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戦争を否定する牧場主が時代の流れに巻き込まれながら家族のために戦う姿を描く、監督アンドリュー・V・マクラグレン、主演ジェームズ・ステュアート、ダグ・マクルーア、パトリック・ウェイン、キャサリン・ロス、ジョージ・ケネディ他共演のドラマ。 |
・ドラマ
・ジェームズ・スチュアート / James Stewart / Pinterest
■ スタッフ キャスト ■
監督：アンドリュー・V・マクラグレン
製作：ロバート・アーサー
脚本：ジェームズ・リー・バレット
撮影：ウィリアム・H・クローシア
編集：オットー・ロヴァリング
音楽：フランク・スキナー
出演
チャーリー・アンダーソン：ジェームズ・ステュアート
サム：ダグ・マクルーア
ジェイコブ・アンダーソン：グレン・コーベット
ジェームズ・アンダーソン：パトリック・ウェイン
ジェニー・アンダーソン：ローズマリー・フォーサイス
ボーイ・アンダーソン：フィリップ・アルフォード
アン・アンダーソン：キャサリン・ロス
ネイサン・アンダーソン：チャールズ・ロビンソン
ジョン・アンダーソン：ジム・マクマラン
ヘンリー・アンダーソン：ティム・マッキンタイア
ビョーリング牧師：デンヴァー・パイル
フェアチャイルド大佐：ジョージ・ケネディ
トム・ウィザースプーン医師：ポール・フィックス
ジョンソン少尉：トム・シムコックス
機関士：ストローザー・マーティン
カーター：ジェームズ・ベスト
南軍兵：ハリー・ケリーJr.
北軍軍曹：エドワード・フォークナー
ガブリエル：ジーン・ジャクソン
アメリカ 映画
配給 ユニバーサル・ピクチャーズ
1965年製作 105分
公開
北米：1965年6月3日
日本：1965年6月29日
北米興行収入 $17,268,890
■ アカデミー賞 ■
第38回アカデミー賞
・ノミネート
録音賞
＊詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
1864年、バージニア州、南北戦争の最中。
農場主のチャーリー・アンダーソン(ジェームズ・ステュアート)は、妻を亡くし、7人の子供と義理の娘と共に暮らしていた。
チャーリーは、厳しくも愛情を注ぎながら子供達を育てていたが、戦争を否定し続ける彼に、長男のジェイコブ(グレン・コーベット)は、それを無視できない時期にきたと意見する。
食事をしながらの会話で、チャーリーは、息子達が戦争や奴隷制に考えを持っていることを確認する。
チャーリーは、娘のジェニー(ダグ・マクルーア)に心を寄せるサム(ダグ・マクルーア)を見て、南軍兵として出征するのを前に、彼女が嫁ぐ日も近いことを、末息子のボーイ(フィリップ・アルフォード)に伝える。
ある日、農場に現れた南軍のジョンソン少尉(トム・シムコックス)らに水を与えたチャーリーは、息子達を戦場に行かせるべきだと言われる。
チャーリーは6人の息子達を集めて、ジョンソンに、彼らと直接話をするように伝える。
広大で肥沃な農場を持ち、奴隷もいない現状で仕事は有り余るほどあり、理解できないバカげた戦争に息子達を向かわせる気のないチャーリーは、軍服を着たいというなら止めないと言い、それを彼らに問う。
