問題を抱えるティーンエイジャーのケア施設の職員と子供たちの交流を描く、監督、脚本デスティン・ダニエル・クレットン、主演ブリー・ラーソン、ジョン・ギャラガーJr.、ケイトリン・ディーヴァー、ラミ・マレック、キース・スタンフィールド他共演のドラマ。 |
・ドラマ
・ブリー・ラーソン / Brie Larson / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督:デスティン・ダニエル・クレットン
製作
マレン・オルソン
アッシャー・ゴールドスタイン
ジョシュア・アストラカン
ロン・ネイジャー
製作総指揮
フレデリック・W・グリーン
ダグラス・R・ストーン
デヴィッド・カプラン
脚本:デスティン・ダニエル・クレットン
撮影:ブレット・ポウラク
編集:ナット・サンダーズ
音楽:ジョエル・P・ウェスト
出演
グレイス・ハワード:ブリー・ラーソン
メイソン:ジョン・ギャラガーJr.
ジェイデン・コール:ケイトリン・ディーヴァー
ネイト:ラミ・マレック
マーカス:キース・スタンフィールド
ルイス:ケヴィン・ヘルナンデス
ヘンドラー医師:メローラ・ウォルターズ
ジェシカ:ステファニー・ベアトリス
ケンドラ:リディア・デュ・ヴォー
サミー:アレックス・キャロウェイ
ジャック:フランツ・ターナー
ベス:ダイアナ=マリア・リーヴァ
アメリカ 映画
配給 Cinedigm
2013年製作 96分
公開
北米:2013年8月23日
日本:2014年11月15日
製作費 $1,000,000未満
北米興行収入 $1,013,100
世界 $1,645,160
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
問題を抱えるティーンエイジャーのためのグループホーム”ショート・ターム12”の若き責任者グレイス・ハワード(ブリー・ラーソン)は、恋人で同僚のメイソン(ジョン・ギャラガーJr.)やジェシカ(ステファニー・ベアトリス)と共に、新人のネイト(ラミ・マレック)を歓迎する。
新人時代に恥をかいた話をネイトにしていたメイソンは、施設から逃げ出したサミー(アレックス・キャロウェイ)を追う。
メイソンとグレイスはネイトと共にサミーを取り押さえ、落ち着かせて建物に戻る。
子供たちが原則、1年未満の滞在であることなどをネイトに話し資料を渡したグレイスは、ベッドから出ないルイス(ケヴィン・ヘルナンデス)を水鉄砲で脅して起こす。 その後、集会を始めたグレイスは、ケンドラ(ケヴィン・ヘルナンデス)に司会をさせる。 18歳になるマーカス(キース・スタンフィールド)が施設を出るために、パーティーを開くことを皆に伝えたグレイスは、彼に希望を訊く。 頭を剃りたいと言うマーカスに、自分がカミソリを持つ条件で許可を与えたグレイスは、ルイスからネイトのことを訊かれる。 皆に挨拶したネイトは、恵まれない子供達のために働き、大学を休校して経験を積みたいことを話す。 ”恵まれない子供”という言葉が気にいたないルーカスはネイトを罵倒し、グレイスに注意され、部屋に戻るよう指示される。 その後、所長のジャック(フランツ・ターナー)に呼ばれたグレイスは、触れるだけで灯りが点く新しいランプを試すようにと言われ、それに触れてみる。 ジャックから、新しく入所が決まったジェイデン・コール(ケイトリン・ディーヴァー)の話をされたグレイスは、父親は友人の知り合いで立派な人物だということを知る。 数年前に母親を亡くし、荒れて手がつけられなくなったジェイデンのことを任されたグレイスは、平日は施設で過ごし週末は家に戻ることを確認する。 自傷行為の経験もあるジェイデンに会い、所持品のチェックをしたグレイスは、反抗的な態度の彼女を部屋に案内する。 ジェイデンのメモ帳を見たグレイスは、彼女に絵の才能があることを知る。 仕事を終えたグレイスはクリニックに向かい、看護師のベス(ダイアナ=マリア・リーヴァ)から妊娠したことを知らされ、中絶の予約をする。 ベスから、初めての妊娠か訊かれたグレイスは、前にも一度と答える。 アパートに戻ったグレイスは、同棲しているメイソンに妊娠のことは話さなかった。 食事を済ませた二人は互いの似顔絵を描いて楽しみ、グレイスは優しいメイソンにキスする。 9日以上も愛し合おうとしない理由を訊かれたグレイスは答えようとせず、メイソンを求めるものの、結局は拒み彼を殴ってしまう。 翌日、朝の集会で皆にジェイデンを紹介したグレイスは、彼女に自己紹介させる。 ジェイデンは、直ぐに父親と暮らすので、仲良くなる意味はないと皆に伝える。 子供たちを外で遊ばせたグレイスは、各部屋のチェックを始める。 ルーカスの部屋で、彼が可愛がっている金魚のナズに声をかけたグレイスは、ベッドのマットレスに隠してあったマリファナを見つける。 子供たちは野球をして楽しむが、ルイスと仲が悪いマーカスは、彼をバットで殴ってしまう。 