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セルピコ Serpico (1973)

ニューヨーク市警の実在の警官フランク・セルピコの警察汚職と闘いを描く、
監督シドニー・ルメット、主演アル・パチーノジョン・ランドルフジャック・キーホー他共演。

アカデミー賞 ■ ストーリー ■ 解説


ドラマ(社会派)

アル・パチーノ / Al Pacino / Pinterest


スタッフ キャスト ■
監督:シドニー・ルメット

製作
ディノ・デ・ラウレンティス

マーティン・ブレグマン
原作:ピーター・マス
脚本
ウォルド・ソルト

ノーマン・ウェクスラー
撮影:アーサー・J・オニッツ
編集
デデ・アレン

リチャード・マークス
音楽
ミキス・テオドラキス

ジャコモ・プッチーニ

出演
フランク・セルピコアル・パチーノ

シドニー・グリーン:ジョン・ランドルフ
トム・キーオ:ジャック・キーホー
ボブ・ブレア:トニー・ロバーツ
マクレイン:ビフ・マクガイア
レスリー・レーン:コーネリア・シャープ
ローリー:バーバラ・エダ=ヤング
ロンバルド:エド・グローヴァー
バーマン:ルイス・J・スタッドレン
ハーマン・タウバー:アラン・リッチ
パーマー:バーナード・バロー
刑事:F・マーリー・エイブラハム
ギャラガー:M・エメット・ウォルシュ
ドン・ルベロ:ノーマン・オルネラス

アメリカ 映画
配給 パラマウント・ピクチャーズ

1974年製作 130分
公開
北米:1973年12月5日
日本:1974年7月
製作費 $1,000,000
北米興行収入 $27,274,150


アカデミー賞 ■
第46回アカデミー賞

・ノミネート
主演男優(アル・パチーノ
脚色賞


*詳細な内容、結末が記載されています。
ストーリー ■
1971年2月3日、ニューヨークブルックリン
ニューヨーク市警(NYPD)のフランク・セルピコ(アル・パチーノ)が、張り込み中に銃撃されグリーンポイント病院に運び込まれる。

その報せを受けた、局長のシドニー・グリーン(ジョン・ランドルフ)は病院に駆けつけ、詳細な報告と警戒態勢をとるよう部下に命ずる。
__________

1959年。
警察学校を卒業し、希望に胸を膨らませ82分署に配属されたセルピコだったが、理想と現実の違いを実感する。

署内では不正が横行し、容疑者に対する警官の行過ぎた暴力などが日常茶飯事だった。

不正や暴行を許せないセルピコは、周囲の反感を買いながらも自分の主義を貫き職務を遂行する。
...全てを見る(結末あり)

