コメディの帝王メル・ブルックス(監督、脚本)が、ハル・ローチのドタバタ喜劇やマック・セネット、バスター・キートンらのコメディをパロディでまとめた作品。 マーティ・フェルドマン、ドム・デルイーズ共演他、バート・レイノルズ、ジェームズ・カーン、ライザ・ミネリ、アン・バンクロフト、マルセル・マルソー、ポール・ニューマンなど本人役で出演。 |
・コメディ
■ スタッフ キャスト ■
監督:メル・ブルックス
製作:マイケル・ハーツバーグ
原作:ロン・クラーク
脚本
メル・ブルックス
ロン・クラーク
ルディ・デルカ
バリー・レヴィンソン
撮影:ポール・ローマン
編集
ジョン・C・ハワード
スタンフォード・C・アレン
音楽:ジョン・モリス
出演
メル・ブルックス:メル・ファン
マーティ・フェルドマン:マーティ・エッグス
ドム・デルイーズ:ドム・ベル
シド・シーザー:撮影所長
ハロルド・グールド:エンガルフ
バーナデット・ピータース:ヴィルマ・カプラン
ロン・ケアリー:デヴォア
バリー・レヴィンソン:重役
バート・レイノルズ:本人
ジェームズ・カーン:本人
ライザ・ミネリ:本人
アン・バンクロフト:本人
マルセル・マルソー:本人
ポール・ニューマン:本人
アメリカ 映画
配給 20世紀FOX
1976年製作 86分
公開
北米:1976年6月13日
日本:1977年2月
製作費 $4,400,000
北米興行収入 $36,145,700
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ハリウッド。
アルコールで身を滅ぼしかけている名監督メル・ファン(メル・ブルックス)は、マーティ・エッグス(マーティ・フェルドマン)、とドム・ベル(ドム・デルイーズ)を伴って”ビッグ・ピクチャーズ・スタジオ”へ向かう。
ヒット作がなく、危機に直面している所長(シド・シーザー)は、来月も業績不振の場合は、エンガルフ&デヴォア社から買収するとの通達を受ける。
メル・ファンは所長と面会して、”サイレント・ムービー”製作の企画を提案する。
それを聞いて呆れる所長に、メル・ファンは大スター総出演を約束し撮影の許可を得て、早速スターの出演交渉に向かう。
メル・ファンらは、自宅でくつろいでいたバート・レイノルズとトレーニング中のジェームズ・カーンから出演の承諾をもらう。 ニューヨーク。 エンガルフ&デヴォア社の動きを知った所長は、メル・ファンにさらにスターを集めることを指示する。 メル・ファンらは、新作撮影中のライザ・ミネリに接触しようと苦労するが、なんと彼女は自ら出演を希望する。 ナイトクラブの出演者に扮したメル・ファンらは、客として訪れていたアン・バンクロフトに、正体を見破られながら、その出演交渉にも成功する。 心労で入院してしまった所長を見舞ったメル・ファン達は、その場でマルセル・マルソーに電話して出演の依頼をするが、断られてしまう。 しかしメル・ファンらは、レースで怪我をして、その病院に入院していたポール・ニューマンがいることに気づく。 メル・ファンら三人は、電動車椅子に乗り、レースさながらポール・ニューマンを追いまわし、結局は彼も自分から出演を希望する。 ”サイレント・ムービー”の超豪華な顔ぶれに、危機感を感じたエンガルフは、有名ダンサーのヴィルマ・カプラン(バーナデット・ピータース)を使い、メル・ファンを色仕掛けで破滅させることを考える。 ヴィルマの魅力にとり憑かれてしまったメル・ファンは、映画のことを忘れて彼女との時を過ごし、やがて結婚まで考える。 しかしメル・ファンは、ヴィルマがエンガルフの手先だと知り、絶望して酒におぼれてしまう。 クランク・インを明日に控え、メル・ファンは行方をくらまして酒を呷る。 一方、メル・ファンを愛してしまったヴィルマは、罪の意識を感じてしまう。 ヴィルマは、エッグスやベルとメル・ファンを捜しだし、何十杯ものコーヒーを飲ませて酔いを醒ませる。 そして”サイレント・ムービー”は完成して、スニークプレビューとなるのだが、フィルムをエンガルフに盗まれてしまう。 メル・ファンらはフィルムを捜しに向かい、その間、ステージでヴィルマが時間を稼ぐ。 エンガルフは、フィルムを暖炉で燃やそうとするが、寸前でメル・ファンらはそれを奪い返す。 カーチェイスは夜まで続き、メル・ファンらはエンガルフを振り切り、エッグスの体にフィルムを巻きつけて、ようやく劇場に到着する。 そして、メル・ファンとヴィルマは結婚の約束をして、上映された映画は大喝采を受ける。
...全てを見る(結末あり)
一方、拝金主義者エンガルフ&デヴォア社のエンガルフ(ハロルド・グールド)とデヴォア(ロン・ケアリー)は、メル・ファンの新作の噂を聞き、ビッグ・ピクチャーズ乗っ取りを急ぎ、ハリウッドに向かう。
*(簡略ストー リー)
アルコールで身を滅ぼしかけた名監督のメル・ファンは、新企画”サイレント・ムービー”の脚本を持参しスタジオを訪れる。
所長は、今時サイレントが受けるわけがないと呆れるのだが、業績不振のスタジオは買収の危機にあった。
それを救うためにメル・ファンは、大スターを起用することで撮影の許可を得る。
メル・ファンは、悪戦苦闘の末、次々と名立たる大スター達と契約を結んでいく。
しかし、買収先のエンガルフは、色仕掛けでメル・ファンを破滅させることを考える・・・。
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自ら主演と脚本を兼ねた、監督メル・ブルックスの演出は、息つく間もないギャグの連続で大いに笑わせてくれる。
スターとの契約に奔走する凸凹トリオの、メル・ブルックス、マーティ・フェルドマン、ドム・デルイーズの三人は、文字通り何も語らずも、その雰囲気だけで可笑しくてたまらない!
シド・シーザー、ハロルド・グールド、ロン・ケアリーらの、芸達者な脇役がアクセントを加え、さらにはブロードウェイの大スター、バーナデット・ピータースのお色気が華を添える。
そして、当時一世を風靡していたハリウッドのスーパースター、バート・レイノルズ他、ジェームズ・カーン、ライザ・ミネリ、アン・バンクロフト、マルセル・マルソー、そしてポール・ニューマンら、超大物スターの出演には圧倒される。
脚本にも参加している、後に「レインマン」(1988)など、監督としても活躍するバリー・レヴィンソンも重役役で出演している。
この顔ぶれを見るだけで、メル・ブルックスの影響力の大きさが分かる。
実生活の夫婦メル・ブルックスとアン・バンクロフトは、仲良くダンスも披露してくれる。
また、”サイレント・ムービー”にも拘らず、パントマイムのマルセル・マルソーが、ただ一言だけセリフを発するというところが洒落ている。
当時、パラマウント映画が、巨大企業ガルフ+ウェスタンに買収されたことをパロディ化しているところも面白い。