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七日間の休暇 Seven Days Leave (1930)

1918年に上演された、ジェームズ・M・バリーの舞台劇”The Old Lady Shows Her Medals”を基に製作された作品。
休暇を与えられた兵士と彼を息子と偽る老女の親交を描く、製作、監督リチャード・ウォレス、主演ゲイリー・クーパーベリル・マーサー他共演のドラマ。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ


スタッフ キャスト
監督:リチャード・ウォレス

製作
ルイス・D・ライトン
リチャード・ウォレス
原作:ジェームズ・M・バリーThe Old Lady Shows Her Medals
脚本
ジョン・ファロー
ダン・タザーロ
撮影:チャールズ・ラング
編集:ジョージ・ニコルズJr.
音楽:フランク・テリー

出演
ケネス・ダウニー:ゲイリー・クーパー
サラ・アン・ダウイ:ベリル・マーサー
エマ・ミックルハム:デイジー・ベルモア
アメリア・トウィムリー:ノラ・セシル
ハガティ夫人:テンペ・ピゴット
ウィリングス:アーサー・ホイト
大佐:アーサー・メトカーフ
伍長:ベイジル・ラドフォード
副官:ラリー・ステアーズ

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ
1930年製作 80分
公開
北米:1930年1月25日
日本:1930年5月


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ロンドン
第一次大戦が始まり、労働者が不足する中、サラ・アン・ダウイ(ベリル・マーサー)は、国のために何かできないかと考える。

掃除婦としてサラと共に働いていたエマ・ミックルハム(デイジー・ベルモア)とアメリア・トウィムリー(ノラ・セシル)は、従軍している息子の話をする。

肩身が狭い思いをした身寄りのないサラは、息子の部隊がベルリンを攻略する日も近いとウソをついてしまう。

仕事を終えて帰宅するサラは、エマとアメリアが嫌っているアル中のハガティ夫人(テンペ・ピゴット)に出くわし、息子の手紙の話をしたため、彼女もお茶に招く。

サラは、3人がそれぞれ息子の話をするのを聞く。

それに合わせて息子ケネスの話をしたサラは、ゴミ箱から拾いためておいた手紙を手にして3人に自慢する。

母親を大事にしてくれるケネスは190cmの長身で、スコットランド第3大隊に所属していると、サラは3人に話す。

戦地で問題ばかり起こしていたケネス・ダウニー(ゲイリー・クーパー)は、負傷したために7日間の休暇申請を出し、それを認められる。
...全てを見る(結末あり)

3人と話が弾むサラは、訪ねて来たウィリングス(アーサー・ホイト)から、息子のケネスがロンドンに来ていると言われて驚き動揺する。

ウィリングスから、ケネスと母親のことを話したと言われたサラは、彼が外に来ていることを知り、エマらに帰ってもらう。

現れたケネスは、ウィリングスからサラを紹介される。

ウィリングスはその場を去り、サラを問い詰めるケネスは、偽の手紙を確認して、彼女には息子も身よりもないことを知る。

サラは、怒って帰ろうとするケネスにお茶を勧めて、雑役の掃除婦として20年間この街で暮らし、戦争が始まり周囲の影響を受け、息子がいることにするのを思いついたとケネスに話す。

