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サイレント・ランニング Silent Running (1972)

地球の植物が絶滅した未来、宇宙船のドームで育てられていた植物を守ろうとする植物学者の苦悩を描く、製作、監督ダグラス・トランブル、脚本マイケル・チミノ、主演ブルース・ダーンジェシー・ヴィントクリフ・ポッツロン・リフキン他共演のSFドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


SF


スタッフ キャスト
監督:ダグラス・トランブル

製作
マイケル・グラスコフ
ダグラス・トランブル
脚本
デリック・ウォシュバーン
マイケル・チミノ
スティーブン・ボッコ
撮影:チャールズ・F・ウェラー
編集:アーロン・ステル
音楽:ピーター・シャイケル

出演
フリーマン・ローウェル:ブルース・ダーン
アンディ・ウルフ:ジェシー・ヴィント
ジョン・キーナン:クリフ・ポッツ
マーティ・バーカー:ロン・リフキン
ドローン1・デューイ:マーク・パーソンズ
ドローン2・ヒューイ:シェリル・スパークス/スティーブ・ブラウン
ドローン3・ルーイ:ラリー・ウィセンハント
アンダーソン(声):ロイ・エンゲル
ニール/”バークシャー”船の長(声):ジョセフ・キャンパネラ

アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1972年製作 89分
公開
北米:1972年3月10日
日本:1986年9月16日
製作費 $1,000,000


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
未来。
地球上の植物は絶滅し、土星に向かう3隻の宇宙船のドームで植物は育てられていた。

宇宙船”ヴァレー・フォージ”の植物学者フリーマン・ローウェル(ブルース・ダーン)以外の乗組員、アンディ・ウルフ(ジェシー・ヴィント)、ジョン・キーナン(クリフ・ポッツ)、マーティ・バーカー(ロン・リフキン)は、地球に帰還することしか考えていなかった。

そんな時ローウェルは、ドームを全て核爆破させて、宇宙船は以前のように商用目的にするというアンダーソン司令官(ロイ・エンゲル)からの命令を受ける。

植物存続に全てを懸けてきたためにショックを受けるローウェルに、ウルフは同情するものの、キーナンとバーカーは帰還できることを喜ぶ。

自分が育てたフルーツを食べることをからかうキーナンとバーカーと口論になったローウェルは、人類が植物を失うことを嘆く。
...全てを見る(結末あり)

ローウェルを相手にしようとしないウルフらは、爆破の準備を始める。

ドームで転び手を怪我してしまったバーカーは、ローウェルに手当てをしてもらう。

爆破に備え安全区域に移動するよう宇宙船”バークシャー”の船長ニール(ジョセフ・キャンパネラ)からの指示を受けたローウェルは、バーカーと共に従い作業を進める。

爆破装置はセットされ、バークシャーのドームが爆発し、ヴァレー・フォージのドームも切り離される。

ドームにいたローウェルは、爆破装置をセットしに来たウルフに襲い掛かり、それを阻止しようとして彼を殺害してしまう。

船内に戻ったローウェルは、爆破のセットをしたキーナンとバーカーを残したままドームを切り離し、それが爆発する。

怪我をしたローウェルは手当てをしながら、不具合が起きたことをバークシャーのニールに伝える。

作業ロボットのドローン1、2、3(マーク・パーソンズ、シェリル・スパークス/スティーブ・ブラウン、ラリー・ウィセンハント)を呼んだローウェルは、暗黒空間が迫るために対処を急ぐようにとニールから指示される。

