1996年に公開された日本映画「Shall we ダンス?」のハリウッド版リメイク。 何不自由ない生活の中で空虚さを感じ始めた男性がダンスを通して新たな幸福を掴むまでを描く、主演リチャード・ギア、ジェニファー・ロペス、スーザン・サランドン、スタンリー・トゥッチ他共演、監督ピーター・チェルソムによるコメディ・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ピーター・チェルソム
製作:サイモン・フィールズ
製作総指揮
ボブ・ワインスタイン
ハーヴェイ・ワインスタイン
ジュリー・ゴールドステイン
ボブ・オシャー
マリ・スナイダー・ジョンソン
脚本:オードリー・ウェルズ
原作:周防正行
撮影:ジョン・デ・ボーマン
編集
ロバート・レイトン
チャールズ・アイルランド
音楽
ジョン・アルトマン
ガブリエル・ヤレド
出演
ジョン・クラーク:リチャード・ギア
ポリーナ:ジェニファー・ロペス
ビヴァリー・クラーク:スーザン・サランドン
リンク・ピータースン:スタンリー・トゥッチ
ボビー:リサ・アン・ウォルター
ミス・ミッツィ:アニタ・ジレット
チック:ボビー・カナヴェイル
ヴァーン:オマー・ベンソン・ミラー
ディヴァイン:リチャード・ジェンキンス
ジェナ・クラーク:タマラ・ホープ
エヴァン・クラーク:スターク・サンズ
スコット:ニック・キャノン
アメリカ 映画
配給 ミラマックス
2004年製作 106分
公開
北米:2004年10月15日
日本:2005年4月23日
製作費 $50,000,000
北米興行収入 $57,890,460
世界 $170,128,460
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
シカゴ。
遺言書の作成専門の弁護士ジョン・クラーク(リチャード・ギア)は、妻ビヴァリー(スーザン・サランドン)と息子エヴァン(スターク・サンズ)、娘ジェナ(タマラ・ホープ)と共に幸せな日々を送っていた。
しかしジョンは、心の奥底でなぜか空虚さを感じていた。
そんなある日、電車で帰宅途中のジョンは、”ミス・ミッツィ・ダンス・スクール”の窓際にたたずむ女性(ジェニファー・ロペス)が目につき気になる。
翌日も同じ女性に気づき、こちらを見ているように思えたジョンは、彼女に手を振ろうとするが思い違いだった。
次の日の帰宅時、ダンス・スクールのある場所の駅で電車を降りたジョンは、思い切って建物に入る。 躊躇するジョンだったが、スクールに通うボビー(リサ・アン・ウォルター)の衣装を持たされて階段を上がる。 スクールのオーナー、ミス・ミッツィ(アニタ・ジレット)はジョンを歓迎し、教師であるポリーナ(ジェニファー・ロペス)に対応を任せる。 ポリーナが窓際にいた女性だったために戸惑いながら、ジョンは手続きを済ませ初心者コースに入会する。 とりあえずその日は帰ろうとするジョンに、今日がレッスンの日だとポリーナは伝える。 ジョンは、レッスンを待つヴァーン(オマー・ベンソン・ミラー)とチック(ボビー・カナヴェイル)に声をかけられる。 若い女性と踊ることが目的だったチックは、見学に来た女性が帰ってしまい気落ちする。 レッスンは始まり、三人はミッツィのレッスンを受けるが、ジョンはポリーナを意識してしまう。 三人は、レッスンの終わりにポリーナのダンスを見せられ、ジョンは彼女の悲しげな表情が気になる。 レッスン後、三人はボビーにつかまり食事に誘われ、ダイナーに向かう。 結婚するヴァーンは式で踊るため、チックは女性が目的だとダンスを習う理由を語り、ボビーは大会に出場するパートナーを探していた。 ジョンは習う目的を明確に答えられず、ポリーナが世界最高峰のダンス大会”ブラックプール”で、パートナーだった恋人に振られたことをボビーから知らされる。 その後もレッスンに通い続けたジョンは、そこそこ上達して、チックとヴァーンに冷やかされる。 ビヴァリーは、残業続きのジョンが最近楽しそうだとジェナに言われて気になる。 