グリニッチ・ヴィレッジに引っ越したセルピコは、演劇やダンスを学ぶレスリー・レーン(コーネリア・シャープ)と付き合い始める。

その後、鑑識課に配属されていたセルピコは、マクレイン分署長(ビフ・マクガイア)に転属願いを出す。

93分署に移ったセルピコは、市民に溶け込むことを理由にヒゲを生やし長髪のままで職務をこなす。

私服組となったセルピコは、市長付き刑事班に配属されたエリートのボブ・ブレア(トニー・ロバーツ)と親しくなるのだが、レスリーは他の男と結婚するため去っていく。

ある日、セルピコの元に賄賂が届き、彼はそれをブレアに話し、ある警部に相談する。

しかし、大陪審で証言して死体になるか、忘れ去ることを警部に助言されたセルピコは苦悩し、現金を巡査部長に渡し寄付してもらう。

82分署のマクレイン署長に相談したセルピコは、不正のない地区に配属されることになる。

第7地区の分署勤務になったセルピコは、知人のトム・キーオ(ジャック・キーホー)に歓迎されるが、不正がないはずの分署内の汚職は最悪だった。

落ち込むセルピコは、隣に住むローリー(バーバラ・エダ=ヤング)と付き合い始め心の安らぎを得る。

キーオに新しい相棒ドン・ルベロ(ノーマン・オルネラス)を紹介されたセルピコは、彼が賄賂で私腹を肥やす汚職警官だということを知る。

セルピコは、面倒なことになるのを承知で、マクレイン署長に不正の実態を報告するが、危険を感じ焦り始める。

ブレアの紹介で、セルピコは市長の側近バーマン(ルイス・J・スタッドレン)に不正を打ち明け、それが市長に伝わることを知り満足する。

しかし、事は簡単には進まず、セルピコは苛立ちブレアに当り散らし、二人は仲違いしてしまう。

セルピコは、キーオや仲間達の不正にはあくまで加わらず、彼らから阻害され、一層危険な立場に立たされる。

汚職警官のことで、苛立つか落ち込むかのセルピコを見て、恋人ローリーは耐え切れなくなる。

セルピコに会ったマクレインは、彼が焦り警察内部のことを外部に話したことを知り、彼のやり方を非難し立ち去ってしまう。

しかし、ようやくパーマー警視(バーナード・バロー)らが動き始め、情報だけでなく証拠を掴むためにセルピコを囮に使おうとする。

しかしセルピコは、不正を知りながらそれをもみ消していた、上層部の犠牲になる気はなく協力を拒んでしまう。

やがて、セルピコが引き止めるのも聞かず、ローリーは、彼の元を去っていく。

その後、局長のグリーンの説得でセルピコは大陪審での証言を決意する。

上層部についての証言をさせてもらえなかったセルピコは、ブロンクスの第8分署に配属され、分署長のロンバルド警視(エド・グローヴァー)に迎えられる。

組む相棒がいないセルピコに対し、ロンバルドが組むことを申し出る。

ロンバルドの協力を得たセルピコだったが、尚も保身に走る上層部の実態を知りブレアに連絡を入れる。

セルピコは、ブレアとロンバルドの協力で、ついに警察内部の不正を”ニューヨーク・タイムス”に暴露してしまう。

長官は記事内容を否定し、市長側は不正を追求する意向を表明するが、セルピコは再びブルックリンの麻薬課に転属させられてしまう。

危険と罠がはびこる麻薬課で、出過ぎた真似をするなと同僚に脅されたセルピコは、ある麻薬取引現場に向かう。

現場を押さえたセルピコは、同僚(F・マーリー・エイブラハム)らとその部屋に踏み込もうとする。

しかし、同僚らは危険にさらされたセルピコを助けず、彼は顔面に銃弾を浴びてしまう。

病院に運び込まれたセルピコは、幸いにも一命を取り留め、ブレアやロンバルド、そして両親らに見守られながら回復に向かう。

セルピコは、見舞いに来たグリーン局長に、同僚警官からの心無い言葉が書かれた手紙を見せる。

グリーンに感謝したセルピコは、名誉の証の”金バッジ”を彼からもらうが、それを返そうとする。

しかし、グリーンはそれをセルピコの胸元に戻し、彼はその真意を知り涙する。

そして、障害を残しながら退院したセルピコは公聴会で証言を行う。
__________

セルピコは1972年6月15日に警察を退職し、その直前に名誉勲章を与えられる。

その後、セルピコスイスで暮らしている。


解説 評価 感想 ■

*(簡略ストー リー)
夢を叶えて警察官になったフランク・セルピコは、汚職が横行する警察の内情を知り、理想と現実のギャップに愕然とする。
ただ一人、不正に手を出そうとしないセルピコは、同僚らから完全に阻害され、危険が迫る状況になる。
数少ない協力者の援助を頼りにして、ひたすら打開策を待つセルピコは、意を決し不正をマスコミに暴露する。
セルピコは、一応の成果を挙げるものの麻薬課に転属されて、彼は張り込み中、ついに銃弾を浴びてしまう・・・。
__________

1973年に発表されたピーター・マスの著書を基に製作された作品。

アメリカの大きな社会問題でもある警察内部の汚職に、一人で立ち向かった、勇気ある正義の男を描いた社会派ドラマで、それを得意とするシドニー・ルメットが、職務のように行われる汚職の実態を生々しく描いた問題作でもある。

第46回アカデミー賞では、アル・パチーノの主演男優と脚色賞にノミネートされた。
アル・パチーノは主演賞初ノミネート。

最終的なセルピコの闘いから、2年後に映画化されたドラマであり、当時のアメリカ国内では、主人公フランク・セルピコの存在は、予想以上に影響力が大きかった。

ドキュメントではないので仕方がないが、主人公とその個性を前面に出し過ぎる演出は、事件の本質を追求したい思いで観ると、やや物足りない感じもする。

時代背景を映し出す、主人公のファッションや、ニューヨーク市街のオールロケが興味深い。

翌年に「ゴッドファーザーPARTII」を控え、30歳前半にして既に絶頂期を迎えているとも言えるアル・パチーノは、孤立無援に近い状況下で、死をも覚悟しながら職務を遂行する警官を、圧倒的な存在感で演じ切っている。
小柄でうつむき加減の彼が、大柄な共演陣とのショットでも、全く見劣りしないところなどを注目してもらいたい。
月並みな言い方だが、他の役者達とは発するオーラが違うと言えばそれまでで、何も語らずも、上目遣いに目を見開いた精悍な表情だけで、時間の流れを止めてしまうような、とにかく”雰囲気”のある素晴らしい役者だ。

主人公に厳しく接しながらも、彼を支える局長ジョン・ランドルフ、同じくトニー・ロバーツブロンクスの分署長のエド・グローヴァー、ブルックリンの分署長ビフ・マクガイア、恋人コーネリア・シャープとバーバラ・エダ=ヤング、そして、デビュー2作目のF・マーリー・エイブラハムM・エメット・ウォルシュが刑事役で登場する。


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