司令官のアンダーソンに緊急事態の報告をしたローウェルは、傷の影響で意識を失いかけながら、ドローンのプログラムを変更する。

3台のドローンを手術室に集めたローウェルは、傷の治療をさせる。

アンダーソンに連絡したローウェルは、このままでは土星の輪に衝突するため、どうすることもできないと言われる。

その後、眠っていたローウェルは、激しい振動で目覚めて、ドローン3は吹き飛ばされる。

何んとか持ち堪えたローウェルは、ドローン1、2にウルフを埋葬させる。

ローウェルは、3人を殺したのは仕方がなかったと言いながら祈りを捧げる。

ドローン1、2にデューイ、ヒューイという名を付けたローウェルは、3のルーイはもういないと伝える。

デューイとヒューイに自分の言葉に従うようプログラミングしたことを伝えたローウェルは、2台にドームでの作業を手伝わせる。

そして、デューイ、ヒューイとの共同生活を始めたローウェルは、気ままな日々を過ごす。

デューイとヒューイにゲームのプログラミングをしたローウェルは、カードを楽しむ。

その後、ドームの植物が枯れ始めてしまい、ローウェルは原因を調べるものの不明だった。

ドームを調べていたヒューイの元に向かおうとしたローウェルは、カートで彼と衝突してしまう。

ヒューイを修理したローウェルだったが、元通りに直すことはできなかった。

捜索していたバークシャーのアンダーソンからの連絡を受けたローウェルは、ドームを切り離すよう指示され、現在位置が暗黒空間だと知らされる。

植物が枯れた原因が太陽のせいだと気づいたローウェルは、ドームに複数のライトを設置して照らす。

その場をデューイに任せたローウェルは、ヒューイと共に船内にも戻る。

デューイが緑を守るよう願いながら、ローウェルはドームを切り離す。

バークシャーのドッキングが迫る中、爆破装置セットしたローウェルは、ヴァレー・フォージを爆発させる。

宇宙をさ迷うドームに残ったデューイは、生き返った植物に水を与えて生育を見守る。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
地球上の植物は絶滅し、土星に向かう3隻の宇宙船のドームで植物は育てられていた。
宇宙船”ヴァレー・フォージ”の植物学者フリーマン・ローウェルは、帰還することしか考えていない乗組員ウルフ、キーナン、バーカーと意見が合わない。
そんなローウェルらは、ドームを爆破して帰還するようにという命令を受ける。
植物存続に全てを懸けてきたためにショックを受けるローウェルだったが、ウルフ、キーナン、バーカーは帰還できることを喜び、爆破の準備を始める。
納得いかないローウェルは、ドームの爆破を阻止しようとするのだが・・・。
__________

2001年宇宙の旅」(1968)などの特撮を担当したダグラス・トランブルが製作を兼ねて監督した作品で、マイケル・チミノが脚本に加わっている。

ダグラス・トランブルは、その後、「スターウォーズ」(1977)のオファーを受けるものの参加できず、「未知との遭遇」(1977)、「スター・トレック」(1979)、「ブレードランナー」(1982)などで特撮を担当して、その分野の第一人者となった。

日本では1979年にテレビ放映され、1986年にミニシアターで公開されただけだった。

ダグラス・トランブルの、アイデアと技術力を駆使した未来の宇宙船内の映像などは、当時を考えると完成度は高く、その後のSF映画に影響を与えたと思われるシーンが随所で登場する。
特に、人間が中に入り演技するロボットの造形や動きなどは注目だ。

環境破壊などが問題になり始めていた時代、その世情をテーマにもしている内容や、地球の運命を不安視する主人公が苦悩しながら決断した悲しいクライマックスの中で、ロボットの手で植物が守られるという結末が、人類への警鐘のように描かれるラストも印象的だ。

主演のブルース・ダーンは、植物存続に全てを懸ける植物学者を個性派らしく熱演している。

主人公の気持ちを理解しない宇宙船乗組員のジェシー・ヴィントクリフ・ポッツロン・リフキン、ドローンのマーク・パーソンズ、シェリル・スパークス、スティーブ・ブラウン、ラリー・ウィセンハント、声の出演で司令官のロイ・エンゲル、宇宙船”バークシャー”の船長ジョセフ・キャンパネラなどが共演している。


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