高級デパート”サックス・フィフス・アベニュー”に勤めるビヴァリーは、部下が夫の浮気を疑い悩んでいることを知る。 ビヴァリーは、思い過ごしだと言って部下を安心させるものの、別の部下は間違いなく離婚すると言い切る。 ある日のレッスンでジョンは、事務所の同僚リンク・ピータースン(スタンリー・トゥッチ)が長髪のカツラを被り激しく踊っている姿に気づく。 その場にジョンがいることを知ったリンクは動揺して騒ぎを起こし、カツラが取れてしまう。 リンクを誘ったジョンは、何の取柄もないと言う彼が、フットボール好きなどは装っていただけで、夢はダンスで脚光を浴びることだと知らされる。 帰宅したジョンは、ビヴァリーから会社のことなどで質問される。 ジェナは、父ジョンがほうき使ってダンスの練習をする姿を目撃してしまう。 ジョンがおかしいとジェナに言われたビヴァリーは、部下から夫と別居することになったと聞き動揺する。 探偵のディヴァイン(リチャード・ジェンキンス)のオフィスを訪ねたビヴァリーは、夫の行動やシャツの香りを疑っていることを伝えて調査を依頼する。 リンクに誘われてダンスホールに向かったジョンは、”Shall We Dance?”の曲が流れたため、その場に来ていたミッツィからダンスに誘われる。 女性を誘い踊ろうとしていたリンクは、それを拒まれて嫌みを言われ、ショックを受けてその場を去る。 ジョンの行動を追っていたデヴァインは、その様子を監視する。 次のレッスンの日、ジョン、チック、ヴァーンの三人は代理でポリーナの指導を受けることになる。 最初にジョンが相手をすることになり、彼は緊張しながらポリーナと踊る。 その場に、記者を装ったデヴァインの助手スコット(ニック・キャノン)が現れる。 スコットの手助けをしようとしたボビーは、食べていたパイをポリーナのコートにこぼしてしまう。 レッスンは終わり、コートにシミがついてしまったことでポリーナは悲しみ、それに気づいたジョンはハンカチを渡す。 ポリーナを食事に誘ったジョンだったが、生徒とは付き合わないと言う彼女に断られる。 ハンカチは買って返すと言うポリーナは、真剣にダンスを踊っているのであって、自分が目的ならレッスンはやめてほしいと率直に伝える。 それを監視していたデヴァインは、ジョンがダンスのレッスンを受けていることをビヴァリーに報告する。 女性とホテルにいたわけでもないが、ジョンが突然そのような考えになった理由を探るビヴァリーは、ダンスはやめて直ぐに家に戻るとデヴァインに言われる。 次の水曜日、スクールに向かうものの引き返したジョンは、街で息子エヴァンに出くわし、恋人を紹介すると言われてクラブに誘われる。 エヴァンと恋人の踊る姿を見たジョンはスクールに向い、ポリーナは彼が現れたため意識する。 レッスン後ポリーナは、駅のホームで踊るジョンをスクールの窓から見つめる。 次のレッスン中、実は結婚する予定がなかったヴァーンを傷つけてしまったボビーは倒れてしまう。 病院に運ばれたボビーは、衣装代を稼ぐために働き過ぎだった。 ボビーがジョンを好意的に思っていたことが分かり、ミッツィは、大会のパートナーになることを彼に勧め、特訓を始めることを伝える。 戸惑うジョンは、ポリーナに意見を求め励まされる。 ビヴァリーに惹かれ始めていたデヴァインだったが、彼女にバーに呼び出され、これ以上の調査は必要なくなったと言われて別れる。 その後ジョンは、復帰したボビーとパートナーを組みレッスンを始める。 情熱的なダンスなどできないジョンは戸惑い、あれ以来ダンスから遠ざかるリンクを説得して、ボビーのラテンダンスのパートナーを代わってもらおうとする。 ボビーはそれを拒むものの仕方なく納得し、ミッツィは、チックとヴァーンも大会に出場させようとする。 ジョンらはレッスンを続け、いよいよ翌日が本番となる。 帰ろうとしたジョンはポリーナに呼び止められ、夕食を断った日のことを謝罪される。 その必要はないと言うジョンが、考えを理解してくれないと思ったポリーナは悲しくなってしまう。 それを気にしたジョンは、空腹だと悲しくなり、ケーキが食べたいだけだとポリーナに言われる。 