息子達の考えを知ったジョンソンは諦め、敵が迫っていることをチャーリーに伝えてその場を去る。 その直後に、ジョンソンらは北軍に殺され、チャーリーはそれを知しり、自分達に及ぶ危険を考える。 ある夜、ジェニーと共に現れたサムは、チャーリーに彼女との結婚の許しを求める。 チャーリーは、緊張するサムを観察しながら、自分の体験などを短く話し結婚を認める。 ジェニーは、サムが興奮して帰っていく様子を見て、結婚を許可されたことを知り、次男ジェームズ(パトリック・ウェイン)の妻アン(キャサリン・ロス)と共に幸せを分かち合う。 数日後、北軍の購買担当者が、チャーリーの馬を買い取るために現れる。 しかし、チャーリーはそれを断り、息子や娘達と共に殴り合いになりながら彼らを追い払う。 その後、チャーリーは結婚した妻の気持ちをサムに、アンはジェームズを例にとり夫の考えをジェニーに伝えるが、二人はそれが理解できない。 結婚式当日、ビョーリング牧師(デンヴァー・パイル)の誓いの言葉で、サムとジェニーは結ばれようとしていた。 二人は夫婦となるが、サムは、北軍が迫ったため部隊に至急戻ることになる。 サムは、悲しむジェニーとチャーリーに別れを告げて旅立っていく。 産気づいたアンは女の子を生み、トム・ウィザースプーン医師(ポール・フィックス)によって、それがチャーリーらに知らされ、新しい家族の誕生を祝福する。 チャーリーは、帰ろうとするウィザースプーンに戦況を尋ねるが、戦争で息子達を失った彼は、それを伝えることしかできなかった。 数日後、川で拾った南軍の軍帽を被ったまま、北軍に遭遇したボーイは、軍曹(エドワード・フォークナー)らに捕虜として捕えられる。 一緒にいた奴隷の少年ガブリエル(ジーン・ジャクソン)から、それを知らされたチャーリーは、否定していた戦争に関わることになる。 ジェニーは、解放されて自由の身だとガブリエルに伝え彼はその場を去って行く。 妻の命と引き換えに生まれたボーイを連れ戻すために、ジェームズを残し、チャーリーは息子達と共に旅立とうとする。 ジェニーが同行しようとすることを知ったチャーリーは、それに反対するものの、乗馬や射撃に自信のある彼女が、諦めるはずもないことを悟っていた。 北軍野営地に着いたチャーリーは、指揮官フェアチャイルド大佐(ジョージ・ケネディ)に会い、彼の部下がボーイを捕えたのではないことが分かる。 フェアチャイルドは、ボーイが見つかる可能性が低いことを伝えながらも、その逮捕が誤りだったことを証明するメモをチャーリーに渡す。 その場から汽車で移送される、多くの捕虜が向かう場所で、チェックを申し出たチャーリーだったが、現場の責任者にそれを拒否される。 チャーリーは、先回りして汽車を止め、兵士に銃を向けて武器を奪い追い払う。 機関士(ストローザー・マーティン)に、空にした汽車は燃やすことを伝えたチャーリーは捕虜を解放する。 ボーイは見つからなかったが、その中にいたサムはジェニーに再会する。 チャーリーは、サムに汽車を燃やすかを決めさせて、彼はそれを捕虜達に実行するよう命じ、戦争に負けたことを認めて、家に帰るよう部下らに伝えて、一行はその場を去る。 そん頃ボーイは、シェナンドー河の汽船で移送されるために拘束されていたが、脱出することを考える。 その後、ある空き家にたどり着いたチャーリーは息子達を休ませて、サムとジェニーに新婚気分を味あわせようと部屋を用意する。 ボーイは、南軍兵のカーター(ジェームズ・ベスト)や兵士(ハリー・ケリーJr.)と共に汽船に乗せられるが、見張りに襲いかかりその場から脱出する。 味方の野営地に着いたボーイらは、現れた敵と交戦になり、人を撃ったこともない彼は勇敢に戦う。 カーターは銃弾に倒れ、ボーイも殺されそうになるが、彼を救ったのは、解放され北軍兵となった、仲のよかった奴隷の少年ガブリエルだった。 牧場を守っていたジェームズは、脱走兵ミュール(ケヴィン・ヘイゲン)らに殺され、彼らはアンにも襲いかかる。 ボーイが見つからないことを覚悟しながらも、できるだけのことをする義務感で行動していたチャーリーは、家に戻ることを決心する。 ところがその途中、居眠りをしていた南軍の少年兵が、敵と間違えてチャーリーらに発砲し、ジェイコブが射殺されてしまう。 チャーリーは兵士をなぐり殺そうとするが、彼を見てボーイを想い、16歳だと知り思い止まる。 