを目撃する。 帰宅したアリーは、部屋にサムがいるのを知り、一旦は彼を追い払おうとするが、結局は彼を受け入れてしまい、それを知ったヘディは動揺する。 サムと愛し合ったアリーを待っていたヘディは、幸せの戻った彼女に嫉妬するような態度をとる。 次第にヘディが気に障るようになったアリーだったが、彼女にとっては自分が唯一の友人であり気の毒にも思う。 そんな時、二人の愛犬が、ヘディの不注意でバルコニーから落下して死亡してしまう。 アリーはショックを受け、彼女が寝ている間に、ヘディはサムの同情を買い求めようとするが、彼はそれを拒む。 翌日、アリーはヘディが自分と同じ洋服を揃えていることに気づく。 その後、マイヤーソンとの約束で出かけたアリーは、彼に迫られその場を逃げ出す。 自宅に戻ったアリーは落ち込むが、ヘディが彼女に成りすまし、マイヤーソンに電話をして脅しをかけ、アリーはヘディの違う側面を見る。 翌日、ヘアーサロンで、ヘディが自分と同じ髪型にしてしまったのを見て、アリーは驚いてしまう。 ヘディへの不信感が増したアリーは、彼女の所有物から全く違う名前宛の手紙と、双子の一人が死んだ新聞記事、そして、サムが自分に送った部屋の鍵と手紙などを見つける。 恐ろしくなったアリーはグラハムの部屋に向かうが、彼がいなかったため、タクシーで外出するヘディの後をつける。 ヘディを追いあるクラブに向かったアリーは、彼女が自分の名前を語り楽しんでいる姿を目撃する。 その後アリーは、グラハムに助けを求めるが、通風口が通じていたため、部屋にいたヘディに彼との会話を聞かれてしまう。 ヘディはグラハムの部屋に忍び込み、自分を追い出すべきだとアリーに助言した彼を殴り倒す。 ヘディの親に、留守電でメッセージを残したアリーは、サムと二人でアパートに住みたいことを彼女に伝え、それを了承される。 夜中に、サムの電話を受けたヘディは、彼のアパートに向かう。 二人は口論になった後、ヘディはハイヒールのかかとをサムの目に突き刺し殺害する。 翌朝、サムの死を知ったアリーは動揺してしまい、へディのハイヒールのかかとの血を見て、彼女の仕業だと確信する。 アリーは気を取り戻し、ヘディには何も気づいていない振りをする。 しかし、グラハムからの電話で彼の元に行くと言うアリーが、全てを知ったことに気づいたヘディは、自分が部屋に居た痕跡は全て消したことをアリーに告げる。 ヘディはアリーに銃を突きつけ、グラハムの部屋に向かい、彼女を椅子に縛りつけ外出する。 アリーは、リモコンでテレビのボリュームを上げ管理人を呼ぼうとするが、見つかる寸前でヘディが戻る。 憤慨したヘディはアリーを殺そうとするが、機転を利かせたアリーは、彼女と一緒に居続けることを伝え安心させる。 その後、アリーへの契約金支払いが遅れたために、マイヤーソンの会社のデータが、全て失われてしまうプログラムが作動する。 ヘディはアリーを信用し、航空券の予約を任せるが、彼女はEメールで助けを求める。 それに気づいたヘディは、アリーに銃を向けて再び拘束する。 そこにマイヤーソンが現れ、アリーに気づき彼女を助けようとするが、彼はヘディに射殺されたしまう。 ヘディは、アリーが自殺したかに見せかけようとするが、二人は揉み合いになる。 意識を取り戻したグラハムがアリーを助けようとするが、それを振り切ったヘディは、エレベーターの中でアリーを絞殺する。 地下の焼却炉で、アリーの遺体を始末しようとしたベティだったが、生きていた彼女は姿を消す。 興奮するヘディを追い詰めたアリーは、ドライバーでヘディの背中を突き刺し息の根を止める。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
恋人のサムと仲違いした”アリー”ジョーンズは、孤独感に襲われてルームメイトを探す。
その後、内気な女性ヘディを同居人に選んだアリーは、彼女と意気投合する。
しかし、サムがアリーと寄りを戻したことをきっかけに、ヘディは不審な行動をとるようになる。
アリーは、友人もいないヘディを見捨てられなかったが、やがて度を越した彼女の言動に危機感すら感じるようになる・・・。
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ピーター・フォンダの娘ブリジット・フォンダと、ヴィック・モローの娘ジェニファー・ジェーソン・リーの、二世同士の共演と”女の対決”が話題になった作品。
精神不安定な女性の暴挙が、次第にエスカレートしていく恐怖、無防備ではいられないアメリカ社会の大きな問題を、フランス国籍のスイス人バーベット・シュローダーが鋭い視点で描いている。
孤独でもいられない、また弱者を見捨てることも出来ないジレンマに悩む主人公を描いた前半から一転、ごく平凡に見える女性が狂気の殺人鬼に変貌する後半は、一気に盛り上がるのだが、クライマックスの決着がややインパクトに欠けているのが残念だ。
洗練された都会人ながら、ヘアースタイルのせいか、地味な雰囲気にも見えるブリジット・フォンダ、後半は主役と言える存在の、体を張った熱演が光るジェニファー・ジェーソン・リー、主人公アリー(B・フォンダ)の恋人で、殺害されるスティーヴン・ウェバー、アリーの頼れる友人ピーター・フリードマン、彼女に言い寄る取引相手のスティーヴン・トボロウスキーなどが共演している。