それを制止したグレイスはマーカスと話し、マリファナを見せて、1週間で出られるのに拘置所送りになると伝える。 どうなってもいいと言うマーカスに、自分の父も10年刑務所にいると話したグレイスは、そんな人生はよくないと伝える。 マーカスが荒れている理由をグレイスに尋ねたメイソンは、出るのが不安なのだろうと言われ、彼と話をする。 歌詞を書いていたマーカスは、メイソンからその内容を訊かれ、彼のドラムに合わせて歌い、母親に対する怒りを訴える。 ジェイデンと話したグレイスは、一緒に絵を描き打ち解ける。 マーカスの希望で彼の髪を刈ったグレイスとメイソンは、母親に殴られた痕を隠すために、髪を伸ばしていたことを知る。 傷はないと言われたマーカスは、それを確認して涙し、メイソンは彼を抱きしめる。 その夜、ベッドに入ったグレイスは、子供ができたことをメイソンに伝える。 感激したメイソンは、最高の親になれるとグレイスに伝えて愛を確かめる。 翌日、グレイスは、ジェイデンの誕生日のためにブレスレットを作る。 施設に向かったグレイスは、ジェシカから、手放す訓練だと言うセラピストが、サミーが大切にしていた人形を全部、取り上げたことを知る。 ベッドに横たわり起きようとしないサミーの元に向かったグレイスは、彼を気遣う。 ジェイデンに誕生日のプレゼントを渡したグレイスは、メイソンが焼いたカップケーキも渡し、父親が迎えに来ることを確認する。 父親を待つジェイデンは動揺し、親指で手を傷つける。 その後グレイスらは、父親が迎えに来ないために部屋に閉じこもったジェイデンの元に向かう。 部屋に押し入ったグレイスは、メイソンとネイトと共に、取り乱すジェイデンを落ち着かせる。 マーカスは、ジェイデンのために誕生日の贈り物を皆に作らせようとする。 ジェイデンに自分の自傷行為の痕を見せたグレイスは、傷つけた理由を訊かれ、母が亡くなり父親と暮らすことになり、出血している間は嫌なことも忘れられたと話す。 部屋に戻ったジェイデンは、皆からの誕生日のメッセージを見ながら涙する。 その後ジェイデンは、皆に誕生日を祝ってもらう。 しかし、ジェイデンは施設から逃げ出してしまい、それを追ったグレイスは、彼女について行き父親の家に着く。 ジェイデンは、裏口のマットの下に隠してあった鍵で家に入り、グレイスはメイソンに電話をして状況を知らせる。 外で待っていたグレイスは、留守だった家から出てきたジェイデンが施設に戻りたい様子だったために、メイソンを呼ぶ。 部屋に戻ったジェイデンは、作った物語をグレイスに聞いてもらう。 タコとサメの友情の物語を語るジェイデンが、父親から虐待を受けたことを知ったグレイスは、涙する彼女を抱きしめる。 その件を報告書に書き所長室のポストに入れたグレイスは、帰りの車の中で、ジェイデンは家に帰せないとメイソンに伝える。 メイソンの養父母の結婚30周年パーティーに出席したグレイスは、楽しい時間を過ごす。 家族の前でスピーチしたメイソンは、自分を育ててくれた両親に感謝し、二人を祝福する。 その場でメイソンから結婚しようと言われたグレイスは、嬉しく思う。 翌朝、電話に出たメイソンは、それを気にするグレイスに、仮釈放となった父親が、来月、出所することを知らされて動揺する。 施設に向かったグレイスは、メイソンと話し合おうとせず、ジェシカから、マーカスの金魚が死んだことを知らされる。 マーカスがルイスがやったと思っているため、それを確かめたグレイスだったが、ルイスは知らないということだった。 マーカスの様子を見に行ったグレイスは、ルイスではないと伝える。 どうでもいいと言うマーカスは、独りにしてほしいとグレイスに伝える。 ジェイデンがいないことに気づいたグレイスは、ジェシカから、昨夜、週末を一緒に過ごすために父親が来たことを知らされる。 許可したジャックの元に向かい、ジェイデンを帰したことを非難したグレイスは、報告書は読んだものの、ソーシャルワーカーが虐待はなかったとことを確認したと言う彼に抗議する。 ジェイデンは常に父親の陰に怯えていると、興奮して話すグレイスを落ち着かせたジャックは、本人が虐待を認めなければどうすることもできないと伝える。 気持ちは分かると言われたグレイスは、ジャックが話を終わらせたために憤慨し、彼のランプを外に持ち出して壊してしまう。 掃除をしていたネイトはサミーの人形を見つけて、彼の部屋に向かいそれを渡す。 マーカスが部屋にいないことに気づいたグレイスは、ルイスの部屋の前で、血だらけのガラスの破片を握る彼が倒れていることを知る。 ルイスの無事を確認したグレイスは、マーカスが自分の腕を切ったことに気づき、メイソンらを呼ぶ。 メイソンと共に病院でマーカスの様態を気にするグレイスは、一旦、外に出る。 苦しむグレイスが何を考えているのか知りたいメイソンだったが、無理だとしか言わない彼女の気持ちが理解できない。 