ジャーナリストのスティーブン・グラスが雑誌”ニュー・リパブリック”の記者として多くを捏造した事件を描く、製作トム・クルーズ、監督、脚本ビリー・レイ、主演ヘイデン・クリステンセン、ピーター・サースガード、クロエ・セヴィニー、スティーヴ・ザーン、ロザリオ・ドーソン、ハンク・アザリア他共演のドラマ。 |
・ドラマ
■ スタッフ キャスト ■
監督:ビリー・レイ
製作総指揮
マイケル・パサーネク
トム・オーテンバーグ
トム・クルーズ
ポーラ・ワグナー
製作
クレイグ・バウムガーデン
アダム・メリムズ
ゲイ・ヒルシュ
トーヴ・クリステンセン
原案:バズ・ビッシンジャー
脚本:ビリー・レイ
撮影:マンディ・ウォーカー
編集:ジェフリー・フォード
音楽:マイケル・ダナ
出演
スティーブン・グラス:ヘイデン・クリステンセン
チャールズ“チャック”レーン:ピーター・サースガード
ケイトリン・アヴィー:クロエ・セヴィニー
アダム・ペネンバーグ:スティーヴ・ザーン
アンディ・フォックス:ロザリオ・ドーソン
エイミー・ブランド:メラニー・リンスキー
マイケル・ケリー:ハンク・アザリア
マーティ・ペレツ:テッド・コチェフ
ルイス・エストリッジ:マーク・ブルーム
カタリーナ・バニア:シモーヌ=エリーズ・ジラール
デイヴィッド・バック:チャド・ドネーラ
アーロン・ブルース:ジェイミー・エルマン
ロブ・グルーエン:ルーク・カービー
デューク:キャロライン・グッドール
アメリカ 映画
配給 ライオンズゲート
2003年製作 94分
公開
北米:2003年10月31日
日本:2004年12月4日
製作費 $6,000,000
北米興行収入 $2,207,980
世界 $2,944,750
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ワシントンD.C.。
雑誌”ニュー・リパブリック”の若き共同編集者スティーブン・グラス(ヘイデン・クリステンセン)は、他社からも記事の投稿を依頼されるほど、高い評価を受ける優秀な記者だった。
母校の高校の恩師デューク(キャロライン・グッドール)の誘いで、授業に呼ばれたグラスは、取材における不正についてなどを語り始める。
1997年。
保守政治活動会議のためオムニ・ショアハム・ホテルに集まった若者達を取材したグラスの記事が少々問題となり、彼は、編集長マイケル・ケリー(ハンク・アザリア)に、それについて解答を求められる。
グラスが事実と違うことがあったと認めたため、ケリーはそれ以上の追及はせずに彼を帰し、ホテルにその件を確認する。 1998年4月。 グラスをはじめ、スタッフのケイトリン・アヴィー(クロエ・セヴィニー)、エイミー・ブランド(メラニー・リンスキー)、ルイス・エストリッジ(マーク・ブルーム)らは、信頼の厚いケリーが去ることに一同ショックを受け、未熟なレーンに不安を抱く。 5月6日水曜日。 ニューヨーク。 しかし、調査したペネンバーグは、記事にある企業や少年の存在などを疑う。 ペネンバーグはグラスに電話を入れ、少年の連絡先を聞きたいと言って彼を牽制する。 その後、ペネンバーグの同僚アンディ・フォックス(ロザリオ・ドーソン)も、彼と同様にグラスの記事に不信感を抱く。 レーンに記事の資料を求められたグラスは、彼にそれを渡し、企業の電話番号はペネンバーグに知らされる。 早速、電話を掛けたペネンバーグは、大企業にも拘わらず、回線が1本しかないことに気づく。 帰宅したレーンは、企業の会長から連絡を受け、グラスには迷惑していると言われて、これ以上の取材を断られる。 グラスは、自宅の電話番号を教えてしまったことをレーンに謝罪するが、彼は腑に落ちないことが気になる。 5月8日金曜日。 疑う余地のないグラスの言動に対し、レーンの心配は現実となる。 追い詰められたグラスは、自分が騙されたと言ってそれを訴える。 