ニューヨーク在住のライター、キャンディス・ブシュネルが、タブロイド誌”ニューヨーク・オブザーバー”に連載していたコラムを基に1997年に発表した同名小説を、HBOが1998-2004年まで放映した人気TVシリーズの映画化。 ドラマはテレビシリーズ終了から4年後の設定で、40歳になり区切りとして決意した主人公キャリーの結婚を主なテーマにしたドラマ。 製作、主演サラ・ジェシカ・パーカー、キム・キャトラル、クリスティン・デイヴィス、シンシア・ニクソン、クリス・ノース、ジェニファー・ハドソン他共演、監督マイケル・パトリック・キングによるラブ・コメディ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:マイケル・パトリック・キング
製作総指揮
トビー・エメリッヒ
リチャード・ブレナー
キャシー・バズビー
ジョナサン・フィリー
製作
マイケル・パトリック・キング
サラ・ジェシカ・パーカー
ジョン・メルフィ
ダーレン・スター
脚本:マイケル・パトリック・キング
編集:マイケル・ベレンバウム
撮影:ジョン・トーマス
衣装デザイン:パトリシア・フィールド
音楽:アーロン・ジグマン
出演
サラ・ジェシカ・パーカー:キャリー・ブラッドショー
キム・キャトラル:サマンサ・ジョーンズ
クリスティン・デイヴィス:シャーロット・ヨーク
シンシア・ニクソン:ミランダ・ホップス
クリス・ノース:ジョン・ジェームズ”Mr.ビッグ”プレストン
デヴィッド・エイゲンバーグ:スティーヴ・ブレディ
エヴァン・ハンドラー:ハリー・ゴールデンブラット
ウィリー・ガーソン:スタンフォード・ブラッチ
ジェイソン・ルイス:スミス・ジェロッド
ジェニファー・ハドソン:ルイーズ
ジレス・マリーニ:ダンテ
アメリカ 映画
配給
ワーナー・ブラザーズ
ニュー・ライン・シ ネマ
HBO Films
2008年製作 145分(特別編151分)
公開
北米:2008年5月30日
日本:2008年8月16日
製作費 $65,000,000
北米興行収入 $152,637,270
世界 $415,252,790
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ニューヨーク。
フリー・ライターのキャリー・ブラッドショー(サラ・ジェシカ・パーカー)は3冊の本を書き上げ、憧れの男性である実業家ジョン・ジェームズ”Mr.ビッグ”プレストン(クリス・ノース)と暮らすために、マンハッタンの超豪華アパートのペントハウスを手に入れる。
キャリーの友人のシャーロット・ヨーク(クリスティン・デイヴィス)は、ハリー・ゴールデンブラット(エヴァン・ハンドラー)と結婚して、中国人の養女と幸せな家庭を築き、弁護士のミランダ・ホップス(シンシア・ニクソン)は、夫のスティーヴ・ブレディ(デヴィッド・エイゲンバーグ)と息子、そしてアルツハイマーの義母ためにブルックリンに移り住み、仕事と家庭の両立に悪戦苦闘していた。
PR会社を経営するサマンサ・ジョーンズ(キム・キャトラル)は、俳優のスミス・ジェロッド(ジェイソン・ルイス)を売り込むためにハリウッドへ向かう。
キャリーは、アパートを購入したビッグに引け目を感じるが、結婚すれば二人の物になることを提案し、彼は一応結婚に同意する。 シャーロットとミランダは、結婚するというキャリーを祝福するが、独身主義のサマンサは手放しで喜べない。 ”40歳の花嫁”として新聞記事にもなり、”ヴォーグ”の特集記事として扱われることになったキャリーは、ブランド物のウェディングドレスを身にまとい、夢見心地の撮影が始まり、結婚式の準備も着々と進む。 ミランダは、家事と仕事の狭間で忙しい毎日に追われ、夫スティーヴとのセックスもままならない状態、スミスと暮らすサマンサは、結婚は迫られないものの体調管理のために早寝する彼とのセックスレスは続く。 アパートのクローゼットの改修が終わり、20年分の服を荷造りしたキャリーは、多くの思い出が詰まったアパートを去って行く。 その後、スティーヴから浮気を告白されたミランダは、ショックと怒りで家を出てしまう。 やがて、エスカレートしていくキャリーの結婚準備にビッグは気を揉む。 結婚前夜祭のパーティーにスティーヴが現れるが、ミランダは彼の謝罪を聞き入れずに突き放してしまい、おまけに結婚を前にしたビッグに”結婚なんて最悪”とこぼしてしまう。 2度結婚に失敗しているビッグは、今回の結婚に不安を感じるが、キャリーに励まされながらいよいよ式当日を迎える。 式が迫る中、結婚への迷いが払拭できないビッグは、式場の前で結婚を諦めることを決心し、キャリーにそれを電話で伝えるものの、後悔して引き返す。 途中でキャリーとすれ違ったビッグは、車を止めて彼女に謝罪するが、彼女はそれを受け入れずに、取り乱してその場を立ち去ってしまう。 キャリーが予約してあったメキシコへのハネムーンを、仲間4人の旅行に切り替え旅立ったものの、彼女はホテルに閉じこもり寝ているばかりだった。 ようやく”昏睡状態”から覚めたキャリーは、気を取り戻して旅行を終え、未練を残しながらペントハウスを引き払い元のアパートに戻る。 ようやく落ち着いたキャリーはアシスタントを探し、応募者の中から情報通のルイーズ(ジェニファー・ハドソン)を雇う。 優秀なルイーズと共にキャリーは精力的に仕事をこなし、諦めていたシャーロットの妊娠を聞き大喜びする。 