ポリーナにケーキを買ってあげたジョンは、ダンスに魅せられた彼女の少女時代の話などを聞く。 ダンスを始めたきっかけを聞かれたジョンは、窓から見えたポリーナの姿だと正直に答える。 ジョンは、ポリーナの表情が当時の自分の心の思いと同じような気がしたことを伝える。 自分もホームのジョンを見ていたと語るポリーナは、あの日でやめると思ったことを伝える。 ジョンは、やめる気ではあったが、単なる女性目当ての男と思われると考えたことと、踊っている時が楽しいと語る。 翌日の大会のことを考えると興奮すると言うポリーナは、不安を隠せないジョンを誘いスクールに向かう。 二人は、無心になり踊り続けて満足する。 大会当日、ジョンは、ヴァーンが恋人を、チックがバスケットボール仲間の姉をパートナーにしたことを知る。 ポリーナは、緊張するジョンを落ち着かせる。 そしてコンテストは自始まり、リンクとボビー、ヴァーンと恋人は”チャチャ”を踊る。 リンクは、他のカップルの男性にカツラをずらされてしまい、ボビーにそれを外すように言われ、”パソドブレ”を踊り切り喝采を浴びる。 ヴァーンと恋人、リンクとボビーは決勝に残り、リンクのカツラをずらしたカップルは失格となる。 スタンダード部門”ワルツ”と”クイックステップ”の審査が始まり、チックがパートナーと、そしてジョンと豪華な衣装を身にまとったボビーが登場する。 デヴァインとスコットがその様子を見守り、ビヴァリーとジェナも姿を現す。 ジョンとボビーは、ポリーナにも見守られながら軽やかに踊り、ビヴァリーとジェナ、そしてデヴァインもその”ワルツ”を見て感心する。 次の”クイックステップ”が始まり、ジョンは娘が来ているのかとボビーに問われ、”パパ頑張れ”という声がしたと言われて動揺する。 気にしている間もなく踊り続けるジョンだったが、再び声をかけたジェナとビヴァリーに気づき、他のカップルと接触してしまう。 ジョンはボビーの衣装を踏んでしまい、それが脱げて会場は静まり返る。 ショックを受けたボビーは退場し、ビヴァリーとジェナは客席を去り、ジョンは二人を追う。 ジョンは、ビヴァリーにこの場にいる理由を尋ね、彼女は浮気を疑い探偵を雇ったことを伝えて車で去ろうとする。 ビヴァリーを引き留めたジョンは、仲間達とダンスをしただけだと答えるが、何も話さなかったことを彼女は批判する。 ジョンは、幸せだったのに他に幸せを求めたためそれを恥じたことを伝えるが、ビヴァリーは無言で走り去る。 その後、雑誌に掲載されたリンクの記事を見て悪口を言い合う同僚に対し、社交ダンスを踊ることが悪いのかとジョンは彼らを非難する。 現れたリンクは、笑っていた同僚女性の手を取りターンをして見せて、彼女らを罵倒して部屋に戻る。 リンクと共にジョンの家を訪ねたボビーは、なぜスクールに来ないのかを問い、ドレスのことは気にしていないことを伝える。 ジョンは、スクールに戻るよう説得されるもののそれを断り、ポリーナがイギリスにダンス留学することを知らされる。 ポリーナのお別れパーティーに誘われたジョンは、彼女からの手紙を渡される。 ダンスを止めないでほしいというポリーナの手紙には、この数か月で自分も変わったことと、去年の”ブラックプール”の決勝で優勝候補だったにも拘らずそれを逃し、パートナーだった恋人とも別れた辛い思いでも綴られていた。 スクールに身を隠していたポリーナは、ジョンとボビーの踊る姿を見て、諦めたものの価値が分かり”もう一度、踊りたい”という気になり、情熱を取り戻させてくれたことに感謝する思いで、最後にジョンと踊りたいということだった。 その手紙を渡されたビヴァリーは、パーティーには行かないと言うジョンに、いつか自分にダンスを教えてほしいと伝える。 ダンスはやめたと断言するジョンだったが、母に教えてあげてとジェナに言われる。 人生で唯一、幸せだと思える結婚生活で、それ以上の幸せを望むとは言えず傷つけたくなかったとビヴァリーに伝えたジョンは、心から謝罪して涙ぐむ。 出勤しようとしたジョンは、既に出かけたビヴァリーのメモに気づき、パーティーに行くよう促され、シューズとタキシードを用意してくれたことを知る。 