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キートンのセブン・チャンス Seven Chances (1925)

結婚すれば祖父の遺産を相続できることを知った青年が花嫁探しのために巻き起こす騒動を描く、製作、監督、編集、主演バスター・キートンT・ロイ・バーンズスニッツ・エドワーズルース・ドワイアー他共演のコメディの傑作。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


コメディ


スタッフ キャスト
監督:バスター・キートン
製作
ジョセフ・M・シェンク
バスター・キートン
原作:ロイ・クーパー・メグルー”Seven Chances”
原案:デイヴィッド・ベラスコ
脚本
ジーン・ハーベッツ
クライド・ブラックマン
ジョゼフ・A・ミッチェル
撮影
バイロン・フーク
エルギン・レッスリー
編集:バスター・キートン
音楽:ロバート・イスラエル(1995年)

出演
ジェームズ”ジミー”シャノン:バスター・キートン
ビリー・ミーキン:T・ロイ・バーンズ
弁護士:スニッツ・エドワーズ
メアリー・ジョーンズ:ルース・ドワイアー
ジョーンズ夫人:フランシス・レイモンド
牧師:アーウィン・コネリー
雇用者:ジュールズ・カウレス
スミス:ジーン・アーサー

アメリカ 映画
配給 MGM
1925年製作 56分
公開
北米:1925年3月15日
日本:1926年7月15日
北米興行収入 $210,750


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー
ジェームズ”ジミー”シャノン(バスター・キートン)は、惹かれているメアリー・ジョーンズ(ルース・ドワイアー)に愛を打ち明けられずに、時だけが過ぎていた。

シャノンは、ビジネスパートナーのビリー・ミーキン(T・ロイ・バーンズ)と経営する証券会社が破綻寸前だったために、利益を上げなければ刑務所に入れられる可能性もあった。

祖父の遺言の件でシャノンに会おうとした弁護士は、彼とミーキンに無視されてしまう。

カントリークラブに向かったシャノンとミーキンを追った弁護士だったが、警備員に追い払われたしまう。

弁護士から窓越しに遺言書を見せられたシャノンとミーキンは、その内容に驚き、連れ去られる彼を追う。
...全てを見る(結末あり)

態度を一変させたシャノンとミーキンは、弁護士から話を聞き、シャノンは祖父が700万ドルの遺産を残してくれたことを知る。

シャノンは、27歳の誕生日の午後7時までに結婚することが条件だと知り、それが今日だったために、メアリーが結婚してくれると思い彼女の家に向かう。

ジョーンズ夫人(フランシス・レイモンド)に挨拶したシャノンは、メアリーを待つ間、どうやってプロポーズするか考える。

それに気づいたメアリーから結婚に同意すると言われたシャノンは、彼女にキスる。

今日中に結婚すれば祖父の財産を受け取れると言われたメアリーは、相手は誰でもよかったことを知り、気分を害してしまう。

シャノンが去った後、メアリーはその件を母に話す。

オフィスに戻ったシャノンは、ミーキンと弁護士にうまくいかなかったことを話し、電話の受話器が上がったままであることに気づかない。

母に説得されたメアリーは、シャノンに電話をする。

弁護士から他の相手を見つけなければならないと言われたシャノンは、メアリーとでなければ結婚しないと伝える。

シャノンに電話がつながらないメアリーは、”他の女性と結婚したら許さない、今日は一日中、家に居る”というメッセージを使用人に預け、シャノンに渡すよう指示し馬で向かわせる。