その後グラスは、擁護してくれなかったレーンに対しての愚痴を同僚達にこぼす。 ”フォーブス・デジタル・ツール”側に連絡を入れたレーンは、記事にしないことで内々で処理することを提案する。 しかし、相手が専門分野であることからそれは受け入れられず、徹底的に調査するよう指示される。 少年のエージェントが置いて行ったという、手作りの名刺にも疑問を抱いていたレーンは、グラスと共にメリーランド州ベセスタの会合が開かれた場所に向かう。 少年と母親、そしてエージェントが企業側と会った場所に案内されたレーンは、ハッカーの集会があったという場所も確かめる。 その場所に、200人ものハッカーが集まったことが信じられないレーンは、集会が開かれたという日曜日は、その場が閉鎖されることを係員から知らされる。 その他の話も、全て辻褄の合わないグラスは明らかに動揺し、既に彼を信用する気のないレーンは、帰り道で口をきこうともしない。 レーンに車を止めるように指示されたグラスは、重圧により混乱し、記事を創作した部分があることを告白する。 社に戻り、ベテラン記者のエストリッジに意見を求めたレーンは、事を焦ると、廃刊になる恐れまでも指摘されて、グラスを停職にして様子を見ることを提案される。 アヴィーは、憔悴しきっているグラスを擁護するが、レーンは、彼がジャーナリストとして犯してはいけないことをしたことを伝える。 レーンに停職処分を言い渡されたグラスは、ケリーの元に向かうが、彼から、自分がいた時の記事は真実だったのかを問われる。 パロアトロにグラスの弟がいることを知ったレーンは、それが企業の電話番号の場所と一致するため、会長を弟に演じさせたことを彼に追求する。 グラスは、尚も企業やその人物は実在すると言い張るが、もはや何も信じられないレーンは、彼をオフィスから追い出す。 レーンは、グラスの過去の記事を読み返し、捏造であったことを確信する。 戻って来たグラスは、企業の会長に扮したのは弟だと認めるが、姿を消した彼とは何度か会ったと語る。 レーンはグラスに解雇することを伝え、助けを求める彼を突き放す。 様子の可笑しいグラスを見たアヴィーは、レーンに何をしたのかを追求する。 レーンは、停職ではなくグラスを解雇したことをアヴィーに伝え、記事を捏造した彼のしたことを、スタッフ全員で検証する責任があると告げる。 更にレーンは、グラスの創作を世に送り出したケリーについても言及し、単に内容に面白味があるからと考え、記事をだした自分達が、どれだけ責任を問われるかをアヴィーに伝えてその場を去る。 5月11日月曜日。 レーンは、読者に対しての謝罪メッセージに、スタッフ全員がサインしたことを知り彼らに感謝する。 恩師デュークに、もう少しレベルを落とした記事を書いて欲しいとジョークを言われたグラスは、生徒達から拍手を受けるが、目の前には誰もいない教室に、彼は一人たたずんでいた。 その後、弁護士を伴ったグラスと、協議をすることになったレーンは、記事を調べた結果、疑いのあるタイトルを読み上げ、それを彼が否定するかを確認する。 1998年5月10日。 ”ニュー・リパブリック”は、スティーブン・グラスの記事41中27が捏造であることを発表して謝罪した。 マイケル・ケリーは、”アトランティック・マンスリー”(現在のアトランティック)の編集員となり、2003年4月、”イラクの自由作戦”の取材中に死亡する。 スティーブン・グラスは、ジョージタウン大学ローセンターを卒業し、ニューヨークに住んでいる。 2003年5月、グラスは、処女作”The Fabulist”を発表する。 チャールズ“チャック”レーンは、ワシントン・ポストで記事を書いている。
...全てを見る(結末あり)
”ニュー・リパブリック”の出版者マーティ・ペレツ(テッド・コチェフ)は、ケリーと度々衝突していたが、彼をクビにして、後任の編集長にチャールズ“チャック”レーン(ピーター・サースガード)を任命する。