生きて帰り結婚して多くの子供を作り、親の気持ちを理解した時に、自分を想い出せと少年兵に伝えたチャーリーは彼を許す。 ジェイコブの遺体を運び農場に戻ったチャーリーは、様子がおかしいことに気づく。 家の中から現れた医師ウィザースプーンは、子供は無事だが、ジェームズとアンが襲われて亡くなったことをチャーリーに知らせる。 愕然とするチャーリーは、女性に世話をされていた孫娘を抱きしめる。 家族の減った食事の席を立ったチャーリーは、妻の墓に向かう。 横に眠るジェイコブ、ジェームズ、そしてアンについてを語ったチャーリーは、妻がいてくれれば、こんなにも辛い思いはしなかったかもしれないと語る。 日曜日、気を取り戻したチャーリーは、以前のように教会のミサに向かう。 そこに負傷したボーイが戻り、それに気づいたチャーリーは息子を抱きしめる。 そしてチャーリーらは、ビョーリング牧師や人々と共に、讃美歌を歌い神に感謝する。
...全てを見る（結末あり）
＊(簡略ストー リー)
1864年、南北戦争の最中。
牧場主のチャーリー・アンダーソンは、妻を亡くし、７人の子供達と次男の妻と共に暮らしていた。
厳しくも愛情深く子供達を育てたチャーリーは、戦争や奴隷制に反対していた。
娘のジェニーが、南軍兵として出征することになるサムと結婚し、チャーリーは、家族と共にそれを祝福する。
サムは、結婚式の直後に戦場に向かい、娘ジェニーの気持ちをチャーリーは察する。
次男に娘が生まれて喜ぶチャーリーだったが、そんな時、末息子のボーイが、南軍の軍帽を被っていたために、兵士と間違われて北軍の捕虜となってしまう。
チャーリーは、次男夫婦を残してボーイの捜索に向かうことを決意し、否定し続けていた戦争に関わることになってしまう・・・。
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一般的には、西部劇に分類する向きのある作品だが、内容を見れば明らかで、家族の在り方や、戦争の空虚さなどを伝える、紛れもないヒューマン・ドラマである。
第38回アカデミー賞では、録音賞にノミネートされた。
邦題は「シェナンドー河」となっているが、河が重要な要素となるわけでもなく、舞台となる”シェナンドー・バレー”とした方が良かったと思うのだが・・・。
それはともかく、ジョン・フォードの秘蔵っ子であるアンドリュー・V・マクラグレンの演出は、厳格な家長を中心とした大家族の描き方などフォード・タッチそのものだ。
私のようなジョン・フォードファンは、”フォード一家”及びジョン・ウェイン作品の常連が顔を揃えた作品というだけで涙ものの作品だ。
一家の家長を演ずるジェームズ・ステュアートは、まだ５０代ではあるが、この頃から急激に老け込んでしまう。
しかし、孫も生まれる世代の人物を、抜群の存在感で好演している。
頑固でもあり、他を寄せ付けない雰囲気の役柄は、A・V・マクラグレン作品であるために、ジョン・ウェインが演じても面白かったとも思うが、彼とはまた違う味を出して演じ切るところはさすがだ。
南軍兵として出征する娘婿ダグ・マクルーア、その妻で主人公の娘を、デビュー作でありながら印象深く演じている、美しいローズマリー・フォーサイス、長男グレン・コーベット、次男パトリック・ウェイン、その妻キャサリン・ロス、末息子フィリップ・アルフォード、息子チャールズ・ロビンソン、ジム・マクマラン、ティム・マッキンタイア、牧師のデンヴァー・パイル、北軍大佐ジョージ・ケネディ、”フォード一家”である医師ポール・フィックス、機関士ストローザー・マーティン、南軍兵ハリー・ケリーJr.、北軍軍曹エドワード・フォークナー、南軍士官トム・シムコックス、南軍兵ジェームズ・ベスト、黒人少年のジーン・ジャクソンなどが共演している。