シャノンは、このままではすべてを失ってしまうと言うミーキンに説得され、結婚相手を探すことにする。

カントリークラブに向かい、知り合いの7人の女性のリストを作ったミーキンは、それに従いシャノンに求婚させる。

最初の女性に求婚するものの、笑われてしまったシャノンは恥をかいてしまい、ミーキンに求婚の仕方を教わり2人目の女性の元に向かう。

再び相手にされないシャノンは、3人目にはメモを渡してみるものの、それを破られてしまう。

4人目にミーキンが代わりに求婚してみるが、彼が女性に気に入られてしまう。

ミーキンから代理だと言われた女性は、憤慨してその場を去る。

その後も失敗したシャノンは残りあと一人となり、結局その女性にも断られてしまう。

ミーキンと5時にブロードストリート教会で会うことを約束したシャノンは、手当たり次第に女性に求婚する。

シャノンは、受付係スミス(ジーン・アーサー)に話しかけるものの既婚者だと知り、次も子持ちの女性だったために諦める。

結婚する気のある女性を見つけたシャノンだったが、子供だったために驚く。

その場にいた女性たちにからかわれたシャノンは車で走り去り、彼に気づいたバーンズ家の使用人は車を止めることができず、馬にも逃げられてしまう。

並走する女性に話しかけたシャノンは、木に激突してしまう。

弁護士と新聞社に向かったミーキンは、700万ドルの遺産相続人シャノンが花嫁を募集しているという広告を夕刊に出す。

幸運をつかみたいものは、5時までにブロードストリート教会に来ることという記事を見た女性たちは、その場に向かう。

シャノンは約束通り教会に向かい、その場で眠ってしまう。

女性たちは殺到し、教会は花嫁候補であふれる。

ジョーンズ家の使用人も到着し、ミーキンと弁護士は予想以上の反響に喜ぶ。

目覚めたシャノンは、女性が読む新聞広告の内容を知る。

女性たちはシャノンに気づきその場は騒ぎになり、牧師(アーウィン・コネリー)がそれを鎮めようとする。

女性たちから逃れたシャノンは、外にいたジョーンズ家の使用人からメアリーのメモを渡され、彼女の気持ちを知る。

メアリーの元に向かおうとしてシャノンは、排水溝に時計を落としてしまい、時間が分からずに困惑する。

6時15分だと知ったシャノンは、花嫁候補の女性たちに追われていることに気づき逃げる。

ミーキンに出くわしたシャノンは、7時までにメアリーの家に行くことを伝える。

フットボールの試合に乱入し、選手達を負傷させた女性たちは、逃げるシャノンを追う。

鉄道に向かったシャノンはクレーンのフックにぶら下がり、ある女性がそれを操作する。

シャノンが落下した後に列車が通り過ぎたため、女性たちは彼が轢かれたと思い悲しむ

6時45分。
ミーキンと弁護士は、牧師と共にメアリーの家でシャノンを待っていた。

女性たちに見つかり再び逃げたシャノンは、トウモロコシ畑と養蜂場を通り抜け、ボートと泳いで川を渡り野原を駆け抜ける。

崖で行き止まりになったシャノンは大木を利用して落下し、急な下り坂で落石をかわしながらメアリーの家を目指す。

先回りした女性たちは落石に襲われ、その場から逃れる。

7時が迫り、ようやくメアリーの家に着いたシャノンは、ミーキンから時計を見せられる。

残念ながら7時を過ぎていたシャノンは心が沈み、メアリーからお金がなくても構わないと言われるものの、君を不幸にはできないと伝える。

諦めたシャノンだったが、教会の時計が7時前だと気づく。

シャノンとメアリーは、準備していた牧師の前で結婚式を挙げ、二人は愛を確かめる。


解説 評価 感想

*(簡略ストー リー)
事業が破綻しかけていた青年ジェームズ”ジミー”シャノンは、惹かれているメアリーに愛を告げられずにいた。
ビジネスパートナーのミーキンと共に経営のことで悩んでいたシャノンは、弁護士から、祖父の700万ドルの遺産を受け取れることを知らされる。
27歳の誕生日の午後7時までに結婚するのが条件だと知ったシャノンは、それが今日だったためにメアリーの元に向かう。
求婚を受け入れたメアリーだったが、遺産を手に入れるためならシャノンは相手は誰でもよかったことを知り気分を害してしまう。
メアリーへの求婚に失敗したシャノンは、ミーキンと弁護士に協力してもらい、まず7人の候補をあげて花嫁探しを始めるのだが・・・。
__________

1916年に上演された、ロイ・クーパー・メグルーの舞台劇”Seven Chances”を基に製作された作品。

結婚すれば祖父の巨額の遺産を相続できることを知った青年が、花嫁探しのために巻き起こす騒動を描く、バスター・キートンが製作、監督、編集、主演したコメディの傑作。

1926年の日本初公開時の邦題は「キートンの栃麺棒」であり、原題の”Seven Chances”は、ドラマの中で登場する、7人の花嫁候補を意味する。(実際は7人どころではないが・・・。)

細やかな仕草などで笑わせるコメディの面白さに加え、数百人もの花嫁候補が集結した後の、主人公の逃亡と追跡劇のアクションの迫力は凄まじく、映画史上に残る傑作シーンとなった。

内気で気弱な主人公を演ずる、バスター・キートンは、ユーモラスなシーンだけでなく、その身体能力の高さを活かした”芸術的”なアクションを存分に見せてくれる熱演で、ファンを大いに楽しませてくれる。
製作、監督、編集を兼ねる撮影当時29歳のバスター・キートンの才能には驚くばかりだ。

主人公のビジネスパートナーであり、花嫁探しに協力するT・ロイ・バーンズ、主人公に遺産の件を知らせる弁護士のスニッツ・エドワーズ、主人公が惹かれ求婚する女性ルース・ドワイアー、その母親フランシス・レイモンド、牧師のアーウィン・コネリー、雇用者のジュールズ・カウレス、そして、カントリークラブの受付係でジーン・アーサーが出演しているのも注目だ。


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