1990年に発表された、スティーヴン・キングの短編小説”Secret Window, Secret Garden”を基に製作された作品。 盗作を疑われた人気作家の周辺で起きる怪事件を描く、監督、脚本デヴィッド・コープ、主演ジョニー・デップ、ジョン・タトゥーロ、マリア・ベロ、ティモシー・ハットン他共演のスリラー。 |
■ スタッフ キャスト ■
監督:デヴィッド・コープ
製作:ギャヴィン・ポローン
製作総指揮:エズラ・スワードロウ
原作:スティーヴン・キング”Secret Window, Secret Garden”
脚本:デヴィッド・コープ
撮影:フレッド・マーフィ
編集:ジル・サヴィッテ
音楽
フィリップ・グラス
ジェフ・ザネリ
出演
モートン”モート”レイニー/ジョン・シューター:ジョニー・デップ
ジョン・シューター:ジョン・タトゥーロ
エイミー・レイニー:マリア・ベロ
テッド”テディ”ミルナー:ティモシー・ハットン
ケン・カーシュ:チャールズ・S・ダットン
デイヴ・ニューサム保安官:レン・キャリオー
ガーヴェイ夫人:ジョーン・ヘンニー
アメリカ 映画
配給 コロンビア・ピクチャーズ
2004年製作 96分
公開
北米:2004年3月12日
日本:2004年10月23日
製作費 $40,000,000
北米興行収入 $47,781,390
世界 $92,913,170
*詳細な内容、結末が記載されています。
■ ストーリー ■
人気作家モートン”モート”レイニー(ジョニー・デップ)は、妻エイミー(マリア・ベロ)とテッド”テディ”ミルナー(ティモシー・ハットン)の浮気現場を押さえ、その後、二人は別居する。
6か月後、アップステート・ニューヨーク。
タシュモア・レイクの町から離れた山のキャビンに住んでいたモートは、ある日、現れたジョン・シューター(ジョン・タトゥーロ)と言う男から、自分の作品を盗作したと言われる。
シューターを追い払ったモートは、入り口に置いてあった”種まきの季節”という彼の作品の原稿を手にする。
その原稿を捨てたモートだったが、家政婦のガーヴェイ夫人(ジョーン・ヘンニー)が、必要な物と思いテーブルの上に戻してあった。 それを読んでみたモートは、かつて出版された自分の著書の内容と同じ文だったために驚いてしまう。 モートは、盗作などしていない・・・してないはずだ・・・と考えながらソファーで眠ってしまう。 翌朝、エイミーの電話で起こされたモートは、他愛もない話をする。 その後、森を歩いていたモートはシューターに出くわし、原稿は読んだが、書いた時期が問題だと伝える。 そのためにミシシッピから来たと言うシューターは、7年前の1997年に書いた原稿をどうやって盗んだかをモートに問う。 モートは、自分が書いたのは1994年で、雑誌に掲載されたのが翌年のため盗作はあり得ないと答える。 納得しないシューターは、3日間の猶予を与え、今はエイミーの家にあるその雑誌を送らせるよう指示する。 モートは、雑誌を見せれば消えることをシューターに確認する。 その夜モートは、入り口の外の電球が割られていることに気づき、愛犬チコが殺害されているのを発見する。 モートは、シューターの仕業だと確信して復讐を誓う。 チコを埋葬したモートは、保安官デイヴ・ニューサム(レン・キャリオー)にシューターのことを伝えて調査を依頼するが、真剣に対応してもらえない。 高齢者の保安官に不安を感じたモートは、私立探偵のケン・カーシュ(チャールズ・S・ダットン)にその件を相談する。 エイミーの家の様子を見てキャビンに戻ったモートは、その場で待っていたケンから、シューターの宿を突き止めて脅してみると言われる。 ケンが帰った後、人の気配を感じたモートは家の中を調べ、浴室にいると思われる誰かに殴り掛かる。 しかし、それが鏡に映った自分であることに気づいたモートは、シャワー・ドアも割ってしまい、浴槽にいたネズミを捕えてそれを外に逃がす。 