新聞に掲載されていた第3大隊のK・ダウニーの記事を読んだというサラは、その切り抜きをケネスに見せる。

両親はカナダ人だと言うケネスは、サラが作ったケーキを見て、戦地で受け取った、女性から送られたものと同じだと気づく。

それはサラが送ったものだと知ったケネスは驚きながら話し、戦前は農夫だったことを伝える。

ケーキも食べて帰ろうとしたケネスは、泊まる場所を訊くサラから、仮の風呂や簡易ベッドがあることを知らされる。

世話になることにしたケネスは、今後は親族のフリをするようにとサラに伝える。

風呂に入ろうとするケネスは、劇場に連れて行くと言ってサラを喜ばせる。

着替えたサラは、入浴を終えたケネスと共に家を出て劇場に向かう。

エマらは、サラと共に歩く長身で凛々しい軍服姿のケネスを見て驚く。

劇場に着いたケネスとサラは、曲芸ショーを楽しむ。

その後ケネスは、路上でローズ・トーマスという女性から、住所が書かれたメモを渡される。

サラの家に戻ったケネスは、メモを気にしながら、彼女が用意してくれたベッドに入る。

出かけることを考えていたケネスは、磨くのは母親の役目だと言うサラに靴を持って行かれてしまう。

翌日、ケネスとパブに出かけたサラは、その場にいたエマらに彼を紹介する。

3人に酒をおごったケネスは、酔った水兵に制服をからかわれ、ケンカを始めてしまう。

騒ぎになり、憲兵に連行されそうになったケネスは、隙を見てサラと共に逃げ出す。

戦いにウンザリして戦場に戻りたくないと言うケネスの話を聞いたサラは、彼に失望して嘆く。

ケネスが勇敢なスコットランド兵だったことが自慢だったサラは、ハガティ夫人が話していた、ケネスが洋服を買っていたという話を思い出し涙する。

逃げ出したりしないと言うケネスは、サラを慰めるために高級レストランに向かう。

スープと共にシャンペンを注文したケネスは、サラにそれを飲ませる。

再び勇敢に戦ってほしいと言われたケネスは、サラにそれを約束する。

サラとダンスを踊り楽しい時間を過ごしたケネスは、酔ったサラを連れて家に戻り、彼女をベッドに寝かせる。

買った洋服を着て出かけようとしたケネスは、思い留まる。

翌日サラは、昨夜のことをエマらに訊かれ、豪華な食事をしてシャンペンも飲んだことを話し、持ち帰ったコルクを見せる。

タクシーが来ているのが気になるサラは、運転手から、前線に戻る兵士を待っていることを知らされる。

サラと話をしたケネスは、望み通りに本当の息子になると言って、法律上の親族になれば、自分の手当金が支給されると伝える。

ケネスは、戦場に手紙やケーキを送ってほしいとサラに伝えてマフラーを贈り、運転手に呼ばれる。

ケネスはその場を去り、サラは泣き崩れる。

戦地に戻ったケネスは、サラから送られてきた手紙とケーキを受け取る。

手紙には、終戦後にはカナダの農場に向かい、2人で暮らしたいと書かれていた。

同僚らは、その手紙の相手が恋人だと思う。

戦闘が始まり、銃弾を受けたケネスは戦死する。

ケネスの戦死を知らされたサラは、彼が勇敢に戦ったことが書かれた手紙と共に、授与された勲章を受け取る。

サラは、ケネスと過ごした楽しい時間を思い出しながら、エマとアメリアと共に仕事に出かける。


解説 評価 感想

*(簡略ストーリー)
ロンドン

第一次大戦が始まり、掃除婦のサラは、同僚のエマとアメリアから戦地の息子の話を聞き、身寄りのない彼女は肩身が狭い思いをする。
息子が戦地で勇敢に戦っているとウソをついてしまったサラは、ケネス・ダウニーという兵士が、息子だと言って会いに来たために驚く。
ウソをついたことをケネスに追及されたサラは、自分と似ている名前の兵士の新聞記事を読み、息子ということにしたと彼に伝える。
サラの気持ちを理解したケネスは、休暇を彼女と過ごすことにするのだが・・・。
__________

ファンタジー小説”ピーター・パン”の作者として知られる、ジェームズ・M・バリーの舞台劇”The Old Lady Shows Her Medals”を基に製作された作品。

休暇を与えられた兵士と、彼を息子と偽る老女の親交を描くドラマ。

実際には親子でない青年兵と老女の触れ合いが、り恋人同士のように違和感なく描かれているのが興味深く、製作を兼ねるリチャード・ウォレスの繊細な人物描写に注目したい。

まだ20代の主演のゲイリー・クーパーも、老女の気持ちを理解して他人の目を気にせず親交を深める青年を、ややぎこちない演技ながら、ユーモアをまじえながら好演している。

身寄りのない老女を演ずるベリル・マーサーの演技は完璧であり、臆病で無邪気な表情は笑いも誘う。

老女の隣人である掃除婦デイジー・ベルモアとアメリア・トウィムリー、同じく隣人でアル中の婦人テンペ・ピゴット、主人公を老女の元に案内する男性アーサー・ホイト、主人公の上官である大佐アーサー・メトカーフ、その副官ラリー・ステアーズ、主人公の戦友ベイジル・ラドフォードなどが共演している。


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