結婚できないし子供も産めないと言うグレイスが、中絶の予約をしてあることを知ったメイソンは、彼女を見限りその場を去る。 自転車でジェイデンの家に向かったグレイスは、裏口から家に侵入し、その場にあったバットを持って、眠っている父親の元に向かう。 現れたジェイデンから声をかけられたグレイスは、外に出て彼女と話す。 同じくらいの年に、法廷で父親から受けた虐待の証言をしたと話すグレイスは、妊娠させられたことをジェイデンに伝える。 父は刑務所には行ったが、あなたに会うまで誰にも話さなかったと言うグレイスは、お腹に子供がいるのに、どうすればいいのか分からないと伝える。 助けたかったと言うグレイスは、ジェイデンから、ベルトでぶたれたわき腹の傷を見せられ、何とかしなければならないと考える。 バットを握ったジェイデンは、父の車の窓を叩き割る。 ジェイデンからバットを渡されたグレイスは、車のボンネットに上りフロントガラスを殴って割る。 その場から逃げたグレイスとジェイデンは、自転車で施設に戻る。 色々、質問されるジェイデンを心配するグレイスは、いい母親になれると言われ、ジャックとセラピストと話す彼女の様子を見守る。 帰宅したグレイスは、ソファで眠っていたメイソンに謝罪し、許してくれた彼に寄り添う。 マーカスは元気になると言われたグレイスは、自分も同じだとメイソンに伝える。 その後、ヘンドラー医師(メローラ・ウォルターズ)のセラピーを受けたグレイスは、1週間後に出所する父のことを訊かれる。 メイソンと共にクリニックに向かったグレイスは、超音波で子供を確認し、感激して涙する。 その後、施設では平穏な日々が続き、仕事の前に、メイソンはいつものようにグレイスとネイトそしてジェシカと話をする。 3年前に、ライザ・グリーンという17歳の可愛い子が施設にいたのだが、マーカスが彼女を口説くもののフラれてしまい、その後からかわれたことをメイソンは話す。 それには続きがあり、今朝グレースと行ったカフェにマーカスがいたと言うメイソンは、水族館で働いている彼が来季から学校にも通うらしいと話す。 そこになんとライザが現れたと言うメイソンとグレイスは、マーカスが彼女とデートしていることを知り、最高の気分だったとネイトとジェシカに伝える。 その時、星条旗をマントにしたサミーが施設から飛び出し、グレイスらは彼を追う。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
問題を抱えるティーンエイジャーのためのグループホーム”ショート・ターム12”の若き現場責任者グレイス・ハワードは、恋人で同僚のメイソンとジェシカ、そして新人のネイトと共に忙しい日々を送っていた。
妊娠したことを知ったグレイスは、中絶の予約をして、そのことはメイソンには話さなかった。
自傷行為他、問題を抱える少女ジェイデンが入所し、グレイスは、心を開かない彼女に自分の暗い過去をだぶらせながら接するのたが・・・。
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デスティン・ダニエル・クレットン自身がティーンエイジャーのためのグループ施設のスタッフだった経験を基に2009年に発表した短編映画”Short Term 12”を、彼自ら脚本を担当し監督した長編映画。
家族から受ける虐待など様々な問題を抱える子供たちと、彼らを預かる施設職員との交流を描くドラマ。
主演のブリー・ラーソンとジョン・ギャラガーJr.は、役作りのためにドラマと同様の施設での業務を体験した。
また、キース・スタンフィールドは2009年の短編作品にも出演している。
自身の体験を生かし、子供たちのケアを淡々と続ける平凡な職員の日常をリアリズム溢れる映像で映し出すデスティン・ダニエル・クレットンの演出と、施設の現場責任者を演ずるブリー・ラーソンの演技は各方面で絶賛された。
舞台となった施設は、様々な問題を抱える大国アメリカを象徴している存在であり、星条旗をマントにして逃げ出そうとする少年を追う職員の姿に希望を感じるラストが素晴らしい。
主演のブリー・ラーソンは、子供時代に受けた父親からの虐待という辛い過去を背負いながら、問題を抱える子供たちのために親身になり世話をする施設職員を見事に演じている。
主人公の恋人である同僚のジョン・ギャラガーJr.、主人公と親交を深める父親に虐待されている少女ケイトリン・ディーヴァー、新人の職員を地味ではあるが印象的に演ずるラミ・マレック、母親に虐待されていた心を閉ざす少年キース・スタンフィールド、彼と仲が悪い少年ケヴィン・ヘルナンデス、主人公の同僚ステファニー・ベアトリス、施設に収容されている少女リディア・デュ・ヴォー、冒頭とラストで施設から逃げ出す自閉症の少年アレックス・キャロウェイ、施設の所長フランツ・ターナー、主人公に妊娠を伝える看護師ダイアナ=マリア・リーヴァ、主人公にセラピーをする精神科医メローラ・ウォルターズなどが共演している。