最後の暗殺を請け負ったプロの殺し屋の運命を描く、製作、監督リー・ダニエルズ、主演キューバ・グッディングJr.、ヘレン・ミレン、スティーヴン・ドーフ、ヴァネッサ・フェルリト他共演のクライム・サスペンス。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:リー・ダニエルズ
製作:リー・ダニエルズ
製作総指揮
ドーン・レンフェスト
タッカー・トゥーリー
脚本:ウィル・ロコス
撮影:M・デヴィッド・ミューレン
編集
ウィリアム・チャン
ブライアン・A・ケイテス
音楽:マリオ・グリゴロフ
出演
マイキー:キューバ・グッディングJr.
ローズ:ヘレン・ミレン
クレイトン・メイフィールド:スティーヴン・ドーフ
ヴィッキー:ヴァネッサ・フェルリト
ニーシャ:メイシー・グレイ
ドン医師:ジョゼフ・ゴードン=レヴィット
プレシャス:モニーク
ローズ(若年期):ウェンディ・バロン
アメリカ 映画
配給 Teton Films
2005年製作 93分
公開
北米:2006年7月21日
日本:2007年4月21日
北米興行収入 $370,630
世界 $519,800
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
暗殺者マイキー(キューバ・グッディングJr.)は、仕事のパートナーで恋人でもあるローズ(ヘレン・ミレン)が末期癌に冒されているため彼女の身を案じていた。
新たな仕事の依頼を受けた二人は、これを最後に足を洗い旅に出ることを考える。
犯罪組織のボス、クレイトン・メイフィールド(スティーヴン・ドーフ)は、妻ヴィッキー(ヴァネッサ・フェルリト)と関係した者達の抹殺を考える。
それを依頼されたマイキーとローズは、ヴィッキーも殺すために屋敷に侵入する。
しかしローズは、妊娠中のヴィッキーが破水したために彼女を殺すことをためらってしまう。
その場で出産させようとするローズに、マイキーは自殺行為だと言って警告する。
ローズはそれを聞き入れずマイキーに協力させて、ヴィッキーは男の子を出産する。
納得できないマイキーだったが、ローズとヴィッキーと共にモーテルに向かう。
ローズは、以前の自分なら殺していたことをヴィッキーに伝え、マイキーはドン医師(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)を呼び寄せる。 マイキーはあくまで仕事を済ませようとするが、ローズはそれを許さず、神の意志であり授かりものだと伝える。 暫くすると、ドンと愛人である看護師のプレシャス(モニーク)が到着する。 部屋に案内されたクレイトンの主治医でもあるドンは、ヴィッキーと子供を見て驚く。 ドンは処置を終えてその場を去り、ローズはヴィッキーと子供を自宅に連れて行き世話をすることを決めたとマイキーに伝える。 過去を捨て去るようローズに言われたヴィッキーは、クレイトンにいずれ知られると考え恐怖に怯える。 ヴィッキーの親友のニーシャ(メイシー・グレイ)は、彼女と連絡が取れなくなったためにクレイトンに会い、今回の件を不審に思う。 カツラをつけ容姿を変えたヴィッキーは、ローズと共にドンのクリニックに向かい、息子が順調に育っていることを確認する。 その後マイキーは、ニーシャの抹殺を依頼される。 マイキーはニーシャに近づき、酒に薬物を入れて殺す。 ローズは、ヴィッキーと子供のために郊外の家を借りる。 マイキーはヴィッキーと子供をを受け入れることができなかったが、その間、仕事を続ける。 夜中にクレイトンに呼び出されたドンは、ヴィッキーのことがバレたかを気にしながら彼の元に向かう。 クレイトンは、自分が女と楽しむのを邪魔した部下の足を撃ったためドンをよ呼んだのだった。 ヴィッキーは、息子アンソニーの一歳の誕生日をマイキーとローズと共に祝う。 