事故の罪を背負い恵まれない人々のために自らの命を捧げようとする男性を描く、製作、主演ウィル・スミス、ロザリオ・ドーソン、ウディ・ハレルソン、バリー・ペッパー他共演、監督ガブリエレ・ムッチーノによるヒューマン・ドラマ。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:ガブリエレ・ムッチーノ
製作
トッド・ブラック
ジェイソン・ブルーメンソル
ジェイムス・ラシター
ウィル・スミス
スティーブ・ティッシュ
脚本:グラント・ニーポート
編集:ヒューズ・ウィンボーン
音楽:アンジェロ・ミリ
出演
ベン・トーマス:ウィル・スミス
エミリー・ポーサ:ロザリオ・ドーソン
エズラ・ターナー:ウディ・ハレルソン
ティム・トーマス:マイケル・エリー
ダン・モリス:バリー・ペッパー
コニー・ティポス:エルピディア・カリーロ
ホリー:ジュディアン・エルダー
ジョージ:ビル・スミトロビッチ
サラ・ジェンソン:ロビン・リー
介護師:オクタヴィア・スペンサー
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
2008年製作 123分
公開
北米:2008年12月19日
日本:2009年2月21日
製作費 $55,000,000
北米興行収入 $69,951,820
世界 $168,167,690
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
ベン・トーマス(ウィル・スミス)は、精肉の販売オペレーターをしている盲目のエズラ・ターナー(ウディ・ハレルソン)との会話で彼を口汚く罵る。
エズラは動揺して電話を切り、ベンは考えを巡らせながら7人の人物の名前を口にして嘆く。
財務省、IRS(国内国歳入庁)。
エミリー・ポーサ(ロザリオ・ドーソン)の預金情報などを調べたベンは、心臓疾患の検査のため病院に向かった彼女に会おうとする。
病室に忍び込んだベンは、エミリーの様子を見ただけでその場を去り、目覚めた彼女はそれに気づく。
自宅に戻ったベンは、IRSの職員である弟ティム(マイケル・エリー)からの電話を受け、家から何かを持ち出さなかったたかを尋ねられる。 何も答えないベンは、愛していることだけをティムに伝える。 ベンは、骨髄移植をした男性の人柄を調べ、適正でないと判断して税金の免除などを拒む。 その後、旧友ダン・モリス(バリー・ペッパー)を訪ねたベンは、ある計画の決心をして約束を守るよう伝える。 病院でエミリーに声をかけられたベンは、IRSの調査員だと伝え、彼女が警戒したためにその場を去る。 エミリーの家を訪ねたベンは、彼女の病状についてなどを話し、納税に猶予を与えて笑顔で別れようとする。 しかしエミリーは、なぜ自分を特別扱いするか疑問に思い、ベンは、その資格があるとだけ伝えたて立ち去る。 ビーチハウスを引き払ったベンは、ペットのハコクラゲと共にモーテルに移り住む。 ダンは決心を決めて同意することをベンに伝えるが、常識では考えられないことだと言って動揺する。 ”児童安全・家族福祉課”のホリー(ジュディアン・エルダー)を訪ねたベンは、施しが必要なのにそれを求めない人を助けたいという相談をする。 別れ話をしたため恋人に殺されかけた女性コニー・ティポス(エルピディア・カリーロ)をホリーに紹介されたベンは、子供達と共に安全な場所に逃がすことを彼女に約束する。 戸惑うコニーがベンを信用せずに追い払おうとしたため、彼は名刺を置いて立ち去る。 その後ベンは、人望厚いホッケー・コーチのジョージ(ビル・スミトロビッチ)に、腎臓を提供することを決める。 医療費の工面などに行き詰まったエミリーは、ベンに電話をかけるものの、彼は手術を前に彼女と話す気になれない。 数日後エミリーは、愛犬の散歩中に意識を失い病院に運ばれる。 ベンは、ピアニストでもあるエズラの観察を続け、ダイナーで食事中の彼に声をかけて名前を呼び立ち去る。 驚くエズラは、その声に聞き覚えがあることに気づく。 夜中にエミリーからの電話を受けたベンは、彼女が倒れて病院に運ばれたことを知る。 ベンはエミリーを安心させて、話しながら歩いて病院に向かい、眠っている彼女に寄り添う。 その場で眠ってしまったベンは、翌朝、エミリーと共に医師の意見を聞き、思わしくない心臓の移植のためのドナーを待つしかないことを知らされる。 エミリーに頼りにされたベンは、彼女のために愛犬を預かる。 コニーから助けを求められたベンは、彼女と子供達を逃がして自分のビーチハウスを提供し、良い人生を送ってくれることが自分の希望だと手紙で伝える。 退院したエミリーを送るベンは、マサチューセッツ工科大出身の自分が、税務調査員をしていることに疑問を抱く彼女に多くを語らなかった。 ベンは、エミリーが自分に好意を寄せていることに気づくが、恋について語る気になれない。 気分を害して車を降りたエミリーに、ベンはその理由を語ることができずに怒りがこみ上げる。 