グラスは、少年ハッカーがある大手コンピュータ企業を脅し、報酬を得たという記事を発表する。
インターネットマガジン、”フォーブス・デジタル・ツール”の記者アダム・ペネンバーグ(スティーヴ・ザーン)は、自分達出し抜き、特ダネを記事にされたことを上司に追及される。
”フォーブス・デジタル・ツール”のペネンバーグらとの電話会議が始り、レーンと共に対応したグラスは、企業のサイトなどをチェックさせるが、どう見ても捏造してあるとしか言えない程度のものだった。
ペレツはスタッフを集め、覚悟を決めたレーンも出社してミーティングに向かう。
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アダム・ペネンバーグの記事がネット上に掲載され、ネット・ジャーナリズムの影響力が広まる。
*(簡略ストー リー)
1998年、ワシントンD.C.。
雑誌”ニュー・リパブリック”の若手のエリート記者スティーブン・グラスは、あるハッカー少年が、企業を脅したという記事を掲載する。
それを知ったインターネットマガジン”フォーブス・デジタル・ツール”の記者ペネンバーグは、記事に登場する企業や少年の存在を疑い始める。
両社の検証が始り、出版者ペレツと対立し解雇された、信頼の厚かった前編集長ケリーの後任レーンも、グラスの言動に不信感を抱く。
騙されたと言い張るグラスは、自分を擁護してくれる同僚らに励まされる。
しかしレーンは、ジャーナリストとして犯してはならないことをした可能性のあるグラスを、徹底調査することを決める・・・。
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1998年9月、”ヴァニティ・フェア”に掲載されたバズ・ビッシンジャーの記事を基に製作された作品。
トム・クルーズとポーラ・ワグナーのプロダクション”クルーズ/ワグナー”の製作作品であり、話題になった事件を題材に、キャストもなかなか魅力的で見応えある作品。
それにしても、ジャーナリズムのあり方を深く考えさせられる社会派ドラマと言える作品に対して、まるでコメディのような邦題とは・・・?
原題”Shattered Glass”は、”粉々に砕けたガラス”と主人公の名前”Glass”をかけた、なかなか気の利いたタイトルなのだが・・・。
物語の中で詳細に説明されるが、一つの記事が掲載されるまでの、その厳しいチェック体制、それがありながら、子供でも分かりそうな捏造記事が、どうして世に出てしまったのかが不思議でならない。
面白味のある内容も、作り話ならまだ納得いくが、今一プロ集団の仕事とは思えない。
前年の「スター・ウォーズ/E2」(2002)で、大役”アナキン・スカイウォーカー”を演じ、注目されていたヘイデン・クリステンセンが、期待に応えて主人公スティーブン・グラスを熱演している。
キャリア・ベストと言っていいほどの好演を見せる、チャールズ“チャック”レーン役のピーター・サースガードは、各方面で絶賛された。
主人公を擁護する同僚クロエ・セヴィニー、メラニー・リンスキー、インターネットマガジンの記者アダム・ペネンバーグのスティーヴ・ザーン、同僚ロザリオ・ドーソン、主人公の上司で前編集長のマイケル・ケリー役ハンク・アザリア、出版者マーティ・ペレツ役の、映画監督でもあるテッド・コチェフ、主人公の同僚マーク・ブルーム、チャド・ドネーラ、チャド・ドネーラ、ジェイミー・エルマン、ルーク・カービー、レーン(P・サースガード)の妻シモーヌ=エリーズ・ジラール、主人公の恩師キャロライン・グッドールなどが共演し、カナダ人のヘイデン・クリステンセンの実兄トーヴ・クリステンセンが製作に参加しているためか、同国の俳優を多く起用している。