マイキーは相変わらず子供に馴染めないでいたが、ローズは生きている喜びを感じる。 子供時代に自分を虐待する暗殺者だった父親を、パートナーだったローズが殺し、彼女に母親を殺したのも父親だったことを知らせたことを思いだいながら、マイキーは死を悟ったローズと愛し合う。 ローズは息を引き取り、彼女を埋葬したマイキーはそれをヴィッキーに伝える。 ヴィッキーはアンソニーのために引っ越すことを考え、マイキーはそれに従う。 アンソニーは成長してマイキーに懐き、ヴィッキーは大学に通うようになる。 やがて、マイキーとヴィッキーは意識し合うようになる。 ドンの浮気を知ったプレシャスは、後悔させると言って彼の元を去る。 アンソニーはマイキーを父と呼ぶようになり、ヴィッキーは自分達を守ってくれていることにマイキーの感謝するが、暗殺者と暮らすことが息子のためにならないと判断する。 マイキーはヴィッキーの考えを理解し、それに従うことを伝える。 ある仕事を済ませたマイキーは家に戻り、この場を離れたくないことをヴィッキーに伝えて彼女と愛し合う。 その後マイキーは、最後のつもりで受けた仕事の資料の中に、自分とヴィッキーが写っている写真があることに気づき家に向かう。 プレシャスから全てを知らされたクレイトンは、彼女とドンの元に向かい二人を殺す。 息子を確認したクレイトンは、戻ったマイキーを拘束する。 解放するよう求めるヴィッキーを無視するクレイトンは、マイキーの指を切り取る。 ヴィッキーに近づくクレイトンの隙を見たマイキーは拘束を逃れる。 マイキーはクレイトンと部下を叩きのめすものの反撃に遭う。 しかし、アンソニーがクレイトンを銃撃し、マイキーは外に出るようヴィッキーに指示する。 クレイトンらの息の根を止めたマイキーは、ヴィッキーとアンソニーと共にその場を去る。 マイキーは”息子”アンソニーに、今後も危険が迫ることを伝える。 アンソニーは”殺せばいい”と答え、マイキーは複雑な表情を浮かべる。
...全てを見る(結末あり)
*(簡略ストー リー)
暗殺者マイキーは、仕事のパートナーで恋人でもあるローズが末期癌に冒されているため、彼女の身を案じ足を洗い旅に出ようと考える。
最後のつもりで受けた仕事で二人は、犯罪組織のボス、クレイトンの妻ヴィッキーを殺そうとする。
しかし、妊娠していたヴィッキーが破水したため、ローズは彼女を殺すことができない。
男の子を出産したヴィッキーを連れてその場を離れたマイキーとローズは、二人の世話を始める。
ヴィッキーと子供を受け入れることができないマイキーは、仕方なく神の意思だと言う死が近いローズの考えを尊重するのだが・・・。
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親子ほど年の違う男女の暗殺者二人が恋人同士(女性が年上)であるという設定にやや違和感がある。
主人公二人のその複雑な関係はドラマの展開と共に判明し、主人公の心の動きを描く内容なのだが、犯罪映画ということを考えるとリー・ダニエルズの演出にパンチが足りない。
日本では、ヘレン・ミレンが「クィーン」(2006)でアカデミー主演女優賞を獲得した翌年に公開されたため、彼女の主演作のように宣伝された。
しかし、本作の主役は、こちらも「ザ・エージェント」(1996)でオスカー俳優となり実績も積んできたキューバ・グッディングJr.であり、暗殺者としての生き様と人の道との狭間で苦しむ男を好演している。
ヘレン・ミレンは、末期癌に冒されている身であるため、暗殺者というよりも、新しい命の誕生を与えてくれた神に感謝する女性を淡々と演じている。
極悪非道の犯罪組織のボス、スティーヴン・ドーフ、その妻ヴァネッサ・フェルリト、その親友メイシー・グレイ、医師ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、看護師で愛人のモニークなど豪華キャストも注目だ。