翌日からベンはエミリーの家で雑用を始め、グリーティング・カードの制作をしている彼女が大切にしている、故障した印刷機などを見せられる。 その後、愛犬の散歩に付き合ったベンは、エミリーのしてみたい夢などを聞き、彼女を家に送り別れる。 その夜、エミリーの家の倉庫に向かったベンは、エンジニアであった能力を活かし、印刷機械を徹夜で直す。 白血病の少年に骨髄を提供したベンは、暫くエミリーとの連絡を絶っていた。 何日か振りにエミリーからの連絡を受けたベンは、彼女に誘われて家に向かう。 ベンはエミリーからシャツをプレゼントされ、二人は裏庭で食事をして楽しい時を過ごす。 その後エミリーは、印刷機を直したことをベンから知らされて感激する。 エミリーにプレゼントを渡そうと車に戻ったベンだったが、その場に弟のティムが現れる。 ティムは、自分の身分証でIRSの調査員に成りすましていたベンを責める。 ベンが事情を説明しないため納得しないティムは、その場で待つことを伝える。 エミリーに帰ることを伝えたベンだったが、二人は求め合い、そして二人は結ばれる。 ベンは、エミリーが寝ている間に病院に向かい、彼女の担当医と会い、エミリーと同じ血液型のドナーが見つかる可能性が非常に低いことを知る。 ダンに電話をしたベンは、計画を実行すると言って愛していることを伝える。 モーテルに戻ったベンは、エズラに電話をして、数週間前に言った酷い言葉を謝罪する。 ベンはエズラに、忍耐強く親切で良い人だと告げて、ダン・モリスという者が訪ねて贈り物を渡すことを伝える。 ダンを信用するようにと言うベンが、エズラはダイナーで声をかけた人物だと気づくが、ベンは彼に別れを告げて電話を切る。 そしてベンは、自殺者と語り救急車を呼ぶ。 宇宙工学エンジニアだったベンは、婚約者サラ・ジェンソン(ロビン・リー)を助手席に乗せて車を運転中、携帯電話に届いたメッセージに気をとられてハンドルを誤り、事故を起してしまった。 そして、対向車線を走る車の6人とサラの命を奪ってしまったベンは、我が身を苛む日々を送っていたのだった。 ベンは氷を入れた浴槽に体を沈め、猛毒を持つハコクラゲに腕を噛ませて、もだえ苦しみながら意識を失う。 病院に運ばれたベンの心臓は、彼との約束を果たそうとするダンの説得で摘出され、病院から呼び出されたエミリーに移植される。 その後、回復したエミリーに会っティムは、事故の1年後、肺癌になった自分に、兄ベンが片肺を提供してくれたことや、彼が人助けを始めて、福祉課のホリーに肝臓も提供したことなどを伝える。 その後エミリーは、ベンから角膜を提供されたエズラを訪ねる。 視力が回復したエズラは、何も語らずに涙するエミリーが、ベンから心臓を提供された人物だと察して、喜びを分かち合う。
...全てを見る(結末あり)
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*(簡略ストー リー)
財務省、IRS(国内国歳入庁)の調査員という肩書きのベン・トーマスは、自分の不注意で、恋人を含む7人もの人達を死亡させてしまった辛い過去を背負っていた。
ベンは、エミリーという心臓を患う女性が、税金を滞納していることを知るが、納税に猶予を与えてしまう。
その後もベンは、7人の名前が記されたリストを基に、その人達が、ある一定の条件を満たせば贈り物をするという計画を実行していく。
事件への罪の意識から、ベンは財産や臓器などを、選んだ人々に提供していこうと考えたのだった。
そしてベンは、愛し合うようになったエミリーのために、自らの命を絶つ決心をするの・・・。
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ウィル・スミスが、「幸せのちから」(2006)に続きガブリエレ・ムッチーノとコンビを組んだ作品。
予備知識を持たずに見ていると、主人公が何のために人に尽くすのか不明なのだが、終盤でその謎が一気に解け、命を捧げる計画を実行していく姿は、胸が締め付けられる思いになる。
IRS(国内国歳入庁)の調査員を装い、謎の行動を続ける主人公をミステリアスに描くガブリエレ・ムッチーノの演出と、グラント・ニーポートの巧みな脚本で、やがて美しい物語に変貌していく感動作でもある。
辛い経験で心に傷を持つ主人公を、情感溢れる表情で好演するウィル・スミスは、アクションだけでない芸幅の広いスターとしての実力を見せてくれる。
死を覚悟する主人公の、人を愛する辛さを彼の死後に知る、心臓を提供される女性のロザリオ・ドーソン、彼にしては珍しい役柄に挑んだ沈着冷静な盲目のピアニスト役のウディ・ハレルソン、主人公に片肺を提供された弟のマイケル・エリー、死後の処置を任される旧友のバリー・ペッパー、恋人に暴力を受けた女性で、主人公に住まいを提供されるエルピディア・カリーロ、肝臓の提供を受けるジュディアン・エルダー、腎臓を与えられるビル・スミトロビッチ、主人公の婚約者ロビン・リーなどが共演している。