そこにシューターが現れ、雑誌など存在しないと言い放ち、消える条件として、結末を書き直して出版するようモートに指示する。 シューターはエイミーのことを話しに出してモートを脅し、その場を去る。 翌日、エイミーからの電話を受けて、家に放火されたことを知らされる。 家に向かったモートはエイミーとテッドと共に、誰かに恨まれているかを刑事に聞かれ、二人はそれを否定するものの、モートは一人いると答える。 モートとエイミーは保険会社の調査に対応し、付き添ったテッドを部外者だと言ってモートが追い出す。 エイミーから盗作の件を聞かれたモートは、同じようなことをしたのは過去に一回だけだと答える。 戻って来たテッドに言いがかりをつけたモートは、彼と話をつけることになる。 早く離婚してけりをつけるよう言われたモートは、テッドの出身地を聞いてテネシー州の”シューターズ・ベイ”だと言われ、シューターとの関係を考える。 キャビンに戻ったモートはケンからの電話を受け、シューターが昨日現れ、雑誌が火事により燃えてしまったことを伝える。 ケンは、出版社に連絡して、雑誌のバックナンバーを送らせたことをモートに伝える。 森でシューターといたところを車で通りがかり目撃したトムも調べたケンは、彼が誰かに脅されているように思えたことを伝える。 シューターが人に見られてまずいことがあるのか疑問に思うモートに、ケンは彼が何かを企んでいる可能性を伝える。 恨みを持つ誰かに雇われた者が、要求以上の行動に出て、犬を殺し放火したとも考えられた。 モートはそれがテッドだと確信し、名前も出身地からとった”シューター”にしたとケンに伝える。 ケンは、シューターがその場に現れた証拠があるかをモートに尋ね、腕を掴まれたアザが残っていることを知らせる。 トムに会って原稿とアザを見せて真実を語らせることを考えたケンは、翌日、待ち合わせすることをモートに伝える。 翌朝、9時の約束にも拘らず10時過ぎまで眠ってしまったモートは焦り、車の鍵がないことに気づく。 入り口の外にはシューターの帽子が置かれ、車はいじられていて、モートは、自分が吸うタバコ”ポールモール”の吸い殻も見つける。 帽子をビニール袋に入れたモートは、待ち合わせの店に向かうものの、ケンとトムの姿はなく、彼らが来た気配もなかった。 キャビンに戻る途中、ガソリンスタンドでテッドを見かけたモートは、彼に話しかけ全てお見通しだと言って探りを入れる。 テッドがエイミーの離婚届を持参し、とにかく決着をつけたいと言ってきたため、脅しは通用しないと仲間(シューター)に伝えておけとモートは警告する。 キャビンに戻ったモートはシューターからの電話を受け、先日、会った森の小道に行くよう指示され、午後に会うことになる。 その場に向かったモートは、トムの車と惨殺された彼とケンの死体を発見し、ショックで気を失ってしまう。 目覚めたモートは、その場にシューターがいたため逃げようとするが、犯人として疑われると言われる。 どうすればいいのか尋ねるモートは、小説を書き直し盗作を認めるよう要求される。 雑誌があると言うモートだったが、小説は存在しないと念を押され、それがあるなら2時間以内に持ってくるようシューターに指示される。 死体を始末しろとも言われたモートは、警察に通報したり雑誌を見せない場合は、周囲の者全員を殺すと脅される。 証拠があれば、自首して裁判の前に自ら命を絶つと言い残し、シューターはその場を去る。 モートは、車を湖に落下させてキャビンに戻り、エイミーからの電話を受け、彼女が自分を心配しているのかと考えるが、結局は離婚届にサインさせるのが目的だと分かる。 裏切ったのはどっちだと言われ電話を切られたエイミーは、一人でモートのキャビンに向かう。 郵便局に届いた雑誌のバックナンバーを受け取ったモートは、ニューサム保安官に呼び止められるものの、時間がないため連絡すると言ってその場を去る。 テッドはエイミーが心配になり、彼女の後を追う。 