仕事を終えたジョンはは、パーティーで会おうとジョンに声をかけられるものの無言で立ち去る。 パーティーは始まり、ポリーナとリンクはジョンが来ないことを気にする。 電車でスクールを通過したジョンは、窓に”クラークさん踊りませんか?”という幕がかかっていることに気づく。 帰宅したジョンはシューズを履きタキシードを着て、街に向いバラを一輪買い、残業中のビヴァリーの元に向かう。 パーティーには、パートナーとして君を誘うとビヴァリーに伝えたジョンは、踊れないと言う彼女にバラを渡し、その場でステップを教える。 最後のダンスとなったパーティー会場で、ポリーナはパートナーを選ぼうとする。 ポリーナは、ビヴァリーと共に現れたジョンをパートナーに選び、”Shall We Dance?”の曲に合わせて踊る。 リンクは、ビヴァリーを歓迎してボビーを紹介する。 ジョンはポリーナに妻ビヴァリーを紹介し、会場は大いに盛り上がる。 その後、ヴァーンは恋人と結婚して式でダンスを踊り、ミッツィは新しいパートナーを見つけ、チックはゲイクラブで踊り、リンクとボビーは親交を深める。 ポリーナは、同年の”ブラックプール”に新しいパートナーと共に参加する。 ジョンとビヴァリーは、新たな幸せを見つけて愛を確かめ合う。 デヴァインは、出会いを求めてミッツィのスクールに通い始める。 人生を楽しむことができるようになったジョンは、電車から見えるスクールを眺めながら笑みを浮かべる。
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*(簡略ストー リー)
シカゴ。
遺言書の作成専門の弁護士ジョン・クラークは、妻ビヴァリーと二人の子供とで幸せな日々を送っていが、心の奥底でなぜか空虚さを感じていた。
そんなジョンは、帰宅途中の電車から見えた”ミス・ミッツィ・ダンス・スクール”の窓際にたたずむ女性ポリーナが気になる。
数日後、思い切ってスクールに向かったジョンはミッツィに歓迎され、対応した教師のポリーナに勧められて初心者クラスに入る。
同じクラスの青年チックやヴァーン、大会を目指す中年女性ボビーと共に、ジョンは、ポリーナを意識しながらレッスンを始める。
一方、帰宅するのが遅くなったジョンの浮気を疑ったビヴァリーは、探偵ディヴァインに調査を依頼する。
仕事の同僚リンクが、意外にもダンスに熱中していることを知ったジョンは、彼や仲間達と共に、今までの生活では体験できなかった充実感を味わいながらレッスンを続けるのだが・・・。
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大ヒットした日本映画「Shall we ダンス?」(1996)のリメイクということで注目された作品。
多少の設定や物語の違いはあるが、大筋ではオリジナルを継承した実に楽しいコメディ・ドラマに仕上がっている。
北米興行収入は約5800万ドル、全世界では約1億7000万ドルのヒットとなった。
流石ハリウッド映画と思える徹底主義にはいつもながら感心させられる。
心の隙間を埋めようとする中年紳士を好演するリチャード・ギアは素人の設定であるため、ダンスの完璧さは求められないのだが、元々ダンサーとは言え、ヒロインのジェニファー・ロペスのパフォーマンスを、隙なくじっくり見せるところなども注目したい。
世界最高峰のダンスコンテスト”ブラックプール”の優勝候補だけに手を抜けない、素晴らしいダンスを見せてくれる。
夫の浮気を疑うものの、結局は新たな幸せを得ることになる主人公の妻スーザン・サランドン、主人公の同僚で、ダンスで脚光を浴びる夢を果たそうとする、怪演が光るスタンリー・トゥッチ、同じく不躾だが人間味があるクラスの同僚リサ・アン・ウォルター、スクールのオーナー、アニタ・ジレット、クラスの同僚ボビー・カナヴェイルとオマー・ベンソン・ミラー、探偵のリチャード・ジェンキンス、その助手ニック・キャノン、主人公の娘タマラ・ホープ、息子スターク・サンズなどが共演している。