サマンサは、スミスとの間がしっくりこない中、隣人の若者ダンテ(ジレス・マリーニ)の誘惑に負けないようショッピングでストレスを解消する。 キャリーは、ビッグからのメールなどを無視してはいたものの、彼のことが忘れられず、失恋を経験したルイーズの話に耳を傾けて励まされ、彼女の新たな恋愛にエールを送る。 やがてクリスマスが訪れ、キャリーはルイーズにヴィトンのバッグを、彼女ははセントルイス出身らしく、「若草の頃」のDVDをキャリーに贈る。 そして大晦日、カップヌードルをすすりながら「若草の頃」を見て、寂しく新年を迎えようとしていたキャリーは、同じく一人で過ごすミランダのアパートを訪ね、楽しい時を過ごす。 やがてファッションの季節となり、4人の心は一つとなり、バレンタインデーの日に、ミランダは結婚前夜のビッグへの失言を正直にキャリーに話す。 結婚の失敗の原因を、5ヶ月間も考え悩んでいたキャリーは、ショックを受けてその場を立ち去ってしまうが、ミランダは3日間連絡をし続けて、ようやくキャリーと会話ができる。 スティーブと会うことをキャリーに薦められたミランダは、二人でセラピーを受ける。 ミランダはキャリーとの仲も取り戻して、やがてスティーヴの元に帰る。 サマンサは、ダンテへの欲望を焼け食いで抑えるしかなく、ついにスミスとの仲も諦めニューヨークに戻る。 数週間後、シャーロットはレストランでビッグに出くわし、怒りを露わに彼を罵っていた彼女は産気づいてしまう。 女の子が生まれたシャーロットは、ビッグに世話になったことを、見舞いに来たキャリーに話す。 シャーロットの夫ハリーから、ビッグが手紙を書いていたことを知らされたキャリーは、帰宅しその手紙やメールを探す。 キャリーは、ルイーズにメールを処分することを支持したことを思い出し、別のフォルダに隔離してあったビッグからの大量のメールを目にする。 言葉が見つからず、ベートーヴェン、バイロン、キーツ、ヴォルテールら、偉人の恋文を送ってきた最後のメールに、”僕が間違っていた、永遠に愛している”という、ビッグの言葉が綴られていた。 キャリーはビッグの気持ちを受け止め、売りに出されるペントハウスに残してあった、彼女がこよなく愛する新品のマノロ・ブラニクの靴を取りに向かう。 そしてキャリーは、クローゼットにいたビッグを見つけて抱き合い、彼は正式にプロポーズする。 そして二人の結婚式の日、キャリーの衣装はノーブランドだった。 失敗に終わった、前回とは違う地味な結婚式だったが、打上げの食事会は、ミランダやシャーロットの家族、そしてサマンサとで大いに盛り上がる。 キャリーは新作の執筆を始め、サマンサの50歳の誕生パーティーで4人は新しい人生に踏み出したことと、”愛”は色あせない永遠のブランドだということを確認する。
...全てを見る(結末あり)
参考:
・「セックス・アンド・ザ・シティ」(2008)
・「セックス・アンド・ザ・シティ2」(2010)
*(簡略ストー リー)
キャリー・ブラッドショーは、フリー・ライターとして成功し、憧れの実業家Mr.ビッグと暮らすために、マンハッタンの超豪華なアパートのペントハウスを手に入れる。
キャリーの友人シャーロットは、夫ハリーと中国人の養女とで幸せな家庭を築き、弁護士ミランダは、夫スティーヴと息子、そして、アルツハイマーの義母ためにブルックリンに移り住み、仕事と家庭の両立に悪戦苦闘、PR会社を経営するサマンサは、若手俳優のを売り込むためにハリウッドへ向かう。
2度の結婚に失敗しているビッグは、一応、結婚に同意するのだが、キャリーのエスカレートしていく準備に戸惑ってしまう。
独身主義者の、サマンサ以外の友人二人はキャリーの結婚を祝福するのだが、挙式が迫るに連れて、ビッグは不安を感じ始めてしまう・・・。
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テレビ・シリーズを全く知らない自分が見ても、各分野で活躍し、屈託なく生きる、中年に差し掛かっている女性のライフスタイルに十分共感できる内容と、シリーズの製作者でもあるマイケル・パトリック・キングの、メリハリの利いた演出が光る、痛快作に仕上がっている。
活気あるニューヨークそのものよりも、TVシリーズや「プラダを着た悪魔」(2006)も担当した、パトリシア・フィールドの衣装が注目だ。
*使用した衣装は約300着。
ラブ・コメディにしては珍しい2時間半近い上映時間も、全く長さを感じない作品でもある。
テレビの人気通り、その期待通りに北米興行収入は約1億5300万ドル、全世界では約4億1500万ドルという大ヒットとなり、この種の作品の最高記録を作った。
製作にも参加した、中堅どころだったサラ・ジェシカ・パーカーは、知名度を一気に上げた愛すべきキャラクターを、彼女自身、楽しんで演じているのがよく伝わってくる。
主人公の親友、クライマックスで50歳になる(撮影当時51歳)、溌剌として若々しいキム・キャトラル、”知性溢れる毒舌女性”シンシア・ニクソン、最も”普通”に見える純愛主義者クリスティン・デイヴィス、古風な顔立ちが、往年の名優ヴィクター・マチュアを彷彿させるクリス・ノース、浮気を告白し妻ミランダ(C・ニクソン)に見捨てられるデヴィッド・エイゲンバーグ、心優しいシャーロットの夫エヴァン・ハンドラー、ウィリー・ガーソン、ジェイソン・ルイスなどテレビ・シリーズでお馴染みの役者に加え、主人公のアシスタントで、やや大人しい役のジェニファー・ハドソン等が共演している。