モートは届いた雑誌を確認するが、証拠となるページが切り取られていた。 どうやって切り取ったのか考えつかないモートは、混乱して、もう一人の自分に今までの行動を追及される。 エイミーとテッドの浮気現場で銃を所持していたことと、シューターは存在せず、自分で作り上げたものだと言われたモートは苛立つ。 そこに現れたシューターは、モートが作り上げた自分は存在していて、放火やトムとケンの殺害をさせたと語る。 シューターを作った理由が、小説の結末を変えるためだと悟ったモートは、それをどう実行するかを考える。 そこにエイミーが現れ、”シークレット ウインドウ”の切り取られたページを拾う。 部屋に入ったエイミーは、内部が荒らされていることと、家中に刻まれた”SHOOTER”の文字に気づく。 その場にいたモートの背後の壁には”SHOOT HER”(彼女を撃て)と大きく刻まれていた。 自分は”モート”ではなく彼は自殺したと言うモートは、エイミーにハサミで襲い掛かるものの逃げられる。 車で逃げようとするエイミーを引き摺り下ろしたモートは、彼女をキャビンの中に連れ込み、ドライバーで足を刺す。 裏口から飛び出したエイミーは転んでしまい、モートはスコップを持って彼女を埋めると言いだす。 自分を認めないモートに本人だと伝えたエイミーだったが、現れたテッドがモートに殺される。 そしてモートは、小説の結末をエイミーに語る。 ある日、町に向かったモートが近づいたため、以前は好意を示していた郵便局員の女性は彼を避ける。 その後、ニューサム保安官はモートを訪ね、キッチンにある大量のトウモロコシに気づく。 二階にいたモートは、トウモロコシのランチを食べていた。 ニューサムは、今は証拠がないが、死体を見つけて逮捕することを伝え、人々が怯えるため、それまでは町に来ないようモートに警告する。 それを承知したモートは、重要なのは結末であり、これは完璧だと保安官に伝える。 そしてモートは、キャビンに隠されていた”秘密の窓”から見える、裏庭の畑でとれたトウモロコシを食べる。
...全てを見る(結末あり)
(畑に死体が埋められていることが連想される)
*(簡略ストー リー)
アップステート・ニューヨーク。
人気作家モートン”モート”レイニーは、妻エイミーの浮気を機に別居してキャビンで暮らしていた。
ある日モートは、現れたシューターという男から、小説を盗作したと言われる。
時期的にはモートの小説が早く発表されたのだが、シューターは、その証拠となる掲載された雑誌を見せることを要求する。
愛犬を殺されたモートは、保安官のニューサムや私立探偵のケンに相談するものの、尚もシューターに証拠を見せるよう迫られる。
そんな時、エイミーに渡した家が放火されて全焼してしまい、証拠の雑誌も渡せなくなったモートは困惑する・・・。
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スティーヴン・キングの原作作品を、人気スター、ジョニー・デップが演ずることで話題になった作品。
意外な展開という宣伝ではあったが、序盤から真相は予想がつく内容であり、それが意図的だとも言えるヒントが散りばめられている。
良くも悪くもジョニー・デップの魅力に支えられた作品であり、デヴィッド・コープの演出と脚本は単調で、スリラーとしての緊迫感などにも欠ける。
北米興行収入は約4700万ドル、全世界では約9300万ドルで、ジョニー・デップ作品ではあるが、地味な作品だけにまずまずの健闘といったところだろうか。
脇を固める助演陣が魅力的で、謎の男を不気味に演ずるジョン・タトゥーロ、主人公の妻を演ずるマリア・ベロ、その浮気相手を演ずるティモシー・ハットンらが、個性を生かした実力派らしい演技を見せてくれる。
私立探偵のチャールズ・S・ダットン、保安官のレン・キャリオー、キャビンの家政婦ジョーン・ヘンニーなどが共演している。